- 長座体前屈の記録が、何回測っても伸びない
- 体が硬いと言われるけれど、何から直せばいいか分からない
- 柔らかさが、バレーのどこに関係するのかピンとこない
こんな悩みを解決します。
長座体前屈の記録は、体の柔らかさだけでなく、始めの姿勢と前へ倒す方向で大きく変わります。同じ柔らかさでも、測り方を理解している選手ほど数字が伸びます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
バレーでは、低い構えを保つときも、跳んだあとに着地するときも、もも裏と股関節の柔らかさが効いてきます。長座体前屈は、その硬さを数字で確かめられる種目です。
記録の伸ばし方と、柔らかさがバレーにどうつながるのかをセットでお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 長座体前屈がバレーのどの動きにつながるのかが分かる
- 記録を伸ばす5つのコツと、測る前にやる準備が分かる
- 点数の目安と、この種目だけでは分からない部分が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:長座体前屈は「始めの姿勢」と「倒す方向」で決まる

結論からお伝えします。長座体前屈は、胸を張った始めの姿勢から、箱をまっすぐ遠くへ押し出せたかを測る種目です。
まずルールを確認しておきましょう。
高さ約25cmの台を2つの箱で作り、その間に両脚を入れて長座の姿勢で座ります。壁に背中とお尻をぴったりつけ、靴は脱いでおきます。
両手は肩幅で手のひらを下にして台の手前に置き、胸を張って、肘を伸ばしたまま台を手前に引きつけます。この位置がゼロの地点です。
サルくん指先がどこまで届いたか、を測るんじゃないんですか?



測るのは、台がどれだけ前に動いたかなんですよ。
そこから両手を台から離さずに、ゆっくり前屈して、台をまっすぐ前へ滑らせます。いちばん遠くまで押し出したら、手を離して記録を読みます。
記録はcm単位で、cm未満は切り捨てです。2回測って、よかったほうが記録になります。膝が曲がらないように気をつけてください。
- 始めは胸を張り、背中とお尻を壁につける
- 頭を下げるのではなく、おへそから前へ倒れていく
- 膝は曲げず、台から手を離さない
- 記録は2回のよいほう・cm未満は切り捨て
この4つを押さえれば、記録が伸びる土台ができます。他の項目とあわせて測ると、自分の弱いところも見えてきます。
長座体前屈がバレーにつながる3つの理由
座って前に倒れるだけの種目が、なぜバレーの力になるのでしょうか。理由は3つあります。
理由1:低い構えを保ちやすくなる
1つ目は、構えです。レシーブの基本は、背骨をまっすぐに保ったまま、股関節から体を前に倒したパワーポジションです。
もも裏や股関節が硬いと、この前傾の姿勢を長く保てません。腰が引けたり、背中が丸まったりして、構えがだんだん高くなっていきます。
股関節から前へ倒せる柔らかさがあると、低い構えを楽に保てます。長座体前屈で使う、もも裏と股関節の動きはここにつながっています。
理由2:腰やもも裏を痛めにくくなる
2つ目は、ケガの予防です。もも裏が硬いと、前にかがむ動きのたびに、その分を腰が代わりに曲がって補うことになります。
レシーブやボール拾いで前かがみをくり返すバレーでは、腰に負担がたまりやすくなります。もも裏そのものも、急に伸ばされたときに傷めやすくなります。



モモ裏ガ 硬イト 腰ガ 代ワリニ 曲ガル
柔らかくしておけば必ずケガをしない、というわけではありません。それでも、負担を1か所に集めないための土台にはなります。
理由3:体の硬さの変化を数字で追える
3つ目は、変化の見える化です。柔らかさは、自分では伸びたかどうかが分かりにくい部分です。
長座体前屈なら、cm単位で前回と比べられます。ストレッチを続けた効果も、疲れがたまって硬くなったサインも、同じものさしで確かめられます。
成長期は骨が伸びる時期に、筋肉が追いつかず一時的に硬くなることもあります。記録が落ちたときは、責めるより「今は伸ばす時期」と受け止めてください。
長座体前屈の記録を伸ばす5つのコツ


ここからが本題です。順番に意味があるので、上から1つずつ直してください。
コツ1:胸を張り、台を手前まで引きつけて始める
まずは始めの姿勢です。ここで背中が丸まっていると、手が最初から前に出た状態でゼロを合わせてしまいます。
背中とお尻を壁にぴったりつけ、胸を張って背筋を伸ばしてください。肘は伸ばしたまま、台を自分の方へしっかり引きつけます。



始めから前に出ていたほうが、得なのかと思っていました。



ゼロの位置が前にずれるだけなので、動かせる幅はかえって減りますよ。
始めの姿勢を整えるだけで、同じ柔らかさでも台を動かせる幅が変わります。ルールどおりの姿勢で入ることが、いちばんの近道です。
コツ2:頭を下げず、おへそから前へ倒れる
次に、倒れ方です。頭を膝につけにいくように丸まると、背中だけが曲がって、股関節が動きません。
あごを上げすぎず、おへそを太ももに近づけていくつもりで、股関節から前へ倒れてください。頭は下ではなく、前へ運ぶイメージです。
腕は肘を伸ばしたまま、台を押す方向をまっすぐ前にそろえます。台が斜めに動くと、そのぶん記録が短くなります。
コツ3:膝の裏を床に押しつけて、膝を曲げない
3つ目は、膝です。もも裏が伸びてくると、つらさから膝が少しずつ曲がってきます。
膝が曲がると、正しい記録とは認められません。膝の裏を床に軽く押しつける意識を持つと、脚がまっすぐに保てます。



膝ヲ 曲ゲタラ 意味ガ ナイ
足首の角度は決められていないので、つま先は楽な向きで構いません。つま先を強く反らせるともも裏がさらに張るので、力を抜いておきましょう。
コツ4:息を吐きながら、ゆっくり倒れる
4つ目は、呼吸と速さです。息を止めて力むと、体はかえって縮こまります。
大きく息を吸ってから、細く長く吐きながら前へ倒れていってください。吐き切るあたりで、いちばん遠くまで届きやすくなります。
反動をつけて弾むように倒すのはやめましょう。急に伸ばされた筋肉は、縮んで守ろうとするので、かえって伸びにくくなります。



勢いより、息を吐くほうが大事なんですね。



そうです。ゆっくり倒れたほうが、体も素直に伸びてくれますよ。
コツ5:測る前に、もも裏とお尻を温めておく
最後は、準備です。冷えた体でいきなり測ると、本来の柔らかさが出ません。
測る前に軽く体を動かして温め、もも裏とお尻をゆっくり伸ばしておきましょう。2回測れるので、1回目で体を慣らしてから2回目に臨むつもりで入りましょう。
ただし、測る直前に無理やり強く伸ばすのは逆効果です。痛いところまで引っぱらず、気持ちよく伸びるところで止めてください。
長座体前屈の練習メニュー(1日5分)
記録を伸ばすには、測る日だけ頑張っても間に合いません。柔らかさは、毎日の少しの積み重ねで変わっていきます。
もも裏は、片脚を前に伸ばして座り、反対の脚は曲げて、伸ばした脚の方へおへそから倒れます。お尻は、あぐらをかいた姿勢から、背筋を伸ばしたまま前へ倒れると伸びます。
ふくらはぎも、長座体前屈の記録に関わる場所です。壁に両手をつき、後ろ脚のかかとを床につけたまま前へ体重をかけてください。



痛いくらい伸ばしたほうが、早く柔らかくなると思っていました。



痛いところまで引っぱると、体が身を守ろうとして固まってしまいますよ。
おすすめは、練習のあとやお風呂あがりの、体が温まっている時間です。伸び方には個人差がありますが、1日5分でも続けるほど変化を確かめやすくなります。
練習の前は止まって伸ばすより、動かしながら温めるほうが向いています。前と後でやることを分けると、効果が出やすくなります。
点数の目安と、学校での測り方
コツが分かったら、自分の位置を確かめましょう。新体力テストの得点表は12〜19歳で共通なので、中学生も高校生も同じ基準で採点されます。
正式な方法と得点表はスポーツ庁の新体力テスト実施要項で公開されています。
| 10段階の得点(抜粋) | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 10(満点) | 64cm以上 | 63cm以上 |
| 8 | 53〜57cm | 54〜57cm |
| 5(まん中) | 39〜43cm | 40〜44cm |
| 3 | 28〜32cm | 30〜34cm |
表は代表的な点数だけを抜き出したものです。正確な採点は、学校で使う得点表か実施要項で確かめてください。
まずは、まん中の得点5を超えることを目標にしましょう。男女で基準がほとんど変わらないのも、この種目の特徴です。



満点の64cmは、とても届く気がしません…。



まずはまん中を超えて、そこから1cmずつ積み上げましょう。
箱と厚紙で測る手順
専用の器具がなくても、箱と段ボールで測れます。実施要項では、次のように作ると決められています。
台がまっすぐ前に滑るように、床がすべりやすいかも確かめておきましょう。前回と比べるときは、同じ台と同じ時間帯で測ると差が分かりやすくなります。
記録にならない動きを覚えておく
記録として認められない動きも、知っておきましょう。いちばん多いのは、前屈の途中で膝が曲がってしまう形です。
台から手が離れたり、反動をつけて弾いたりするのも正しい測り方ではありません。台が斜めに動いた場合も、測り直したほうがよいでしょう。
長座体前屈でやりがちな3つの失敗
記録が止まっている選手には、共通するくせがあります。次の3つに心当たりがないか確かめてください。
失敗1:始めから背中が丸まっている
いちばん損をしているのが、この形です。壁から背中が離れて丸まったまま始めると、ゼロの位置がすでに前にずれています。
本人は同じだけ倒れたつもりでも、台が動く距離は短くなります。始めの姿勢を写真で撮ってもらい、背中と壁の間にすき間がないか確かめましょう。



始めから、もう前に出ていたかもしれません…。



胸を張って始めるだけで、動かせる幅は変わりますよ。
失敗2:勢いをつけて、何度も弾ませる
次に多いのが、反動をつけて前後に弾ませる形です。一瞬遠くへ届いても、筋肉が縮もうとするので安定して伸びません。
弾ませるくせは、ふだんのストレッチでも出やすいものです。止めて伸ばすときは、20秒ほど同じ位置でじっくり待ってください。
失敗3:痛みをがまんして伸ばし続ける
3つ目は、やりすぎです。記録を伸ばしたくて、痛みが出るところまで毎日引っぱる選手がいます。
もも裏に鋭い痛みが出たり、腰から脚にしびれが走ったりするときは、すぐに止めてください。成長期の体は、急に伸ばされることに弱い部分があります。
痛みやしびれが続くときは、整形外科で診てもらいましょう。硬さの原因が、筋肉以外のところにある場合もあります。
長座体前屈だけでは分からない部分
ここまで良さをお伝えしてきましたが、この種目の記録だけで、バレーに必要な柔らかさがすべて分かるわけではありません。見落としやすい部分を2つ挙げておきます。
肩まわりと足首の硬さは別に確かめる
1つ目は、測っていない場所です。長座体前屈で分かるのは、主にもも裏と腰まわりの柔らかさです。
スパイクで腕を大きく振るための肩甲骨まわりや、低い姿勢で踏ん張るための足首は、この記録には出てきません。体の硬さは、場所ごとに別々に確かめる必要があります。
柔らかさを支える筋力も必要
2つ目は、筋力とのバランスです。柔らかいだけで、その範囲を支える力がないと、動きの中で体がぶれてしまいます。
伸ばす練習と一緒に、もも裏やお尻を鍛える練習も進めてください。伸びる範囲を、自分の力でコントロールできるようになるのが理想です。



伸ばすのと鍛えるの、両方やってみます!



柔らかさと強さがそろうと、構えも着地も安定しますよ。
よくある質問
まとめ:柔らかさより先に、測り方と姿勢を整える
長座体前屈は、柔らかさだけの勝負ではありません。正しい姿勢から、どれだけまっすぐ遠くへ倒れられるかを測っています。
胸を張って始める。おへそから倒れる。息を吐きながらゆっくり。
| つまずくところ | 直し方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 記録が伸びない | 胸を張って台を引きつけて始める | 背中を丸めて始めない |
| 背中しか曲がらない | おへそから前へ倒れる | 頭を膝につけにいかない |
| 記録にならない | 膝の裏を床に押しつける | 途中で膝を曲げない |
| 伸びが止まる | 息を吐きながらゆっくり倒れる | 反動をつけて弾ませない |
| もも裏や腰が痛む | 気持ちよく伸びる範囲にとどめる | 痛みやしびれが続けば整形外科へ |
必要なのは箱と厚紙、あとは毎日の5分だけです。長座体前屈は点数のためだけでなく、レシーブで股関節から低く構える力を確かめる目安にもなります。
そのうえで、肩や足首の柔らかさ、もも裏を支える筋力の練習も並行して進めてください。



今日のお風呂あがりから、もも裏を伸ばしてみます!



始めの姿勢がくずれていないか、次に測るときに見てあげますね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
パフォーマンスアップについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
バレーを頑張るみなさんに嬉しい特典がそろっています。
- Prime Video:アニメ「ハイキュー!!」など人気作品が見放題
- 送料無料:シューズやサポーターなど、対象商品が送料無料で届く
- Prime Music:試合前のウォーミングアップ曲もこれ1つ
▼ プライムは30日間の無料体験あり(期間内に解約すれば0円)
▶ 関連記事: バレーボールシューズおすすめ12選|元日本代表がポジション別厳選









