- プッシュアップバーが気になるけれど、バレーに効果があるのか分からない
- 床に手をつく腕立て伏せをすると、手首の甲側がつらくなる
- 買ってみたものの、普通の腕立てと何を変えればいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
プッシュアップバーは、床に置いた2つの持ち手を握って腕立て伏せをするための道具です。
手のひらを床につかずに握って押すので、手首を大きく反らさずに体を支えられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
バレーは、ブロックで相手の打球を押し返す、サーブでボールを前へ押し出す、レシーブのあとに床を押して起き上がるなど、腕で押す場面の多い競技です。
一方で、オーバーハンドパスやブロックで手首を反らせる回数も多く、筋トレでまで手首に負担をかけたくない選手もいるでしょう。
この記事では、プッシュアップバーでバレーに何が期待できて何ができないのか、5つの使い方と進める順番、やりがちな失敗までをまとめてお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- プッシュアップバーがバレーのどんな場面に役立つかが分かる
- ひざつきから始めて少しずつ負荷を上げる、5つの使い方が分かる
- 肩や手首を痛めやすい使い方と、選び方の目安が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:プッシュアップバーは「手首をまっすぐ保って押す」ための道具
結論からお伝えします。プッシュアップバーは、手首をまっすぐに保ったまま、腕立て伏せで胸・肩・腕の押す力を鍛えるための道具です。
床に手のひらをつく腕立て伏せでは、手首が甲側へ大きく反った状態で体重を支えます。バーを握ると、手首から前腕までがほぼ一直線になり、反らせる角度が小さくなります。
もう1つの特徴は、手の位置が床より少し高くなることです。そのぶん胸を下ろせる幅が広がり、同じ回数でも胸や肩にしっかり負荷がかかります。
バボット握ッテ 押ス ト 手首 ガ マッスグ
一方で、バーを使うだけでスパイクが強くなったり、手首のケガをしなくなったりするわけではありません。育てられるのは、押す力と、体をまっすぐ支える力の土台までです。



普通の腕立てと、そんなに違うんですか?



動きは同じ腕立て伏せです。違うのは手首の角度と、下ろせる深さ。そのぶん、深く下ろしすぎない注意が必要になりますよ。
- 最初はひざをついた腕立てから始める
- 胸はバーの握りの高さまで下ろし、それより深く沈めない
- 1種目8〜15回を2〜3セット、週に2〜3回を目安にする
- すべりにくい床に置き、バーがガタつかないか確かめる
この4つを守るだけで、肩や手首を痛めずに効果を感じやすくなります。



床に手をつく腕立てとは、どう使い分ければいいですか?
床に手をつく腕立て伏せとプッシュアップバーは、どちらも押す力を鍛えますが、向いている人が少し違います。
| くらべるところ | 床に手をつく腕立て | プッシュアップバー |
|---|---|---|
| 手首の角度 | 甲側に大きく反る | ほぼまっすぐ |
| 下ろせる深さ | 胸が床につくまで | 床より深くまで下ろせる |
| 向いている人 | 道具なしで始めたい人 | 手首の反りがつらい人 |
手首に不安がなければ床の腕立てで十分です。手をつくと手首がつらい人や、床の腕立てに慣れてきた人が、次の選択肢としてバーを使うと考えると迷いません。
バレー選手に向いている3つの場面
プッシュアップバーで鍛える押す力が、バレーのどんな場面につながるのかを知っておくと、練習の意味が分かりやすくなります。次の3つを意識して使ってみてください。
場面1:ブロックで押し返されるとき
1つ目は、ブロックです。ネットの上で手を出したあと、相手の強打を受け止める瞬間に腕を伸ばして支える力が弱いと、腕ごと押し込まれてしまいます。
腕を伸ばしたまま体を支える力は、腕立て伏せで押し上げきった形と同じです。
もちろんブロックは、高さやタイミング、手の形が先です。そのうえで、当たり負けしにくくする土台になります。
場面2:手首を反らせる練習が続いているとき
2つ目は、手首への負担です。オーバーハンドパスやブロックでは、手首を反らせる動きをくり返します。そこに床へ手をつく腕立て伏せが加わると、反らせる回数がさらに増えます。
バーを握れば、筋トレのあいだは手首をまっすぐに保てます。反らせる動きの合計を少しでも減らしたい選手には、使う意味のある道具です。
ただし、すでに手首が痛い場合は、バーを使っても腕立て伏せは休んでください。痛みが続くときや腫れがあるときは、整形外科に相談しましょう。



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場面3:レシーブのあとに床を押して起き上がるとき
3つ目は、レシーブのあとです。飛び込んだり倒れたりしたあと、床を押して立ち上がる動きも、押す力で速さが変わります。
ここが遅いと、次のボールに間に合いません。ラリーの後半で起き上がりが重くなる選手は、脚だけでなく腕で押す力も見直してみましょう。
ひざつきから通常の形へ:プッシュアップバーの5つの使い方
始める前の準備
最初に、安全に使うための準備を整えましょう。バーがすべったり傾いたりすると、手首をひねったり顔から倒れたりする危険があります。
バーは、肩幅より少し広い幅で、体と平行(持ち手が前後方向)に置くのが基本です。外へ開きすぎると肩に負担がかかりやすくなるので、最初はこの形から始めてください。
準備ができたら、次の5つを順番に進めます。前の種目がきれいにできるようになってから、次へ進んでください。
使い方1:ひざつきで浅く下ろす
バーを握り、ひざを床について、頭からひざまでを一直線にします。その形のまま、ひじを曲げて胸を下ろし、押し上げて戻します。
10〜15回を2セットが目安です。最初は、胸がバーの握りより少し上で止まる浅い深さでかまいません。下ろす深さより、体がまっすぐのまま動けているかを優先しましょう。
使い方2:通常の形でバーの高さまで下ろす
ひざつきで15回をきれいにできたら、つま先で体を支える通常の形へ進みます。頭からかかとまでを一直線に保ち、胸をバーの握りの高さまで下ろして押し上げます。
8〜12回を2〜3セット行います。胸が握りの高さに来たところ、ひじがおよそ90度に曲がったところで止めれば十分です。
バーがあると床より深く下ろせますが、深さを競う必要はありません。



バーがあると深く下ろせるから、ぎりぎりまで沈めていました…。



深く沈めるほど、肩の前側が引き伸ばされて痛みにつながります。握りの高さで止めても、押す力はしっかり育ちますよ。
使い方3:3秒かけてゆっくり下ろす
通常の形に慣れたら、回数を増やす前に、下ろす速さを変えます。1、2、3と数えながらゆっくり胸を下ろし、押し上げるときは1秒で戻します。
6〜10回を2セットが目安です。ゆっくり下ろすと、反動を使えないぶん、胸と肩と腕で体を支える時間が長くなります。息は下ろすときに吸い、押し上げるときに吐きましょう。
使い方4:腕を伸ばしたまま止まるプランク
腕立て伏せで押し上げきった形のまま、20〜30秒止まります。頭からかかとまでを一直線に保ち、肩をすくめず、耳と肩を遠ざけておきます。
2〜3セットが目安です。腕を伸ばしたまま体を支える形は、ブロックで押し返す瞬間の支えと同じです。腰が落ちてきたら、その時点で終わりにしてください。
使い方5:手幅をせまくして二の腕の裏を鍛える
最後は、バーの間隔を肩幅くらいまでせまくして行う形です。手幅がせまくなると、二の腕の裏側に負荷が集まります。
8〜10回を2セットが目安です。ひじは外へ広げず、体の横をこするように後ろへ曲げてください。肩やひじに痛みが出たら、手幅を元に戻しましょう。



ここまでで15分くらいです。全部をやる日を作らなくても大丈夫。今の段階の種目を、きれいにやることを優先してくださいね。
続けるときの目安
プッシュアップバーは、回数をこなすより、正しい形で続けるほうが変化を感じやすい道具です。
- 週に2〜3回、あいだに1日以上の休みを入れる
- 練習後の仕上げか、部活が休みの日に行う
- 15回をきれいにできてから、次の使い方へ進む
- 成長期は重りを足さず、自分の体重だけで行う
押す動きは、スパイクやブロックなど練習の中でもたくさん出てきます。練習前に追い込むと、肝心のプレーで腕が上がらなくなるので、筋トレは練習のあとに回しましょう。
プッシュアップバーでやりがちな3つの失敗
プッシュアップバーは、握って腕立て伏せをするだけのシンプルな道具です。そのぶん、使い方がずれていても気づきにくいので、次の3つを確かめてください。
失敗1:深く下ろしすぎる
いちばん多いのが、この形です。バーがあると床より深く下ろせるので、胸を床すれすれまで沈めたくなります。
ところが、深く沈めるほど、肩の前側が強く引き伸ばされます。回数を重ねるうちに、肩の前が痛くなる原因になりやすいところです。
胸は握りの高さまで、ひじはおよそ90度までを上限にしてください。浅めでも、ゆっくり下ろせば十分な負荷がかかります。



深サ ヨリ 正シイ形 ガ 近道
失敗2:すべる床やガタつくバーで使う
次に多いのが、フローリングの上でそのまま使うことです。押した瞬間にバーがすべると、手首をひねったり、顔から床に倒れたりする危険があります。
すべり止めのついたバーを選び、心配なら薄いマットの上で使いましょう。組み立て式のバーは、使う前にゆるみがないか毎回確かめてください。
失敗3:手首をひねりすぎる・痛みをがまんする
3つ目は、回転するタイプのバーで、手首を大きくひねりながら押すことです。回る分だけ動きが不安定になり、手首やひじに余計な負担がかかります。
最初は回転しないタイプを選び、握りの向きは体と平行のまま固定して行いましょう。
また、手首や肩、ひじに痛みがあるときは使わないでください。痛みが続くときは、整形外科を受診しましょう。



少し痛くても、手首がまっすぐなら大丈夫だと思っていました…。



バーは負担を減らす道具で、痛みを治す道具ではありません。痛い日は休むのがいちばんの近道ですよ。
持っていなくても大丈夫:バーなしで始める方法
プッシュアップバーがなくても、押す力は今日から鍛えられます。床に手をつく腕立て伏せで手首がつらくなければ、まずはそれで十分です。
手首がつらい人は、壁に手をついて行う壁腕立てや、テーブルなど高さのある台に手をつく腕立てから始めましょう。体が起きているぶん、手首にかかる体重が軽くなります。
- 床に当たる面に、すべり止めのゴムがついているか
- 回転しない、固定タイプか(最初の1つにおすすめ)
- 握りが太すぎず、手のひら全体でしっかり握れるか
大事なのは、道具の種類よりも順番を守って続けることです。まずはバーなしで腕立て伏せの形を覚え、手首がつらい、もう少し負荷がほしいと感じたら、プッシュアップバーを検討してみてください。
プッシュアップバーだけでは足りない部分
ここまでプッシュアップバーの使い方をお伝えしてきましたが、鍛えるだけでスパイクが強くなったり、ブロックで止められるようになったりするわけではありません。
プッシュアップバーで育てられるのは、腕で押す力と、体をまっすぐ支える力です。その土台の上に、肩を守るインナーマッスルの練習や、コートで実際に跳んで手を出す練習を重ねて、プレーの動きに変えていきます。
押す種目を続けると、胸の筋肉がかたくなりやすくなります。練習後には胸のストレッチも入れて、腕を大きく振れる状態を保ちましょう。
鍛える、ほぐす、コートで使う。この3つがそろうと、ブロックの当たり負けも、起き上がりの速さも変わっていきます。



バーで押す力をつけて、終わったら胸のストレッチまでやってみます!



鍛えたあとにほぐすところまでがセットです。続けるほど、腕の振りも軽くなりますよ。
よくある質問
まとめ:プッシュアップバーは手首をまっすぐ保ち、深く下ろしすぎずに使う道具
プッシュアップバーは、手首をまっすぐに保ったまま、腕立て伏せで押す力を鍛えるための道具です。
ひざつきから通常の形へ、順番を守って進めることで、ブロックで押し返す力や、床を押して起き上がる力の土台が育っていきます。
ひざつきから始める。胸は握りの高さまで。すべる床では使わない。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| 通常の形で体が落ちる | ひざつきに戻し、15回きれいにできるまで続ける |
| 肩の前が痛くなる | 下ろす深さを握りの高さまでにする |
| バーがすべる | すべり止めつきのバーにし、マットの上で使う |
| 腰が落ちる | 回数を減らし、頭からかかとまで一直線を保つ |
| 手首や肩に痛みがある | 使わずに休み、続けば整形外科へ |
バーがなくても、壁腕立てやひざつきの腕立て伏せは今日から試せます。練習後や家での自主練の10分を使って、押し負けない腕と体を作っていきましょう。



今日から、ひざつきの腕立て15回から始めてみます!



次の使い方に進めた日を、ノートに書いておくと成長が分かりやすいですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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