- ダンベルを買えば、ジャンプ力やスパイクの威力が上がるのか知りたい
- 中学生や高校生が使っても大丈夫なのか迷っている
- 何kgを選べばいいのか、どんな種目をやればいいのかが分からない
こんな悩みを解決します。
ダンベルは、片手で持てる短い棒の両端におもりが付いた筋トレ器具です。重さが決まっている固定式と、おもりを付け替えて重さを変えられる可変式があります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
「家でダンベルを持てば、部活の練習だけでは足りない力をつけられるのでは」と考える人は多いと思います。
ただし、ダンベルで重さを扱うのは高校年代からで十分です。使い方を間違えると、肩や腰を痛める原因にもなります。
この記事では、ダンベルでバレーに何が期待できて何ができないのか、重さの選び方と5つの使い方、やりがちな失敗までをまとめてお伝えします。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ダンベルが何歳から、バレーのどんな力に役立つかが分かる
- 脚・背中・肩を鍛える、5つの使い方が分かる
- 重さの選び方と、ケガにつながる使い方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:ダンベルは高校生から、自重で物足りなくなったら使う道具
結論からお伝えします。ダンベルは、自分の体重だけでは物足りなくなった高校生以上が、脚や背中に少しずつ重さを足すための道具です。
中学生のうちは、重いダンベルやバーベルは必要ありません。
器具である程度の重さを扱うのは、ケガの予防と骨の成長の面から、高校年代からで十分です。
ダンベルの長所は、左右の手に1つずつ持つので、片方ずつの力の差に気づきやすいことです。バーベルよりも動きの自由がきき、家でも場所をとりません。
一方で、ダンベルを持っただけで高く跳べるようになるわけではありません。鍛えた力をプレーで使えるようにするには、コートでの練習が欠かせません。
バボット中学生ハ 自重 高校生カラ ダンベル



重いものを持つほど、早く強くなれるんじゃないんですか?



重さより、正しい形で続けることが先です。形がくずれた重さは、筋肉より関節に負担がかかってしまいますよ。
- 中学生は持たずに、自分の体重で同じ動きを覚える
- 高校生以上も、軽い重さで10回きれいにできてから重くする
- 反動をつけず、ゆっくり下ろしてしっかり上げる
- 痛みがある日は使わない
この4つを守れば、ケガを避けながら力をつけられます。
似た使い方をする器具にケトルベルがあります。どちらもおもりを持つ道具ですが、得意な動きが少し違います。
| くらべるところ | ダンベル | ケトルベル |
|---|---|---|
| 得意な動き | 持ってゆっくり上げ下げ | 振ってお尻で押し出す |
| 鍛えやすい所 | 脚・背中・肩を部位ごと | お尻と太もも裏 |
| 重さの調整 | 可変式なら細かく変えられる | 1個ごとに買い足す |
部位ごとに丁寧に鍛えたい人はダンベル、お尻で押し出す動きを鍛えたい人はケトルベルが向いています。
バレー選手がダンベルで鍛えたい3つの力
ダンベルで何を鍛えると、バレーのどの場面につながるのかを知っておくと、種目選びに迷わなくなります。
力1:踏み切りで体を押し上げる脚の力
1つ目は、スパイクやブロックの踏み切りです。踏み切りでは、太ももとお尻で床を押して体を上へ運びます。
自分の体重のスクワットが楽にできるようになったら、ダンベルを持って重さを足すと、脚で床を押す力の土台が育ちます。
ただし、高く跳ぶには、踏み切りのタイミングや腕の振りも欠かせません。脚の力は、その土台の1つです。
力2:腕を大きく振る背中の力
2つ目は、スパイクやサーブで腕を振る力です。腕を後ろへ引いて大きく振るときは、肩だけでなく背中の筋肉も働いています。
背中を鍛えておくと、胸の筋肉とのバランスがとれて、肩が前へ丸まりにくくなります。腕を大きく振れる姿勢を保つ助けになります。



腕ノ 振リ ハ 背中 カラ
力3:着地で体を支える片脚の力
3つ目は、着地と横への移動です。バレーでは、片脚で踏ん張る場面がたくさんあります。
片脚ずつ行う種目にダンベルで重さを足すと、左右の脚の力の差に気づけます。弱い側を知っておくことは、着地でひざがぶれるのを防ぐ第一歩になります。
高校生からのダンベルの5つの使い方
始める前の準備
最初に、安全に使うための準備を整えましょう。ダンベルは落とすと床や足を傷めるので、周りに物がない場所で使います。
重さの目安は、高校生の女子なら片手2〜4kg、男子なら4〜6kg前後からです。種目によって合う重さは変わるので、重さを変えられる可変式のほうが長く使えます。
準備ができたら、次の5つを順番に試していきます。どれも、ゆっくり下ろしてしっかり上げるのが基本です。
使い方1:胸の前で1つ持つゴブレットスクワット
ダンベルを1つ、両手で縦に持って胸の前に抱えます。足は肩幅に開き、お尻を後ろへ引きながら、太ももが床と平行になるまでしゃがんで立ち上がります。
10〜12回を2〜3セットが目安です。ひざとつま先の向きをそろえ、ひざが内側に入らないように下ろします。
胸の前で持つので、上体が前に倒れにくく、正しいしゃがみ方を覚えやすい種目です。
使い方2:両手に持って前へ踏み出すランジ
両手にダンベルを1つずつ持ち、腕を体の横に下ろして立ちます。片脚を大きく前へ踏み出し、後ろのひざが床に近づくまで腰を落としてから、前の脚で床を押して戻ります。
左右10回ずつを2〜3セットが目安です。踏み出した脚のひざが内側へ入らないよう、つま先と同じ向きに曲げてください。
左右で回数をそろえると、どちらの脚が弱いかが分かります。
使い方3:お尻を引いて下ろすルーマニアンデッドリフト
両手にダンベルを持ち、太ももの前に下げて立ちます。ひざを軽く曲げたまま、お尻を後ろへ引いてダンベルをすねの近くまで下ろし、お尻を前へ押し出して立ち上がります。
10回を2〜3セットが目安です。背中を丸めず、ダンベルは脚に沿わせたまま上下させます。
太もも裏とお尻が働き、踏み切りで体を押し上げる力と、着地でひざを守る力の土台になります。



下まで下ろそうとして、背中が丸まっていました…。



太もも裏が伸びて張ったところで止めれば大丈夫です。床まで下ろす必要はありませんよ。
使い方4:片手をついて引き上げるワンハンドローイング
いすやベンチに片手と片ひざをつき、背中をまっすぐにします。反対の手でダンベルを持ち、ひじを後ろへ引くようにして脇腹の横まで引き上げ、ゆっくり下ろします。
左右10〜12回を2〜3セットが目安です。手で持ち上げるのではなく、ひじを後ろへ引いて背中を寄せる意識で行いましょう。
体をひねって引き上げると、背中ではなく腕と腰で上げてしまいます。上体は床と平行のまま動かさないのがコツです。
使い方5:軽い重さで腕を横へ上げるサイドレイズ
両手に軽いダンベルを持ち、腕を体の横に下ろして立ちます。ひじを軽く曲げたまま、腕を横へ肩の高さまで上げて、ゆっくり下ろします。
12〜15回を2セットが目安です。肩は小さな筋肉なので、5つの中でいちばん軽い重さ(片手1〜2kg)で行います。
肩より高く上げたり、反動で振り上げたりすると、肩の関節に負担がかかります。肩の高さで止めてください。



5つ全部で20〜25分くらいです。毎回全部をやらなくても大丈夫。脚の日と上半身の日に分けてもいいですよ。
続けるときの目安
ダンベルは、重さを上げることより、正しい形で続けることのほうが力になります。
- 週に2回、あいだに2日以上の休みを入れる
- 練習後の仕上げか、部活が休みの日に行う
- 12回をきれいにできてから、重さを1〜2kgずつ上げる
- 大会の前の週は回数を減らし、疲れを残さない
部活の練習では、ジャンプやダッシュで脚をたくさん使っています。練習前に追い込むとプレーで脚が動かなくなるので、ダンベルは練習のあとか休みの日に回しましょう。
ダンベルでやりがちな3つの失敗
ダンベルは持って上げ下げするだけの、シンプルな道具です。そのぶん、間違った使い方をしていても気づきにくいので、次の3つを確かめてください。
失敗1:重すぎて反動で上げる
いちばん多いのが、重すぎるダンベルを選んで、体をゆすって勢いで上げてしまうことです。反動を使うと、鍛えたい筋肉に力が入らず、腰や肩の関節に負担がかかります。
下ろすのに2秒かけられない重さなら、重すぎるサインです。重さを下げて、ゆっくり動かせる重さに戻しましょう。



ユックリ 下ロセナイ ナラ 重スギ
失敗2:練習前に脚を追い込む
次に多いのが、部活の練習の前にスクワットやランジで脚を追い込んでしまうことです。
脚が疲れたまま跳ぶと、踏み切りが弱くなるだけでなく、着地でひざが内側へ入りやすくなります。ケガをしやすい状態で練習することになるのです。
ダンベルを使う日は、練習のあとか、部活が休みの日にしましょう。
失敗3:腕と胸ばかり鍛える
3つ目は、力こぶや胸など、目で見て分かる部分ばかり鍛えてしまうことです。



腕を太くすれば、スパイクが強くなると思っていました…。



スパイクの威力は、脚で踏み切って、体全体を連動させて生まれます。腕だけ鍛えても、打つボールはあまり変わらないんです。
脚・お尻・背中といった大きな筋肉を中心に、肩は軽い重さで整えるくらいがバレーには合っています。
また、肩や腰、ひざに痛みがあるときは使わないでください。痛みが続くときは、整形外科を受診しましょう。
中学生はダンベルなしで大丈夫:自重で始める方法
ダンベルがなくても、5つの使い方のうち多くは今日から練習できます。中学生のうちは、器具で重さを足す必要はありません。
スクワットもランジも、自分の体重だけで十分に脚へ効きます。まずは何も持たずに、15回をゆっくりきれいにできることを目指しましょう。
背中は、うつぶせで両腕を後ろへ引いて胸を少し浮かせる種目で、体重だけでも鍛えられます。
瞬発力や体力をつけたいなら、ダッシュやインターバルのトレーニングが有効です。重い器具より、こうした練習のほうが中学生のうちは伸びにつながります。



何も持たなくていいなら、今日から家でスクワットができますね!
- 重さを細かく変えられる可変式か
- 握りが手に合い、すべりにくいか
- 置く場所と、床を守るマットがあるか
大事なのは、道具の重さよりも、正しい形で続けることです。
自重で15回が楽になり、高校生になってもう少し負荷がほしいと感じたら、ダンベルを検討してみてください。
ダンベルだけでは足りない部分
ここまでダンベルの使い方をお伝えしてきましたが、鍛えるだけで高く跳べるようになったり、強いスパイクが打てるようになったりするわけではありません。
ダンベルで育てられるのは、脚で床を押す力や、背中で腕を引く力といった土台です。
その土台の上に、助走から跳ぶ練習や、腕を振って打つ練習を重ねて、プレーの動きに変えていきます。
脚や背中を鍛える種目を続けると、その部分がかたくなりやすくなります。練習後には太もも裏や肩のストレッチも入れて、大きく動ける体を保ちましょう。
鍛える、ほぐす、コートで使う。この3つがそろうと、踏み切りの強さも、腕の振りも変わっていきます。



ゴブレットスクワットをやって、終わったらもも裏のストレッチまでやってみます!



鍛えたあとにほぐすところまでがセットです。続けるほど、踏み切りが力強くなりますよ。
よくある質問
まとめ:ダンベルは高校生から、軽い重さとゆっくりした動きで
ダンベルは、自分の体重だけでは物足りなくなった高校生以上が、脚や背中に少しずつ重さを足すための道具です。
重さを競うのではなく、5つの種目に絞って正しい形で続けることで、踏み切りで床を押す力や、腕を大きく振る背中の力の土台が育っていきます。
中学生は自重で。高校生も軽い重さから。ゆっくり下ろしてしっかり上げる。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| 反動で上げてしまう | 重さを下げ、2秒かけて下ろす |
| 背中が丸まる | 太もも裏が張ったところで止める |
| 練習で脚が動かない | ダンベルは練習後か休みの日に回す |
| 腕と胸ばかり鍛える | 脚・お尻・背中を中心にする |
| 肩や腰に痛みがある | 使わずに休み、続けば整形外科へ |
ダンベルがなくても、スクワットやランジは今日から試せます。練習後や家での自主練の時間を使って、跳べる脚と振れる背中を作っていきましょう。



今日から、何も持たずにスクワットを15回やってみます!



できた回数をノートに書いておくと、成長が分かりやすいですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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