- スライドボードが気になるけれど、バレーに効果があるのか分からない
- レシーブやブロックで横に動くと、体が流れて次の一歩が遅れる
- 家で横の動きを鍛えたいのに、ジャンプは音や床が気になってできない
こんな悩みを解決します。
スライドボードは、よく滑る長い板の上で、靴の上からカバーを履いて左右に滑り、脚の横の力を鍛える道具です。
跳ばずに横へ大きく動けるので、着地の衝撃がほとんどなく、家の中でも続けやすいのが特徴です。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
バレーは、低い構えのまま横へ動き、外側の脚で止まって、すぐ次の動きに移る場面の連続です。止まる脚が弱いと、体が流れて構えが崩れ、次のボールに間に合わなくなります。
この記事では、スライドボードでバレーに何が期待できて何ができないのか、5つの使い方と進める順番、やりがちな失敗までをまとめてお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- スライドボードがバレーのどんな動きに役立つかが分かる
- 片足のスライドから往復へ進める、5つの使い方が分かる
- 内ももを痛めるなど、ケガにつながる使い方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:スライドボードは「横へ押して、外側の脚で止まる力」を育てる道具
結論からお伝えします。スライドボードは、低い姿勢のまま横へ押し出し、外側の脚で体を受け止める力を、跳ばずに育てられる道具です。
スライドボードは、長さ2m前後のつるつるした板の両端に、足を止めるための段差(ストッパー)がついた道具です。
靴の上から専用のカバーを履いて乗ると、氷の上のように横へ滑ります。
片方のストッパーを足で押して反対側まで滑り、着いたら反対の脚で受け止めて、また押し返します。この「押す」と「受け止める」の両方で、お尻の横や内ももが働きます。
バボット押ス 脚 ト 止マル 脚 ガ 交互ニ 働ク
一方で、スライドボードで鍛えるだけでジャンプが高くなったり、レシーブがうまくなったりするわけではありません。育てられるのは、横へ動いて止まるための脚の土台までです。



滑るだけで、本当にバレーの横の動きに役立つんですか?



滑ること自体より、低い姿勢のまま押して、止まるところが大事です。そこはバレーの横移動とよく似ていますよ。
- 付属のカバーを靴の上から履き、板の汚れをふいてから乗る
- 最初は片足だけを滑らせる種目から始める
- 1回20秒ほどの往復を3〜5本、全部で10分ほどを目安にする
- 内ももや股関節に痛みが出たら、その日は終わりにする
この4つを守るだけで、ケガをせずに効果を感じやすくなります。



スケータージャンプとは、何が違うんですか?
横の動きを鍛える種目として、よく比べられるのがスケータージャンプです。どちらも左右に動きますが、体にかかる負担が違います。
| くらべるところ | スライドボード | スケータージャンプ |
|---|---|---|
| 動き方 | 床から足を離さず滑る | 片足で横へ跳んで着地する |
| 着地の衝撃 | ほとんどない | 片足で受け止める |
| 向いている目的 | 押す力と低い構えの持続 | 横へ跳んで止まる力 |
ジャンプの多い練習が続いた日や、家で静かに鍛えたい日はスライドボード、コートで横へ跳ぶ力を鍛えたい日はスケータージャンプと、目的で使い分けると迷いません。
バレー選手に向いている3つの場面
スライドボードが、バレーのどんな場面につながるのかを知っておくと、練習の意味が分かりやすくなります。次の3つを意識して使ってみてください。
場面1:レシーブで横に動いて、外側の脚で止まるとき
1つ目は、レシーブの横移動です。横へ動いたあと、外側の脚で止まれないと体が流れてしまい、腕の面がボールに向きません。
スライドボードでは、反対側のストッパーに着いた瞬間に、外側の脚で体を受け止めます。ひざとつま先を同じ向きにそろえて止まる練習が、そのまま横移動の止まり方につながります。
場面2:ブロックで横に動くとき
2つ目は、ブロックの横移動です。ブロックで横へ動くときは、進む方向を見るのではなく、ボールとマークする相手を見続けたまま動くことが大切です。
スライドボードの上でも、足元や進む先を見ずに、正面の一点を見たまま往復してみてください。前を見たまま横へ動く感覚を、家の中でも練習できます。



足元 デハナク 前 ヲ 見タママ 動ク
場面3:ジャンプの多い練習が続いた日の補強
3つ目は、跳ぶ回数を増やしたくない日の補強です。スパイクやブロックの練習が多い時期は、さらにジャンプ系の筋トレを足すと、ひざや足首への負担が重なります。
スライドボードは着地がないので、ひざに衝撃を与えずに脚の横の力を鍛えられます。ただし、筋肉は疲れるので、練習でくたくたの日は無理に行わず休みましょう。
片足から往復へ:スライドボードの5つの使い方
始める前の準備
最初に、安全に使うための準備を整えましょう。準備を飛ばすと、思った以上に滑って転んだり、脚を急に開いて内ももを痛めたりします。
カバーの裏も、使ううちに汚れて滑りにくくなります。滑り方が急に変わったら、カバーと板の両方をふいてから続けてください。
準備ができたら、次の5つを順番に進めます。前の種目がきれいにできるようになってから、次へ進んでください。
使い方1:片足だけを横へ滑らせるサイドランジ
板の端に立ち、片足だけにカバーを履いて板にのせます。
反対の足は床に置いたまま、板の上の足を横へゆっくり滑らせ、床側の脚のひざを曲げて腰を落とします。
左右それぞれ8〜10回が目安です。滑らせる幅は、最初は肩幅より少し広いくらいで十分です。床側の脚で体を支え、ひざとつま先を同じ向きにそろえましょう。
使い方2:片足を後ろへ滑らせるリバースランジ
同じく片足だけを板にのせ、今度は後ろへ滑らせます。前の脚のひざを曲げて腰を落とし、前の脚で床を押して元の位置に戻ります。
左右それぞれ8〜10回を2セット行います。前の脚のひざが内側に入らず、つま先の向きにそろっていれば正しくできています。上体を前に倒しすぎず、胸を軽く起こしたまま行いましょう。



後ろに滑らせたら、足が戻ってこなくなりました…。



滑らせる幅が大きすぎますね。半分くらいの幅から始めて、戻れる距離をつかみましょう。
使い方3:両足で乗って、短い往復
ここから両足にカバーを履いて板に乗ります。片方のストッパーに外側の足をつけ、ひざを軽く曲げた構えをつくります。
外側の足でストッパーを押して、板の半分くらいまで滑り、止まったら戻ります。20秒続けて40秒休むのを3本が目安です。まずは短い距離で、止まって戻る感覚をつかんでください。
使い方4:端から端まで往復
短い往復が安定したら、板の端から端まで滑ります。反対側のストッパーに着いたら、外側の脚で体を受け止め、そのまま押し返して戻ります。
20秒を3〜5本が目安です。体が上下に揺れず、構えの高さが最後まで変わらなければ正しくできています。慣れてきたら、正面の一点を見たまま往復してみましょう。
使い方5:合図で止まって構える
最後は、往復の途中で止まる練習です。家族やチームメイトに「ストップ」と声をかけてもらい、その場で低い構えをつくって2秒止まります。
いつ合図が来るか分からないので、どの位置でも止まれる脚の力が必要です。20秒を3本行い、止まったときにひざとつま先がそろっているかを確かめましょう。



ここまでで10分くらいです。終わったらコートで軽く横に動いて、止まる脚の感覚を確かめてみてください。
続けるときの目安
スライドボードは、長い時間滑り続けるより、正しい構えで短く区切って行うほうが変化を感じやすくなります。
- 1回10分ほど、週に2〜3回から始める
- 20秒の往復をきれいにできてから、本数や時間を増やす
- 練習前は短い往復だけ、本格的な補強は練習後か休みの日に行う
- 疲れて構えが高くなってきたら、その日は終わりにする
疲れてくると、腰が上がって棒立ちのまま滑るようになります。形が崩れた状態で続けても効果は上がらないので、構えを保てる本数だけ行いましょう。
スライドボードでやりがちな3つの失敗
スライドボードは、乗って滑るだけのシンプルな道具です。そのぶん、使い方がずれていても気づきにくいので、次の3つを確かめてください。
失敗1:いきなり端から端まで全力で滑る
いちばん多いのが、この形です。初めて乗った日に端から端まで全力で滑ると、反対側で止まりきれず、脚が大きく開いて内ももを痛めることがあります。
片足のランジから始め、両足で乗るときも板の半分の往復から進めましょう。止まれる距離だけ滑ることが、ケガをしない一番の近道です。



止マレル 距離 ダケ 滑ル
内ももの力が弱いと感じる人は、別の種目で先に鍛えておくと安心です。
失敗2:棒立ちで、腰の高さが変わったまま滑る
次に多いのが、ひざが伸びて棒立ちのまま滑ることです。この形では脚の力をほとんど使わず、体の勢いだけで往復しています。
バレーの構えに近い高さを保つからこそ、横移動の練習になります。鏡の前で、往復の途中でも頭の高さが変わっていないかを確かめましょう。
失敗3:カバーなし・汚れた板で使う
3つ目は、カバーを履かずに乗ったり、汚れた板のまま使ったりすることです。滑り方が場所によって変わると、急に止まって転んだり、足首をひねったりします。
付属のカバーを必ず履き、使う前に板をふきましょう。カバーの裏がすり減ってきたら、早めに替えてください。
また、ひざや股関節、内ももに痛みがあるときは使わないでください。痛みが続くときは、整形外科を受診しましょう。



靴下で乗ったほうが、よく滑って楽しそうだと思っていました…。



楽しく滑れても、止まるときに足元が安定しません。決められたカバーで乗るのが安全ですよ。
持っていなくても大丈夫:タオルで今日から試す方法
スライドボードがなくても、片足を滑らせる種目は始められます。フローリングの床に小さなタオルを敷き、その上に片足をのせれば、使い方1と2のランジはそのまま試せます。
まずはタオルで、ひざとつま先をそろえたまま左右10回ずつきれいにできるかを確かめてください。両足で往復する動きまでやりたくなったら、ボードを検討する合図です。
- 長さ(長いほど負荷が大きく、短いほど置き場所に困らない)
- 靴の上から履くカバーが付属しているか
- 丸めてしまえるか、ストッパーがずれにくいか
買う前に、家で板を広げる場所の長さと、左右の空きを測っておきましょう。大事なのは、道具の大きさよりも順番を守って続けることです。
スライドボードだけでは足りない部分
ここまでスライドボードの使い方をお伝えしてきましたが、滑るだけで横移動がうまくなったり、ケガをしなくなったりするわけではありません。
スライドボードで育てられるのは、低い姿勢で押して止まるための脚の力です。
その土台の上に、スクワットなどの筋トレで脚の力をつけ、コートでボールに向かって動く練習で実際の動きに変えていきます。
ひざの向きがぶれやすい人は、ミニバンドでお尻の横を働かせる練習を組み合わせるのもおすすめです。
整える、鍛える、コートで使う。この3つがそろうと、横への一歩も、止まったあとの構えも変わっていきます。



ボードで止まる脚を作ってから、コートのフットワークまでやってみます!



順番をそろえるだけで、同じ時間でも体の変わり方が違いますよ。
よくある質問
まとめ:スライドボードは片足から、止まれる距離で使う道具
スライドボードは、低い姿勢のまま横へ押し出し、外側の脚で体を受け止める力を、跳ばずに育てられる道具です。
片足のランジから短い往復、端から端への往復へと、順番を守って進めることで、横移動で体が流れにくくなっていきます。
片足から始める。止まれる距離だけ滑る。カバーを履き、板をふいてから乗る。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| 反対側で止まりきれない | 板の半分の往復に戻す |
| 内ももが痛くなる | その日は終わりにし、続けば整形外科へ |
| 棒立ちで滑ってしまう | 本数を減らし、構えの高さを保つ |
| 足元ばかり見てしまう | 正面の一点を見たまま往復する |
| 急に止まって転びそう | 板とカバーの裏をふき直す |
ボードがなくても、タオルを使った片足のランジは今日から試せます。練習前や家での自主練の10分を使って、横に動いても流れない脚を作っていきましょう。



今日から、タオルでサイドランジを左右10回ずつ始めてみます!



端から端まで構えを保って往復できた日を、ノートに書いておくと成長が分かりやすいですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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