- リベロになったけれど、何を練習すればいいのかわからない
- レシーブの本数はこなしているのに、守備範囲が広がらない
- 拾えてはいるのに、セッターまで返らず攻撃につながらない
こんな悩みを解決します。
リベロの練習は、1歩目・面の向き・つなぎの3つに分けて積むのがいちばんの近道です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、守備範囲が広がらない選手ほど、レシーブの本数だけを増やしていました。
とれる範囲を決めているのは腕の長さではありません。構えと1歩目です。ここを切り分けて練習すると、同じ本数でも伸び方が変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 守備範囲を広げる構えと1歩目の作り方がわかる
- サーブレシーブと強打で面の使い方を変える基準がわかる
- 6つのドリルを練習にどう組み込むかがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:リベロの練習は1歩目・面・つなぎに分けて積む

先に結論からお伝えします。リベロの練習でやることは、① 1歩目を速くする。
② 面をどこへ向けるかを決める。
③ 触った後を味方が使える形にする。の3つだけです。
この3つはそれぞれ別の力なので、まとめて練習しても伸びません。反対に、分けて取り組めば1つずつ結果が出ます。
たとえば守備範囲が狭い選手は①の問題、返球が乱れる選手は②の問題。同じレシーブでも、直す場所はまったく違います。
サルくんとにかくたくさん拾えばうまくなると思っていました…。



本数より、どこを直すかを決める方が先ですよ。
この記事では、3本柱に対応する6つのドリルを紹介します。
- 目線の高さを変えずに2歩で止まる
- スプリットステップから左右へ入る
- 止まって面をセッターへ向ける
- 下がりながら深いサーブをとる
- 目線を固定して強打をコート中央へ上げる
- ハンズアップでフェイントとワンタッチに反応する
まずは、なぜ1歩目から手をつけるのかを整理します。
守備範囲を決めているのは腕ではなく1歩目


リベロの守備範囲は、腕をどれだけ伸ばせるかでは決まりません。ボールが落ちる場所へ、何歩で入れるかで決まります。
腕を伸ばして届く距離は、せいぜい1m前後です。ところが1歩目が速い選手は、同じ時間で2m以上先まで移動できます。



腕デ届ク距離ヨリ 足デ動ケル距離ガ広イ
だから最初に取り組むのは、腕の使い方ではなく構えと動き出しです。ここが変わると、今まで見送っていたボールに手が届くようになります。
構えは肩幅より広く、肘を後ろに下げない
構えで見るポイントは3つあります。足幅・重心・肘の位置です。
足幅は肩幅より広くとり、つま先はやや外向き(15度くらい)に開きます。左右の足はほぼ横並びにして、前後にずらしすぎないようにしてください。
そのうえで股関節を曲げ、重心を母指球(ぼしきゅう)に乗せます。かかとに体重が乗ると動き出しが半歩遅れるのは、床を押す準備ができていないからです。
そして意外と見落とされるのが肘です。肘が体の後ろに下がっていると、面を作る位置まで肘を大きく前へ運ぶことになります。
肘が止まりきる前にボールが当たると、余計な力が加わって思ったより飛んでいってしまいます。理想は、膝と肘が縦方向でそろっている構えです。
- 足幅は肩幅より広く、つま先はやや外向き
- 重心は母指球に乗せ、股関節を曲げる
- 肘は前に置き、膝と肘が縦にそろう



肘の位置は考えたことがなかったです。



面が先に完成していると、飛びすぎがぐっと減りますよ。
動き出しは抜重とスプリットステップを使い分ける
動き出しの方法は1つではありません。ボールまでの距離で使い分けます。
速いボールに対しては、抜重(ばつじゅう)を使います。膝の力をふっと抜いて、体を落とす勢いをそのまま横移動に変える動き方です。
少し距離があるボールには、スプリットステップの方が合います。相手が打つ直前に小さく跳んで、着地の反動で狙った方向へ出ていきます。
この2つを場面で切り替えられると、近くのボールにも遠くのボールにも遅れなくなります。
どちらか一方だけで守ろうとするから、片方の距離で必ず出遅れるわけです。



近イ球ハ抜重 遠イ球ハスプリットステップ
【ドリル①②】1歩目を速くする2つの練習
ここからは実際のドリルに入ります。まずは1歩目、つまり守備範囲を広げるための2つです。
どちらも1人か2人でできて、コート半面もあれば足ります。部活の練習前の10分でも組み込めます。
ドリル①:目線の高さを変えずに2歩で止まる
リベロが速い打球に負ける原因の多くは、動いている最中に体が上下することです。目の高さが揺れると、ボールの落ちる位置を読み違えます。
そこで、目線の高さを保ったまま移動して止まる練習をします。
ポイントは、止まる前に面を作ってしまうことです。止まってから腕を組むと、速い球には確実に間に合いません。
慣れてきたら、パートナーに軽いボールを投げてもらいます。目の高さが変わっていなければ、落下点の読みがはっきり合ってくるはずです。



動きながら目線を止めるって、けっこうきついです!



きついところが鍛えられている証拠ですよ♪
ドリル②:スプリットステップから左右へ入る
次は、少し距離のあるボールへ入る練習です。相手の打つ瞬間に合わせて動き出す感覚を体に入れます。
大事なのは、跳ぶタイミングを相手の腕に合わせることです。ボールが手から離れてから跳ぶと、動き出しがまるごと遅れます。
止まる意識も忘れないでください。走りながら腕を出すと面が振れて、返球がどこへ飛ぶか読めなくなります。
最短距離で入り、最後は止まる。この順番がリベロの移動の基本です。
【ドリル③④】サーブレシーブを安定させる2つの練習
リベロの評価は、サーブレシーブがどれだけセッターに返るかで大きく変わります。ここでは面の向きと、前後の動きを分けて練習します。
先に基準を整理しておきます。
返球の質は、セッターがそのまま上げられればAパス、動かされてもクイックが使えればBパス、二段トスなら攻撃できる形がCパスです。
チームとして目指したいのは、5本のうちAパス2本・Bパス2本・Cパス1本という配分になります。サーブレシーブから直接失点しない、という水準です。
ドリル③:止まって面をセッターへ向ける
サーブレシーブで最初に覚えたいのは、面をどこへ向けるかではないでしょうか。
ボールが放たれたら、面はセッターの方向へ向けて準備します。真上へ高く上げてから方向を直す、という順番ではありません。
ただし、点で狙おうとすると面の角度がシビアになりすぎます。目標は、セッター方向へ味方がつなげる余裕のある高さで返すことです。
面の上にノートが載っていて、絵が描いてあると想像してみてください。その絵が、返球の前も後もセッターから見えている状態が理想です。
腕は振りません。時間に余裕があるボールは、面を作って足で運ぶ方が正確です。



腕を振らないと飛ばない気がします…。



足で運べば届きます。振ると面が動いてしまうんですよね。
ドリル④:下がりながら深いサーブをとる
前後の判断は、多くの選手がつまずくところなんです。とくに前に落ちるサーブに苦手意識があると、立ち位置がどんどん深くなります。
おすすめは、スタート位置を少し前にして、打たれてから下がりながらとる形です。前傾姿勢を崩さないことだけを守ってください。
【ドリル⑤⑥】強打とフェイントを拾い分ける2つの練習
ラリー中の守備は、サーブレシーブとは考え方が変わります。ここを同じつもりでやると、力んで面が振れます。
味方のブロックが締めているコースの後ろにいるときは、強打は思い切って捨ててかまいません。そのかわり、ブロックの上から来るボールに全部反応します。
反対に、ブロックが締めていないコースに入るときは強打が本命です。足幅を広く、低い姿勢で、肘を前に置いて待ちます。



締メテイル後ロ=上カラ来ル球 締メテイナイ=強打
ドリル⑤:目線を固定して強打をコート中央へ上げる
強打を拾うときの返球目標は、セッターではありません。アタックライン上、ネットから4.5mあたりのコート中央へ高く上げるのが正解です。
強打は速すぎて、セッターへピンポイントで返そうとすると力みます。力めば面が振れて、そのままコート外へ弾きます。
コート中央へ高く上がってさえいれば、セッターや味方が入って次につなげられます。直接失点しなければ十分に合格です。
私の指導現場でも、最初から強い球は打ちません。軽い球から始めて、面が残るようになってから少しずつ速さを上げます。
ドリル⑥:ハンズアップでフェイントとワンタッチに反応する
味方がストレートを締めている後ろを守るときは、役割が変わります。担当は、フェイント・ハーフショット・ワンタッチの3つです。
このとき手を下げて待っていると、ブロックの上を抜けてくる速い球に間に合いません。手のひらは顔の横から肩の前あたりに置いて待ちます。
しっかりハンズアップして待つ、という一言を覚えておいてください。
前に落ちる球へ反応するときも、目線の高さは変えません。飛び込む前に、まず足で詰められないかを考えます。
拾った後をつなぐ二段トスはアンダーで上げる
リベロは第2のセッターと呼ばれることがあります。セッターが1本目をとった場面では、2本目を上げるのがリベロの仕事になるからです。
ここでルールを1つ確認しておきます。リベロがフロントゾーン内で指を使ったオーバーハンドパスで上げた球は、味方がネット上端より高い位置で打つと反則になります。
つまりネット近くでは、指で上げると味方が打てません。
アンダーハンドトスで上げるか、アタックラインより後ろまで下がってからオーバーで上げるかの2択です。
正式な条文を確認したいときは、日本バレーボール協会がルールブックの案内を公開しています。



知らずにオーバーで上げていました…。



位置で選ぶと覚えておけば大丈夫ですよ。
アンダーで上げるときのコツは、腕の力に頼らないこと。出したい方向へ正面を向き、重心を移動しながらていねいに押し出します。
ボールが後方に来て間に合わないときは、横を向いて肩のラインで上げます。おへそがボールより後ろにある状態から、アタッカーと遠い方の足で床を蹴って、アタッカー方向へ重心を運びます。
リベロの練習でつまずく3つの失敗
同じメニューをやっていても、伸びる選手と止まる選手がいます。差がつくのは、たいてい次の3つです。
失敗①:サイドライン際に立ちすぎている
守備範囲を広く見せたくて、ラインぎりぎりに立つ選手がいます。気持ちはわかりますが、これは逆効果になりがちです。
相手にとって、サイドライン際へ速いサーブを50cmの精度で通すのは難しい仕事です。空けているのは、相手がいちばん打ちやすい真ん中のエリアになります。
立ち位置は、いちばん多く飛んでくるコースを基準に決めてください。
失敗②:強打をセッターへ返そうとして力む
強打をセッターの手元へ返そうとすると、面の角度が1度単位で必要になります。速い球にそれを合わせるのは、現実的ではありません。
結果として腕に力が入り、面が振れて、コート外へ弾きます。狙いをコート中央へ変えるだけで、つながる本数がはっきり増えます。
失敗③:飛び込みから練習を始めてしまう
フライングレシーブや回転レシーブは、見た目が派手で憧れる選手が多いんですよね。ただ、いきなり立った状態から飛び込むのは怪我のもとになります。
そもそもこれらは、ふだんのフットワークで届かないボールにだけ使うものです。どんどん飛べばいい、というプレーではありません。
練習は両膝をついた形から始めて、片膝、立位と段階を上げます。段階を踏むほど恐怖心が減り、怪我のリスクも下がります。



飛ビ込ミハ最後ノ手段 マズハ足デ届カセル
6つのドリルを練習に組み込む順番
6つを一度に全部やる必要はありません。1回の練習で3本柱のうち2つに触れられれば十分です。
おすすめは、前半に1歩目、中盤にサーブレシーブ、後半にラリーの守備という並びです。
1人で練習できる日は、壁を使って面の角度を確認します。壁から2mほど離れ、同じ高さへ返し続けると、面が振れているかどうかがすぐわかります。
自分のフォームをスマホで撮り、理想とする選手の動きと見比べる方法も効果があります。
まとめ:1歩目と面がそろえば守備範囲は広がる
この記事では、リベロの練習を1歩目・面の向き・つなぎの3つに分けて解説しました。
守備範囲は腕ではなく1歩目で広がり、返球の質は面をどこへ向けるかで決まります。
| 練習の柱 | 対応するドリル | 意識すること |
|---|---|---|
| 1歩目 | ドリル①② | 目線の高さを保ち、最後に止まる |
| 面の向き | ドリル③④ | セッター方向へ面を向けて足で運ぶ |
| ラリーの守備 | ドリル⑤⑥ | 強打はコート中央へ高く上げる |
| つなぎ | 二段トス | 位置でアンダーとオーバーを選ぶ |
私は元日本代表として、また指導者として長く現場に立ってきましたが、守備範囲が広がる選手は例外なく足の使い方が変わっていました。



明日から1歩目のドリルをやってみます!



いいですね。2週間続けたら、届く球が変わってきますよ♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ポジション別の役割については他にも記事を書いています。 気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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