バレーのディグとは|レセプションとの違いと拾うコツ5つ

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バレーのディグとレセプションの違いと拾い方を解説するアイキャッチ
  • 練習で「ディグ」と言われても、どのプレーを指すのかはっきりしない
  • サーブは返せるのに、スパイクになると弾いて終わってしまう
  • 拾ったボールがコートの外へ飛んでいき、つなげられない

こんな悩みを解決します。

ディグとは、相手のサーブ以外のボールを拾う守備のレシーブのことです。

スパイク・フェイント・ブロックのワンタッチなど、攻撃されたボールを床に落とさないプレーがまとめてディグと呼ばれます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、ディグが苦手な選手ほど、サーブレシーブと同じ返し方でスパイクを受けようとしていました。

サーブとスパイクでは球の速さも高さも違うので、狙う場所も構え方も変わります。この違いを知るだけで、拾える本数は大きく変わってくるものです。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • ディグとレセプションの違いがはっきりわかる
  • 強打を拾うときにどこへ返せばいいかの基準が手に入る
  • 味方のブロックに合わせた守り方が身につく

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:ディグはセッターへ返すよりコート中央へ高く上げる

ディグで腕を振って弾く悪い例とコート中央へ高く上げる正しい例の比較図

先に結論からお伝えします。ディグでいちばん大事なのは、きれいにセッターへ返すことではなく、コート内へ高く上げて次につなぐことです。

ディグで押さえる3つの基準
  1. 返球の目標=アタックライン上・コート中央あたり(ネットから約4.5m)へ高く
  2. 構え=足幅を広く、目の高さを一定に保つ
  3. 役割=味方ブロックが締めているコースかどうかで守るものを変える

強打は速すぎるので、セッターの位置をピンポイントで狙うと、体に力が入って面が振れてしまいます。狙う的を大きくするほど、返球は安定していくんです。

サルくん

ディグでもセッターに返さないと怒られませんか…?

あげば

強打は別だよ。まずコートの中央に高く上げれば、誰かが入って攻撃までつなげられるからね。

コート中央へ高く上がれば、セッターでも味方でも下に入る時間が生まれます。直接失点しなければ、その1本は十分に合格です。

ここからは、レセプションとの違い → 拾うコツ5つ → ブロックとの役割分担 → 失敗例 → 練習の順に見ていきます。

ディグとレセプションの違いは「守る相手」と「返す場所」

まず用語を整理しておきます。レシーブは大きく2つに分かれ、サーブを受けるプレーがレセプション、それ以外を拾うプレーがディグです。

英語のdigには「掘る」という意味があります。低い姿勢でボールの下へ手を入れる形が、地面を掘る動きに似ていることからきた呼び方です。

項目レセプションディグ
受けるボール相手のサーブスパイク・フェイント・ワンタッチ
返す目標セッターへ面を向けて返すコート中央あたりへ高く上げる
構えの高さ前傾を保った中腰さらに低く、目の高さを固定
準備できる時間打つ前に位置を決められるトスを見てから動くことが多い

同じレシーブでも、目標がここまで違います。レセプション=セッターへ、ディグ=コート中央へと覚えておくと、試合中に迷わなくなります。

バボット

サーブハ受ケル・スパイクハ拾ウ

もう1つの違いは、準備できる時間の長さです。サーブは相手が構えてから打つまでに間がありますが、スパイクはトスが上がってから1秒ほどしかありません。

その短い時間で判断するために、ディグでは相手の助走とトスの位置を先に見ます。ボールが手から離れてから動き出すのでは、どうしても間に合わないからです。

なお、味方のブロックが触れたボールは、そのチームの3回のタッチには数えません。

ワンタッチを拾ってからでも、攻撃までの3回は残っています(競技規則は公益財団法人日本バレーボール協会の公式サイトで確認できます)。

ディグで拾うコツ5つ

ディグで拾うコツを示す足幅を広げた低い構えと肘を前に置く姿勢の図解

ここが記事の中心です。強い打球を拾うために、次の5つを順番に確認してみてください。

コツ①:目の高さを一定に保って構える

最初に整えるのは目線の高さです。速い打球に対しては、低い姿勢で構えて、目の床からの高さを動かさないことを意識します。

ボールを追いかけて上下に動くと、そのたびに景色が揺れます。景色が揺れれば、落ちてくる場所の見え方もずれてしまうものです。

低い姿勢を最初に作っておけば、あとは前後左右に運ぶだけで対応できます。構えてから沈み込む時間も節約できるので、一歩目が早くなります。

コツ②:足幅を広くして肘を前に置く

次は構えの形です。足幅は肩幅より広くとり、つま先はやや外向きに開きます。

サルくん

手はどこに置いておけばいいですか?

あげば

肘が後ろに下がらない位置だね。膝と肘が縦にそろうくらいが理想だよ。

肘が後ろにあると、面を作るまでに腕を大きく前へ運ぶ必要があります。腕が止まる前に当たると余計な力が加わり、ボールが思った以上に飛んでしまうんです。

最初から肘を前に置いておけば、面はその場で完成します。速い打球ほど、この準備の差がそのまま結果に出てきます。

コツ③:腕を振らずに面で止める

3つ目は腕の使い方です。強打に対しては腕を振らず、作った面にボールを当てて勢いを止めます。

振ってしまうと、ボールの速さに自分の力が上乗せされます。その結果、天井に届くほど高く上がったり、コートの外へ飛び出したりするわけです。

当てる場所は前腕の中央あたりが基本になります。手首に近い硬い部分に当てると跳ね返りが強く、内出血の原因にもなるので避けてください。

サルくん

当てるだけで、ちゃんと上がるんですか!?

あげば

相手が飛ばしてくれているからね。こちらは高さの調整をするだけでいいんだ。

体勢が苦しいときや、膝をついて低い球を拾うときは腕を振ってもかまいません。必要な高さが出ないなら、そこは例外として振っていきます。

コツ④:打点とトスの位置から落ちてくる場所を決める

4つ目は、打たれる前の予測です。相手の打点の高さと、トスがネットからどれくらい離れているかを見ておきます。

ネットに近いトスなら鋭角に落ちてきますし、離れたトスなら伸びる打球になります。ベストな打点で強打された場合を想定して、アンダーで対応できる位置に立つのが基本です。

自分がいちばんコントロールしやすい面の高さは、人によって違います。その高さへ飛んでくるように立ち位置を決めておくと、無理な体勢が減っていきます。

コツ⑤:届かない距離はスプリットステップで詰める

最後は足の使い方です。少し距離のあるボールには、打たれる直前の小さなジャンプ(スプリットステップ)で反応します。

もっとも速いのは、ブロックの上を抜けて奥に落ちてくる打球です。この球は反応が一歩遅れると届かないので、着地の反動を使って動き出します。

近い距離のボールは、膝を抜いて重心を落とす動き(抜重)のほうが速く動けます。距離によって使い分けると、届く範囲が広がっていくものです。

味方のブロックによって守るものが変わる

ディグは1人で完結するプレーではありません。味方のブロックがどのコースを塞いでいるかで、自分が守るものが決まります。

締めているコースの後ろは強打を捨てる

味方がストレートを締めているなら、そのコースの後ろを守る選手に強打はほとんど飛んできません。塞がれた場所へ打ち込むのは難しいからです。

この場合に担当するのは、フェイント・ハーフショット・ワンタッチといった、ブロックの上を越えてくるボールになります。

ブロックの後ろで待つときの3点
  • 手のひらを顔の横から肩の前あたりに置いてハンズアップする
  • 強打はブロックに任せ、落とされる球に全対応する
  • 触ったあとに誰がつなぐかを、事前に確認しておく

手を下げて待っていると、ブロックの上を通る速い球には間に合いません。私が現場で必ず伝えているのも「しっかりとハンズアップして待ちなさい」という一言でした。

空いているコースは低く広く構える

反対に、ブロックが締めていないコースに入る選手は強打が飛んでくる担当です。足幅を広く、姿勢を低く、目線を固定して待ちます。

肘を前に置いて面をいつでも完成させられる状態にしておけば、ミートの強い打球にも合わせられます。ここでも腕は振らず、止めることを優先してください。

サルくん

自分がどっちの担当かは、試合中どうやって決めるんですか?

あげば

トスが上がった瞬間に、味方のブロックがどこを塞ぐか見るんだ。そこから逆算すると決まるよ。

ブロックとレシーブは、セットで1つの守備になります。誰がどこを守るかが決まっていれば、コートの空きは自然と埋まっていきます。

ディグでやりがちな3つの失敗

コツを知っていても、試合になると出やすい形があります。指導現場でよく見かけるのは、次の3つでした。

失敗①:セッターへ点で返そうとして力む

いちばん多いのが、レセプションと同じようにセッターを狙ってしまう形です。強打を点で返そうとすると、面の角度がシビアになります。

角度を合わせようとした瞬間に肩へ力が入り、面が振れて弾きます。まずはコート中央へ高く、と決めておくほうが結果的につながるんです。

失敗②:とっさにオーバーで弾いてしまう

2つ目は、下に入る時間がないからと反射的にオーバーで触る形です。弾く動きは接触の時間が短く、面のずれがそのまま返球のずれになります。

ディグでオーバーを使うのは、頭上を速い球が通過して下に入れないときの最終手段です。使う場面では、手のひらを通過点に先に置き、手首に力を入れて持ち上げます。

サルくん

とっさに手が出てしまって、いつも弾いてしまいます…。

あげば

それは準備の問題だね。先にハンズアップしておけば、あわてて出す形は減っていくよ。

中学生年代は指の筋力が育ちきっていないので、速い球をオーバーで扱うのは難しくなります。届く範囲ならアンダーで、と決めておくほうが安全です。

失敗③:飛び込みばかりで拾いにいく

3つ目は、最初から飛び込むつもりで待っている形です。フライングやパンケーキは、普段のフットワークで届かない球にだけ使います。

飛び込む前提で構えると重心が前に偏り、正面の球への反応がかえって遅くなります。まず足で入る、届かないときだけ飛ぶ、という順番を守ってください。

ディグが上達する練習メニュー3つ

ここからは実際の練習です。強い球をいきなり受けるのではなく、段階を踏んで慣らしていきます。

STEP
軽い打球を10本受け、コート中央へ高く上げる形だけを固める
STEP
台の上から打ってもらい、目の高さを変えずに20本連続で拾う
STEP
ブロック2枚を立てて、締めたコースの後ろでハンズアップして待つ

1つ目は、返す場所を体に覚えさせる練習になります。上がった高さと落ちた場所を毎回声に出すと、基準がそろっていきます。

2つ目は、姿勢を保つための練習です。スマホで横から撮影し、目の高さが上下していないかを見比べると、直す場所がはっきりします。

3つ目は、役割分担を確認する練習になります。強打を捨てて落とされる球に全対応する感覚は、実際にブロックを立てないとつかめません。

サルくん

段階を踏めば、強い球でも怖くなくなりそうです!

あげば

そのとおり。いきなり全力の球を受けさせると、バレーが嫌いになってしまうからね。

拾えた本数を毎回数えておくと、上達が数字で見えてきます。10本中何本がコート内へ上がったかを記録するだけで十分です。

よくある質問

ディグは必ずアンダーで取らないといけませんか?

基本はアンダーです。オーバーを使うのは、頭上を速い球が通過して下に入る時間がどうしてもないときの最終手段だと考えてください。使う場面では、手のひらをボールの通過点に先に置き、手首に力を入れて持ち上げます。

拾ったボールはどれくらいの高さまで上げればいいですか?

味方が下に入って、次のトスまで準備できる高さが目安です。低く速く返すより、コート中央あたりへ高く上げるほうが、セッターも味方も入りやすくなります。

ワンタッチのボールが拾えません。どう準備すればいいですか?

ブロックの後ろを守る選手が、手を上げた状態で待つのが第一歩です。ブロックに当たった球は勢いが落ちて短く落ちるので、下がって待つより一歩前で構えると届く範囲が広がります。

身長が低くてもディグは上達しますか?

上達します。ディグで求められるのは高さではなく、低い姿勢を保つ力と一歩目の速さです。低い重心を作りやすい選手のほうが、強打への対応では有利になる場面もあります。

まとめ:ディグはコート中央へ高く上げれば合格

最後に要点をふり返ります。ディグとは、サーブ以外のボールを拾う守備のレシーブで、狙うのはセッターの位置ではなくコート中央の高い返球です。

場面守るもの最優先の行動
ブロックが締めているコースの後ろフェイント・ハーフショット・ワンタッチハンズアップして待つ
ブロックが空いているコースの後ろ強打足幅を広く低く構え、肘を前に置く
届かない距離のボールつなぐことスプリットステップで反応し、足で入る

私は元日本代表として多くの試合を見てきましたが、粘り強いチームほど、拾ったボールが必ずコートの中央へ上がっていました。1本つながれば、そこから攻撃はやり直せます。

サルくん

まずは目線を下げて、面で止めるところから練習します!

あげば

それでいいんだ。拾える範囲が広がると、バレーはもっと楽しくなるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

レシーブについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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