バレー選手の食が細い悩み|無理強いせずに量を増やす順番

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バレー選手の食が細い悩みへの対応|無理強いせずに量を増やす順番
  • 練習量に対して、明らかに食べる量が足りていない気がする
  • 「もっと食べなさい」と言うたびに、食卓の空気が悪くなる
  • 少食のままで、体づくりが間に合うのか不安になる

こんな悩みを解決します。

食が細い選手の食事量を増やすときは、1回の量を増やそうとせず、食べる回数を増やすところから始めるのが基本です。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

現役時代から指導者になった今まで、体育館ではいろいろな選手を見てきました。その中には、練習量に対して明らかに食べる量が追いついていない選手もいます。

保護者の方から「うちの子、全然食べないんです」と相談を受けることも少なくありません。そのたびに感じるのは、量そのものより先に、食卓の空気のほうが先に苦しくなっているということです。

食べる量は、押し込んで増えるものではないんですよね。

なお、成長期の食事は「食事でとることが基本」という前提が土台になります。この記事は一般的な考え方の整理であり、体調や体重の変化が気になる場合は、医師や管理栄養士など専門家への相談を優先してください。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 食が細い原因を、体・生活・気持ちの3方向から切り分けられる
  • 無理強いせずに1日の総量を増やしていく順番が分かる
  • 家庭で様子を見てよい範囲と、相談したほうがよい範囲の線引きが分かる

保護者ができる食事サポート全体の地図は、こちらの記事でまとめています。

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:1回の量ではなく「回数」から増やす

先に結論からお伝えします。食が細い選手に対してやることは、次の3つの順番で考えます。

食が細い子の量を増やす3ステップ
  • ステップ1:食べる回数を増やして、1日の合計量を底上げする
  • ステップ2:1回の中で、主食(ごはん・パン・麺)から先に食べる順番をつくる
  • ステップ3:飲み物やスープなど、口に入りやすい形でエネルギーを足す

多くのご家庭が最初にやってしまうのが、「1食の量を増やす」というアプローチです。ごはんを大盛りにする、おかずを1品足す、といった方法ですね。

けれど食が細い選手にとって、目の前の皿が大きくなること自体がプレッシャーになります。食べる前から「これは無理だ」と感じてしまうんです。

サルくん

お茶碗が大きくなった瞬間に、食欲がなくなるんだよね…。

あげば

そうなんだ。だから量を増やしたいときほど、1回分は小さいままにしておくんだよ。

1日に食べる合計が同じなら、3回で食べても5回で食べても体に入る量は変わりません。むしろ回数を分けたほうが、1回あたりの負担は軽くなります。

胃に入る容量には個人差があります。同じ学年でも、1食でしっかり食べられる選手と、少しずつしか入らない選手がいるのは自然なことです。

量が入らない子は、増やすのではなく分ける。これが出発点です。

ここからは、そもそもなぜ食べられないのかという原因の切り分けから、具体的な増やし方、声のかけ方の順に見ていきます。

食が細くなる3つの原因を切り分ける

「食べない」とひとことで言っても、理由はいくつもあります。原因が違えば打つ手も変わるので、まずはどこに当てはまるかを見ていきます。

原因1:練習の疲れで、そもそも食欲が出ない

いちばん多いのが、体が疲れすぎていて食欲まで回らないパターンです。激しい運動の直後は、食欲がわきにくくなることがあります。

夏場の体育館は特にそうです。暑さで消耗した状態のまま帰宅すると、食卓に着いた時点で箸が進まなくなります。

この場合、問題は食事ではなく練習後から夕食までの過ごし方にあります。汗をかいた分の水分と塩分が戻っていないと、食欲も戻りにくいんですよね。

原因2:食事の時間が生活と合っていない

部活が終わってから帰宅するまでに時間がかかると、夕食の時間はどんどん後ろへずれます。20時を過ぎることも珍しくありません。

この時間になると、体は食事より睡眠を求め始めます。眠いのに食べさせられる状態では、量が入らなくて当然です。

逆のパターンもあります。練習前の間食が遅かったせいで、夕食の時間になってもお腹が空いていないというケースです。

つまり、食べる量が少ないのではなく、食べる時間がずれているだけということが実際にあります。

うさママ

帰りが遅い日は、席についた瞬間にもう眠そうなのよね。

あげば

その状態で量を求めるのは酷だよ。帰る前に少し入れておくほうが現実的なんだ。

原因3:食べることへの気持ちが下がっている

3つ目は、体ではなく気持ちのほうです。食卓で量を注意され続けると、食事そのものが嫌な時間になります。

「残さず食べなさい」と言われる回数が増えるほど、食卓は緊張する場所になっていきます。緊張した状態では、食は細くなる方向に働きます。

試合が近い時期や、チーム内で立場が変わったときにも、食欲が落ちることがあります。この場合は食事の工夫より、気持ちのほうを先に見てあげる必要があります。

疲れ・時間・気持ち。この3つのどこで詰まっているかを先に見ます。

原因が分かったら、次はいよいよ具体的な増やし方です。

量を増やす手順|回数・順番・形を変える

ここからが実践です。1回の量を変えずに1日の総量を増やしていく手順を、順番に並べます。

STEP
練習直後に補食を1つ入れて、帰宅までの空白を埋める
STEP
夕食は主食(ごはん・パン・麺)から先に食べる
STEP
夕食は少なめに盛り、足りなければおかわりにする
STEP
夜に入らなかった分は、翌日の朝食へ回す
STEP
1日単位で判断せず、1週間で振り返る

1つ目の補食は、帰宅までの空腹をなくすためのものです。ここが空いたままだと、夕食の時間に食欲が戻りません。

うさママ

練習の後に何か食べさせると、夕飯が入らなくなりそうで心配だったの。

あげば

逆なんだ。空腹が行き過ぎると食欲そのものが落ちるから、軽く入れておくほうが夕食も進むよ。

夕食を少なめに盛るのは、残させないためです。完食して席を立てた日が続くと、食事に対する構えが変わっていきます。

そして大事なのが、最後の「1週間で振り返る」です。1日の食事量は、体調や練習量で簡単に上下します。

この手順のポイントは、食べる場面を1日の中に散らばらせることにあります。

3食だけで必要量を満たそうとすると、1回あたりのハードルが高くなります。そこに補食を2回はさむだけで、1回分の負担は目に見えて軽くなります。

補食は「おやつ」ではなく食事の一部として考えます。何をどの場面で選ぶかは、こちらの記事に整理してあります。

食べる順番を変えるだけでも入る量は変わる

同じ献立でも、どれから食べるかで最終的に入る量は変わります。食が細い選手ほど、この差が大きく出ます。

サラダや汁物から始めると、それだけで満腹感が出てしまうことがあります。動くためのエネルギーになる主食が最後に回ると、そこで手が止まります。

だから食が細い時期は、主食を先にする形をおすすめしています。ごはんを数口食べてから、おかずへ移る流れです。

サルくん

順番を変えるだけなら、今日からできそう!

あげば

そう。量を増やすより、順番を変えるほうがずっと簡単なんだよ。

食べる順番の考え方は、体調管理の目的によって変わる部分もあります。基本の整理はこちらです。

噛む回数が少なくて済む形にする

固形物が進まない日でも、飲み物やスープなら口に入ることがあります。疲れて食欲が落ちている日は、この違いが大きく効きます。

具だくさんの汁物にする、牛乳やヨーグルトを足す、果汁を添える。こうした形なら、噛む負担が少ないまま量を足せます。

雑炊やうどんのように、主食が水分と一緒になっているメニューも進みやすい形です。夏バテ気味の時期は特に有効です。

サルくん

疲れてる日は、うどんなら食べられるかも。

バボット

ノドヲ通ル形ヲ選ブ

夕食が遅くなる日は2回に分ける

帰宅が遅い日は、夕食を1回にまとめないほうがうまくいきます。練習後に軽く、帰宅後にもう一度という形です。

先に軽く入れておくと、帰宅後の食事で「空腹すぎて食べられない」という状態を避けられます。空腹が行き過ぎると、かえって食欲は落ちるものです。

遅い時間の食事は、消化に負担の少ないものを選びます。揚げ物中心のメニューは、寝るまでの時間が短い日は避けたほうが無難です。

保護者の声かけで変わること・変わらないこと

食が細い悩みで、いちばん効果が出やすいのは実は声かけです。同じ食卓でも、かける言葉ひとつで入る量は変わります。

量を評価する言葉をやめる

「それだけしか食べないの」「全部食べなさい」。この形の言葉は、食卓を採点の場に変えてしまいます。

採点されていると感じると、食事は義務になります。義務になった食事で量が増えることは、まずありません。

代わりに使いたいのが、事実を聞く形です。「今日はどれが食べやすかった?」と聞けば、次の献立のヒントが返ってきます。

うさママ

つい「もっと食べて」って言っちゃうのよね。

あげば

気持ちは分かるよ。でもその一言で、次の食事のハードルが上がってしまうんだ。

完食できる量を出して成功体験にする

最初から食べきれない量を出すと、毎回「残した」という結果で終わります。この積み重ねが、食事への苦手意識をつくります。

少なめに盛って完食してもらうほうが、結果的に総量は増えます。足りなければおかわりできる形にしておけば、自分のペースで足していけます。

これは練習でも同じ考え方です。できない課題を並べるより、できる課題を積み上げたほうが伸びていきますよね。

完食した回数を増やす。量ではなく回数が自信になります。

他の選手と比べない

同じチームでも、食べる量には大きな差があります。体格も成長のタイミングも一人ひとり違うので、比べても意味がありません。

「あの子はあんなに食べるのに」という言葉は、本人にはどうしようもないことを責める形になります。比べる相手は、他の選手ではなく先月の自分です。

成長期の体づくりをどう考えるかは、こちらの記事でも整理しています。

準備の負担は仕組みで下げる

毎食こだわった献立を用意しようとすると、続きません。続かない方法は、どれだけ正しくても効果になりません。

前の晩に下ごしらえをしておく、冷凍食品を組み合わせる、買い出しの回数を減らす。こうした工夫で手数を減らすほうが現実的です。

食材の調達そのものを楽にする方法もあります。練習日の夕食を回すための選択肢は、こちらでまとめています。

プロテインやサプリに頼る前に確認したいこと

食が細いと聞くと、プロテインで補えばいいのではと考える方もいます。ここは慎重に整理しておきたい部分です。

食事が基本という前提は崩さない

成長期の栄養は、食事からとることが基本です。この前提は、どんな製品を使う場合でも変わりません。

食事が入らないからプロテインで代替する、という使い方はおすすめできません。食事に含まれるのはたんぱく質だけではないからです。

使う場合も、食事を減らして置きかえるのではなく、足りない分を補う位置づけにとどめます。量やタイミングは製品の表示にしたがってください。

サルくん

プロテインを飲めば食べなくていいのかと思ってた。

あげば

それは逆なんだ。食事で足りないところを埋める道具だから、食事のほうが先だよ。

年齢に合った選び方をする

同じたんぱく質の製品でも、対象年齢の想定は製品によって違います。小中学生に向けて作られたものもあります。

判断に迷う場合は、専門家に相談するのがいちばん確実です。ジュニア向け製品の考え方は、こちらで整理しています。

家庭で判断しないほうがいいこと

次のような様子が見られる場合は、家庭で工夫を続けるより先に、医療機関へ相談してください。

早めに相談したい様子
  • 食べられない状態が数週間以上続いている
  • 体重が短期間で目に見えて減っている
  • 食事のあとに吐く、食べることを強く拒む
  • 立ちくらみやめまい、極端な疲れやすさがある

食欲の低下の裏に、体の不調が隠れていることもあります。家庭で様子を見るだけの期間が長くなるほど、対応は遅れます。

体重や食事量に強いこだわりが出ている場合も、専門的な対応が必要になることがあります。ためらわずに相談してください。

栄養についての一般的な情報は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも公開されています。ただし個別の判断は、必ず専門家にゆだねてください。

家庭でできる食育の考え方は、こちらの記事でまとめています。

よくある質問

食が細い子に、無理にでも食べさせたほうがいいですか?

無理強いはおすすめできません。
食卓が緊張する場になると、かえって量は入らなくなります。1回の量を減らして回数を増やすほうが、1日の合計量は増えやすくなります。

練習量に対して食べる量が足りているか、どう判断しますか?

体重の推移と、練習後半の動きを目安にしてください。
数字だけで判断せず、疲れが抜けない日が続く、後半に足が動かないといった様子とあわせて見ます。気になる場合は医師や管理栄養士に相談してください。

補食を持たせるとお菓子ばかり食べてしまいます。

選ぶ基準を先に決めておくと変わります。
おにぎり・パン・バナナのように主食になるものを1つ、という形で伝えると選びやすくなります。

夕食が20時を過ぎる日は、食べさせないほうがいいですか?

まったく食べないのは避けたほうがよいです。
練習後に軽く1回、帰宅後に消化のよいものを少量、という2回に分ける方法があります。

プロテインで食事の代わりにしてもいいですか?

代わりにはしないでください。
成長期は食事でとることが基本です。使う場合も補助として位置づけ、量やタイミングは製品の表示を守ってください。

まとめ:量を求める前に、食べやすい形を整える

食が細い選手の食事は、押し込んで増やすものではありません。食べやすい形に整えていくと、結果として量がついてきます。

回数を増やす。順番を変える。形を変える。この3つが基本です。

詰まっている場所やること避けたいこと
疲れて食欲が出ない練習後に水分と補食を入れる帰宅まで何も口にしない
夕食が遅い練習後と帰宅後の2回に分ける遅い時間に1回でまとめて食べさせる
1食の量が入らない少なめに盛って完食を積み重ねる大盛りにして残させる
主食が残る主食から先に食べる順番にするサラダ・汁物から始める
気持ちが下がっている事実を聞く声かけに変える量を評価する言葉をかける

私は元日本代表として、そして指導者として、食が細いこと自体が弱点だとは思っていません。

体格に恵まれていなくても、食べる量が多くなくても、コートで力を出している選手を何人も見てきました。大切なのは、その選手なりのやり方を見つけて続けることです。

食卓を戦いの場にしないでください。食べられた日を一緒に喜べる関係のほうが、長い目で見れば体をつくります。

サルくん

今日はごはんから食べてみる!

あげば

いいね。それだけでも、明日の練習の後半が変わってくるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

🍚 練習で帰りが遅い日の夕食、ラクしていい

送迎に洗濯にお弁当。バレー家庭の毎日は、それだけで十分がんばっています。夕食まで完璧にしなくて大丈夫です。

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▼ まずはお試しセットから

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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