- ピラティスがバレーに役立つのか、ほかの体幹トレと何が違うのか知りたい
- 教室に通わないとできないのか、家でもできるのか迷っている
- どの種目を、何回くらいやればいいのかが分からない
こんな悩みを解決します。
ピラティスは、呼吸に合わせてお腹まわりを締めながら、背骨や手足をゆっくり動かすエクササイズです。もとはケガからの回復のために考えられた方法で、床にマットを敷けば家でもできます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
「体幹が弱いと言われたけれど、プランクだけでは飽きてしまう」と感じている人は多いと思います。
ピラティスは、体幹を固めて耐えるのではなく、体幹を締めたまま体を動かす練習です。空中や着地で体がぶれないための土台づくりに役立ちます。
この記事では、ピラティスでバレーに何が期待できて何ができないのか、家でできる5つの種目、やりがちな失敗までをまとめてお伝えします。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- ピラティスがバレーのどんな場面に役立つかが分かる
- マット1枚で家でできる、5つの種目のやり方が分かる
- 効果を下げてしまう、よくある失敗と直し方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:ピラティスは「体幹を締めたまま動く」練習として役立つ
結論からお伝えします。ピラティスは、お腹まわりを締めたまま背骨や手足を動かす力を育てるので、体幹がぶれない土台づくりに役立ちます。
バレーでは、下半身で生んだ力を体幹で受け止めて、腕へ伝えます。体幹が不安定だと、せっかく脚で生んだ力が途中で逃げてしまいます。
ピラティスでは、息を吐きながらお腹を締め、その状態を保ったまま手足を動かします。この「締めたまま動く」感覚は、空中や着地で体をまっすぐ保つときと共通しています。
器具も重りも使わないので、中学生からでも始められます。
一方で、ピラティスをしただけで高く跳べたり、スパイクが強くなったりするわけではありません。育てた体幹をプレーで使うには、コートでの練習が欠かせません。
バボット締メタママ 動ク ガ ピラティス



体幹トレって、プランクで耐えるだけじゃないんですか?



プランクは止まって支える練習です。ピラティスは、お腹を締めたまま動く練習。どちらもバレーに役立ちますよ。
- 回数より、ゆっくり正しく動くことを優先する
- 息を止めず、吐きながらお腹を締める
- 腰が反ったり、首に力が入ったりしたら休む
- 痛みがある日は行わない
この4つを守れば、ケガを避けながら体幹を育てられます。
ピラティスとよく比べられるのがヨガです。どちらもマットの上で呼吸に合わせて行いますが、ねらいが少し違います。
| くらべるところ | ピラティス | ヨガ |
|---|---|---|
| 主なねらい | 締めたまま動く | 伸ばして整える |
| 呼吸 | 吐きながら締める | ゆったり深く |
| バレーでの役立ち | 空中や着地のぶれ | 体のかたさ |
体幹を締めて動く練習をしたいならピラティス、体のかたさをほぐしたいならヨガ、と使い分けるとよいでしょう。止まって支えるプランクと組み合わせるのもおすすめです。
バレー選手がピラティスで育てたい3つの力
ピラティスで何が育つと、バレーのどの場面につながるのかを知っておくと、種目選びに迷わなくなります。
力1:空中で体が折れない、お腹と背中の力
1つ目は、スパイクやブロックで跳んだときの空中姿勢です。空中では足場がないので、体をまっすぐ保てるかどうかは体幹しだいです。
お腹と背中の両方を締めたまま動く練習を重ねると、空中で上体が折れたり、反りすぎたりしにくくなります。
ただし、空中で強く打てるかどうかは、助走や腕の振りの練習とも深く関わります。体幹は、その土台の1つです。
力2:背骨を1つずつ動かす、しなやかさ
2つ目は、背骨の動きです。ピラティスには、背骨を1つずつ丸めたり伸ばしたりする種目が多くあります。
スパイクやサーブで腕を大きく振るときは、肩だけでなく胸や背中も動いています。背骨まわりがかたいと、腕の振りが小さくなりやすいのです。
背骨を少しずつ動かす練習は、胸や背中のかたさに気づくきっかけにもなります。



背骨 ハ 1本ノ 棒 デハナク 積ミ木
力3:着地で腰を守る、お腹の締め
3つ目は、着地とレシーブの低い姿勢です。バレーでは、跳んで着地する動きと、低く構える動きを何度もくり返します。
お腹を締める感覚が身についていると、着地で腰が反りすぎるのを防ぎやすくなります。腰への負担をへらす意味でも、体幹の締め方を覚えておく価値があります。
家でできるピラティスの5つの種目
始める前の準備
最初に、呼吸と場所を整えましょう。ピラティスは床に寝て行う種目が多いので、背中が痛くならないようにマットを敷きます。
呼吸は、吸うときに肋骨を横へ広げ、吐くときにお腹を薄くする意識で行います。お腹をふくらませる腹式呼吸とは少し違うので、最初はゆっくり練習しましょう。
準備ができたら、次の5つを順番に試していきます。どれも、反動を使わず、ゆっくり動くのが基本です。
種目1:腕を小さく振って呼吸するハンドレッド
あお向けに寝て、ひざを90度に曲げて脚を持ち上げます。息を吐きながら頭と肩を少し浮かせ、腕を床と平行に伸ばします。
そのまま腕を小さく上下に振りながら、5回で吸って5回で吐きます。これを10回くり返すと、腕を100回振ることになります。
首で頭を持ち上げず、お腹を締めて肩を浮かせるのがコツです。
最初は30回や50回からでも大丈夫です。首がつらくなったら、頭を床に下ろして腕の動きだけ続けましょう。
種目2:背骨を1つずつ丸めて起きるロールアップ
あお向けに寝て、両腕を頭の上へ伸ばします。息を吐きながら腕を前へ戻し、あごを引いて、背骨を1つずつ床からはがすように起き上がります。
起き上がったら、今度は息を吐きながら、背骨を1つずつ床へ下ろしていきます。5回が目安です。
反動で勢いよく起き上がると、お腹ではなく腰や首を使ってしまいます。起き上がれないときは、ひざを曲げて行ってください。



勢いをつけないと、全然起き上がれません…。



ひざを曲げて、起き上がれるところまでで大丈夫です。少しずつ背骨がはがれる感覚をつかみましょう。
種目3:片脚ずつ引き寄せるシングルレッグストレッチ
あお向けで頭と肩を浮かせ、片ひざを胸へ引き寄せて両手で軽く持ちます。もう片方の脚は、斜め前へまっすぐ伸ばします。
息を吐きながら、脚を左右入れかえます。左右交互に10回ずつが目安です。
脚を入れかえても、体がゆれたり腰が床から浮いたりしないようにお腹を締め続けます。
伸ばす脚を低くするほどきつくなります。腰が反るなら、脚を高めにして行いましょう。
種目4:お尻を上げて背骨を下ろすショルダーブリッジ
あお向けに寝て、ひざを立て、足を腰幅に開きます。息を吐きながらお尻を持ち上げ、肩からひざまでが一直線になるところで止めます。
そこから、胸の上のほうから順番に、背骨を1つずつ床へ下ろしていきます。8〜10回が目安です。
お尻を高く上げすぎて腰が反ると、お尻ではなく腰に負担がかかります。肩からひざまでが一直線になれば十分です。
種目5:うつぶせで胸を持ち上げるスワン
うつぶせに寝て、両手を肩の横につきます。息を吐きながらお腹を締め、頭から順番に胸を少しだけ床から持ち上げます。
5〜8回が目安です。腕で押し上げるのではなく、背中の筋肉で胸を持ち上げる意識で行います。
高く反り上がるほど、腰に負担がかかります。胸が少し浮くくらいで止め、お腹の締めはゆるめないでください。



5つ全部で15分くらいです。毎回全部をやらなくても大丈夫。きつい種目から2〜3個選んでもいいですよ。
続けるときの目安
ピラティスは、回数をこなすことより、正しい形で続けることのほうが力になります。
- 週に2〜3回、1回15分ほどから始める
- 練習のあとか、部活が休みの日に行う
- 楽に正しくできたら、回数を少しずつ増やす
- 大会の前の週は、回数を減らして疲れを残さない
ピラティスは体への負担が比較的小さいので、練習のあとのクールダウンにも組み込みやすいエクササイズです。
ピラティスでやりがちな3つの失敗
ピラティスはゆっくり動くだけのシンプルなエクササイズです。そのぶん、間違ったやり方をしていても気づきにくいので、次の3つを確かめてください。
失敗1:息を止めてしまう
いちばん多いのが、きつい場面で息を止めてしまうことです。息を止めると体に余計な力が入り、お腹を締めながら動く練習になりません。
動きのきつい場面で、細く長く息を吐きます。吐く息に合わせてお腹を締めるのが、ピラティスの基本です。



キツイ トキ コソ 吐ク
失敗2:速く回数をこなそうとする
次に多いのが、決めた回数を早く終わらせようとして、速く動いてしまうことです。
速く動くと、反動で体が動き、お腹の締めが抜けてしまいます。効かせたい部分ではなく、腰や首で動くことになるのです。
1回の動きに4〜5秒かけるくらいのつもりで、ゆっくり行いましょう。
失敗3:首や腰でがんばってしまう
3つ目は、頭を持ち上げる種目で首に力が入ったり、脚を伸ばす種目で腰が反ったりすることです。



ハンドレッドのあと、首ばかり疲れていました…。



お腹の締めが抜けると、首や腰が代わりにがんばってしまうんです。きつくなったら、頭を下ろしたり脚を高くしたりして、楽な形に戻しましょう。
また、腰やひざ、肩に痛みがあるときは行わないでください。痛みが続くときは、整形外科を受診しましょう。
教室に通わなくても大丈夫:家で始める方法
ピラティスというと、スタジオやジムに通うものだと思うかもしれません。ですが、この記事の5つの種目は、マット1枚あれば家で今日から始められます。
器具も重りも使わないので、中学生でも取り組めます。成長期のうちは、重い器具を持つより、こうした自分の体を使ったトレーニングで土台を作るほうが合っています。



マットさえあれば、寝る前に部屋でできますね!
- やる時間を決める(お風呂の前など)
- 最初は2〜3種目に絞る
- できた回数をノートに書いて、変化を見る
教室では、指導者に形を見てもらえる良さがあります。家で続けてみて、形に自信がないと感じたら、体験レッスンなどで一度見てもらうのも1つの方法です。
大事なのは、場所よりも、正しい形で続けることです。
ピラティスだけでは足りない部分
ここまでピラティスのやり方をお伝えしてきましたが、ピラティスだけで高く跳べるようになったり、強いスパイクが打てるようになったりするわけではありません。
ピラティスで育てられるのは、体幹を締めたまま動く力や、背骨をしなやかに動かす感覚といった土台です。
跳ぶ力をつけるには、スクワットやジャンプのトレーニングも必要です。そして、その力をプレーで使うには、助走から跳ぶ練習や、腕を振って打つ練習を重ねていきます。
整える、鍛える、コートで使う。この3つがそろうと、空中の姿勢も、着地の安定も変わっていきます。



練習のあとにハンドレッドとショルダーブリッジをやって、ジャンプの練習もがんばります!



体幹を整えて、コートで使う。そのくり返しで、空中の姿勢が安定していきますよ。
よくある質問
まとめ:ピラティスは体幹を締めたまま、ゆっくり動く
ピラティスは、お腹まわりを締めたまま背骨や手足をゆっくり動かし、体幹がぶれない土台を育てるエクササイズです。
ハンドレッド、ロールアップ、シングルレッグストレッチ、ショルダーブリッジ、スワンの5つを続けることで、空中や着地で体をまっすぐ保つ力の土台が育っていきます。
息を吐いてお腹を締める。反動を使わない。首や腰でがんばらない。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| 息を止めてしまう | きつい場面で細く長く吐く |
| 速く動いてしまう | 1回に4〜5秒かける |
| 首が疲れる | 頭を下ろして腕だけ続ける |
| 腰が反る | 脚を高くして、お腹を締め直す |
| 痛みがある | 行わずに休み、続けば整形外科へ |
ピラティスは、マット1枚あれば今日から試せます。練習のあとや寝る前の時間を使って、ぶれない体幹を作っていきましょう。



今日から、ハンドレッドを50回やってみます!



できた回数をノートに書いておくと、成長が分かりやすいですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
パフォーマンスアップについては他にも記事を書いています。
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