- スパイクやサーブを打つと、肩が重だるくなる
- 打つ本数が増えると、肩に違和感が出てくる
- 肩を強くしたいけれど、痛めるのが怖くて手が出せない
こんな悩みを解決します。
肩を守りながら打つ力を安定させるカギは、チューブを使って肩のインナーマッスルを鍛えることにあります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、肩に不安を抱える選手ほど、大きな筋肉ばかり鍛えて、肩の奥を支えるインナーマッスルが弱いままになっていることが本当に多いんです。
肩のインナーマッスルを鍛えると、肩関節が安定し、繰り返し打っても負担のたまりにくい肩に近づけます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 肩のインナーマッスルがバレーに欠かせない理由がわかる
- チューブを使った安全な鍛え方がわかる
- 肩を痛めないための注意点と受診の目安がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
なお、この記事は「肩のインナーマッスルの強化」に特化しています。すでに痛みがある場合の対処やゼロポジションについてはサーブで肩が痛い原因でくわしく解説していますので、そちらもあわせて確認してください。
まず前提として、すでに肩に痛みがある場合は、自己判断でトレーニングを行う前に、整形外科などの医療機関で状態を確認してもらうことをおすすめします。
結論:インナーマッスルは肩の「土台」を支える

先に結論からお伝えします。肩のインナーマッスルは、肩関節を包み込むように支え、腕を振るときに関節が正しい位置に収まるようにする役割を持っています。
大きな筋肉が腕を「振る力」なら、インナーマッスルは肩を「安定させる力」。両方そろって初めて肩は守られる。
スパイクやサーブは、肩を大きく速く動かす動作です。このとき、肩関節がぐらつかずに正しい位置で動けるよう、奥から支えているのがインナーマッスルです。ここが弱いと、関節に無理な負担がかかりやすくなります。
- 肩関節を正しい位置に保つ(安定させる)
- 腕を振るときのブレを抑える
- 繰り返しの動作による負担を分散する
サルくんインナーマッスルって、力こぶみたいに大きくなる筋肉じゃないの?



違うんだ。表からは見えない、肩の奥にある小さな筋肉たちだよ。目立たないけど、肩を守るとても大事な役割があるんだ。
肩を長く使い続けられる選手は、この奥の筋肉がしっかり働いています。目立つ力こぶよりも、見えないところの安定感が、肩を守る土台になっているんです。
逆に、大きな筋肉だけが強くてインナーマッスルが弱いと、力のバランスが崩れて肩に負担が集中しやすくなります。だからこそ、地味に見えても外せないトレーニングです。
打つ力そのものは、背中や体幹から生まれます。バレーの背筋の鍛え方で解説しているような大きな筋肉が「エンジン」だとすれば、インナーマッスルはその力を受け止める「土台」。
エンジンだけを大きくしても、土台がぐらついていては強く打ち続けられません。
なぜバレー選手に肩のケアが欠かせないのか
バレーは、スパイクやサーブで肩を繰り返し使う競技です。だからこそ、肩のインナーマッスルを鍛えて関節を守ることが欠かせません。



カタノ オクヲ キタエテ マモル
腕を大きく振る動作を何度もくり返すと、肩には少しずつ負担が積み重なっていきます。インナーマッスルが弱いと関節が不安定になり、その負担を受け止めきれず、違和感やトラブルにつながりやすくなります。
肩の負担は、一度に大きくかかるより、少しずつ積み重なって表面化することが多い。だから日ごろのケアが大切。
インナーマッスルを鍛えておくと、関節が安定し、同じ本数を打っても肩にかかる負担が分散されやすくなります。「打てる肩」を長く保つための、いわば保険のようなトレーニングです。



打つ力を上げることばかりに目が行きがちだけど、その力を受け止める土台があってこそなんだよ。
特に、これから打ち込みの本数が増えていく選手ほど、早めにインナーマッスルのケアを習慣にしておくと安心です。パワーを上げる前に、それを支える肩を作っておくイメージです。
ただし、トレーニングはあくまで負担を軽くするための補助であり、痛みを治すものではありません。すでに痛みがある場合は、まず医療機関で相談することが第一です。
チューブを使った肩のインナーマッスルの鍛え方


肩のインナーマッスルは、軽い負荷でていねいに動かすのが基本です。トレーニングチューブ(ゴムバンド)を使うと、軽い負荷を調整しやすく、家でも手軽に行えます。
- 外旋(わきを締めて、腕を外へ開く)
- 内旋(わきを締めて、腕を内へ入れる)
- 肩の前・横への軽い引き上げ
まずは基本の外旋です。チューブの一端を柱などに固定し、ひじを体の横につけたまま、前腕を外側へ開きます。わきを締めたまま行うのがポイントです。



わきを締めたまま動かすのが大事なんだね!



そう。わきが開くと、狙った奥の筋肉じゃなくて大きな筋肉が働いちゃうんだ。ここは本当にていねいにね。
次に内旋です。今度は反対に、前腕を体の内側へ入れる動きです。外旋と内旋の両方を行うことで、肩の前後をバランスよく鍛えられます。



どのくらいの強さのチューブを選べばいいの?



びっくりするくらい軽くていいよ。インナーマッスルは小さい筋肉だから、軽い負荷で十分効くんだ。重すぎると逆効果だよ。
これらの種目は、いずれも「ゆっくり、ていねいに」が合言葉です。反動を使わず、動きをコントロールしながら行うことで、狙った奥の筋肉に効かせられます。
チューブがない場合は、ごく軽いダンベルやペットボトルでも代用できます。ただし、いずれにしても負荷はごく軽く設定してください。
チューブそのものの選び方や、肩以外の使い道についてはトレーニングチューブでバレーが上手くなる使い方と選び方にまとめています。強度が色分けされている製品なら、いちばん弱いものから始めれば失敗しません。
正しいフォームと肩を痛めないための注意点


肩のインナーマッスルトレは、やり方を間違えると肩を痛める原因になります。安全に行うためのポイントを押さえておきましょう。
インナーマッスルトレは「軽い負荷・ゆっくり・わきを締めて」。重い負荷や反動は、守るはずの肩を痛めてしまう。
いちばん大事なのは、負荷を軽くすることです。インナーマッスルは小さな筋肉なので、軽い負荷で十分に効くからです。
重いチューブやダンベルを使うと、大きな筋肉が代わりに働いてしまいます。効果が薄れるうえ、肩を痛めやすくなります。



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反動を使わず、ゆっくりコントロールして動かしましょう。特に戻す動きをていねいに行うと、狙った筋肉にしっかり効きます。動作中に肩がすくんだり、わきが開いたりしたら、負荷が強すぎるサインです。



トレーニング中に肩がズキッと痛むなら、すぐにやめてね。「効いてる痛み」と「関節の痛み」は別物なんだ。
肩に痛みや引っかかり、しびれを感じる場合は、すぐに中止してください。
痛みが続くときや、動かすと強く痛むときは、我慢せず整形外科などの医療機関を受診しましょう。肩のトラブルは早めの対応が回復への近道です。
回数・頻度の目安と成長期の配慮
肩のインナーマッスルトレは、「軽い負荷を、多めの回数で、ていねいに」が基本です。強い負荷で少ない回数、ではありません。
回数をこなすことより、正しいフォームを保つことを優先しましょう。フォームが崩れたり、肩に違和感が出たりしたら、その時点で終える判断が大切です。
ここで、成長期の選手に特に大事な注意点があります。育ち盛りの時期は、肩の関節や骨がまだ発達の途中で、打ちすぎによるトラブルが起きやすい時期だからです。
負荷はごく軽くし、痛みが少しでもあるときはトレーニングを行わないでください。
成長期は「強くすること」より「痛みを出さないこと」を優先する。
「子どもの筋トレは身長を止める」と心配する声もあります。ですが、正しいフォームと軽い負荷の運動が成長を妨げるという科学的な根拠は確認されていません。
問題になるのは、痛みを我慢した過剰な負荷や、打ちすぎのほうです。
出典:子供の体力向上(スポーツ庁)・発育期のスポーツ活動のあり方に関する研究(日本スポーツ協会)



肩は代わりのきかない大事な部分。強くするより先に、まず守ることを考えようね。
よくある失敗と直し方
肩のインナーマッスルトレでつまずきやすいポイントと、その直し方を見ておきましょう。
- 負荷が重すぎて大きな筋肉が働いている
- わきが開いて、狙った筋肉に効いていない
- 反動を使って速く動かしている
負荷が重すぎる人は、思い切ってチューブを軽いものに変えましょう。「軽すぎるかな?」と感じるくらいでちょうどよいことが多いです。インナーマッスルは軽い負荷で十分に反応します。
わきが開いてしまう人は、たたんだタオルをわきに挟んで行うと、締めた状態をキープしやすくなります。タオルが落ちないように動かすと、自然と正しいフォームになります。



速く動かしちゃうと、どうしてよくないの?



速く動かすと反動で動けちゃうから、肝心の奥の筋肉が働かないんだ。ゆっくりだからこそ、ちゃんと効くんだよ。
反動を使ってしまう人は、テンポを決めて動かしましょう。「開くのに2秒、戻すのに2秒」のように数えると、自然とゆっくりコントロールできます。



軽い負荷で、わきを締めて、ゆっくり。地味だけどやってみる!



その地味さが肩を守るんだよ。続けた人ほど、長くいいプレーができるんだ。
選手や保護者の方からよくいただく質問にも、ここで答えておきます。
肩のインナーマッスルについてよくある質問
鍛えた肩を実戦で活かすコツ


肩のインナーマッスルは、鍛えるだけでなく「日々の習慣にすること」が大切です。プレーとケアの両面で意識しましょう。
- 練習前:軽いチューブで肩を温めてから打つ
- 練習後:肩まわりをゆっくり伸ばして疲れを残さない
- 打ちすぎの日:本数を調整して肩を休ませる
インナーマッスルのトレーニングは、練習前のウォーミングアップに軽く取り入れると、肩が温まって動きが安定します。いきなり全力で打ち始めるより、肩に負担がかかりにくくなります。



打つ前に軽く肩を動かしておくといいんだね!



そう。準備運動としても効果的なんだ。肩を温めてから打つ習慣をつけよう。
練習後は、肩まわりをゆっくり伸ばして、疲れを翌日に持ち越さないようにしましょう。ケアを続けることで、肩の状態を良い状態に保ちやすくなります。
道具を使うなら、フォームローラーの活用法も参考になります。ただし肩の関節そのものにグリグリ当てるのではなく、背中や肩甲骨まわりの筋肉をほぐす使い方にとどめてください。
そして何より大切なのが、打ちすぎないことです。肩の違和感は「休みなさい」というサインです。本数を調整し、肩を休ませる勇気を持つことも、長くプレーを続けるための大切なケアです。
肩は「鍛える」だけでなく「守る・休ませる」までがワンセット。無理をしないことが最大のケアになる。
まとめ:地味なケアが、打てる肩を長く守る
肩のインナーマッスルは、肩関節を奥から支えて安定させ、繰り返しの動作による負担を分散する土台です。派手さはありませんが、打てる肩を長く保つために欠かせないトレーニングです。
| ポイント | 意識すること | 目安 |
|---|---|---|
| 負荷 | ごく軽く | 大きな筋肉に頼らない |
| 動き | ゆっくり・わきを締める | 反動を使わない |
| 痛み | あればトレは中止・受診 | 我慢しない |
肩は代わりのきかない大切な部分。軽い負荷でていねいに鍛え、違和感があれば必ず医療機関へ。
私は元日本代表として、肩のケアを習慣にした選手が、大きなトラブルなく長くプレーを続けていくのを何度も見てきました。あせらず、地味なケアを積み重ねていきましょう。



よし、練習前の肩トレを習慣にするぞ!



その意気だよ。肩を大事にする選手ほど、長くいいバレーができるからね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーの身体づくり(パフォーマンスアップ)については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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