- 練習のあと、首の後ろから肩にかけてが重たい
- トスやレシーブで上を見続けると、首が張ってくる
- 首を回してほぐしているけれど、すっきりしない
こんな悩みを解決します。
首のストレッチは、肩を下げたまま、頭をゆっくり1方向へ倒して止めると効き方が変わります。ぐるぐる回すのではなく、伸ばしたい場所を1つずつ決めて伸ばすイメージです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
バレーは、トス・レシーブ・ブロックと、上を見上げる時間がとても長い競技です。そのうえ授業や勉強では下を向く時間が続くので、首のまわりは一日中どちらかへ引っぱられています。
首まわりをゆるめる伸ばし方と、それがバレーのどのプレーにつながるのかをセットでお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 首まわりが硬いと、バレーのどこに影響が出るのかが分かる
- 首の横・後ろ・前を順番にゆるめる5つのストレッチが分かる
- 首を痛めないために避けたいやり方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:首は「肩を下げて、1方向へ倒して、止める」
結論からお伝えします。首のストレッチは、肩を下げたまま頭をゆっくり1方向へ倒し、20秒ほど止めると効きます。
首のまわりには、頭の後ろから肩へ広がる筋肉(僧帽筋の上のほう)、首の横から肩甲骨の上の角へつながる筋肉(肩甲挙筋)、耳の後ろから鎖骨へ走る筋肉(胸鎖乳突筋)などがあります。
どれも、頭を支えたり、首を動かしたりしている筋肉です。
これらの筋肉は、首と肩をつないでいます。そのため、肩が一緒に上がってしまうと、頭を倒しても筋肉の両端が近づいたままで、ほとんど伸びません。
サルくん首だけ動かしても、伸びないんですね。



反対の肩を下へ下げておくと、首の横までしっかり伸びますよ。
もう1つ大事なのが、首を回さないことです。ぐるぐる回す動きは気持ちよく感じても、首の骨に負担がかかりやすく、伸ばしたい場所もぼやけてしまいます。
- 倒す前に、伸ばす側の肩をストンと下げる
- 頭は1方向へゆっくり倒し、回さない
- 手を添えるときは、頭の重さを預ける程度にする
- 1つの姿勢は20秒ほど、呼吸を止めずに保つ
この4つを押さえるだけで、同じ時間でも首まわりをやさしくゆるめられます。
首まわりが硬いとバレーで起きる3つのこと
首まわりの硬さは、ふだんは肩こりのような重さとしてしか感じないかもしれません。それでも、バレーでは次の3つの形で表れます。
1:上を見る姿勢が、首だけの反りになる
1つ目は、ボールを見上げる姿勢です。トスを上げるときも、高く上がったレシーブの下に入るときも、目線は長い時間上を向いています。
首まわりが硬いと、胸や背中を使わずに首だけを反らせて見上げる形になりやすくなります。首だけで反った姿勢が続くと、首の後ろに負担が集まり、練習後の張りとして残りやすいんですね。
首まわりがゆるむと、胸や背中と一緒に上を見やすくなります。上を見ると首がつらい人は、首だけでなく背中側の動きも一緒に見直してみてください。
2:肩がすくんで、腕の動きが窮屈になる
2つ目は、肩のすくみです。首の横から肩甲骨へつながる筋肉が硬いと、肩が上へ引っぱられ、いつも肩がすくんだような姿勢になりやすくなります。
肩がすくんだままだと、オーバーハンドパスでおでこの上方にボールを迎える手の形や、スパイクで腕を振り上げる動きが窮屈になります。
力を抜いて構えたいのに、肩から先に力が入ってしまう人は、首まわりの硬さも疑ってみてください。



肩ガ スクム ハ 首ノ 横ガ 硬イ サイン
私は、構えで肩に力が入りやすい選手には、フォームを直す前に、まず首から肩をゆるめる時間を取るようおすすめしています。肩が下がりやすくなると、腕を楽に使えるようになるからです。
3:授業や勉強の下向きが、そのまま練習に持ちこまれる
3つ目は、コートの外の姿勢です。授業のノートや勉強、スマートフォンを見る時間は、どれも頭が前に出て下を向く姿勢になります。
頭が前に出た姿勢が続くと、首の後ろは引きのばされたまま、首の前側は縮んだまま固まりやすくなります。その状態で練習に入ると、上を見上げる動きがいつもより重く感じられます。
ストレッチだけでケガを防げるわけではありません。それでも、よく使う首まわりを一日の終わりにゆるめておくことは、次の練習で気持ちよく動くための準備になります。



勉強のあとに練習すると首が重かったのは、そのせいかもしれません。



上を見る日も下を見る日も、夜にゆるめておきましょう。
まずは30秒でできる首まわりの硬さチェック
伸ばす前に、自分の首まわりがどれくらい硬いのかを確かめておきましょう。やり方は2つです。いすに座り、背すじを伸ばして行ってください。
- 肩を動かさずに、頭を真横へゆっくり倒す:耳と肩のあいだがどれくらい近づくか
- あごを軽く引いたまま、ゆっくり下を向く:あごが胸に近づくか
1つ目で、少し倒しただけで反対側がつっぱる人は、首の横が硬めです。2つ目で、あごと胸のあいだに指が何本も入る人は、首の後ろが硬めのサインになります。
左右で差があるかも見ておいてください。どちらか一方へだけ倒しにくい場合は、そちら側を次のストレッチで1回多めに行いましょう。



左に倒すと、右よりずっと手前で止まってしまいました…。
首まわりをゆるめるストレッチ5つ(1日3分)
ここからが本題です。いすに座ってできるものから始めて、最後は床に寝て力を抜くものへ進むと、無理なくゆるめられます。
ストレッチ1:いすの座面をつかみ、頭を真横へ倒す
いすに座り、右手で座面の横をつかみます。こうすると右の肩が下がったまま止まります。そのまま頭を左へゆっくり倒し、左手を頭の右側にそっと添えます。
右の首の横から肩にかけて伸びていればOKです。添えた手は、頭の重さを預ける程度にして、ぐいぐい引っぱらないようにしましょう。20秒ほど保ち、左右を入れかえます。
ストレッチ2:頭を斜め前へ倒し、脇の下をのぞく
同じように右手で座面をつかんだまま、顔を左へ45度ほど向けて、左の脇の下をのぞきこむように頭を斜め前へ倒します。左手は頭の後ろにそっと添えます。
右の首の横の、少し後ろ寄りから肩甲骨の上の角にかけてが伸びます。
真横と斜め前では伸びる場所が変わるので、両方行うのがおすすめです。こちらも20秒保ち、左右を入れかえましょう。



斜めに倒すと、肩甲骨のあたりまで伸びてきました!



座面をつかむ手がゆるまないようにすると、もっと伸びますよ。
ストレッチ3:両手を頭の後ろで組み、あごを引いて下を向く
背すじを伸ばして座り、両手を頭の後ろで組みます。あごを軽く引いてから、腕の重さを使って、頭をゆっくり前へ倒していきます。
首の後ろから背中の上のほうにかけて伸びます。背中が丸まると伸びが逃げるので、胸の位置は動かさないようにしましょう。20秒保てば十分です。
ストレッチ4:鎖骨を押さえ、斜め上を見上げる
両手を重ねて右の鎖骨の少し下に当て、皮ふを軽く下へ押さえます。そのまま顔を左へ向け、左斜め上を見上げるようにゆっくり頭を上げていきます。
右の耳の後ろから鎖骨にかけて、首の前側が伸びます。下を向く時間が長い人ほど縮みやすい場所です。首を後ろへ反らせすぎず、10秒ほど保ったらゆっくり戻し、反対側も行います。
ストレッチ5:タオルを首の下に入れ、あお向けで力を抜く
最後に、フェイスタオルを細く丸めて、あお向けに寝た首の下(首の骨のカーブの部分)に入れます。両腕は体の横に置き、目を閉じてゆっくり呼吸します。
寝たまま行えるので、首の力を抜きやすいのが良いところです。1〜2分ほど過ごすと、頭の重さから首が解放されて、まわりの筋肉がゆるんでいきます。
毎日続けるときの目安
首のストレッチは、一度に強く伸ばすより、毎日少しずつ続けるほうが変化につながります。
おすすめは、練習のあとやお風呂あがりの、体が温まっている時間です。5つを1回ずつ行っても、3分ほどで終わります。
- 1つの姿勢は20秒ほど(首の前は10秒ほど)、左右それぞれ行う
- 体が温まっている時間に、できれば毎日行う
- チェックで硬かった側を1回多めに伸ばす
- 勉強の合間にも、ストレッチ1と3を1回ずつ行う
練習の前は、止まって長く伸ばすより、肩を大きく回したり、肩甲骨を寄せて離したりして、首から背中を動かしながら温めるほうが向いています。前と後でやることを分けると、プレーにもつなげやすくなります。
首のストレッチでやりがちな3つの失敗
首まわりを伸ばしているつもりでも、形がずれていると効きません。首はとくにデリケートな場所なので、次の3つに心当たりがないか確かめてください。
失敗1:首をぐるぐる回す
いちばん多いのが、この形です。首を大きく回すと、ほぐれたような感覚はあっても、首の骨に負担がかかりやすく、伸ばしたい場所もはっきりしません。
伸ばすときは、真横・斜め前・前・斜め上と、1方向ずつ倒して止めてください。倒した道をそのままゆっくり戻れば、途中で首をひねることもありません。



回ス ハ 伸バス ト 別ノ モノ
失敗2:手で頭を強く引っぱる
次に多いのが、添えた手で頭をぐいぐい引っぱる形です。首の筋肉は細いものが多く、強く引くと身を守ろうとしてかえって縮み、痛める原因にもなります。



引っぱれば引っぱるほど効くと思っていました…。



手は頭の重さを預けるだけです。肩を下げておけば、軽く倒すだけで十分ですよ。
失敗3:痛みやしびれをがまんする
3つ目は、やりすぎです。反動をつけたり、息を止めて力んだりすると、筋肉は縮んで身を守ろうとするので、かえって伸びにくくなります。
首を倒すと鋭い痛みが走るとき、腕や指先にしびれが出るとき、めまいや頭痛が出るときは、ストレッチを止めてください。
ボールが当たったり、転んだりしたあとに首が痛むときも、自分で伸ばさずに整形外科で診てもらいましょう。
伸ばすだけでは足りない部分
ここまで首まわりをゆるめる方法をお伝えしてきましたが、柔らかくなるだけで、首の張りがなくなったり、上を見るのが楽になったりするわけではありません。
頭の重さは、首だけでなく背中や肩甲骨まわりでも支えています。背中側で頭を支える力が弱いままだと、時間がたつと頭はまた前へ出て、首に負担が戻ってきます。
首をゆるめて動く範囲を広げ、背中側で頭を支えられるように鍛える。この2つがそろうと、上を見上げる姿勢も、構えで肩の力を抜く動きも楽になっていきます。



首をゆるめるのと背中を鍛えるの、両方やってみます!



背中で頭を支えられると、上を見るのがぐっと楽になりますよ。
よくある質問
まとめ:首は肩を下げて、1方向へ倒して止める
首のストレッチは、首をぐるぐる回したり、手で強く引っぱったりして終わらせないことが大切です。伸ばす側の肩を下げ、頭を1方向へゆっくり倒して、20秒ほど止めていきましょう。
肩を下げる。1方向へ倒す。回さずに止める。
| つまずくところ | 直し方 |
|---|---|
| 首の横が伸びない | 座面をつかんで肩を下げる |
| 肩甲骨の上が張る | 斜め前へ倒して脇をのぞく |
| 首を回してしまう | 1方向ずつ倒して同じ道で戻す |
| 手で強く引っぱる | 頭の重さを預けるだけにする |
| 痛みやしびれが出る | すぐ止め、続けば整形外科へ |
必要なのは自分の体といす、あればタオルだけです。首まわりがゆるむほど、上を見上げる姿勢も、構えで肩の力を抜く動きも楽になっていきます。
そのうえで、背中側で頭を支えるための力づくりも並行して進めてください。



今日のお風呂あがりから、いすに座ってやってみます!



1か月たったら、首を真横に倒したときの傾きを比べてみましょうね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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