- 反復横跳びの点数が去年から伸びていない
- バレーの横の動きに本当につながるのか分からない
- 速く動こうとすると体が跳ねて、かえって遅くなる
こんな悩みを解決します。
反復横跳びは、体の上下動を抑えたまま左右へ切り返す力が育つので、バレーに効果があります。ただし跳ねて回数を稼ぐやり方では、点数もプレーも伸びません。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、横の動きが速い選手は、歩幅の大きさで差がついていませんでした。
差が出ていたのは頭の高さです。切り返すたびに体が浮き上がる選手は、1歩目が遅れて落下点に入り切れません。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 反復横跳びがバレーのどの場面につながるのかが分かる
- 記録を伸ばす4つのコツと、点数の目安が分かる
- やりがちな失敗と、この種目だけでは足りない部分が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:反復横跳びは「重心を上げずに切り返す力」が育つ

結論からお伝えします。反復横跳びは、頭の高さを変えないまま左右へ動き続ける練習として、バレーに直結します。
まずルールを確認しておきましょう。スポーツ庁の新体力テストでは、中央ラインの両側100cmに引いた2本のラインの間を、20秒間サイドステップで往復します。
ラインを1本通過するごとに1点で、右・中央・左・中央で4点です。そして、この種目はジャンプが禁止されています。
跳ねて移動してはいけない、というルール自体が、そのままバレーの動きの条件になっているわけです。
サルくん体力テストの種目が、バレーの練習になるんですか?



跳ばずに横へ動き続ける種目なので、守備の姿勢とそのままつながりますよ。
バレーは「反応→ストップ→ボールコントロール」を繰り返す競技です。この3つはすべて、体が上下に揺れているとうまくいきません。
反復横跳びは20秒のあいだ、この切り返しだけを続ける種目になります。だから点数が上がると、コート上の1歩目も軽くなってきます。
- 跳ねずにサイドステップで動く(ルールでも決まっている)
- 頭の高さを一定に保ち、上下動を出さない
- 20秒を同じテンポで走り切る
この3つを外さなければ、点数は自然と伸びていきます。体力測定の他の項目とあわせて測ると、自分の弱点がはっきり見えてきます。
反復横跳びがバレーにつながる3つの理由
なぜバレーに反復横跳びなのか、理由は3つあります。ここが分かると、記録の伸ばし方も変わってきます。
理由1:目線が上下しなくなる
1つ目は、目の高さです。バレーは自分に向かってくるボールへ360度反応する競技なので、目の高さが変動するとコントロールが一気に難しくなります。
反復横跳びは、上下動が出るとテンポが落ちてすぐ点数に表れます。つまり「頭を揺らさない」という課題が、点数という形で毎回返ってくるわけです。
体の上下動を抑えて落下点に入る感覚は、レシーブの土台そのものでしょう。
理由2:止まって切り返す力がつく
2つ目は、止まり方です。反復横跳びは20秒で40回以上も、動いては止まり、逆方向へ切り返す動きを繰り返します。
バレーで速い選手は、走るのが速い選手ではありません。止まれる選手です。
止まれないと、ボールの下で体勢が流れます。面が安定せず、アンダーもオーバーも思った方向へ飛ばなくなってしまいます。



速サトハ 止マレル コト
理由3:ブロックの横移動に近い
3つ目は、ブロックです。ネット前を横へ動くとき、サイドステップで移動する場面は何度も出てきます。
このとき体が跳ね上がると、止まる位置がずれて踏み切りが間に合いません。低い姿勢のまま横へ運べるかで、間に合う枚数が変わります。
反復横跳びで身につく動きは、この移動の部分と重なります。もちろんブロックにはタイミングや目線の使い方もあるので、そこは別に磨いてください。
反復横跳びの記録を伸ばす4つのコツ


ここからが本題です。やみくもに速く動くのではなく、次の4つを順番に直してください。
コツ1:腰を落として、跳ねない
まずは構えです。ひざを軽く曲げ、頭の高さを決めてから始めてください。
棒立ちのまま始めると、切り返すたびに体が伸び上がります。この上下の動きは1回あたりコンマ数秒の差ですが、20秒あれば大きな差になります。
速く動く選手ほど、頭の位置が水平に移動しています。
跳ねるのではなく、床を横へ押す感覚で動いてください。
跳ねぐせがある選手は、頭の上に手のひらをかざしてもらうと分かりやすいでしょう。手に頭が当たらない高さで20秒続けるだけで、テンポが整ってきます。
コツ2:ラインは足の外側で踏む
次に、踏む位置です。外側のラインは、足の外側半分がかかれば点になります。
ここで体ごとラインの外まで運んでしまうと、戻る距離が長くなって回数が減ります。最短で折り返せる位置を探してください。
ただし、踏まなかったり越えなかったりすると点になりません。ぎりぎりを狙いすぎて空振りするより、確実に触れるほうが結果は良くなります。



大きく踏み込んだほうが速いと思っていました。



進んだ距離ではなく、折り返した回数で点が入りますからね。
コツ3:上半身は正面のまま
3つ目は、上半身です。腕を大きく振ったり、肩を左右にひねったりすると、体の軸がぶれて止まりにくくなります。
腕は軽く曲げて胸の前あたりに置き、足だけで体重を移してください。背骨がまっすぐ立っている状態が、いちばん切り返しやすい形になります。
これはレシーブの構えと同じ考え方です。上半身を静かに保てる選手ほど、次の動作へ移るのが速くなります。
コツ4:最初の5秒を抑える
最後は、ペース配分です。20秒は短いようで、全力で入ると後半に必ず失速します。
最初の5秒は「少し余裕がある」くらいの速さで刻み、最後の5秒で上げていきましょう。前半に飛ばした選手と、一定で刻んだ選手では、合計点が5点前後変わることもあります。
自分のテンポをつかむには、20秒を2〜3セットだけ測る練習が有効です。



最初から全力で行かないほうがいいんですね!



同じテンポで20秒刻めると、それだけで記録は伸びますよ。
点数の目安と、自分で測るときの手順
コツが分かったら、次は自分の位置を知りましょう。新体力テストの得点表は12〜19歳で共通なので、中学生も高校生も同じ基準で採点されます。
正式な方法と得点表はスポーツ庁の新体力テスト実施要項で公開されています。
| 10段階の得点 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 10(満点) | 63点以上 | 53点以上 |
| 8 | 56〜59点 | 48〜49点 |
| 5(まん中) | 45〜48点 | 39〜41点 |
| 3 | 37〜40点 | 32〜35点 |
まずは、まん中の得点5を超えることを目標にしてください。そこから1年で3〜5点ずつ積み上げていけば十分な伸びです。



まん中の点数でも、けっこう高く感じます。



20秒を同じテンポで刻めれば届く数字ですよ。
体育館で測る手順
測り方は決まっています。テープで中央ラインを1本引き、その両側100cmに平行なラインを2本引いてください。
ラインが引けない体育館なら、マーカーコーンを置いても代わりになります。床にテープを貼る前に、使ってよいか顧問の先生に確認しておきましょう。
点にならない動きを覚えておく
点にならない条件も知っておきましょう。外側のラインを踏まないか越えないとき、中央のラインをまたがないときは点になりません。
また、同じ人が続けて2回測るのは公式の方法から外れます。1回目と2回目のあいだは、しっかり休みを入れましょう。
屋外で測る場合は、整地された滑りにくい場所を選んでください。コンクリートの上では行わないと決められています。
反復横跳びでやりがちな3つの失敗
点数が止まっている選手には、共通するくせがあります。次の3つに心当たりがないか確かめてください。
失敗1:跳んで回数を稼ごうとする
いちばん多いのが、両足で跳んで移動する形です。一見すると速く見えますが、ルールではジャンプが認められていません。
そのうえ、跳んでいるあいだは方向を変えられません。空中にいる時間が長いほど、次の切り返しが遅れていきます。
バレーでも同じことが起きます。ボールに反応した瞬間に跳ね上がる選手は、出足が半歩遅れてしまうんですよね。



跳ンダ分ダケ 遅レテイル
失敗2:足元のラインだけを見ている
次に多いのが、目線です。ラインを確実に踏もうとして、ずっと下を向いたまま動いてしまう形になります。
テストの点数だけなら、それでも取れます。ただしバレーの横移動は、ボールとマークする相手を見続けたまま動くのが原則です。
練習として使うときは、顔を上げて正面を見たまま20秒続けてください。
床を見ずに踏める幅こそが、試合で使える幅です。



下を見ないと、ラインを踏めている自信がありません。



最初は点数が落ちて当然です。見ないで踏める幅まで戻しましょう。
失敗3:毎日全力で測ってしまう
3つ目は、やりすぎです。切り返しの動きは、ひざと足首に負担が集まります。
記録を測るのは週1回で足ります。それ以外の日は、練習前のウォーミングアップに10秒ほど入れる程度で十分です。
ひざや足首に痛みが出ているときは、この種目を止めてください。痛みが続くなら整形外科で診てもらいましょう。
床が滑るとけがにつながるので、シューズの裏を拭いてから始めることも忘れずに。
反復横跳びだけでは足りない部分
ここまで良さをお伝えしてきましたが、この種目だけで動ける体ができるわけではありません。足りない部分を3つ挙げておきます。
前後と斜めの動きは別に作る
反復横跳びは、真横への往復だけです。実際のコートでは、前に落ちるフェイントや斜め後ろへ下がる動きのほうが多く出てきます。
前後・斜めを足すなら、ラダートレーニングや方向転換のドリルが向いています。横と前後をセットで組むと、動きの穴が埋まります。
20秒の速さと、試合後半の体力は別もの
もう1つ、20秒間だけ動ける力と、3セット目まで動き続ける力は別ものです。心肺機能が低い選手は、後半にプレーの精度がはっきり落ちます。
心拍数が上がった状態で一定時間動き続ける練習を、週に何本か入れてください。長距離走が苦手でも、HIITやシャトルランで代わりになります。



20秒ト 3セット目ハ 別物ダ
跳ぶ力は伸びない
最後に、この種目で跳躍力は伸びません。むしろ跳ばない練習なので、高さを求めるなら別のメニューが必要です。
跳ぶ力の土台は下半身です。スクワットや縄跳びを別の日に置いて、役割を分けて積み上げていきましょう。



種目ごとに役割が違うんですね。



順番に組み合わせれば、どれも必要な力になりますよ。
よくある質問
まとめ:点数より、頭の高さを見る
反復横跳びは、跳んで回数を稼ぐ種目ではありません。頭の高さを変えずに、何回切り返せるかを測る種目です。
腰を落とす。跳ねない。20秒を同じテンポで刻む。
| つまずくところ | 直し方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 体が跳ねる | ひざを曲げて頭の高さを決める | ジャンプはルール違反 |
| 後半に失速する | 最初の5秒を抑える | 全力で入らない |
| 回数が伸びない | ラインは足の外側で踏む | 体ごと外へ出ない |
| 試合で動けない | 顔を上げたまま行う | 足元だけを見て動かない |
| ひざが痛む | 測るのは週1回まで | 痛みが続けば整形外科へ |
私が指導してきた選手のなかにも、頭の高さを直しただけで点数が伸びた選手はいます。歩幅はむしろ小さくなっていました。
必要なのはテープと20秒だけです。横の切り返しはレシーブにもブロックにも出てくるので、取り組んだぶんがプレーに返ってきます。
そのうえで、前後の動きや体力づくりも並行して進めてください。あせらず、順番どおりに積み上げていきましょう。



今日から、跳ねずに20秒やってみます!



顔を上げたまま踏めているかも、見てあげますね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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