- いつも「声を出せ!」と怒られるけど、何て言えばいいのか分からない
- そもそも、どんな声を出せばいいのか具体的に知りたい
- 恥ずかしくて声が出せない。でも声を出せるようになりたい
こんな悩みを解決します。
僕は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
実は僕自身、中学生の頃やサッカーをしていた小学生の頃は「恥ずかしくて声を出せない」タイプの人間でした。それでも声を出す必要性を理解して続けた結果、Vリーガーになり、日本代表として3年間プレーさせてもらうことができました。
あげばレベルの高いカテゴリーで戦ってきて確信しています。少し厳しく聞こえるかもしれませんが、声が出せないまま「結果」を出すのは、かなり難しいです。
声かけは運動神経や身長に関係なく、今日から誰でも始められます。そして、怪我を防ぎ、拾えなかったボールが拾えるようになる、コスパの良い「もう1つの技術」です。
- コートで実際に使う具体的な声かけ10種類と、その意味が分かる
- なぜその声かけが必要なのか、理由までセットで理解できる
- 声が出せない原因と、出せるようになるための具体的な解決策が分かる
それでは、コートで本当に必要な声かけを見ていきましょう。
声かけの必要性|なぜ声を出すことが大切なのか
「そもそも、なぜ声かけが必要なの?」と感じる人もいると思うので、まずは声かけの役割を整理します。
- 自分の意思を伝える:「自分が取る」など、自分の考えを味方に知らせる
- 自分のテンションを上げる:声を出すこと自体が、自分の集中力と気持ちを高める
- チームを盛り上げる:ポジティブな声でチーム全体の雰囲気が良くなる
- 戦術を確認する:相手の特徴やマークを共有し、全員で同じ絵を描く
- 怪我を防止する:お見合いによる衝突や、無理な体勢でのプレーを防ぐ
ざっと挙げただけでも5つの役割があります。これだけ見ても、試合に勝つために声かけがいかに重要かが分かるはずです。



声って「気合い」のためだと思ってました…! ちゃんと役割があるんですね。
声かけは「気合い」ではなく、味方に動いてもらうための「情報」を伝える技術です。
コート上で必要な声かけ10選
ここからは、実際の試合で必要な声かけを10種類、具体的なかけ声とセットで解説します。後半の3つはレベルが上がりますが、すべて重要なのでまずは知識として頭に入れておきましょう。
① 誰がボールを取るかの声かけ
「オッケー!」「ハイ!」「まかせろ!」
これは自分がボールを取るときの声かけです。「自分が取るぞ」というときは、できる限り早いタイミングで、大きな声で味方に知らせましょう。
この声かけが遅いと、誰が取るのか分からず、ボールを落としたくない仲間同士がぶつかって怪我をすることがあります。早く声を出せば、味方が次の動きの準備に移れるメリットもあります。
- ①先に声を出して動き出した人が取る:早く声を出して動き出した人を、全員が信じて任せる
- ②ボールが近づいてくる側の人が取る:どちらも取れるボールなら、ボールが向かってくる人が積極的に取り、遠ざかっていく人は譲ってカバーに回る



2人のどちらも取れるボールでも、必ず「近づいてくる人」と「遠ざかる人」に分かれます。遠ざかりながら取るのは体勢が苦しいので、近づいてくる人が前に入って取るのが原則です。
お見合いで一番もったいないのは、ぶつかることではなく「誰も触らずに落とすこと」です。
「前!」「後ろ!」
これはサーブレシーブで、ボールを取るべき選手が前にいるのか後ろにいるのかを判断して伝える声かけです。
小中高生年代では「W型」(前を3人・後ろを2人で守る)のフォーメーションが多く、「前!」「後ろ!」の声かけが一般的です。これは「前の選手が取るべきだと思うよ」という“自分の考え”を伝えるだけなので、間違いはありません。唯一の間違いは、声をかけないことです。
「○○!」(名前を呼ぶ)
取ってほしい人の名前を呼ぶ声かけです。名前を呼ばれると「自分が取るんだ」と強く意識できます。「ここまでは自分が取る」と思う範囲は人によってズレるので、声をかけないとボールが落ちてしまいます。



自分の考えを伝えるだけだから、間違いはないんですね。思い切って声を出します!
② ラインジャッジ(イン・アウト)の声かけ
「イン!」「アウト!」「入った!」
味方コートに飛んできたボールが、コートに入りそうか・出そうかを、ボールの近くの仲間に教える声かけです。「入った!」が過去形なのは、「入ってる!」より瞬時に言いやすいからです。
ボールが向かってくる選手は正面から見ているので、イン・アウトの判断が難しいもの。だからこそ周りが声で助けます。



自分がされて助かることは、積極的に仲間にしてあげましょう。
③ 味方を動かす声かけ
「カバー!」
味方アタッカーのスパイクが相手ブロックに当たって返ってくることに備え、「みんなでカバーに行くぞ」と呼びかける声かけです。当たり前のようでいて、できていないチームが本当に多い部分です。
他のアタッカーは助走の直後、セッターもトスを上げた直後なので忘れがち。助走のないリベロの選手が積極的にかけるのがおすすめです。
「上がった!」
「ボールが落ちてないぞ」と伝える声かけ。強打を何とか上げたときなど、ボールが低かったりコート外へ向かっていたりする状況で、味方に拾い直してもらうために使います。特に相手コートを向いているブロッカーに、早く振り返ってもらうために重要です。



「カバー!」と「上がった!」は、最後の一本をつなぐための声かけ。練習中から全員でできると、チームの“つなぐ力”が一気に上がります。
④ 自分の状態を知らせる声かけ
「レフト!」「ライト!」「A!」「B!」「C!」「パイプ!」
セッターに「アタックの準備ができているよ」と伝える声かけです。レセプションが乱れたときほど、セッターは走りながら「誰に上げよう」と考えています。アタッカーから「入っているから上げていいよ」の声があると、とても助かります。



特にクイックが使えると相手のセンターブロッカーに圧力をかけられ、サイドアタッカーの決定率まで上がります。
⑤ 相手サーブ時の声かけ
「ジャンプ!」「フローター!」「左!」「巻き!」「すぐ来るよ!」
相手サーバーの特徴を、打たれる前に味方全員で共有する声かけです。ジャンプサーブかフローターか、左利きか、「巻き(腕を内側に巻き込んで変化させる)」か。「すぐ来るよ!」は、笛の直後に打ってくる相手への注意喚起です。



飛んでくるボールを“想定内”にしておくことが、レシーブ成功の第一歩です。
⑥ ねぎらいの声かけ
「ナイス!」「ナイスファイト!」
仲間をねぎらう声かけです。結果が失敗でも、自分が「ナイスプレー」と思ったらナイスです。「頑張って追いかけたけど上がらなかった」ときも、どんどん「ナイスファイト!」と声をかけましょう。チームの雰囲気が良くなる“魔法の言葉”です。



「ナイス!」って言われると、次も頑張ろうって素直に思えます!
⑦ 仲間を勇気づける声かけ
「思い切って!」「攻めていいよ!」
仲間を勇気づける声かけです。ブロックされた後など、味方がネガティブになっていそうなときに特に有効。弱気になるとミスの確率が上がるので、その前に「よし、やるぞ」と思ってもらえる一言をかけます。



サーブを打つ前の「思い切って!」のひと声、すごく勇気が出ます!
⑧ 連携を高める声かけ
「高く!」「低く!」「チョン!」「ツケ!」
セッターに、上げてほしいトスの高さや速さを要求する声かけです。「高く!」は体勢を立て直す時間がほしいとき、「ツケ!」は速いトス、「チョン!」は低いトスの意味で使います。
「そこから!」「なし!」
レセプションが乱れたときにセッターを助ける声かけです。「そこから!」は「離れた位置でもサイン通りに上げていいよ」、「なし!」は「さっきのサインは無しで、高めに上げて」の意味。早めに伝えると、セッターは安心してコンビミスを防げます。



少しレベルの高い声かけですが、知っておくと乱れた場面で味方を助けられます。
⑨ アタッカーをサポートする声かけ
「1枚!」「2枚!」「3枚!」
味方アタッカーに相手ブロックの枚数を教える声かけです。1枚ならクロスが空きやすく、3枚なら強引に打つのは難しい、と判断材料になります。
「近い!」「カバー入った!」
「近い!」はトスがネットに近いという合図(強引に打つとブロックされる注意)。「カバー入った!」は「しっかり後ろを守っているよ」と伝え、アタッカーが安心してリバウンドなどの選択も取れるようになります。
⑩ 味方サーブ時の声かけ
「前2枚!」「セッター前!」「ツーあるよ!」「○番マーク!」
味方がサーブを打つ前に、相手の前衛枚数・セッターの位置・警戒する選手を共有する声かけです。セッターが前衛なら“ツーアタック(セッターが自分で打つ)”の可能性があるので「ツーあるよ!」で注意喚起します。
「ワンチケア!」「フェイントケア!」
何を警戒すべきかを共有する声かけです。「◯◯ケア!」は「これに気をつけよう」の意味で、バレーでよく使う言い回しです。相手に「警戒しているぞ」と伝わり、プレッシャーをかける効果もあります。



後半の声かけ、奥が深い…! 全部できたら一気に“バレーIQ”が高い選手になれそうです。
まずは①〜④の「ボールをつなぐための声かけ」から。慣れてきたら⑤以降の「戦術の声かけ」に広げていきましょう。
声かけができない理由
ここまで読んで「必要性は分かったけど、なかなか声が出せない」という人もいると思います。声かけができない理由は、大きく次の2つです。
- 息を止めてしまっている:必死になりすぎると、人は無意識に息が止まり、声が出せなくなる
- 恥ずかしさや不安がある:「恥ずかしい」「間違えたらどうしよう」という気持ちが邪魔をする
一生懸命ボールを追っているときほど息が止まりやすく、声が出せなくなります。また、特に小中学生は「恥ずかしい」「間違えたら…」という気持ちが声を止めてしまいます。



何を隠そう、僕もこの「恥ずかしい」タイプ出身です。だからこそ、克服できることも知っています。
声かけができるようになる方法
理由が分かれば、対策はシンプルです。2つの理由それぞれに解決策があります。
「息を止めてしまう」場合の解決策
息が止まるのは必死になりすぎているとき。その逆、つまり呼吸を止めずにリラックスしてプレーすることを意識すると、自然に声が出せるようになります。



理由が分かれば、あとは対策を実践するだけです。
「恥ずかしさ・不安がある」場合の解決策
- 普段の会話で自分から話す:日常から自分の意思を伝える習慣が、コートでの声につながる
- 仲間の声かけを批判しない:批判されない雰囲気を全員で作ると、安心して声を出せる
「恥ずかしい」人は、普段の友達との会話で“自分から話す”ことを意識してみてください。「自分は意思を伝えられる人間だ」という意識が育つと、コートでも声が出せるようになります。
「不安がある」人が恐れているのは、多くの場合“周りからの批判”です。だからこそ、自分が仲間の声かけのミスを責めないことが大切。批判のないチームでは、全員が安心して声を出せるようになります。
声を出して挑戦したミスは、責めない。この空気をチームで作ることが、声の出るチームへの一番の近道です。
最初は小さな一歩で大丈夫です。焦らず、まずは1つの声かけから始めていきましょう。
まとめ:声かけはチームを救う「もう1つの技術」
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 声かけは「気合い」ではなく、味方に動いてもらうための情報共有の技術
- コートで必要な声かけは10種類。まずは①〜④の「つなぐ声かけ」から
- お見合い防止は「先に声を出して動き出した人」、迷ったら「ボールが近づく側の人」が取る
- 声が出せない原因は「息を止める」「恥ずかしさ・不安」の2つ
- 解決策はリラックス呼吸・普段から自分から話す・仲間を批判しない
声かけは、特別な運動神経がなくても今日から始められる「もう1つの技術」です。一人ひとりの短い声が重なると、チーム全体の反応が速くなり、拾えなかったボールが拾えるようになります。声かけをマスターして、チームに必要とされる選手になりましょう。



声は、コートで一番ミスを減らせる武器です。今日の練習から、まず1つの声かけを声に出すことから始めてみてください。
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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
基本動作については他にも記事を書いています。気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪



