- 練習のあと、お尻から腰にかけてずっと重い
- レシーブの構えを続けると、腰ばかり疲れてくる
- お尻のストレッチをしても、どこが伸びているのか分からない
こんな悩みを解決します。
お尻のストレッチは、「お尻」をひとまとめにせず、大きい筋肉・横の筋肉・奥の筋肉の3か所に分けて伸ばすと、効き方が大きく変わります。1つのポーズだけでは、伸びないところが残ってしまうからです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
バレーは、低い構え、ジャンプ、着地のどれもお尻の筋肉が中心になって支えています。使う量が多いぶん、練習のあとに硬くなりやすい場所です。
お尻をゆるめる3か所の伸ばし方と、それがバレーのどの動きにつながるのかをセットでお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- お尻が硬いと、バレーのどこに影響が出るのかが分かる
- お尻の3か所を順番にゆるめる5つのストレッチが分かる
- 腰や膝を痛めないために避けたいやり方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:お尻は「3か所に分けて」「背中を丸めずに」伸ばす
結論からお伝えします。お尻のストレッチは、大きい筋肉・横の筋肉・奥の筋肉を1か所ずつ、背中を丸めずに伸ばすと効きます。
お尻の筋肉は、1枚の大きな肉ではありません。表面を覆う大きな筋肉(大殿筋)、その上の横側にある筋肉(中殿筋)、奥のほうで脚を外へひねる筋肉(梨状筋など)が重なっています。
膝を胸に抱えるストレッチだけでは、横と奥の筋肉はあまり伸びません。逆に、脚を組むストレッチだけでは、大きい筋肉が残ります。
サルくんお尻って、1か所だけじゃなかったんですね。



脚を動かす向きで、伸びる場所が変わるんですよ。
もう1つ大事なのが、背中の形です。背中を丸めて深く倒れると、お尻ではなく腰が伸びてしまいます。胸を張ったまま、股関節から体を折るのがポイントです。
- 大きい筋肉・横の筋肉・奥の筋肉を1か所ずつ伸ばす
- 背中は丸めず、股関節から体を折る
- 1つの姿勢は20秒ほど、左右それぞれ行う
- 痛みの手前の「気持ちよく伸びる」ところで止める
この4つを押さえれば、同じ時間でもお尻全体をしっかりゆるめられます。
お尻が硬いとバレーで起きる3つのこと
お尻の硬さは、自分では気づきにくいものです。それでも、プレーの中では次の3つの形で表れます。
1:低い構えを続けると、腰が疲れる
1つ目は、構えです。レシーブの構えは、足幅を肩幅より広く取り、股関節を曲げて体を前に倒した姿勢が基本になります。
お尻が硬いと、股関節から深く曲げられません。その分を背中を丸めたり、腰を反らせたりしてごまかすので、構えを続けるほど腰に疲れがたまっていきます。
お尻がゆるむと、股関節から体を倒した低い構えを楽に保てます。腰が重いと感じる人ほど、腰ではなくお尻から伸ばしてみてください。
2:ジャンプの踏み切りで、しゃがみが浅くなる
2つ目は、ジャンプです。スパイクやブロックの踏み切りでは、股関節を曲げて沈み込み、お尻と太ももの力で一気に伸び上がります。
お尻が硬いと、沈み込みが浅くなって、膝だけを曲げた形になりがちです。お尻の大きな筋肉を使えず、太ももの前側ばかりで跳ぶことになります。



股関節ガ 深ク 曲ガルト オ尻デ 跳ベル
私は、跳ぶ力を伸ばしたい選手には、筋トレと同じくらいお尻をゆるめる時間も大切にするようおすすめしています。沈み込める深さが変わるだけで、同じ筋力でも踏み切りの力を使い切りやすくなるからです。



筋トレばかりで、お尻を伸ばしたことはほとんどなかったです…。



鍛えた筋肉ほど硬くなりやすいので、伸ばす時間もセットにしましょう。
3:着地で膝が内側に入りやすくなる
3つ目は、着地です。着地は、両足で同時に下り、膝を軽く曲げて衝撃を吸収するのが基本です。
お尻の横や奥の筋肉は、膝が内側へ入らないように脚を支えています。硬く疲れた状態だと、この支えがうまく働かず、膝がねじれやすくなります。
ストレッチだけで膝のケガを防げるわけではありません。それでも、よく使うお尻を練習のたびにゆるめておくことは、次の練習で気持ちよく動くための準備になります。



だから着地のあと、膝より先にお尻が張っていたのかもしれません。



お尻はそれだけ、たくさん働いているということなんですよ。
まずは30秒でできるお尻の硬さチェック
伸ばす前に、自分のお尻がどれくらい硬いのかを確かめておきましょう。やり方は2つです。
- あお向けで片膝を両手で胸に引き寄せる:反対の脚が床から浮くか、腰が丸まるか
- あお向けで片方の足首を反対の膝にのせる:のせた脚の膝が天井へ大きく浮くか
1つ目で膝が胸に近づかない人は、大きい筋肉が硬めです。2つ目で膝が高く浮く人は、奥の筋肉が硬めのサインになります。
左右で差があるかも見ておいてください。差が大きい側を、次のストレッチで1回多めに行うと、左右のバランスがそろいやすくなります。
お尻をゆるめるストレッチ5つ(1日5分)
ここからが本題です。寝て行うものから始めて、座る、立つの順に進めると、無理なく深く伸ばせます。
ストレッチ1:膝抱えで、大きい筋肉を伸ばす
あお向けに寝て、片膝を両手で抱え、胸のほうへゆっくり引き寄せます。反対の脚は床にまっすぐ伸ばしておきます。
お尻の下のほうが伸びているのを感じながら、20秒ほど保ちましょう。反対の脚が床から浮くと、腰が丸まって伸びる場所がずれます。
ストレッチ2:4の字ストレッチで、奥の筋肉を伸ばす
あお向けで両膝を立て、右の足首を左の膝の上にのせます。脚が数字の4の形になります。
左の太ももの裏を両手で持ち、胸のほうへ引き寄せてください。右のお尻の奥がじんわり伸びるところで20秒保ち、左右を入れかえます。



手が太ももの裏まで届きません…。



最初は、左足を壁につけて行うと楽にできますよ。
ストレッチ3:脚を組んでひねり、横の筋肉を伸ばす
あお向けで右膝を立て、その膝を左手で持って、体の左側の床へゆっくり倒します。右の肩は床につけたままにします。
お尻の横から太ももの外側にかけて伸びていればOKです。肩が床から浮くほど倒すと腰をひねりすぎるので、肩がつく範囲で20秒保ちましょう。
ストレッチ4:座って足を抱え、奥の筋肉を伸ばす
床に座って左脚を伸ばし、右の膝を曲げて、右の足首を両手で抱えます。すねを胸のほうへ、ゆりかごのように引き寄せます。
背中を丸めず、胸を張ったまま、すねを胸へ近づけてください。背中が丸まる人は、壁に背中をつけて座ると形を保ちやすくなります。
ストレッチ5:片膝立ちで、前へ体重を移す
最後に、片膝を床につき、反対の脚を前に出して膝を90度に曲げます。背筋を伸ばしたまま、体全体をゆっくり前へ移していきます。
前に出した脚のお尻と、後ろ脚の付け根の前側が同時に伸びます。股関節の前後をいっしょにゆるめることで、構えやジャンプで股関節を深く曲げやすくなります。
腰を反らせると伸びる場所がずれるので、お腹を軽く締めたまま20秒保ちましょう。
毎日続けるときの目安
お尻のストレッチは、一度に長く伸ばすより、毎日少しずつ続けるほうが変化につながります。
おすすめは、練習のあとやお風呂あがりの、体が温まっている時間です。5つを1回ずつ行っても、5分ほどで終わります。
- 1つの姿勢は20秒ほど、左右それぞれ行う
- 体が温まっている時間に、できれば毎日行う
- チェックで硬かった側を1回多めに伸ばす
- 1か月ごとに、硬さチェックの膝の高さを比べる
練習の前は、止まって長く伸ばすより、脚を振るなど動かしながら温めるほうが向いています。前と後でやることを分けると、プレーにもつなげやすくなります。
伸び方には個人差があります。周りと比べるより、自分の前回と比べて少しずつ変わっていれば十分です。
お尻のストレッチでやりがちな3つの失敗
お尻を伸ばしているつもりでも、形がずれていると効きません。次の3つに心当たりがないか確かめてください。
失敗1:背中を丸めて、深く見せる
いちばん多いのが、この形です。座って足を抱えるときや前へ倒れるときに背中を丸めると、深く伸びたように見えても、伸びているのは腰と背中です。
スマホで横から撮ってもらい、背中がまっすぐかを確かめましょう。背中をまっすぐにしたままの小さな動きのほうが、お尻にはしっかり効いています。



深サヨリ 背中ノ 形ガ 大事
失敗2:ひねるストレッチで、肩まで浮かせる
次に多いのが、脚を倒すストレッチでひねりすぎる形です。肩まで床から浮くと、お尻ではなく腰をねじる動きに変わってしまいます。



床に膝をつけることばかり考えていました…。



膝が床につかなくても大丈夫。肩をつけたまま倒せる範囲で止めましょう。
失敗3:痛みやしびれをがまんして続ける
3つ目は、やりすぎです。反動をつけたり、痛みをがまんして押し込んだりすると、筋肉は縮んで身を守ろうとするので、かえって伸びにくくなります。
お尻から太ももの裏へしびれが走るときや、腰の痛みが続くときは、ストレッチを止めてください。整形外科で診てもらいましょう。
伸ばすだけでは足りない部分
ここまでお尻をゆるめる方法をお伝えしてきましたが、柔らかくなるだけで、ジャンプが高くなったり着地が安定したりするわけではありません。
お尻は、バレーでいちばん力を出す筋肉の1つです。ゆるめる練習と一緒に、鍛える練習も進めてください。
伸ばして動く範囲を広げ、その範囲で力を出せるように鍛える。この2つがそろうと、低い構えも、跳ぶ力も、着地の安定も伸びていきます。



伸ばすのと鍛えるの、両方やってみます!



お尻が使えるようになると、構えもジャンプも楽になっていきますよ。
よくある質問
まとめ:お尻は3か所に分けて、背中を丸めずに伸ばす
お尻のストレッチは、ひとつのポーズで終わらせないことが大切です。大きい筋肉・横の筋肉・奥の筋肉を、1か所ずつゆるめていきましょう。
3か所に分ける。背中を丸めない。毎日5分続ける。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| どこが伸びているか分からない | 膝抱え・4の字・ひねりで場所を分ける |
| 腰ばかり伸びる | 胸を張り、股関節から体を折る |
| ひねると腰が痛い | 肩を床につけたまま倒せる範囲で止める |
| 左右で硬さが違う | 硬い側を1回多めに伸ばす |
| しびれや痛みが出る | すぐ止め、続けば整形外科へ |
必要なのは床と、あとは毎日の5分だけです。お尻がゆるむほど、低い構えも、深い踏み切りも楽になっていきます。
そのうえで、ゆるめたお尻を使って跳び、着地で踏ん張るための筋力づくりも並行して進めてください。



今日のお風呂あがりから、4の字ストレッチを始めてみます!



1か月たったら、硬さチェックの膝の高さを比べてみましょうね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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