- 試合の終盤になると、足が止まって動けなくなる
- 長距離走を走っても、なぜかバレーで息が上がる
- 短い時間で、試合で使える体力をつけたい
こんな悩みを解決します。
バレーで最後まで動ける体力を作るカギは、長距離走ではなく短い全力と休みをくり返すHIIT(インターバル)にあります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、まじめに長い距離を走り込んでいるのに、試合の後半で動けなくなる選手が本当に多いんです。
バレーで必要なのは、短い全力の動きを何度もくり返す力。だからこそ、動きの質を合わせたHIITが効きます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 長距離走がバレーの体力に直結しにくい理由がわかる
- 家や体育館でできるHIITの具体的なメニューがわかる
- 成長期でも安全に体力を伸ばす続け方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:バレーの体力は「短い全力」を何度もくり返す力

先に結論からお伝えします。バレーで求められる体力は、長く走り続ける力ではなく、短い全力の動きを何度もくり返しても切れない力です。
バレーの体力=「一瞬の全力」を何十回もくり返せるスタミナ。長く一定に走る力とは種類が違う。
試合を思い出してみてください。ジャンプ・ダッシュ・切り返しといった数秒の全力が、休みをはさんで何度もやってきます。
この「全力と休みのくり返し」に体を慣らすのがHIITです。
- 数秒の全力を出し切るパワー
- 短い休みで回復する力
- それを終盤までくり返す粘り
サルくんえ、走り込みじゃなくていいの?



走り込みもむだじゃないよ。でも、バレーの動きに合わせるならHIITのほうが近いんだ。
HIITは、短い全力と短い休みを交互にくり返すトレーニングのことです。
「ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング」の頭文字で、日本語では高強度インターバルと呼ばれます。
長距離走のようにずっと一定のペースで動くのではなく、全力と休みの波を作るのが特徴です。この波が、そのままバレーの試合の動きに近いんです。
なぜ長距離走だけでは足りないのか:動きの質が違う


まじめに走り込んでいるのに試合で息が上がるのは、走り込みとバレーの動きの質がちがうからです。ここを理解すると、練習の中身が変わります。



バレーハ トメテ ハシッテ トブ
長距離走は、一定のペースでずっと同じ動きを続けるトレーニングです。使うエネルギーの出し方も、ゆっくり長く出す方に寄っています。
いっぽうバレーは、止まる・跳ぶ・ダッシュするといった、一瞬で大きな力を出す動きの連続です。エネルギーの出し方も、瞬発の方に大きく寄っています。
同じ「体力」でも、長距離走は「持続型」、バレーは「瞬発をくり返す型」。鍛える方向が違う。
つまり、いくら長い距離を走れても、瞬発をくり返す力が育っていなければ、試合の後半でパフォーマンスが落ちてしまうんです。



マラソン選手が、バレーで最後まで跳び続けられるとは限らないよね。使う力がちがうんだ。
もちろん、走り込みで作る土台の体力も無意味ではありません。大切なのは、その土台の上に「瞬発をくり返す力」を積み上げること。ここが抜けたままだと、走れるのにコートで動けないという状態になります。
HIITは、この瞬発と回復のくり返しを、そのまま鍛えられます。限られた練習時間しかなくても、バレーに直結する体力を効率よく伸ばしていきましょう。
HIITのやり方:全力20秒・休み10秒を数セット


HIITの基本は、短い全力と短い休みをワンセットにして、それを何回もくり返すことです。器具がなくても、体育館の広さがなくても始められます。
- もも上げダッシュ(その場)
- ジャンプ系(スクワットジャンプ)
- 切り返し系(サイドステップ)
まずは、時間の型を決めましょう。定番は、全力20秒・休み10秒を1セットとして、これを数回くり返す形です。



20秒なら、なんとかがんばれそう!



そう。短いからこそ、そのぶん全力を出す。これがコツだよ。
種目は、バレーの動きに近いものを選ぶと効果が高まります。跳ぶ・止まる・切り返すといった動きを、そのままメニューにするイメージです。
全力パートは「バレーの動き」に寄せる
全力の20秒は、コートで使う動きに寄せると、そのまま試合の体力につながります。ただ走るより、跳ぶ・ステップする動きを混ぜましょう。
スクワットジャンプは、しゃがんで真上に跳び、着地したらまた跳ぶ動きです。踏み切りと着地をくり返すので、ジャンプの持久力を鍛えられます。
サイドステップは、2〜3mを左右に動いて切り返す動きです。レシーブやブロックの横移動に近く、粘りが育ちます。
3つの種目は、1ラウンドの中で順番に回しましょう。
同じ動きばかり続けると、特定の筋肉にだけ疲労が集中してしまうからです。私はスクールでも、跳ぶ・走る・切り返すの3つをひとまとまりにして取り組むよう伝えています。



トブ ステップ キリカエシ
休みパートは「完全に止まらない」
休みの10秒は、完全に立ち止まるのではなく、その場で軽く足ぶみをして体を動かし続けます。血のめぐりを保ち、次の全力に入りやすくするためです。
もちろん、きつくてつらいときは、しっかり立ち止まって呼吸を整えてかまいません。無理をして質が落ちるより、休んで全力を出し切るほうが大切です。
慣れてきたら、休みの時間を少しずつ短くしたり、ラウンド数を増やしたりして、負荷を上げていきます。
いきなり増やさず、体の様子を見ながら進めましょう。
正しい進め方と注意点:ウォームアップと着地を大事に


HIITでいちばん大事なのは、体を温めてから始めることです。冷えた体でいきなり全力を出すと、ケガの原因になります。
HIITの前後は、必ずウォームアップとクールダウンをはさむ。いきなり全力・いきなり停止はケガのもと。
始める前に、軽いジョグやその場ジャンプで5分ほど体を温めましょう。終わった後も、ゆっくり歩いたりストレッチをしたりして、体を落ち着かせます。



ジャンプが多いと、ひざとか大丈夫かな…?



いい質問だね。着地をやわらかくすれば、負担は減らせるよ。
ジャンプ系の種目では、着地のときにひざを軽く曲げて、衝撃をやわらかく受け止めるのが大切です。ドスンと固い着地をくり返すと、ひざや足首に負担がたまります。
床が固い場所や、すべりやすい場所では行わないようにしましょう。体育館のマットや、クッション性のある場所を選ぶと安心です。
そして、息が上がるからといって呼吸を止めないこと。動きに合わせて、しっかり吸って吐くことを意識しましょう。
水分をとるタイミングも、あらかじめ決めておくと安心です。ラウンドの合間にひと口ずつ飲むようにすると、のどの渇きを感じる前に補えます。
夏場の体育館は、思っている以上に汗が出て水分が足りなくなりがちです。休みの合図と水分補給をセットにして、習慣にしてしまいましょう。
回数・頻度の目安と成長期の注意
HIITは負荷が高いぶん、毎日やる必要はありません。むしろ、休む日を入れたほうが、体力は伸びていきます。
ここで、成長期の選手に大事な注意点があります。育ち盛りの時期は、ジャンプや切り返しの衝撃がひざやかかとに集中しやすく、痛みが出やすい時期です。
「子どもの激しい運動は身長を止める」と心配する声もありますが、適切な量と休養を守った運動が成長を妨げるという科学的な根拠は確認されていません。
問題になるのは、痛みを我慢して量を増やしすぎることです。
出典:子供の体力向上(スポーツ庁)・発育期のスポーツ活動のあり方に関する研究(日本スポーツ協会)



ひざやかかとが痛いときは、がんばりどきじゃなくて休みどき。痛みのサインを見逃さないでね。
強い痛みが続くときや、めまい・気持ち悪さが出るときは、すぐに中止して、必要なら医療機関に相談してください。無理を重ねないことがいちばんの近道です。
やるか休むかの判断に迷ったら、朝起きたときの体の重さを目安にしてみてください。前日より明らかに重い、階段の上り下りがつらいと感じる日は、量を半分に減らすくらいでちょうどよいと考えています。
よくある失敗と直し方
HIITでつまずきやすいポイントと、その直し方を見ておきましょう。
- 全力パートで力をセーブしてしまう
- 休みなく続けて、ただの疲労になっている
- 着地が固く、ひざや足首に負担がたまる
全力パートで力をセーブしてしまう人は、時間を短くしてみましょう。20秒がきついなら15秒にして、そのぶん出し切ることを優先します。
全力を出せてこそHIITの効果が生まれます。
休みなく続けてしまう人は、休みも「メニューの一部」と考えましょう。休みで回復するからこそ、次の全力が出せます。
休みを削ると、ただ疲れるだけの練習になってしまいます。



着地の負担は、どう減らせばいいの?



音を立てない着地を意識してみて。ひざを軽く曲げて、そっと下りると負担が減るんだ。
着地が固い人は、「音を立てない着地」を目標にしましょう。ひざと足首を軽く曲げて、つま先からそっと下りると、衝撃をやわらかく吸収できます。



短く全力、しっかり休む。意識してやってみる!



いいね。その積み重ねが、試合の終盤で効いてくるよ。
全身をバランスよく追い込みたい人は、いくつかの種目をつなげるサーキットトレーニングも合わせると効果的です。
ここからは、選手や保護者の方からよくいただく質問にお答えします。
バレーのHIITについてよくある質問
鍛えた体力を試合で活かすコツ


HIITで作った体力は、試合の中で使えてはじめて意味を持ちます。鍛えた「くり返す力」を、コートにつなげていきましょう。
- 全力の後は、次の一瞬まで力を抜いて休む
- 1本ごとに呼吸を整える習慣を持つ
- 終盤ほど、動きの質を落とさない意識を持つ
試合では、全力を出した直後に、ボールが切れる一瞬があります。この間に力を抜いて休むことで、次の全力に備えられます。
HIITの「全力と休み」の感覚が、そのまま生きます。



ラリーが切れたら、一回力を抜いていいんだね!



そう。休めるところで休むから、大事な場面で全力が出せるんだ。
1本ごとに呼吸を整える習慣も大切です。ラリーが終わったら、深く息を吐いて吸う。これを続けると、終盤でも呼吸が乱れにくくなります。
そして何より、終盤ほど動きの質を落とさないことです。疲れてきたときこそ、着地やステップをていねいに。HIITで鍛えた粘りが、その場面で武器になります。
トレーニングと同じ「全力→休む→また全力」のリズムを、試合の1本ごとに持ち込む。
まとめ:短い全力をくり返して、終盤まで動ける体を作ろう
バレーの体力は、長く走り続ける力ではなく、短い全力を何度もくり返しても切れない力です。この力は、全力と休みを交互にくり返すHIITで効率よく育てられます。
| ポイント | 直すこと | 目安 |
|---|---|---|
| 全力パート | 短くていいから出し切る | 20秒(きつければ15秒) |
| 休みパート | 削らず回復に使う | 10秒・足ぶみ |
| 頻度 | 休む日を入れる | 週2〜3回 |
バレーの体力は「一瞬の全力を、何度も」。HIITで瞬発と回復をくり返し、終盤まで動ける体を作る。
私は元日本代表として、HIITを取り入れた選手が、試合の後半でも足が止まらなくなっていくのを何度も見てきました。
あせらず、無理のない範囲で積み上げていきましょう。



よし、今日から全力20秒・休み10秒でやってみるぞ!



その意気だよ。短い時間でも、続ければ試合の粘りに変わるからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの身体づくり(パフォーマンスアップ)については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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