持久走のコツ5つ|バレーに効く最後まで動ける体力の伸ばし方

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持久走のコツ5つ。体育館で肩の力を抜いて走るサルくんとストップウォッチで見守るあげば
  • 持久走の最初は楽なのに、途中から急に苦しくなる
  • バレーでは動けるのに、長い距離を走ると記録が伸びない
  • 持久走の力が、バレーのどこに関係するのか分からない

こんな悩みを解決します。

持久走の記録は、心肺の強さだけでなく、ペースの配り方と呼吸のリズムで大きく変わります。同じ体力でも、前半で飛ばしすぎない選手ほど最後まで走り切れます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

バレーは数秒動いて止まる競技なので、何分も同じペースで走る力とは使う力が違います。それでも、試合の終盤まで息が上がりにくい体の土台には、持久走で育つ力が役に立ちます。

記録の伸ばし方と、走る力がバレーにどうつながるのかをセットでお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 持久走がバレーのどの場面につながるのかが分かる
  • 記録を伸ばす5つのコツと、無理なく続く練習が分かる
  • 点数の目安と、持久走だけでは分からない部分が分かる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:持久走は「最初の1周」と「呼吸のリズム」で決まる

持久走でスタートから飛ばしすぎて息が上がる悪い走り方と、最初の1周を抑えて一定のペースで楽に走る正しい走り方の比較図

結論からお伝えします。持久走は、最初の1周をがまんして抑え、呼吸のリズムをくずさずに後半へつなげられたかで記録が決まります。

まずルールを確認しておきましょう。

走る距離は、男子が1500m、女子が1000mです。新体力テストでは、持久走か20mシャトルランのどちらかを選んで行うので、学校によってはシャトルランだけを測る場合もあります。

スタートは、立ったまま構えるスタンディングスタートです。「位置について」「用意」の合図のあと、音や声と同時に旗が振り下ろされたら走り出します。

サルくん

50m走みたいに、手をついてスタートするんですか?

あげば

持久走は立ったまま出ますよ。最初の一歩であわてる必要はありません。

タイムは、スタートの合図から、胴体がゴールラインに届くまでを測ります。記録は秒単位で、1秒未満は切り上げです。たとえば6分23.2秒なら6分24秒になります。

実施は1回だけです。実施要項にも、むやみに競争したり無理なペースで走ったりしないよう、自分の力に合わせて走ることが書かれています。

先に直す2つと、押さえておくルール
  • 最初の1周は、少し物足りないくらいのペースで入る
  • 息を吸う・吐くリズムを、足の運びにそろえる
  • 男子1500m・女子1000m・シャトルランと選択
  • 1秒未満は切り上げ・実施は1回だけ

この4つを押さえれば、記録が伸びる土台ができます。他の項目とあわせて測ると、自分の弱いところも見えてきます。

持久走がバレーにつながる3つの理由

数秒ごとに止まるバレーで、なぜ持久走の力が役に立つのでしょうか。理由は3つあります。

理由1:ラリーの合間に息が戻りやすくなる

1つ目は、回復の速さです。バレーの1本のラリーは短くても、それが何十回もくり返されます。

長く走る力がつくと、ラリーとラリーのあいだの短い時間で、息が整いやすくなります。次のラリーを落ち着いた呼吸で迎えられることが、持久走の力のいちばんの出番です。

息が上がったままだと、構えが高くなったり、ボールを見る目が遅れたりします。呼吸が早く戻るほど、毎回同じ構えでプレーに入れます。

理由2:長い練習の終盤でも集中が続く

2つ目は、練習の質です。練習の後半になると、疲れからフォームがくずれ、雑なプレーが増えていきます。

体力の土台があると、最後のメニューまで同じ集中でボールに向かえます。同じ2時間の練習でも、身につく量が変わってきます。

バボット

最後マデ 同ジ 質デ 練習

もちろん、持久走が速ければバレーがうまくなる、というわけではありません。あくまで、練習をやり切るための土台と考えてください。

理由3:体の成長を数字で追える

3つ目は、変化の見える化です。持久走は毎年同じ距離で測るので、前の年の自分と比べやすい種目です。

中学生から高校生にかけては、心臓や肺も大きく育っていく時期です。1年ごとの記録の変化で、体づくりの手ごたえを確かめられます。

一方で、寝不足の日や、かぜ気味の日は記録が大きく落ちます。数字が悪かったときは、責めるより体調のサインとして受け止めてください。

持久走の記録を伸ばす5つのコツ

持久走のコツとして肩の力を抜き肘を軽く曲げて腕を前後に振り、目線を前に向けて息を吐きながら走るフォームの図解

ここからが本題です。順番に意味があるので、上から1つずつ直してください。

STEP
最初の1周は抑える:物足りないくらいで入る
STEP
呼吸を足にそろえる:2歩で吸って2歩で吐く
STEP
肩と手の力を抜く:肘を曲げて軽く握る
STEP
少し前を見て走る:目線を下げすぎない
STEP
ラストは残り200mから:早すぎるスパートはしない

コツ1:最初の1周は、物足りないくらいで入る

まずは、走り出しのペースです。スタートの勢いで前の集団について行くと、最初の1周でもう息が上がってしまいます。

持久走で苦しくなる原因の多くは、前半の飛ばしすぎです。最初の1周は「もう少し速く走れるのに」と感じるくらいに抑えてください。

サルくん

最初に前のほうにいないと、追いつけない気がして…。

あげば

前半で抑えた人ほど、後半にどんどん抜いていけるんですよ。

前半に使いすぎた力は、後半ではほとんど取り戻せません。まわりに合わせず、自分のペースで入ることを優先しましょう。

コツ2:2歩で吸って、2歩で吐く

次に、呼吸のリズムです。苦しくなってから呼吸を考えても、なかなか整いません。

走り出したときから、「2歩で吸って、2歩で吐く」のように、呼吸を足の運びにそろえておきましょう。リズムが決まっていると、息が乱れにくくなります。

苦しくなってきたら、吸うことより、しっかり吐くことを意識してください。大きく吐き切ると、次の息が自然に入ってきます。

コツ3:肩と手の力を抜いて、腕を振る

3つ目は、上半身の力の抜き方です。苦しくなるほど肩が上がり、こぶしを強く握ってしまいがちです。

肘を軽く曲げ、手は卵を包むくらいの力でゆるく握ってください。腕は前後に小さく振り、肩の力はストンと落としておきます。

バボット

肩ノ 力ハ 抜イテ 走ル

上半身の力みは、そのまま呼吸の苦しさにつながります。途中で一度、肩を回すように下ろしてみるだけでも、走りが楽になります。

コツ4:少し前を見て、姿勢を保つ

4つ目は、目線と姿勢です。苦しくなると足もとばかり見てしまい、背中が丸くなります。

背中が丸まると胸が縮み、息を吸いにくくなります。目線は10mほど先に置き、頭の位置を高く保って走りましょう。

目線を上げるだけで、胸が開いて呼吸が楽になります。前を走る人の背中を目標にして、少しずつ距離を詰めていくのも効果的です。

サルくん

下を向くと、息まで苦しくなるんですね。

あげば

そうです。前の人の背中を見ながら、ついていきましょう。

コツ5:ラストスパートは残り200mから

最後は、スパートのタイミングです。ゴールが見えないうちからペースを上げると、途中で力が尽きてしまいます。

スパートをかけるのは、残り200mほどからで十分です。それまでは同じペースを守り、最後の直線で腕を少し強く振って、ゴールの先まで走り抜けてください。

ゴールで倒れ込むまで力を出し切る必要はありません。走り終えたらすぐに止まらず、ゆっくり歩いて息を整えましょう。

持久走の練習メニュー(週2〜3回)

記録を伸ばすには、測る日だけ頑張っても間に合いません。とはいえ、毎日長い距離を走る必要もありません。

STEP
ゆっくりジョグ:話せるくらいのペースで10〜15分
STEP
流し:8割の力でフォームを確かめる×100m×3本
STEP
インターバル走:200mを速め→100mを歩く×4〜5本
STEP
整理運動:歩いて息を整え、ふくらはぎと太ももを伸ばす

ゆっくりジョグは、友だちと話ができるくらいのペースで走ります。苦しくない速さで長めに動くことが、長く走る力の土台になります。

インターバル走は、速く走る区間と歩く区間を交互にくり返す練習です。短い時間で心肺に刺激が入り、バレーのように「動いて休む」をくり返す体力にもつながります。

サルくん

毎日たくさん走り込まないと、速くならないと思っていました。

あげば

走り込みすぎはケガのもとです。短い時間で集中して、休む日もつくりましょう。

バレーの練習がある日は、走る量を控えめにしてください。走ったうえにジャンプをたくさんすると、すねやひざに負担が重なります。

走り込みのしすぎで、バレーが嫌いになってしまっては意味がありません。きつさより、続けられることを大切にしてください。

点数の目安と、学校での測り方

コツが分かったら、自分の位置を確かめましょう。新体力テストの得点表は12〜19歳で共通なので、中学生も高校生も同じ基準で採点されます。

正式な方法と得点表はスポーツ庁の新体力テスト実施要項で公開されています。

10段階の得点(抜粋)男子(1500m)女子(1000m)
10(満点)4分59秒以下3分49秒以下
85分17秒〜5分33秒4分03秒〜4分19秒
5(まん中)6分23秒〜6分50秒4分57秒〜5分18秒
37分31秒〜8分19秒5分43秒〜6分14秒

表は代表的な点数だけを抜き出したものです。正確な採点は、学校で使う得点表か実施要項で確かめてください。

まずは、まん中の得点5より速く走ることを目標にしましょう。1周ごとのタイムを知っておくと、ペースを守りやすくなります。

サルくん

満点の4分59秒は、とても届く気がしません…。

あげば

まずはまん中を超えて、そこから数秒ずつ縮めていきましょう。

測定の前日と当日にやること

前日は、長い距離を走る練習や、きついダッシュは控えましょう。脚に疲れが残ると、当日の記録が落ちてしまいます。夜はいつもより早めに寝てください。

当日は、食事を走る2〜3時間前までに済ませておきます。直前にたくさん食べると、走っている途中でおなかが痛くなることがあります。

走る前は、軽いジョギングで体を温め、足首やアキレス腱、ふくらはぎを伸ばしておきましょう。

体調が悪い日は、無理に走らない

熱がある日や、かぜで体がだるい日は、無理に走らないでください。実施要項でも、体の状態に十分注意することが求められています。

走っている途中で、胸が痛い・頭がくらくらする・気分が悪いと感じたら、すぐにペースを落として止まり、先生に伝えましょう。記録より体のほうがずっと大切です。

持久走でやりがちな3つの失敗

記録が伸び悩んでいる選手には、共通するくせがあります。次の3つに心当たりがないか確かめてください。

失敗1:スタートで集団について行く

いちばん損をしているのが、この形です。スタートの勢いで前の集団について行くと、2周目にはもう苦しくなっています。

前半で飛ばしてしまうと、後半にペースが大きく落ちます。最初の1周を抑えるだけで、記録が縮むことは少なくありません。

サルくん

毎回、最初にがんばりすぎていたかもしれません…。

あげば

1周目のタイムを測ってもらうと、飛ばしすぎているかすぐ分かりますよ。

失敗2:苦しくなると呼吸が浅くなる

次に多いのが、呼吸が浅く速くなる形です。「ハッ、ハッ」と短い息をくり返すと、かえって苦しさが増していきます。

苦しいときほど、一度しっかり吐き切ってください。リズムがくずれたら、少しだけペースを落としてでも、呼吸を立て直すことを優先しましょう。

失敗3:前の日にたくさん走って練習する

3つ目は、準備の形です。本番の前日に「練習しておこう」と長い距離を走ると、疲れを残したまま当日を迎えることになります。

記録は、前日の練習ではなく、それまでの週2〜3回の積み重ねで決まります。前日は体を休める日と考えてください。

持久走だけでは分からない部分

ここまで良さをお伝えしてきましたが、持久走の記録だけで、バレーに必要な体力がすべて分かるわけではありません。見落としやすい部分を2つ挙げておきます。

切り返しと、くり返しの瞬発力は別

1つ目は、動き方の違いです。持久走で測るのは、同じペースで長く走り続ける力です。

一方でバレーでは、数秒間全力で動いて止まり、また動くことをくり返します。持久走が速いことと、バレーで動けることは、同じではありません。

コートの中で必要な、切り返しながら動き続ける力は、短いダッシュをくり返すインターバル形式の練習で育てていきましょう。

足への負担は、記録に出てこない

2つ目は、脚の疲れです。持久走では、数千回も足が地面を着きます。一歩ずつの衝撃は小さくても、回数が重なれば、すねやかかとに負担が残ります。

記録が伸びていても、走ったあとにすねやかかとが痛むなら、体からのサインです。痛みが続くときは走る量を減らし、長引く場合は整形外科で診てもらいましょう。

サルくん

ペースを守る走り方と、ダッシュの練習を両方やってみます!

あげば

長く動ける土台と切り返しの力がそろうと、最後のセットまで動けますよ。

よくある質問

持久走は何分を目指せばいいですか?

新体力テストの得点表では、男子1500mが6分23秒〜6分50秒、女子1000mが4分57秒〜5分18秒で10段階のまん中です。
まずここより速く走ることを目標にし、少しずつ縮めていきましょう。

持久走が速いと、バレーもうまくなりますか?

持久走の速さとバレーのうまさは別のものです。
ラリーの合間に息が戻りやすくなるなど土台にはなりますが、コートの中の切り返しの力は短いダッシュをくり返す練習で作ります。

走っている途中で、わき腹が痛くなります。どうすればいいですか?

いったんペースを落とし、大きく息を吐くことをくり返してみてください。
走る直前にたくさん食べると痛みが出やすいので、食事は2〜3時間前までに済ませておきましょう。

毎日長い距離を走れば、記録は伸びますか?

毎日長い距離を走ると、すねやひざを痛めやすくなります。
週2〜3回、ゆっくりジョグとインターバル走を組み合わせ、休む日もつくりましょう。

まとめ:体力より先に、ペースと呼吸を整える

持久走は、体力だけの勝負ではありません。最初の1周をどれだけがまんし、最後まで同じリズムで走り切れるかを測っています。

最初は抑えて。呼吸は足にそろえて。スパートは最後に。

つまずくところ直し方気をつけること
前半で苦しくなる最初の1周を物足りないくらいで入る集団について行かない
息が乱れる2歩で吸って2歩で吐く苦しいときほど吐き切る
上半身が力む肘を曲げて手をゆるく握る肩を上げない
途中で失速する10mほど先を見て姿勢を保つ足もとばかり見ない
最後に伸びない残り200mからスパートする早すぎるスパートはしない

必要なのは、週2〜3回の短い練習だけです。持久走は点数のためだけでなく、練習や試合の終盤まで動き続ける土台づくりにもなります。

そのうえで、バレーに直結する切り返しの力は、短いダッシュをくり返す練習で並行して育ててください。

サルくん

次の練習前に、ゆっくりジョグから始めてみます!

あげば

1周目を抑える練習から、少しずつ記録を縮めていきましょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

パフォーマンスアップについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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