- ブロックで手を出しても、押し返されて負けてしまう
- サーブを打つと、腕の力が足りない気がする
- 腕立て伏せが1回もできず、何から始めればいいかわからない
こんな悩みを解決します。
ブロックとサーブの土台をつくるカギは、腕立て伏せ(プッシュアップ)を自分のレベルに合わせて行うことにあります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、腕の力が足りない選手ほど、いきなり難しい腕立て伏せに挑んで続かなくなっていることが本当に多いんです。
自分に合ったやり方から始めれば、胸・肩・腕がバランスよく育ち、ブロックやサーブの基礎の力がついていきます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 腕立て伏せがブロック・サーブに効く理由がわかる
- レベル別のバリエーションと進め方がわかる
- 成長期でも安全に続けるコツがわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:腕立て伏せは「押す力」の土台をつくる
先に結論からお伝えします。腕立て伏せは、胸・肩・腕をまとめて使い、体を押し上げる動きで「押す力」を鍛える種目です。
ブロックもサーブも、根っこにあるのは「押す力」。腕立て伏せはその土台を広く鍛えられる。
ブロックは、ネットの上で相手の打球を押し返す動きです。サーブは、ボールを前へ押し出す動き。どちらの土台にもあるのが、腕立て伏せで鍛える押す力です。
- 胸と肩で体を押し上げる力
- 腕を伸ばして押し出す力
- 体幹をまっすぐ保って支える力
サルくん腕立て伏せって、ブロックにもサーブにも効くんだ?



うん。どちらも「押す」動きだからね。土台になる力をまとめて鍛えられるんだよ。
腕立て伏せは、器具がいらず、自分の体重だけでできる手軽な種目です。それでいて、胸・肩・腕・体幹まで上半身を広く鍛えられるので、基礎づくりにぴったりなんです。
自宅でもすき間時間にできるのも大きな魅力です。特別な準備がいらないぶん、続けやすく、習慣にしやすい種目でもあります。
大切なのは、回数を競うことよりも、自分のレベルに合ったやり方を選ぶことです。1回もできなくても、始められるバリエーションがちゃんとあります。
なお、肩を速く強く動かすチューブトレーニングは別の記事でまとめています。この記事では、自重で押す力を育てる腕立て伏せにしぼって掘り下げます。
なぜ腕立て伏せが効くのか:押す動きとの深い関係
腕立て伏せが効くのは、ブロックやサーブと同じ「押す動き」を鍛えられるからです。動きが似ているほど、トレーニングはプレーに近づきます。



オスチカラガ キソニナル
ブロックでは、相手の強い打球を、腕と手で押し返します。このとき胸や肩の押す力が弱いと、簡単にはじかれてしまいます。
ブロックは押し返す、サーブは押し出す。どちらも胸と肩の押す力が支えている。
サーブでも、ボールを前へ押し出す瞬間に、胸や肩の力が働きます。腕だけで振るより、上半身全体で押せる方が、安定した強いサーブになります。



押す力があると、ブロックで負けにくくなるし、サーブも安定するんだ。
さらに、腕立て伏せは体幹をまっすぐ保つ力も同時に鍛えます。体を一直線に保ちながら押すことで、おなかや背中の支える筋肉も働くからです。
この「押す力」と「支える力」が、上半身のプレー全体の土台になります。腕立て伏せは、その両方をまとめて鍛えられる、基礎づくりの王道なんです。
体づくり全体の流れを知りたい方は、身体づくりの完全ガイドもあわせて読んでみてください。
バリエーションと段階:できる形から始める


腕立て伏せは、レベルに合わせて形を変えられます。1回もできなくても、やさしい形から始めれば大丈夫です。
- 壁腕立て:壁を押す(いちばんやさしい)
- ひざつき腕立て:ひざをついて行う(基本)
- 通常の腕立て:つま先で体を支えて行う(標準)
まずは、自分ができる形を選びましょう。通常の腕立てがきつい人は、壁腕立てやひざつき腕立てから始めます。
ポイントは、体を一直線に保つことです。おしりが上がったり腰が落ちたりすると、押す力が抜けて、効きにくくなります。



1回もできなくても、壁からならできそう!



そう。できる形から始めればいいんだよ。少しずつ床に近づけていこう。
慣れてきたら、手を置く幅を変えてみましょう。手を広めにつくと胸に、せまめにつくと腕の裏側に効きやすくなります。目的に合わせて使い分けられます。



手の幅で、効くところが変わるの?



うん。広めは胸、せまめは腕の裏。いろいろ試すと、バランスよく鍛えられるよ。
通常の腕立てが楽にできるようになったら、足を台に乗せて負荷を上げる方法もあります。ただし、フォームが崩れない範囲で、少しずつ進めるのが安全です。
段階の上げ方に迷ったら、「今の形で、正しいフォームのまま10回できるか」を目安にしてください。
フォームを保って10回できたら、次の形へ進むサインです。
反対に、フォームが崩れてきたら、無理に難しい形を続けず、一つ前に戻ります。やさしい形でも、正しく行えば押す力はしっかり育っていきますよ。



大事なのは形。難しい腕立てを崩れたフォームでやるより、やさしい形をきれいにやる方が効くんだ。
正しいフォームと注意点


腕立て伏せでいちばん大事なのは、体を一直線に保つことです。腰が落ちたり、おしりが上がったりすると、効き目が下がり、腰にも負担がかかります。
頭からかかとまで一直線。腰を落とさず、おしりも上げすぎない。
体を下ろすときは、ゆっくりコントロールします。勢いで下ろすと、胸や肩に効きにくく、フォームも崩れやすくなります。



アタマカラ カカトマデ イッチョクセン
下ろす深さは、無理のない範囲で構いません。深く下ろせないうちから床すれすれを狙うと、フォームが崩れてしまいます。まずは浅めで、正しい形を優先しましょう。
肩に痛みが出るときは、手の幅を見直します。
手を広げすぎると肩に負担がかかりやすいので、肩幅より少し広い程度に整えると、痛みが出にくくなります。
呼吸も大切です。下ろすときに息を吸い、押し上げるときに息を吐くと、力が入りやすくなります。息を止めて力まないようにしましょう。



目線は、どこを見ればいいの?



手より少し前の床を見ると、首が反らずに背中がまっすぐ保てるよ。真下を見ると背中が丸まりやすいんだ。
目線を手より少し前に置くと、首が自然な角度になり、頭からかかとまでの一直線を保ちやすくなります。真下を見ると背中が丸まりやすいので、気をつけましょう。
回数・頻度の目安と成長期の注意
腕立て伏せは、毎日やる必要はありません。筋肉は休んでいる間に強くなるので、鍛える日と休む日をセットにします。
ここで、成長期の選手に大事な注意点があります。育ち盛りの時期は、無理に回数や負荷を追わず、正しいフォームでできる形を選ぶことが大切です。



セイチョウキハ フォームユウセン
「重いトレーニングは身長を止める」と心配する声もありますが、正しいフォームと適切な負荷の運動が成長を妨げるという科学的な根拠は確認されていません。
問題になるのは、フォームが崩れたままの過剰な負荷です。
出典:子供の体力向上(スポーツ庁)・発育期のスポーツ活動のあり方に関する研究(日本スポーツ協会)



肩やひじに痛みが出たら、すぐお休み。回数より、痛みのないフォームを大事にね。
よくある失敗と直し方


腕立て伏せでつまずきやすいポイントと、その直し方を見ておきましょう。
- 腰が落ちて、体が一直線になっていない
- 勢いで下ろして、コントロールできていない
- 手を広げすぎて、肩に負担がかかっている
腰が落ちてしまう人は、おなかに軽く力を入れて、体を板のように保ちましょう。鏡で横から見たり、動画を撮ったりすると、崩れに気づきやすくなります。
自分では一直線のつもりでも、映像で見ると腰が落ちていることは多いので、一度チェックしてみるのがおすすめです。
勢いで下ろしてしまう人は、下ろすのに2〜3秒かけるとテンポが整います。ゆっくり下ろすほど、胸や肩にしっかり効きます。回数をこなすことより、1回1回をていねいに行う方が、押す力は早く育つのです。



肩が痛くならない手の幅って、どのくらい?



肩幅より少し広いくらいが目安。広げすぎると肩に負担がかかるから、痛くない幅を探してね。
手を広げすぎる人は、肩幅より少し広い程度に整えます。痛みが出ない幅を見つけることが、長く続けるコツ。ひじを外に大きく開かず、少し後ろへ引くように曲げると、肩の負担がさらに減ります。



まずは壁腕立てから、一直線を守ってやってみる!



いいね。フォームを守れば、押す力が着実についてくるよ。
肩を速く強く動かす力も伸ばしたい人は、チューブを使った肩のトレーニングも合わせると効果的です。空中でのバランスが崩れやすい人は、軸を安定させる体幹の記事もヒントになります。
ここからは、選手や保護者の方からよくいただく質問にお答えします。
腕立て伏せについてよくある質問
鍛えた押す力を実戦で活かすコツ


腕立て伏せで得た力は、コートで使えてはじめて意味を持ちます。鍛えた押す力を、ブロックとサーブにつなげていきましょう。
- ブロック:手を高く出して、押し返す
- サーブ:上半身で前へ押し出す
- 共通:体幹を一直線に保って力を伝える
ブロックでは、手を高く前に出して、相手の打球を押し返します。トレーニングで覚えた押す感覚を、その手の使い方に持ち込むイメージを持ちましょう。
指先だけでなく、手のひら全体で押し返すと、力が分散せずに安定して押し返せます。



ブロックもサーブも、鍛えた押す力を使えばいいんだね!



そう。腕だけじゃなくて、胸や肩も一緒に使う。体幹で支えると、力が逃げないよ。
サーブでは、ボールを前へ押し出す瞬間に、上半身の力を使います。腕だけで振るより、胸や肩も一緒に使う方が、安定した力強いサーブになります。
どちらの動きでも、体幹を一直線に保って力を伝えることが大切です。
腕立て伏せで覚えた「体を板のように保つ」感覚が、そのまま生きてきます。
もちろん、腕立て伏せだけでブロックやサーブが上手になるわけではありません。押す力はあくまで土台で、その上に正しいフォームや技術を積み重ねていく形になります。
それでも、土台がしっかりしていると、技術を身につけるスピードも上がります。力に余裕があるほど、フォームに気を配る余裕も生まれるからです。
トレーニングで作った「押す力」と「一直線の体幹」を、ブロックとサーブでも意識する。
まとめ:押す力を鍛えてブロックとサーブの土台をつくろう
腕立て伏せは、ブロックの押し返しとサーブの押し出しを支える「押す力」を、まとめて鍛えられる種目です。自分のレベルに合った形から始めれば、無理なく土台がつくれます。
| ポイント | 直すこと | 目安 |
|---|---|---|
| 姿勢 | 体を一直線に | 腰を落とさない |
| テンポ | ゆっくり下ろす | 勢いで下げない |
| 段階 | 壁→ひざ→通常 | できる形から |
回数を競わず、正しい形で押す。腕立て伏せでブロックとサーブの土台をつくる。
私は元日本代表として、押す力がついた選手のブロックとサーブが、見違えるほど安定していくのを何度も見てきました。あせらず、できる形から積み上げていきましょう。



よし、今日から壁腕立てを習慣にするぞ!



その意気だよ。できる形から続ければ、押す力は必ずついてくるからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの身体づくり(パフォーマンスアップ)については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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