- 新チームになって、急に違うポジションを言い渡された
- 今までのやり方が通じなくて、練習で自信をなくしている
- いつになったら慣れるのか、目安がわからない
こんな悩みを解決します。
ポジションが変わった時にやることは、新しい役割で最初に求められる1つを決めて、そこだけを2週間続けることです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営してきた経験からいうと、ポジションが変わって伸び悩む選手は、たいてい全部を一度にやり直そうとしています。
前のポジションで身につけた技術は、消えてなくなるわけではありません。持ち込めるものを数えるところから始めれば、慣れるまでの時間はぐっと短くなります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 新しいポジションで最初にやることが1つに絞れる
- 変更が多い組み合わせごとに、身につける順番がわかる
- 慣れるまでの目安がわかり、あせらずに練習を積める
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:最初の2週間は「1つ」に絞って続ける

先に結論からお伝えします。ポジションが変わった直後にやるのは、新しい役割で最初に求められる1つを決めて、2週間そこだけを続けることです。
- 新しい役割で最初に求められる1つを決める
- コートのどこから動き出すのかを覚える
- 前のポジションから持ち込める技術を数える
- 隣の人との守る場所の重なりを、声で決めておく
- 2週間ごとに、できるようになったことを書き残す
サルくんリベロに変わったんですけど、何から手をつければいいのかわからなくて…。



全部いっぺんに変えなくていいよ。まずは1つだけ決めよう。
新しいポジションには、覚えることがいくつもあります。立ち位置・役割・声のかけ方・味方との連携と、数え上げればきりがありません。
それを同時に直そうとするから、どれも中途半端になるんですよね。1つに絞れば、2週間でもはっきりした変化が出ます。



最初ノ2週間ハ1ツダケ・全部ヤリ直サナイ
ここからは、なぜポジションが変わるのか、5つの手順、組み合わせ別に身につけること、の順に進みます。
ポジションが変わる3つの理由|外されたわけではない
まず知っておいてほしいのは、ポジション変更は下手だから外されたという意味ではない、ということです。
理由がわかると、練習に向かう気持ちも変わります。私が現場で見てきた変更の理由は、大きく3つに分かれます。
理由①:チームの並びを組み直したから
いちばん多いのが、6人の並びを組み直した結果としての変更です。セッターの対角に誰を置くか、前衛の攻撃を何枚残すかで、必要な役割が動きます。
つまり、その人の技術ではなくチームの形が先に決まっているということです。並びの考え方を知っておくと、自分がなぜそこに置かれたのかも見えてきます。
理由②:体つきや動きが変わってきたから
2つ目は、成長期に体つきが変わったことによる変更です。急に背が伸びた選手は前衛での高さを期待されますし、動きが速くなった選手は守備の枚数として数えられます。
体は毎年変わります。中学1年生の時の適性が、そのまま3年生まで続くとはかぎりません。



去年と同じじゃなくていいんですね。



むしろ、変わるほうが自然だよ。体が育っているサインなんだ。
理由③:チームに足りない役割を埋めるため
3つ目は、単純に人が足りない役割を埋めるための変更です。セッターが1人しかいない、守備でつなげる選手がいない、という事情はどのチームにも起こります。
この場合は、任された役割そのものがチームの弱点だということになります。裏を返せば、あなたが伸びればチームがいちばん変わる場所を任されたということです。
新しいポジションに慣れる5つの手順


ここからが本記事の中心です。変わった直後の2週間で、何をどの順番でやるかを決めておきます。
手順①:求められる1つを指導者に聞く
最初にやるのは、自分で考えることではなく聞くことです。指導者が何を期待して変えたのかは、本人にしかわかりません。
聞き方は「何を最初にできるようになればいいですか」で十分です。守備を厚くしたいのか、攻撃の枚数を増やしたいのかがわかれば、練習の中身が決まります。



聞くのって、なんだか気が引けます…。



前向きな質問だから大丈夫。指導者はむしろ喜ぶよ。
ここを飛ばすと、努力の方向がずれたまま何か月も過ぎてしまいます。正しい方向に向かわない努力からは、大きな成果は出ません。
手順②:動き出す場所を覚える
次は技術ではなく、立ち位置です。サーブを受ける時、相手が打つ時、味方が打つ時、それぞれ自分がどこにいるべきかを覚えます。
新しいポジションで最初につまずくのは、技術よりも場所であることがほとんどです。場所さえ合っていれば、あとは今までの技術で触れます。
ローテーションの回り方があいまいなら、先にそこを整理してください。
手順③:持ち込める技術を数える
3つ目は、前のポジションで身につけたものの棚おろしです。ゼロからのやり直しに見える変更でも、実際に持ち込めるものは必ずあります。
スパイカーからセッターに変わったなら、打つ側の気持ちがわかるという強みがそのまま残ります。ミドルからアウトサイドなら、ブロックの経験が相手の攻撃を読む力になります。



今までやってきたことが、無駄にならないんですね!



むしろ武器になるよ。両方を知っている選手は少ないからね。
紙に3つ書き出すだけでいいので、練習前にやってみてください。自信を取り戻す効果もあります。
手順④:隣の人と重なりを決めておく
4つ目は連携です。守る場所が変わると、隣の人との境目にボールが落ちる時期が必ず来ます。
声かけは気合いではなく、短い言葉で味方に動いてもらう情報共有の技術です。どちらもとれるボールは先に声を出して動いた人がとる、と決めておくと迷いが消えます。
原則として、ボールが近づいてくる側の人がとります。遠ざかりながらとる形は体勢が苦しく、面が安定しないからです。
手順⑤:できたことを書き残す
最後は記録です。ポジションが変わった直後は、できないことばかりが目につきます。
できるようになったことを2週間ごとに書き残しておくと、伸びが目に見えます。書くのは自分のためであって、誰かに見せるためではありません。
組み合わせ別|最初に身につけること
変更には、よくある組み合わせがあります。それぞれ最初に取り組む場所が違うので、自分に近いものを読んでみてください。
アタッカーからリベロへ
守備専門に変わる場合、最初に身につけるのはサーブカットの安定です。返球の高さと方向がそろえば、それだけでチームの攻撃が組み立てられます。
面はセッターの方向へ向けて準備し、真上に高く上げないようにします。ねらう場所は、ネットから少し離れたセッターの正面です。
リベロは守備の要であると同時に、コート内でいちばん試合を見ている役でもあります。
ミドルブロッカーからアウトサイドヒッターへ
真ん中から左右へ移る場合、最初の課題は助走の距離です。ミドルの短い助走に慣れた体で外から入ると、踏み切りの位置が近くなりがちになります。
助走を1歩ぶん長くとって、ネットから離れた場所から入る練習をしてください。ブロックで培った高さは、そのまま強みとして残ります。



中カラ外ヘ移ル時ハ助走ノ距離ガ最初ノ壁
アタッカーからセッターへ
打つ側から上げる側へ移る場合は、落下点に入る足から始めます。手の形よりも、ボールの下に体ごと入れているかどうかで安定が決まります。
打っていた経験があるぶん、どんなトスが打ちやすいかは体でわかっているはずです。その感覚は、上げる側になってからも大きな財産になります。
後衛中心から前衛での攻撃へ
守備が中心だった選手が前衛で打つ役になった時は、まずブロックとの位置関係を覚えます。相手のブロックが何枚ついているかを見てから打つ、という順番です。
打つコースを増やすのは、そのあとで構いません。1本のコースでも、ブロックの外側を通せば点になります。
つまずきやすい3つの失敗
ポジション変更でうまくいかない選手には、共通した失敗があります。私の指導現場でよく見かける3つをあげておきます。
失敗①:前のやり方をそのまま持ち込む
いちばん多いのが、前のポジションの構えや動き出しをそのまま使ってしまうパターンです。同じ技術でも、役割が変われば使う場面が変わります。
たとえばアタッカー時代の高い構えのままリベロに入ると、速い球に間に合いません。教わった1つの型を疑い、場面ごとに使い分けられる選手のほうが伸びていきます。
失敗②:できないことばかりを数える
2つ目は、できないことばかりに目が向いてしまう失敗です。新しい場所に立てば、最初はできないところばかりなのが当たり前になります。
そこで自信をなくすと、練習そのものが苦しくなります。バレーが嫌いになってしまうのが、いちばんもったいない結果ではないでしょうか。



ミスばかりで、正直つらいです…。



最初はみんなそうです。できた1つを数える練習に変えてみましょう。
失敗③:自分だけで抱え込む
3つ目は、慣れないことを誰にも言わずに抱え込む失敗です。どこが不安なのかを伝えないと、周りは助けようがありません。
「後ろのボールがまだ怖い」と一言伝えるだけで、隣の人がカバーに回れます。伝えることは弱さではなく、チームで守るための情報共有です。
慣れるまでの目安と練習の組み立て
最後に、どれくらいで慣れるのかという目安をお伝えします。個人差はありますが、段階の踏み方はほぼ共通しています。
2週間で形が見えて、1か月で試合に持ち込めれば順調です。3か月かかっても焦る必要はありません。
大切なのは、正しい方向に練習を積み重ねているかどうかです。方向が合っていれば、時間の長さは問題になりません。



週に1回、動画で自分を撮っておくと変化がはっきり見えるよ。
自分のフォームをスマホで撮り、理想とする選手の動きと見比べて近づけていく方法は、どのポジションでも使えます。
体づくりを並行して進めるなら、心拍数が上がった状態で動き続けるトレーニングを入れておくのがおすすめです。心肺機能が上がると、後半のプレー精度が落ちにくくなります。
ただし重い器具を使ったトレーニングは、成長期のうちは急がなくて構いません。



3か月かかっても、あせらなくていいんですね。



方向さえ合っていれば、時間は味方になりますよ。
よくある質問
まとめ:1つに絞れば、変更は伸びるきっかけになる
最後に要点をふり返ります。ポジションが変わった時に必要なのは、求められる1つに絞って、2週間続けることです。
| 時期 | やること | 見るポイント |
|---|---|---|
| 変わった直後 | 求められる1つを聞く・立ち位置を覚える | 努力の方向が合っているか |
| 最初の2週間 | その1つだけを反復する・持ち込める技術を数える | 練習でできる回数が増えたか |
| 1か月〜3か月 | 練習試合で試す・2つ目の役割を足す | 試合中にも同じ形が出せるか |
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、複数のポジションを経験した選手ほど、コート全体が見えるようになっていました。今の変更は、あなたの見える範囲を広げるきっかけになります。



まずはサーブカットだけ、2週間やってみます!



それでいいんです。1つできると、次の1つは驚くほど早く身につきますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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