- 家でジャンプ力を上げたいけど、何から始めればいいか分からない
- 器具がないと、ジャンプ力は伸びないのではと不安
- 毎日たくさん跳べば、早く高くなると思っている
こんな悩みを解決します。
自宅のジャンプ力トレーニングは、器具なしでも「週2回・少ない回数・1週ごとに段階を上げる」形で4週間続ければ、跳ぶための土台を作れます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
ジャンプ力を伸ばす研究の多くは、台やおもりではなく、自分の体重だけで跳ぶトレーニングで効果を確かめています。
大切なのは道具より、跳ぶ順番と量の決め方です。この記事では、家でできる4週間の組み立て方を、研究とサイトの目安にそって紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 器具なしでもジャンプ力が伸びる理由が、研究をもとに分かる
- 自宅でできる4週間メニューの、週ごとの進め方が分かる
- 家でトレーニングするときの注意点と、4週間のあとにやることが分かる
結論:器具なしでも4週間で跳べる土台は作れる
結論からお伝えします。家でのジャンプ力トレーニングは、週2回、1週ごとに段階を1つずつ上げ、着地がくずれない回数で終えることが基本です。
4週間でジャンプの高さが大きく変わるとはかぎりません。研究では、効果がはっきりしてくるのは7〜8週間ほどたってからのことが多いからです。
それでも最初の4週間で、正しい着地・しゃがみ方・連続で跳ぶリズムを身につけておけば、その先の伸び方が変わってきます。
サルくん4週間で一気に高くなるわけじゃないんですね…。
- トレーニングは週2回、間を2日ほどあける
- 1週目は着地、4週目は全力ジャンプと、1週ごとに段階を上げる
- 着地がくずれたら、その日のジャンプは終える



最初の4週間は、高く跳ぶ準備の期間と考えよう。
器具なしでもジャンプ力が伸びる理由
台もおもりもない家で、本当にジャンプ力は伸びるのでしょうか。研究を見ると、自分の体重で跳ぶトレーニングでも十分な効果が報告されています。
研究のジャンプトレーニングは体重だけでも効果が出ている
Markovic の研究(2007年・スポーツ医学の専門誌)は、26の研究をまとめて、跳ぶトレーニング(プライオメトリクス)の効果を調べました。
その結果、反動をつけて跳ぶ垂直跳びの高さは、平均で約8.7%伸びていたと報告されています。腕を振るジャンプでも約7.5%の伸びでした。



特別な道具がなくても、そんなに伸びるんですか!?
また、56の研究をまとめた de Villarreal らの分析(2009年)では、おもりを背負って跳んでも、伸び方に上乗せの効果は見られなかったとされています。
つまり、ジャンプ力を伸ばすのに、重い器具は必ずしもいりません。自分の体重で、正しく全力で跳ぶことが土台になります。



オモリ ナシ デモ ノビル
強さを段階的に上げると安全に続けられる
跳ぶトレーニングの進め方について、Davies らのまとめ(2015年・スポーツ理学療法の専門誌)は、弱い種目から中くらい、強い種目へと順に進めるようすすめています。
始めは両足で跳ぶ種目からにして、片足の種目はそのあとに回すのが一般的な考え方です。
一方、Sankey らの研究(2008年・セルビアのスポーツ科学誌)では、高校生18人を、強さを少しずつ上げる組と、強さを一定にする組に分けて6週間くらべました。
すると、どちらの組もジャンプが伸び、2つの組の間にはっきりした差はありませんでした。
研究チームは、強さの上げ方より、トレーニングを行うこと自体のほうが大切かもしれないとまとめています。



段階を上げるのは、伸ばすためより安全のためでもあるんですね!
段階を上げていく一番の理由は、体を少しずつ慣らして、けがを防ぎながら続けるためです。跳ぶ仕組みそのものは、こちらの記事でくわしく解説しています。
4週間メニューの組み立て方
具体的なメニューに入る前に、1週間の組み方と1回の流れを決めておきましょう。
週2回・間を2日ほどあける
トレーニングは週2回、たとえば火曜と金曜のように、間を2日ほどあけて行います。
アメリカの筋力トレーニングの専門団体(NSCA)は、10代の選手の筋トレについて、週2〜3回、続けて行わない日に組むことをすすめています。
体が回復する時間をとるためです。このサイトでも、跳ぶトレーニングは週1〜2回を目安にしています。
毎日跳んでも、伸び方が大きく変わるわけではないからです。



休む日も、トレーニングのうちなんですね!
1回の流れはアップ→ジャンプ→筋トレの順
1回のトレーニングは、次の順番で行います。全部で20〜30分ほどです。
跳ぶ種目を先にするのは、疲れていない状態のほうが1本ごとに全力で跳べるから。筋トレで脚が疲れてから跳ぶと、着地がくずれやすくなります。
部活で跳ぶ分を考えて回数は少なめにする
Davies らのまとめでは、跳ぶトレーニングを始めたばかりの人の1回の量として、着地の回数で80〜100回ほどが1つの目安とされています。
ただしバレー部の選手は、ふだんの練習でスパイクやブロックをたくさん跳んでいます。家でのトレーニングは、部活のジャンプに上乗せされる量だと考えてください。
そこでこの記事のメニューは、1回の跳ぶ回数を10〜40回ほどにおさえています。



たったそれだけで、物足りなくないですか…?



全力の少ない回数のほうが、なんとなくの多い回数より効くよ。
自宅でできる器具なし4週間メニュー
ここからが、4週間のメニューです。どの種目も器具はいりません。ブルガリアンスクワットだけ、いすやソファなど足をのせる台を使います。
1週目:着地の形を覚える
1週目の目的は、正しい着地を体に覚えさせることです。ジャンプは、1回跳ぶごとに着地の姿勢で2秒止めてから次へ進みます。
| 種目 | 回数の目安 |
|---|---|
| スクワットジャンプ(着地で止める) | 5回×2セット |
| 自重スクワット | 10回×2セット |
| プランク | 20〜30秒×2回 |
着地では、膝とつま先の向きをそろえ、膝が内側に入らないようにしてください。音が小さく、ふらつかずに止まれていれば合格です。



ヒザ ガ ウチガワ ニ ハイッタラ ヤリナオシ
2週目:脚の筋力を足す
2週目は、セット数を少し増やし、ふくらはぎのトレーニングとタックジャンプを加えます。ジャンプはまだ1回ずつ止める形です。
| 種目 | 回数の目安 |
|---|---|
| スクワットジャンプ(着地で止める) | 5回×3セット |
| タックジャンプ(着地で止める) | 5回×2セット |
| 自重スクワット | 10回×3セット |
| カーフレイズ(かかとの上げ下げ) | 20回前後×2セット |
| プランク | 30秒×2〜3回 |
タックジャンプは、跳んだ空中で膝を胸に引き寄せる種目です。高く跳ぶことより、着地で止まれることを優先しましょう。
3週目:連続で跳ぶリズムを作る
3週目からは、止めずに続けて跳ぶ形に進みます。また、片脚ずつ鍛えるブルガリアンスクワットを加えます。
| 種目 | 回数の目安 |
|---|---|
| スクワットジャンプ(連続) | 8〜10回×2〜3セット |
| タックジャンプ(3回連続) | 3回×3セット |
| ブルガリアンスクワット | 左右8〜12回×2セット |
| カーフレイズ | 20回前後×2セット |
| プランク | 30秒×3回 |
連続ジャンプでは、着地したらすぐ次の1回へ移ります。床についている時間を短くするイメージです。



止めずに跳ぶと、一気にジャンプっぽくなりますね!
4週目:1本ずつ全力で跳ぶ
4週目は、1本ごとに姿勢を整えて、全力の高さで跳ぶ週です。セットの間は、息が整うまでしっかり休みます。
| 種目 | 回数の目安 |
|---|---|
| スクワットジャンプ(1本ずつ全力) | 5回×3セット |
| タックジャンプ(5回連続) | 5回×3セット |
| ブルガリアンスクワット | 左右8〜12回×2〜3セット |
| カーフレイズ | 20回前後×2〜3セット |
| プランク | 30秒×3回 |
回数を増やすより、1本ごとの高さと着地の形を保つことがこの週のテーマです。最後の数本で高さが落ちたり着地が乱れたりしたら、そのセットで終えましょう。
各種目のフォームのくわしいやり方は、こちらの記事で解説しています。
自宅でトレーニングするときの注意点
家でのトレーニングは、体育館とは環境がちがいます。次の3つに気をつけてください。
すべらない床を選ぶ
靴下のままフローリングで跳ぶと、着地で足がすべって危険です。すべらない床を選び、裸足か室内用のシューズで行いましょう。
まわりに家具や角のある物がないかも、始める前に確かめてください。両手を広げて、何にもぶつからない広さがあれば十分です。
跳ぶ種目は場所と時間を考える
マンションやアパートでは、ジャンプの音や振動が下の階に響きやすくなります。
跳ぶ種目は、庭や近くの公園など外でできる場所で行い、家の中ではスクワットやプランクだけにする、という分け方もおすすめです。



夜に家で跳んだら、たしかに怒られそうです…。
痛みが出たらすぐにやめる
膝・かかと・すねなどに痛みが出たら、その日のトレーニングはすぐにやめてください。
身長が伸びている時期は、骨の成長する部分がまだやわらかく、ジャンプの負担を受けやすい時期です。痛みが数日続くときは、自己判断で続けずに医師に相談してください。



痛みをがまんして跳ぶのは、いちばん遠回りだよ。
4週間のあとにやること
4週間をやり終えたら、そこで終わりにせず、次につなげていきましょう。
ジャンプ力を測ってくらべる
まず、4週間の前とあとで、同じ方法でジャンプの高さを測ってくらべてみてください。壁とスマホがあれば、家でも記録できます。
ただし、ジャンプの高さはその日の疲れでも1〜2cmは上下します。伸びていなくても、着地の形が安定していれば、4週間の目的は果たせています。
4週目の形で続けて積み上げる
de Villarreal らの分析では、10週間より長く、20回より多く続けたトレーニングで、ジャンプの伸びが大きくなりやすいとされています。
4週間はあくまでスタートです。5週目からは4週目のメニューを基本にして、週2回のペースで続けていきましょう。
体育館や台が使えるようになったら、ボックスジャンプなどへ進むのも1つの方法です。
中学生のうちは自分の体重を使うトレーニングを中心にし、重い器具を使うのは高校生になってからにしましょう。



続けた分だけ、跳ぶ力はちゃんと積み上がっていくよ。
よくある質問
まとめ:器具なしで段階を上げて跳ぶ力の土台を作る
この記事では、自宅でできる器具なしのジャンプ力トレーニングを、4週間の流れで紹介しました。
週2回・少ない回数・1週ごとに段階を上げる。着地がくずれたら、その日はそこで終える。
| 週 | テーマ | 中心になる種目 |
|---|---|---|
| 1週目 | 着地の形を覚える | 止めるスクワットジャンプ |
| 2週目 | 脚の筋力を足す | スクワット・カーフレイズ |
| 3週目 | 連続で跳ぶ | 連続ジャンプ・片脚種目 |
| 4週目 | 1本ずつ全力 | 全力スクワットジャンプ |
私は元日本代表として、ジャンプ力は道具の多さより、正しい順番で続けることで伸びていくと考えています。
まずは今週、1週目のメニューを2回やってみてください。



まずは着地でぴたっと止まるところから始めます!



土台ができれば、跳ぶ高さはあとからついてくるよ。
参考にした研究・資料
- Markovic G. Does plyometric training improve vertical jump height? A meta-analytical review. British Journal of Sports Medicine, 2007
- de Villarreal ES, Kellis E, Kraemer WJ, Izquierdo M. Determining variables of plyometric training for improving vertical jump height performance: a meta-analysis. Journal of Strength and Conditioning Research, 2009
- Davies G, Riemann BL, Manske R. Current concepts of plyometric exercise. International Journal of Sports Physical Therapy, 2015
- Sankey SP, Jones PA, Bampouras TM. Effects of two plyometric training programmes of different intensity on vertical jump performance in high school athletes. Serbian Journal of Sports Sciences, 2008
- Faigenbaum AD, et al. Youth Resistance Training: Updated Position Statement Paper From the National Strength and Conditioning Association. Journal of Strength and Conditioning Research, 2009
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
パフォーマンスアップについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪










