- 練習中に足首をひねってしまい、どうすればいいかわからない
- 湿布を貼って様子を見ていいのか、病院に行くべきか迷う
- 痛みが引いてきたけれど、いつから練習に戻せるのか不安
こんな悩みを解決します。
足首を捻挫したときにいちばん大事なのは、その場で冷やして固定することと、痛みが消えただけで戻らないことの2つです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、足首の捻挫は体育館でいちばんよく目にするけがでした。
そして、くり返してしまう選手には共通点があります。1回目のときに、痛みが引いた時点で練習へ戻っているんですよね。
なお、痛みが強いときや腫れが大きいときは、この記事の内容よりも受診を優先してください。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 捻挫した直後にやること・やってはいけないことがわかる
- 病院に相談したほうがよいサインがわかる
- 練習に戻るまでの順番と、くり返さないための備えがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:捻挫は「直後の30分」と「戻る順番」で差が出る
先に結論をお伝えします。押さえるのは2か所だけです。
- 直後:練習を続けず、その場で冷やして固定する
- 復帰:痛みではなく、動きができるかどうかで判断する
捻挫は、足首を支えている靭帯(じんたい)という組織が傷ついた状態です。骨と骨をつないで、関節がぐらつかないように押さえてくれています。
サルくんちょっとひねっただけだし、動けるから大丈夫かなって思っちゃう…。



動けることと、傷んでいないことは別ですよ。
痛みは数日で軽くなることがありますが、傷ついた靭帯が元の強さに戻るまでには、もっと時間がかかります。この差が、くり返す捻挫の入口になります。
痛みが引いた=治った、ではありません。
私が指導現場でくり返し見てきたのが、同じ足首を何度もひねってしまう選手です。1回目の対応が軽いほど、2回目までの間隔が短くなっていきます。
ここからは、起きる場面・直後の対処・受診の目安・復帰の順番の順に見ていきます。
バレーで足首の捻挫が起きる3つの場面
まずは、どんな場面で起きているのかを整理します。避けられる場面と、避けにくい場面があります。
ネット際で相手の足の上に降りる
いちばん多いのが、ネット際でのできごとです。ブロックから降りるとき、センターライン付近にある相手の足の上に着地してしまいます。
足の上に乗ると、足首は内側へぐるんと倒れます。この向きで倒れると、外くるぶしのまわりにある靭帯が引き伸ばされます。



ネットギワデ イチバン オキル
日本バレーボール協会も、足関節の捻挫をバレーボールで最も多い急性のけがとして挙げています。特別に運が悪い選手だけが起こすものではありません。
味方と重なって片足で降りる
2つ目は、味方との重なりです。2枚ブロックで距離が近すぎたり、レシーブでお見合いになったりすると、体が流れたまま降りることになります。
このとき着地が片足になると、体重がまるごと片方の足首にかかります。バランスを崩した分だけ、足首がねじれやすくなります。



味方とぶつかりそうになって、変な降り方したことある…。



着地は両足同時が基本です。膝を軽く曲げて、衝撃を吸収してください。
着地の形は、練習で変えられる部分です。片足着地や棒立ちの着地が癖になっている選手は、そこから直したいところです。
疲れて足が上がらなくなった終盤
3つ目は、練習や試合の終盤です。疲れてくると、跳ぶ高さも足の運びも小さくなります。
ボールに追いつこうとして、足だけが遅れて着く。この形が、ひねる直前の姿になります。
終盤に足が上がらなくなったら、それ自体が危険信号です。
捻挫した直後の対処|やること・避けること
ここが最も大事な場面です。直後の30分をどう過ごすかで、その後の腫れ方が変わってきます。
すぐにやる4つの手順
まずは、その場でプレーを止めてください。
歩けるかどうかを試す前に、コートの外へ出て座ります。動かして確かめる行為そのものが、傷を広げることがあるためです。
この4つは、頭文字をとってRICE(ライス)と呼ばれています。安静・冷却・圧迫・挙上の4つです。
冷やす時間は15〜20分ほどが目安になります。感覚がなくなるまで当て続けず、いったん外して、また当てるほうが安全です。



保冷剤しか手元にない場合はどうすればいいですか?



タオルを1枚はさんでください。直接当てると、皮膚を傷めることがあります。
圧迫は、きつく締めれば良いものではありません。指先の色が変わったり、しびれが出たりしたら、それはきつすぎるサインです。
足を高くするのは、内出血や腫れを広げないためです。ベンチに座って足を台に乗せておくだけでも違ってきます。
体育館に氷のうやアイスバッグが常備されていないチームは、この機会に用意しておくと安心です。
その日に避けたい4つのこと
良かれと思ってやったことが、腫れを大きくしてしまうことがあります。直後にやらないことを決めておいてください。
- お風呂やシャワーで温める
- 患部をもむ・強く押す
- 痛みをこらえて練習を続ける
- 湿布だけ貼って、そのまま様子を見る
温めることともむことは、どちらも血のめぐりを良くする行為です。傷ついた直後は、その働きが腫れを広げる方向にはたらいてしまいます。



お風呂であっためたら楽になる気がしてた。



気持ちは楽になりますが、その日は避けましょう。湯船は後日からです。
痛みをこらえて続けるのは、いちばん避けたい選択です。かばう動きが出た状態でプレーすると、反対の足や膝に別の負担が移ります。
湿布は痛みをやわらげる助けにはなりますが、腫れや不安定さが消えるわけではありません。貼ったから安心と考えず、状態を見る目は持ち続けてください。
温める・もむ・我慢して続ける。この3つは、その日は選ばないでください。
病院に相談する目安|骨折を疑うサイン
ここは自己判断で済ませてはいけない部分です。捻挫だと思っていたものが、骨のけがであることもあります。
- 足に体重をかけて歩けない
- 見てすぐわかるほど腫れている、内出血で色が変わっている
- くるぶしの骨を押すと、強い痛みが走る
- 変形しているように見える
- 数日たっても腫れと痛みが引かない
歩けるかどうかは、ひとつの分かれ目になります。体重をかけられない状態は、自分で様子を見る段階ではありません。



本人が大丈夫と言うので、つい病院を先延ばしにしてしまいます。



言葉より動きを見てください。かばって歩いていたら、それが答えです。
成長期は、骨や関節がまだでき上がっていない時期です。大人なら捻挫で済む力でも、若い選手では骨側が傷むことがあります。
歩けない・強く腫れている・骨を押すと痛い。この3つは受診を優先してください。
受診するときは、いつ・どんな場面で・どちらの向きにひねったのかを伝えられるようにしておくと話が早くなります。
けがの治療費や、練習中の事故に備える仕組みを整えておくと、いざというときに迷わずに済みます。
練習に戻るまでの3段階
復帰の時期は、けがの程度によって数日から数週間まで大きく変わります。ここでは日数ではなく、順番を持っておいてください。
この順番を1つずつ確かめて、できたら次へ進みます。飛ばして戻った足首が、いちばんくり返しやすくなります。



イタミデハナク ウゴキデ ハンダンスル
判断のよりどころは、痛みの強さではありません。左右で同じ動きができるかどうかです。
私はスクールでも、戻りたいと言う選手には必ず片足立ちと軽いジャンプを見せてもらってから決めています。
片足立ちで10秒ふらつかずに立てるか。これは自分でも確かめやすい目安になります。けがをした側だけ大きく揺れるなら、まだ支える力が戻っていません。



痛くないから走れる、じゃダメなんだね。



そこを我慢できた選手ほど、あとが長く続きますよ。
医療機関にかかっている場合は、その指示が最優先です。ここに書いた順番は、指示の範囲内で自分の状態を確かめるための目安として使ってください。
| 足首の状態 | その日の練習 |
|---|---|
| 体重をかけて歩けない | 練習に参加せず、受診して指示を受ける |
| 歩けるが、走ると痛みが出る | 走る・跳ぶ動きは外し、上半身の練習にとどめる |
| まっすぐ走れるが、切り返しで不安がある | ジャンプと方向転換を減らし、様子を見ながら進める |
| 左右差なく跳んで着地できる | 通常の練習へ。テーピングやサポーターで支えを足す |
同じ足首をくり返さないための備え
1回捻挫した足首は、支える力が落ちたままになりやすい場所です。戻ってからの数か月が、次を防げるかどうかの分かれ道になります。
足首まわりを支える力を戻す
まずは、支える力の立て直しからです。難しい器具はいりません。
片足立ちは、足首まわりの細かい筋肉とバランス感覚を同時に働かせます。
私は選手たちに、けがをした側だけでなく両足で行うように伝えています。左右をそろえておくほうが、動きの癖が出にくくなるからです。
ふくらはぎを鍛えることも、足首を安定させる助けになります。跳ぶ力の底上げにもつながる部分です。
テーピングとサポーターを使い分ける
外から支えを足す方法も、あわせて考えておきたいところです。
テーピングは、その日の状態に合わせて固定の強さを変えられます。ただし、巻き方を覚えるまでに練習がいります。
サポーターは、毎回同じ支えを手早く作れるのが利点です。慣れていない選手や、自分で巻けない年代には向いています。



どちらを買えばいいのか、いつも迷ってしまいます。



自分で巻けるかどうかで選んでください。迷うならサポーターからで大丈夫です。
どちらも、支えを足して不安を減らすためのものです。着けているから絶対に安全になるわけではないので、着地の形と足首の力を戻すことは続けてください。
支えを足すことと、支える力を戻すことは別ものです。
シューズの状態も見落とされがちです。かかとまわりがゆるんできたシューズは、足首の安定を助けてくれません。
よくある質問
まとめ
足首の捻挫は、起きてしまうこと自体は避けきれません。分かれ道になるのは、直後の対応と、戻るときの判断です。
その場で冷やして固定する。戻るときは痛みではなく動きで決める。
| 場面 | やること |
|---|---|
| ひねった直後 | プレーをやめて座り、冷やして固定し、足を高くする |
| その日の夜 | 温めない・もまない。腫れと歩き方を見ておく |
| 歩けない・強く腫れている | 自己判断せず、整形外科で相談する |
| 復帰の判断 | 歩く→走る→跳んで着地の順に、左右差なくできるか |
| 戻ってから | 片足立ちとかかと上げを続け、支えを足して守る |
私は元日本代表として、また指導者として多くの選手を見てきましたが、1回目をていねいに扱えた選手ほど、同じ足首でつまずかずに済んでいました。



まずは、その場で止まって冷やす!



それができれば十分です。痛みが強い日は、無理をせず相談してくださいね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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