- 水泳がバレーに役立つのか、走るのと何が違うのか知りたい
- ひざや足首が疲れていて、ジャンプ以外で体力をつけたい
- プールで何を、どれくらいやればいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
水泳は、水に浮いた状態で全身を動かし、ひざや足首に着地の衝撃をかけずに、心臓と肺をきたえられる運動です。泳ぎが得意でなくても、水の中を歩くことから始められます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
「試合の後半になると足が止まる」「でも、ひざが痛くて走り込みがつらい」と悩んでいる人は多いと思います。
バレーは、跳んで着地する動きを何百回もくり返す競技です。水泳は、その着地の負担を休ませながら体力を保てるのが大きな特徴です。
この記事では、水泳でバレーに何が期待できて何ができないのか、プールでできる5つのメニュー、やりがちな失敗までをまとめてお伝えします。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 水泳がバレーのどんな場面に役立つかが分かる
- 泳ぎが苦手でもできる、プールの5つのメニューが分かる
- 肩を痛めるなど、よくある失敗と防ぎ方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:水泳は「ひざを休めながら体力を保つ」補助トレーニング
結論からお伝えします。水泳は、ひざや足首を休めながら、試合の最後まで動ける体力を保つための補助トレーニングとして役立ちます。
バレーでは、心臓と肺の力、つまり心肺機能が大切です。心肺機能が低いと、試合の後半に足が止まり、レシーブやトスの精度がガクッと落ちてしまいます。
体力をつける定番は走ることですが、ジャンプの多い選手は、走り込みまで重なるとひざやすねに疲れがたまりやすくなります。
水の中なら、体が浮くので着地の衝撃がほとんどありません。
一方で、水泳だけで高く跳べたり、速く動き出せたりするわけではありません。水の中では、床を強くけって跳ぶ動きや、急に止まる動きがほとんどないからです。
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水泳って、走るのと何が違うんですか?



どちらも体力はつきます。いちばんの違いは、着地の衝撃があるかどうかですね。ひざを休ませたい時期は、水泳が向いていますよ。
- 水泳は「体力を保つ」補助で、跳ぶ練習のかわりにはならない
- 肩が痛いときは、腕を回す泳ぎをしない
- 監視員のいるプールで、1人きりで泳がない
- 痛みやけががある日は、医師に相談してから行う
この4つを守れば、水泳を安心してバレーに生かせます。
体力づくりの方法として、よく比べられるのがランニングです。どちらにも得意なことがあります。
| くらべるところ | 水泳 | ランニング |
|---|---|---|
| ひざへの負担 | とても少ない | 着地のたびにかかる |
| きたえられる所 | 心肺と全身 | 心肺と脚 |
| 向いている時期 | 疲れをためたくない時 | 試合に向けた体力づくり |
ふだんの体力づくりはランニングを中心にし、ひざを休めたい日に水泳を入れる、と使い分けるとよいでしょう。
バレー選手が水泳で得られる3つのこと
水泳でどんな力が保てるのか、バレーのどの場面につながるのかを知っておくと、メニュー選びに迷わなくなります。
得られること1:試合の最後まで動ける心肺機能
1つ目は、試合の後半まで動ける体力です。バレーの試合は、短いラリーと休みを何十回もくり返します。セットが進むほど、心臓と肺の力の差が出てきます。
水泳は、腕と脚を同時に動かし続ける全身運動です。息が少しはずむくらいの強さで泳ぎ続けると、ランニングと同じように心肺機能をきたえられます。
息つぎのタイミングが決まっているので、呼吸を整えながら動く練習にもなります。
得られること2:ジャンプで疲れたひざと足首を休める
2つ目は、脚を休める時間を作れることです。スパイクやブロックで跳ぶたびに、ひざや足首には体重の何倍もの力がかかります。
水の中では体が浮くので、ひざや足首に着地の衝撃をかけずに体を動かせます。練習が続いて脚が重い時期でも、体力を落とさずにいられます。
ただし、痛みが出ている場合は話が別です。痛みがあるときに泳いでよいかは、自分で決めずに医師に相談しましょう。



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得られること3:練習で固まった体をほぐす時間
3つ目は、体をほぐす時間になることです。水の中をゆっくり歩いたり、軽く泳いだりすると、体全体を大きく動かせます。
強い練習や試合の翌日に、軽い運動で体を動かして疲れをとる方法を、アクティブリカバリーと呼びます。プロのチームでも、プールをこの目的で使うことがあります。
プールでできる水泳の5つのメニュー
始める前の準備
最初に、プールに入る前の準備を整えましょう。水の中でも汗をかくので、水分補給も忘れずに行います。
ふだんの練習が休みの日なら、30〜45分ほどが目安です。練習のある日に行うなら、15〜20分ほどの軽い内容にとどめましょう。
準備ができたら、次の5つを順番に試していきます。泳ぎが苦手な人は、メニュー1と2だけでもかまいません。
メニュー1:水中ウォーキングで体を慣らす
プールの浅いところで、胸くらいまで水につかって歩きます。前へ歩く、横へ歩く、後ろへ歩くを、それぞれ1往復ずつ行います。
腕を大きく振り、太ももを高く上げて、水の重さを感じながら歩きます。
水には押し返す力があるので、ふつうに歩くよりも全身を使います。泳げない人でもできる、いちばん始めやすいメニューです。
メニュー2:ビート板でバタ足をする
ビート板を両手で持ち、顔を上げたまま、バタ足で25m進みます。1本ごとに30秒ほど休み、4〜6本くり返します。
ひざを大きく曲げず、脚のつけ根から脚全体をしならせるようにけります。腕を使わないので、肩を休めながら脚と心肺をきたえられます。



バタ足だけなのに、すごく息が上がります…。



脚は大きな筋肉なので、それだけで心臓がしっかり動くんです。最初は本数を少なめにして大丈夫ですよ。
メニュー3:ゆっくり長く泳ぐ
クロールか平泳ぎで、休まずに泳げる距離をゆっくり泳ぎます。最初は50m、慣れてきたら100m、200mと少しずつのばしていきます。
速さよりも、息が切れない一定のペースで泳ぎ続けることを優先します。
息つぎが苦しくなったら、プールの壁につかまって休んでかまいません。止まらずに泳げる距離が少しずつのびていくことが、体力がついてきたサインです。
メニュー4:速く泳ぐ、休むをくり返す
25mを少し速めに泳ぎ、30〜60秒休みます。これを4〜8本くり返します。
速く動いて、短く休んで、また動く。この流れは、ラリーと休みをくり返すバレーの試合に近い形です。
全力で泳ぐと、フォームがくずれて肩に負担がかかります。8割くらいの力で、きれいなフォームを保てる速さにしましょう。
メニュー5:水中でステップを踏む
水中ウォーキングの場所に戻り、横向きでサイドステップを踏んだり、その場でもも上げをしたりします。それぞれ20秒行い、20秒休むのを3回くり返します。
水の重さがあるので、陸上よりもゆっくりした動きになります。そのぶん、ひざに負担をかけずに、脚を速く動かす練習ができます。
プールの床はすべりやすいので、強くけって跳んだり、急に方向を変えたりするのはやめましょう。



5つ全部で30分くらいです。最初はメニュー1〜3だけでも十分ですよ。
続けるときの目安
水泳は、毎日ではなく、陸上の練習のすき間に入れるのが合っています。
- 週1〜2回、練習の休みの日や軽い日に入れる
- 試合の前日は、疲れを残さないよう軽めにする
- 泳いだあとは体が冷えやすいので、すぐに着替えて温まる
- 終わったあとは、水分と食事をしっかりとる
水泳のあとは、思っているより体が疲れています。帰ってからしっかり食べて、早めに眠ることも、トレーニングの一部と考えましょう。
水泳でやりがちな3つの失敗
水泳は、ひざにやさしい運動です。ただし、やり方を間違えると、別のところを痛めたり、効果が出なかったりします。次の3つを確かめてください。
失敗1:肩が痛いのに、クロールで泳ぎ続ける
いちばん気をつけたいのが肩です。クロールやバタフライは、腕を何度も大きく回します。
スパイクやサーブで肩を使っているバレー選手は、肩に疲れがたまっていることも多くあります。
肩に痛みや違和感があるときは、腕を回す泳ぎはやめましょう。ビート板のバタ足や、水中ウォーキングなら、肩を使わずに体力を保てます。



肩 ガ 痛イ 日 ハ 脚 ダケ
失敗2:練習の直前や、疲れ切った日に長く泳ぐ
次に多いのが、泳ぎすぎてしまうことです。水泳は全身を使うので、思っている以上に体力を使います。
練習の直前に長く泳ぐと、コートに立ったときに脚が重く、ボール練習の質が下がってしまいます。疲れ切った日に無理をして泳ぐのも、かえって回復を遅らせます。
水泳は、コートの練習のじゃまをしない量にとどめましょう。
失敗3:水泳だけで、ジャンプ力も上がると思う
3つ目は、水泳に期待しすぎることです。



毎日泳げば、ジャンプ力も上がりますか?



水の中では、床をけって跳ぶ動きがほとんどないんです。跳ぶ力は、陸上のジャンプ練習でつけていきましょう。
水泳で保てるのは体力の土台です。跳ぶ力や、急に止まって切り返す力は、陸上でのトレーニングとコートの練習でしかつきません。
泳ぎが苦手でも大丈夫:水中ウォーキングから始める方法
水泳というと、速く長く泳げないと意味がないと思うかもしれません。ですが、この記事のメニュー1と2は、泳げなくても今日から始められます。
水の中を歩くだけでも、陸上より大きな力を使います。少し息がはずむくらいの強さで続ければ、立派な体力づくりになります。



泳げなくても、歩くだけでいいなら、ぼくにもできそうです!
- 足のつく浅いところだけを使う
- 水中ウォーキングを10分続けることから始める
- 慣れたらビート板のバタ足を1本ずつ足していく
泳ぎ方を教わりたいときは、プールの初心者向け教室を利用するのも1つの方法です。ただし、無理に上手に泳ごうとする必要はありません。
大事なのは、ひざを休めながら、体力を落とさずにいることです。
水泳だけでは足りない部分
ここまで水泳のやり方をお伝えしてきましたが、水泳だけで高く跳べるようになったり、速く動き出せるようになったりするわけではありません。
水泳で保てるのは、試合の最後まで動ける体力という、動きの土台の部分です。
一歩目の速さをつけるにはダッシュ、跳ぶ力をつけるにはジャンプのトレーニングが必要です。
そして、その力をプレーで使うには、構えから動き出す練習や、ボールに入る練習を重ねていきます。
体力を保つ、鍛える、コートで使う。この3つがそろうと、試合の最後まで足が止まらなくなっていきます。



練習が休みの日にプールへ行って、ふだんはダッシュもがんばります!



陸上で鍛えて、水の中で休ませる。その組み合わせで、長く続けられる体になっていきますよ。
よくある質問
まとめ:水泳はひざを休めながら、体力を保つ
水泳は、水に浮いた状態で全身を動かし、ひざや足首に着地の衝撃をかけずに心肺機能をきたえられる運動です。
水中ウォーキング、バタ足、ゆっくり長く泳ぐ、速く泳いで休む、水中ステップの5つを組み合わせることで、試合の最後まで動ける体力の土台が保てます。
肩が痛い日は泳がない。泳ぎすぎない。水泳だけに頼らない。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| 肩が痛い | 腕を回す泳ぎをやめ、バタ足や歩きにする |
| 泳ぎすぎて疲れる | 練習日は15〜20分の軽い内容にする |
| ジャンプ力が上がらない | 陸上のジャンプ練習と組み合わせる |
| 泳ぐのが苦手 | 浅いところの水中ウォーキングから始める |
| ひざに痛みがある | 自分で決めず、医師に相談する |
水泳は、近くのプールに行けば今日から試せます。練習が休みの日を使って、ひざを休めながら体力を保っていきましょう。



今度の休みの日に、水中ウォーキングから始めてみます!



泳いだ距離をノートに書いておくと、体力がついてきたのが分かりやすいですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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