バレーに倒立は必要?|肩と体幹を支える壁倒立4段階

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バレーの壁倒立をするサルくんと見守るあげばのアイキャッチ
  • 部活で倒立をやらされるが、バレーとの関係が分からない
  • 壁倒立で腰が反ってしまい、まっすぐ止まれない
  • 逆さになるのが怖くて、足を振り上げられない

こんな悩みを解決します。

倒立は、バレーで体を支える力と、まっすぐな軸の感覚を覚える練習として役に立ちます。ただし勢いで足を上げるやり方では、その効果は出ません。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、倒立で止まれる選手は、空中での姿勢も崩れにくい傾向がありました。

反対に腰が反ったまま足を振り上げる選手は、何度やっても同じところで落ちてしまいます。支える場所が決まっていないからです。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 倒立がバレーのどんな力につながるのかが分かる
  • 逆さが怖い人でも進められる4段階と、時間・頻度の目安が分かる
  • 首や手首を痛めないための注意点と、倒立だけでは足りない部分が分かる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:倒立はバレーの「支える力」と軸を覚える種目

壁倒立で腰が反った姿勢とまっすぐ止まった正しい姿勢の比較図解

結論からお伝えします。倒立は、肩で体を支える力と、頭から足までまっすぐな軸を同時に覚えられる練習です。

必要なのは壁とマットだけで、器具も重りもいりません。体育館の端でも、家の廊下でもできます。

バレーの動きに当てはめると、意味が見えてきます。ブロックで腕を上げて押し返す、空中で姿勢を保つ、床に手をついて起き上がる。どれも体を支える力です。

ただし、勢いよく足を振り上げて壁にぶつける形では意味がありません。止まれる位置を探すことが、この練習の中身になります。

サルくん

体育の授業でやるものだと思っていました。

あげば

支える感覚を覚える練習として、バレーにもつながりますよ。

もう1つ大事なのは、安全面です。首から落ちる形だけは避けなければいけません。

マットを敷く、壁を使う、誰かに見てもらう。この3つがそろっていれば、怖さはかなり減ります。

バレーの倒立で押さえる3点
  • 頭から足までまっすぐ1本の棒になるように止める
  • 腰を反らせず、お腹に軽く力を入れて支える
  • 必ずマットの上で、壁か補助を使って行う

この3つを外さなければ、10秒止まれるだけで十分な練習になります。体の軸を保つ考え方は、スパイクの空中姿勢にもそのまま当てはまるでしょう。

倒立がバレーに効く3つの理由

なぜバレーに倒立なのか、理由は3つあります。ここが分かると、止まり方の意識も変わってきます。

理由1:肩で体を支える力がつく

1つ目は、肩まわりです。逆さになると、体重のすべてを腕と肩で受け止めることになります。

バレーでは、ブロックで腕を上げて相手の強打を受ける場面が同じ形です。肩が抜けてしまうと、当たった瞬間に腕ごと押し込まれます。

倒立では、耳と肩を遠ざけて肩を押し上げる形を作ります。この使い方を覚えると、ネットの上でも腕が保てるようになるんです。

バボット

逆サニナルト 支エル力ガ 分カル

理由2:まっすぐな軸の感覚が育つ

2つ目は、体の軸です。倒立で止まるには、頭・背中・腰・足が1本の線に並んでいる必要があります。

少しでも腰が反れば、すぐにバランスが崩れます。つまり、まっすぐかどうかを体が勝手に教えてくれる練習なわけです。

スパイクでも、空中で頭からお尻までが1本の棒のように保てる選手は、打点が安定します。倒立で覚えた感覚は、そのまま空中でも使えます。

サルくん

逆さでもまっすぐが大事なんですね。

あげば

立っていても逆さでも、軸の作り方は同じですよ。

理由3:床を押して起き上がる動きが速くなる

3つ目は、レシーブのあとです。飛び込んだあと床に手をついて起き上がる動きは、倒立と同じ「押す」形になります。

ここが弱いと、立ち上がるのに時間がかかります。ラリーの後半で起き上がりが重くなる選手は、腕の押しが抜けているケースが多いところです。

手のひらで床を押す感覚は、倒立でいちばん分かりやすく身につきます。指を広げて床をつかむ形も、同時に覚えられるでしょう。

壁倒立ができるようになる4段階

壁倒立の練習の第1段階であるクマの姿勢のやり方の図解

ここからが実際のやり方です。逆さが怖い人は、上から順に自分のできる段階まで進めてください。

STEP
クマの姿勢:四つ這いで膝を浮かせ、肩に体重をのせる
STEP
足を壁にかける:うつ伏せから足で壁を登り、体を斜めにする
STEP
壁を登る:背を向けて手を壁へ近づけ、垂直に近づける
STEP
壁倒立:壁に向かって足を上げ、10秒止まる

段階1:クマの姿勢で肩に体重をのせる

まずは、逆さにならずに支える感覚から始めます。四つ這いになり、膝を床から数cm浮かせてください。

そのまま10秒キープします。肩に体重がのる感じがあれば、正しい形です。

手は肩の真下、指は大きく開いて床をつかみます。
ここで手首が痛む人は、次の段階へ進まないでください。

お尻を高く上げると楽になりますが、それでは肩に体重がのりません。背中を平らに保つ意識で行いましょう。

段階2:足を壁にかけて体を斜めにする

次は、壁に足をかける形です。壁に足の裏をつけ、うつ伏せの姿勢から手を壁へ近づけながら足を登らせます。

腰の高さくらいまで足が上がれば十分です。ここでも10秒止まってください。

体が斜めになるぶん、腕にかかる体重は倒立より軽くなります。怖さもほとんどありません。

サルくん

これなら落ちる心配がないですね。

あげば

怖さが消えるまで、この段階を続けて大丈夫ですよ。

段階3:壁を登って垂直に近づける

3つ目は、段階2から足をさらに上げていく形です。足で壁を登りながら、手を少しずつ壁へ近づけます。

体が垂直に近づくほど、腕にかかる体重は増えます。きついと感じたところで止めてください。

このとき、手と手の間の床を見ます。目線が体の外へ外れると、背中が丸まってしまうんです。

バボット

目線ハ 手ト手ノ間

段階4:壁倒立で10秒止まる

最後が、壁に向かって足を振り上げる形です。マットを敷き、壁から20cmほど手前に手をつきます。

片足を振り上げ、もう片方をそろえて壁に足をつけます。そこから10秒、まっすぐ止まってください。

腰を反らせず、お腹に力を入れてまっすぐ保ちます。
怖い場合は、必ず誰かに足を支えてもらってください。

10秒止まれたら十分です。秒数を伸ばすより、まっすぐ保てているかを優先しましょう。

サルくん

まずは壁ありで10秒を目指します!

あげば

壁なしを急がなくて大丈夫ですよ。

倒立の時間と頻度の目安

段階が決まったら、次は量です。ここを間違えると、手首と首に疲れだけが残ります。

10秒×3本を目安にする

まず、1回の長さです。10秒を3本、間に30秒ほど休みを入れてください。

長く止まるほど良いわけではありません。形が崩れた状態で粘っても、覚えるのは崩れた形になります。

目的種目目安
支える力をつけたい壁倒立10秒×3本
まだ逆さが怖いクマの姿勢・足を壁にかける10秒×3本
手首が痛みやすいクマの姿勢のみ5秒×3本

週2〜3回、練習後か休養日に行う

次に、頻度です。週2〜3回で足ります。毎日やっても、止まれる時間はそれほど伸びません。

入れる場所は、練習後か部活が休みの日です。練習前にやると、手首が疲れた状態でボールを触ることになります。

体が温まっていない状態で始めるのも避けてください。手首を回す、肩を回す。この2つだけでも違ってきます。

サルくん

毎日やったほうが早くできませんか?

あげば

手首は回復に時間がかかるので、間を空けたほうが安全ですよ。

成長期は無理に壁なしを狙わない

最後に、進め方です。中学生の年代では、壁なしの倒立を急ぐ必要はありません。

壁倒立でまっすぐ止まれるだけで、バレーに必要な支える力は十分に育ちます。壁なしはバランスの技術で、体づくりとは別の話です。

倒立でよくある3つの失敗

止まれない、体が痛い。そんなときは、たいてい次の3つのどれかです。

失敗1:腰が反って反り返っている

いちばん多いのが、腰から折れた形です。足を壁に預けたまま、お腹が前に出てしまうパターンですね。

この形だと腰に負担が集まり、支える力も育ちません。お腹に軽く力を入れて、肋骨を閉じる意識で直します。

壁につけるのは、足の裏だけです。お尻や背中まで壁に預けると、まっすぐには止まれません。

サルくん

壁にくっついていれば安心だと思っていました。

あげば

預けるほど、自分で支える練習からは遠ざかりますよ。

失敗2:勢いで足を振り上げている

次に多いのが、反動です。思い切り足を蹴り上げると、その勢いで壁に当たって止まります。

これでは支える力ではなく、振り上げた勢いを使っているだけになります。壁に当たる音が大きい人は、この形になりがちです。

片足ずつ、ゆっくり上げてください。音を立てずに壁へ届けば、自分の力で支えられている証拠になります。

バボット

音ガ大キイ日ハ 勢イ頼ミ

失敗3:手首や首が痛いのに続けている

最後が、痛みを我慢するパターンです。倒立は手首を大きく反らせるので、続けると痛みが出ることがあります。

手首が痛むときは、クマの姿勢まで戻してください。指を広げて床をつかむと、手首にかかる負担が分散します。

首に違和感が出た場合は、その日はやめておきましょう。痛みが続くなら、整形外科で診てもらってください。

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倒立だけでは足りない部分

ここまで倒立の良さをお伝えしてきましたが、これ1つで体づくりが終わるわけではありません。

押す種目・引く種目と組み合わせる

倒立は支える練習なので、動かしながら鍛える種目も必要になります。押す動きと引く動きを、同じ週の中に入れてください。

腕立て伏せやディップスが押す側、懸垂が引く側です。支える・押す・引くの3つがそろうと、肩まわりは安定します。

跳ぶ力は下半身で作る

もう1つ、倒立では跳躍力は伸びません。跳ぶ力の土台は、あくまで下半身です。

上半身は空中で姿勢を保つ役、下半身は跳ぶ役。役割を分けて考えると、練習の組み方で迷わなくなります。

サルくん

順番に積み上げていけばいいんですね。

あげば

あせらず進めれば大丈夫ですよ。

よくある質問

倒立は何秒できればいいですか?

壁倒立でまっすぐ10秒止まれれば、支える力の土台はできています。
秒数を伸ばすより、腰が反っていないかを見てください。

怖くて足を振り上げられません。どうすればいいですか?

壁に足をかけて体を斜めにする段階から始めてください。
逆さの感覚に慣れてから振り上げれば、怖さはかなり減ります。

壁なしの倒立までできる必要はありますか?

バレーの体づくりという目的なら、壁倒立で十分です。
壁なしはバランスの技術なので、できなくても支える力は育ちます。

手首が痛いときはどうすればいいですか?

指を大きく開いて床をつかみ、手首を回してから行ってください。
それでも痛むときは中止し、痛みが続く場合は整形外科で相談しましょう。

まとめ:秒数ではなく、まっすぐ止まれたかで見る

倒立は、長く止まる時間を競う種目ではありません。頭から足まで1本の線で止まれているか、そこだけを見てください。

反らない。勢いで上げない。マットと壁を使う。

つまずくところ直し方気をつけること
逆さが怖いクマの姿勢から始める段階を飛ばさない
腰が反るお腹に力を入れて肋骨を閉じる壁に預けるのは足の裏だけ
すぐ落ちる手と手の間の床を見る目線が外れると背中が丸まる
手首が痛む指を広げて床をつかむ痛みが続くなら整形外科へ
壁なしができない壁倒立で止まる練習を続ける体づくりの目的なら急がない

私が指導してきた選手のなかにも、壁倒立で止まれるようになってから空中姿勢が安定した選手はいます。派手な練習ではありませんが、効き方は確かでした。

必要なのは壁とマット、そして数分の時間だけです。器具がそろわない時期でも、支える力はここから育てられます。

そのうえで、押す種目や下半身づくりも並行して進めてください。あせらず、順番どおりに積み上げていきましょう。

サルくん

今日から、まっすぐ10秒を目指します!

あげば

マットと補助だけは忘れないでくださいね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

パフォーマンスアップについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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