バレーの肩甲骨ストレッチ|スパイクの可動域を広げる5つ

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バレーの肩甲骨ストレッチで可動域を広げる方法を解説するアイキャッチ
  • 腕を大きく振っているつもりなのに、打球が軽い
  • 打ったあとに肩のあたりが張って重くなる
  • 体は柔らかくしたいけれど、どこを伸ばせばいいのかわからない

こんな悩みを解決します。

バレーで動かしたいのは肩そのものではなく、背中側にある肩甲骨とその周りの筋肉です。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

指導現場で腕の振りが小さい選手を見ると、多くは腕の力ではなく背中が動いていないところで止まっています。

肩甲骨が動く選手は、同じ身長でも打点が高くなり、肩にかかる負担も分散されます。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 肩甲骨がバレーの動きにどう関わっているかがわかる
  • 自分の硬さを3つのチェックで確かめられる
  • 練習前と練習後でやるべきストレッチが分かれる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:肩甲骨は4方向に動けば十分

肩甲骨が動かず腕だけで振るスパイクと背中から大きく振るスパイクの比較図解

先に結論からお伝えします。バレーで必要なのは、肩甲骨が寄せる・開く・上げる・下げるの4方向へ大きく動くことです。

特別な柔軟性はいりません。腕を上げた時に、背中側の骨がしっかりついてきているかどうかがすべてになります。

バレーで使う肩甲骨の4つの動き
  1. 寄せる(左右の肩甲骨を背中の中央へ近づける)
  2. 開く(左右へ広げて背中を丸める)
  3. 上げる(すくめるように持ち上げる)
  4. 下げる(肩を落として下へ引く)
サルくん

肩を回すストレッチならやっています。それとは違うんですか?

あげば

肩だけ回しても、背中の骨は止まったままのことが多いんだよ。

打つ動作では、この4つが組み合わさって腕が高い位置まで上がります。逆に4方向のどれかが止まっていると、腕だけで振る形になります。

バボット

動カスノハ肩デハナク背中側ノ肩甲骨

ここからは、硬いままだと何が起きるか、自分の硬さの確かめ方、そして5つのストレッチの順に進みます。

肩甲骨が硬いとスパイクとサーブで何が起きるか

スパイクもサーブも、腕の力だけで打つ動作ではありません。床を蹴った力が下から順に伝わって、最後に手に届きます。

その途中には、足首 → 膝 → 股関節 → 体幹 → 肩甲骨 → 肩 → 腕 → 手首 → 指という順番があります。肩甲骨はその中継地点です。

打球が軽くなる

中継地点が止まっていると、せっかく下半身で作った力がそこで逃げます。腕だけで振る形になり、当たっても重い球になりません。

打球が軽い選手ほど、腕を速く振ろうとしてさらに力むという流れに入りがちです。原因は腕ではなく、背中側にあることが多くなります。

打点が上がらない

肩甲骨が上へ動かないと、腕を伸ばしても手の位置はそこで止まります。身長は変えられませんが、この可動域は変えられる部分です。

同じ身長でも打点が高い選手は、背中から腕を持ち上げています。

サルくん

背中で高さが変わるんですか!?

あげば

数cmの話ですが、ネットの上ではその数cmが勝負を分けますよ。

サーブでも同じことが起きます。打つ側の腕を後ろへ引く動きは、肩ではなく肩甲骨が寄ることで作られるからです。

引ける範囲が狭いと、腕を振る距離そのものが短くなります。距離が短ければ、当たる瞬間のスピードも上がりません。

サルくん

サーブが飛ばないのも、背中が原因のことがあるんですね…。

あげば

力いっぱい振っているのに飛ばない選手は、まずそこを見てみるといいですよ。

打点そのものを伸ばす考え方は、こちらの記事にまとめています。

肩まわりに負担が集まる

動きの少ない部分があると、その分を別の場所が肩代わりします。肩甲骨が動かない選手は、肩の関節だけで振ることになります。

痛みが出ている場合は、ストレッチより先に休むかどうかの判断が必要です。

自分の硬さを確かめる3つのチェック

やみくもに伸ばす前に、自分がどこで止まっているかを確かめます。どれも1人でできて、道具もいりません。

STEP
壁に背中とお尻をつけて立ち、腰を反らさずに両腕を真上へ上げる
STEP
立ったまま片手を上から、もう片方を下から背中に回して指先を近づける
STEP
両腕を体の前で伸ばして手のひらを合わせ、背中を丸めたまま前へ押し出す

1つ目で腕が耳の横まで上がらない人は、上へ持ち上げる動きが止まっています。2つ目で左右差が大きい人は、打つ側の肩甲骨だけが硬くなっている状態です。

3つ目で背中が丸まらない人は、開く動きが足りていません。この場合はレシーブの構えでも背中が起きたままになりやすくなります。

あげば

月に1回、同じチェックをやると変化がわかるよ。

チェックの結果は覚えておくだけで十分です。数字で管理しなくても、届く位置が近づいたかどうかで判断できます。

肩甲骨を動かす5つのストレッチ

壁に手をついて胸を開く肩甲骨ストレッチのやり方の図解

ここからは実際の方法です。どれも動きを大きくすることが目的なので、痛みが出る手前で止めてください。

①タオルを持って腕を後ろへ回す

タオルの両端を持ち、肘を伸ばしたまま頭の上を通して背中側へ回します。狭い持ち方ほど強くなるので、最初は肩幅の2倍から始めます。

上げる時ではなく、後ろへ回る時に肩甲骨が寄る感覚が出れば正解です。腕が耳より前に流れると背中が動かないので、耳の横を通す道すじを守ってください。

回数は10往復ほどで十分です。硬い日は無理に持ち手を狭めず、届く幅から始めます。

②肘を曲げて肩を大きく回す

指先を肩に置き、肘で大きな円を描くように前後へ回します。腕を回すのではなく、肘の先で遠くをなぞる意識にすると背中が動きます。

前回し・後ろ回しを各10回ずつで十分です。後ろ回しの時に、左右の肩甲骨が背中の中央で近づいているかを確かめてください。

肘が体の前だけで小さく動いている場合は、背中まで力が届いていません。

③背中を丸めて開く

四つんばいになり、息を吐きながら背中を天井へ持ち上げて丸めます。この時に左右の肩甲骨が開きます。

続けて息を吸いながら背中を反らせ、肩甲骨を寄せます。丸める・反らすを交互にくり返してください。

大事なのは腰ではなく、背中の上のほうを動かすことです。腰だけで反ると、背中は動かないまま負担だけが残ります。

サルくん

猫が伸びをしている形ですね!

あげば

そのイメージでいいよ。動かすのは腕じゃなくて背中側だからね。

④壁に手をついて胸を開く

壁に手のひらと肘をつけ、体を反対側へゆっくりひねります。胸の前が伸びると、その裏側で肩甲骨が寄りやすくなります。

胸の前が硬いままだと、いくら背中を動かそうとしても戻されてしまいます。左右それぞれ20〜30秒を目安に、息を止めずに行ってください。

手をつく高さを肩より少し上にすると、打つ時に近い角度で伸ばせます。

⑤バンザイのまま体を横へ倒す

両手を上げて手首を組み、体を横へ倒します。脇の下から背中にかけて伸びれば、上へ持ち上げる動きが出しやすくなります。

左右で伸び方が違う場合は、硬い側を1回多く行ってください。

背中側の筋肉そのものを鍛える方法は、こちらの記事にまとめています。

練習前と練習後でやり方を変える

同じストレッチでも、いつやるかでやり方が変わります。ここを分けないと、練習前に体が重くなることがあります。

タイミングやり方目安
練習前動かしながら伸ばす(②③を中心に反復)各10回程度
練習後止めてじっくり伸ばす(①④⑤を中心に)各20〜30秒
家での時間止めてじっくり伸ばす入浴後が伸ばしやすい

練習前に長く止めて伸ばすと、力が出にくくなることがあります。動かしながら温める形にしてください。

バボット

練習前ハ動カシテ伸バス・練習後ハ止メテ伸バス

練習前後の全体の流れは、こちらの記事も参考になります。

やりがちな3つの失敗

伸ばし方をまちがえると、可動域が広がらないどころか痛みの原因になります。指導現場でよく見かける3つをあげておきます。

失敗①:反動をつけて無理に伸ばす

いちばん多いのが、勢いをつけて可動域の外まで動かすパターンです。筋肉は急に引き伸ばされると、逆に縮んで守ろうとします。

伸ばす時はゆっくり、息を吐きながら動かしてください。

失敗②:痛みを我慢して続ける

2つ目は、痛みが出ているのに続けてしまう失敗です。ストレッチで狙うのは伸びている感覚であって、痛みではありません。

打つ時に肩の前が痛む場合は、可動域の問題ではなく別の原因が隠れていることもあります。伸ばして解決しようとせず、休む判断を先に入れてください。

失敗③:打ち方だけを直そうとする

3つ目は、体が動かないままフォームだけを変えようとする失敗です。肘が上がらない選手に肘を上げろと言っても、可動域が足りていなければ形は作れません。

体の動く範囲を先に広げてから、フォームの修正に入る順番が近道になります。順番が逆になると、無理な形を体で覚えてしまいます。

続けるための組み立て方

そもそも肩甲骨が硬くなるのは、体質だけが理由ではありません。日常の姿勢と、練習でくり返す動作の両方が関わっています。

授業や勉強で前かがみの時間が長いと、胸の前の筋肉が縮んだままになります。縮んだ側に引っぱられて、肩甲骨は開いた位置で固定されます。

そこへ毎日のスパイクとサーブが重なると、打つ側だけがさらに硬くなっていきます。左右差が出るのは、片側だけを使い続けているサインです

バボット

硬サノ原因ハ「前カガミノ姿勢」ト「片側ダケノ使イスギ」

つまり、硬さは練習量が多い選手ほど出やすいということです。だからこそ、伸ばす時間を練習の一部として組み込んでおく必要があります。

柔軟性は、1回で大きく変わるものではありません。短くても続けられる形にするのが結局は近道です。

STEP
練習後の5分を肩甲骨まわりに固定する
STEP
チェック3つのうち、いちばん苦手だった動きを毎日入れる
STEP
月に1回だけチェックをやり直して、届く位置を比べる

毎日30分やる計画より、5分を続ける方が結果につながります。時間が取れない日は、タオルを使う1つ目だけでもかまいません。

サルくん

練習後の5分なら続けられそうです!

あげば

それでいいんです。体は続けた分だけ変わりますよ。

動く範囲が広がってきたら、その範囲を使い切るための力もつけていきます。体をひねる力とセットにすると、打つ動作につながりやすくなります。

よくある質問

肩甲骨のストレッチは毎日やってもいいですか?

痛みがなければ毎日で問題ありません。ただし練習前は動かしながら、練習後や家では止めて伸ばす、とやり方を分けてください。

どのくらいで柔らかくなりますか?

変化の速さには個人差があります。月に1回チェックをやり直し、指先の距離や腕の上がる位置が近づいていれば進んでいます。

体が硬いままでもスパイクは打てますか?

打てますが、腕だけで振る形になりやすく、肩まわりに負担が集まります。まず動く範囲を広げてからフォームを直す順番がおすすめです。

肩に痛みがある時もストレッチしていいですか?

痛みがある時は伸ばすより先に、休むかどうかの判断が必要です。動かすと痛む状態が続く場合は、自己判断せず病院で診てもらってください。

まとめ:背中が動けば打点も球質も変わる

最後に要点をふり返ります。肩甲骨で見るのは柔らかさそのものではなく、寄せる・開く・上げる・下げるの4方向が動くかです。

症状止まっている動きまずやること
打球が軽い寄せる・下げる①タオル・④壁で胸を開く
打点が上がらない上げる⑤バンザイで横へ倒す
構えで背中が起きる開く③四つんばいで丸める

私は元日本代表として多くの選手を見てきましたが、打球が変わる選手ほど、地味な5分を続けていました。派手な筋トレより先に、動く範囲を作ってみてください。

サルくん

今日の練習後から、タオルのストレッチをやってみます!

あげば

いいですね。1か月後にもう一度チェックしてみましょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

バレーボールの身体づくりについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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