- 「成長痛だから大丈夫」と言われたけれど、本当にそうか不安がある
- 練習のたびに痛がるのに、休ませるべきか判断できない
- 病院に行くほどなのか、様子を見ていいのか決められない
こんな悩みを解決します。
先にお伝えしておきたいことがあります。中学生・高校生の「成長痛」は、多くの場合スポーツ障害の名前が付く別の痛みです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、長く離脱してしまう選手には共通点がありました。
痛みを「成長痛だから」で片づけて、練習量を落とさないまま続けていたことです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 成長痛と呼ばれる痛みの正体が分かる
- 様子を見ていい痛みと、受診したほうがいい痛みの違いが分かる
- 部位ごとに疑うものと、家庭でできることが分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:中高生の痛みを「成長痛」で片づけない
まず結論からお伝えします。
中学生・高校生が練習中や練習後に感じる痛みは、成長痛ではなく、使いすぎによるスポーツ障害であることが多いと言われています。
成長痛という言葉は、本来もっと小さい年代の痛みを指して使われることが多い言葉です。夕方から夜にかけて脚を痛がり、朝になると元気に走り回っている。そういう痛みが典型とされています。
うさママ病院でそう言われたわけではないんです。



家庭で決めてしまうのが、いちばん危ないんですよ。
つまり「成長痛」は、多くの場合まだ診断ではありません。家庭や部活の中でそう呼ばれているだけ、というケースが少なくないのです。
- 成長痛:はっきりした原因が見つからない、休んでいるときの痛み
- スポーツ障害:練習の負担が積み重なって起きた、動きに伴う痛み
- ケガ:ぶつけた・ひねったなど、はっきりした原因がある痛み
見分けの入口はここにあります。動いたときに痛むなら、まず後ろの2つを疑ってください。
この違いは、対応の仕方をまるごと変えます。休んでいれば収まる痛みと、練習量を落とさないと収まらない痛みでは、やることが正反対だからです。



走ると痛くて、座ってると平気です。



それなら、量のほうに理由がありますね。
そして中学生・高校生の年代は、骨が伸びている途中の時期にあたります。骨の端には成長するための柔らかい部分があり、大人よりも負担に弱くなっています。
同じ時期に筋肉も急に強くなります。筋肉が引っぱる力に骨の強さが追いつかず、その境目から痛みが出てくることも少なくありません。
なお、この記事でお伝えするのは指導現場での見方と練習量の考え方です。診断は必ず医師にしてもらってください。
見分けの手がかり5つ
受診するかどうかを決めるとき、手がかりになるものが5つあります。順番に確かめてみてください。
1つ目がいちばん分かりやすい手がかりです。成長痛と呼ばれる痛みは、場所がぼんやりしていて日によって変わります。
逆に、いつも同じ一点を指せるなら、そこに負担が集まっている可能性が高くなります。



ここです、ってはっきり言えます。



それなら、様子見の段階は過ぎていますよ。
3つ目の左右差も見落とされがちです。成長そのものが原因なら、左右そろって出るほうが自然です。片側だけが痛むなら、フォームか練習量に理由があります。
- 一点を指で示せる
- 動いたときに痛む
- 片側だけが痛む
- 痛みが週ごとに強くなっている
- 腫れ・熱・強い圧痛がある
3つ以上そろっているなら、整形外科で診てもらってください。骨の状態を画像で確認できるためで、これが判断にどうしてもいります。
覚えておいてほしいのは、痛みが出てすぐの時期は画像に写らないことがある点です。異常なしと言われても、痛みが続くなら変化を伝えて再受診してください。
どこにかかるか迷う場合の考え方は、次の記事にまとめています。
部位別に見る|疑うものと確かめ方
痛む場所によって、疑うものが変わります。バレーで多い4か所を整理します。
| 痛む場所 | 疑われるもの | 目立つ特徴 |
|---|---|---|
| 膝の下 | オスグッド・ジャンパー膝 | 出っぱりが痛む・跳ぶと痛む |
| かかと | シーバー病 | 着地とダッシュで痛む・押すと痛い |
| すねの内側 | シンスプリント・疲労骨折 | 走ると痛む・線状か一点かで違う |
| 腰 | 腰椎分離症など | 反らすと痛む・じっとしても痛む |
膝の下が痛む
跳ぶ競技でいちばん多い場所です。膝のお皿の下にある出っぱりが痛むならオスグッド、その少し上の腱の部分が痛むならジャンパー膝が疑われます。
どちらも成長期に起きやすく、練習量と強く結びついています。
かかとが痛む
小学校高学年から中学生の前半に多い場所です。かかとの骨の成長する部分に負担が集まって起こる、シーバー病が知られています。
朝の1歩目が痛い、着地でかばうように歩く。こうしたサインが出ていたら、跳ぶ本数を落としてください。
すねの内側が痛む
着地と急停止の多い競技では、すねにも負担が集まります。押して痛む範囲が線のように長いか、狭い一点かで疑うものが変わってきます。



センジョウカ イッテンカデ カワル
一点だけが強く痛む場合は、疲労骨折の可能性も出てきます。自己判断で見分けるのは難しいので、画像検査を受けてください。
腰が痛む
見逃してほしくないのが腰です。ジャンプして体をひねる動きが多いため、腰の骨に負担が集まります。
体を後ろに反らせたときに痛む場合は、早めに受診してください。腰は放っておくと治るまでの期間が長くなりやすい場所です。
家庭でできること、やってはいけないこと
受診するまでの間、家庭でできることもあります。ただし、やってはいけないこともあります。
やっていいこと
痛む場所を冷やす、練習量を落とす、体の硬さをゆるめる。この3つは家庭でできる範囲です。
とくに練習量を落とすことは、いちばん効果がはっきりしています。負担が減れば、それだけで痛みが軽くなる子は多いです。
- 跳ぶ・走る本数を減らす(全休でなくてよい)
- 練習後に痛む場所を冷やす
- 太ももの前後とふくらはぎをゆっくり伸ばす
- 痛みが出た日と場所をメモしておく
4つ目のメモが受診で効いてきます。いつから、どこが、どのくらい痛むのか。記録があると医師にも伝わりやすくなります。
書くことは3つで足ります。痛み始めた時期、痛む場所、先週と比べて強くなっているかどうか。それだけで説明の質が変わります。
感覚ではなく記録で話せると、指導者に練習量を相談するときにも通りやすくなります。



感覚で説明するのは難しいですもんね。



記録があると、話が早く進みますよ。
やってはいけないこと
痛み止めを飲ませて練習を続けさせるのは避けてください。痛みは体からの合図なので、消してしまうと歯止めがなくなります。
強く揉む、無理に伸ばすのも逆効果になることがあります。痛む場所そのものへの強い刺激は、腫れを増やしてしまう場合があるからです。
「痛いけど動けるから大丈夫」で続けた期間が、そのまま休む期間の長さになります。
そして「本人が我慢しているだけ」という状態を放置しないでください。試合が近い時期ほど、選手は痛みを言わなくなります。



言うと外されるかもと思って…。



早く言った子ほど、早く戻れていますよ。
くり返さないために整える3つのこと
痛みが落ち着いた後にやることも決めておきましょう。同じ場所をくり返す子は、たいてい原因が残っています。
練習量の上げ方をゆるやかにする
痛みが出る時期には共通点があります。新チームが始まった直後、長い休みが明けた週、大会前に本数を増やした時期。どれも量が一段上がったタイミングです。
増やすなら、2〜3週間かけてならしていってください。
体が慣れる時間を先に確保しておけば、負担が急に跳ね上がりません。
自主練を足すときも、全体練習と合わせた合計で考えてください。個人では少しのつもりでも、合計では大きく増えていることがあります。



家でやっている分も数に入るんですね。



体にとっては、全部ひとつの合計ですよ。
足元と体の硬さを見直す
ソールがすり減ったシューズは、着地の衝撃をそのまま足へ通します。かかとの外側がななめに減っていたら、買い替えの合図です。
足首やももの裏が硬いままだと、衝撃を吸収しきれずに膝や腰へ伝わります。しゃがんだときにかかとが浮くようなら、硬くなっているサインだと考えてください。
食事と睡眠で回復を追いつかせる
体は毎日作り直されています。材料と時間が足りなければ、負担に耐えられる体にはなりません。
成長期は必要な量そのものが増える時期です。主食と主菜がそろっているか、夜まとまって眠れているか。ここが崩れていると、量を減らしても回復が追いつきません。



カイフクガ オイツケバ イタミハヘル
年代ごとに必要な栄養の量は、厚生労働省の日本人の食事摂取基準でも公開されています。
練習を休む線引きと、戻し方
いちばん多い質問が、どこまで練習していいのかという線引きです。全休か全部やるかの二択にすると、判断が極端になります。
| 痛みの出方 | 練習の目安 |
|---|---|
| 練習後だけ痛む | 跳ぶ本数を減らして続ける |
| 練習中から痛む | 跳ぶ・走るメニューを外す |
| 日常生活でも痛む | 練習を止めて受診する |
| 医師の許可が出た | 段階を踏んで戻す |
この表は目安なので、医師から期間の指示が出ている場合はそちらを優先してください。部位と程度で必要な期間はまったく変わります。
跳ぶ練習を外しても、できることは残っています。
座ったままのパス、上半身のトレーニング、コート外での観察。技術も感覚も落とさずにいられます。
抜けた期間を、別の力を伸ばす時間に変えてしまいましょう。相手の攻撃を見る時間を持てた選手が、戻ってから読みが良くなることはよくあります。



やれることがあるなら、そっちをやります。



その切り替えができる子は伸びますよ。
戻すときは、翌朝に痛みが出ないことを目安にしてください。痛みが戻ったら1つ前の段階まで下げます。
よくある質問
まとめ:動いて痛むなら、成長痛では片づけない
中学生・高校生の痛みは、成長痛と呼ばれていても使いすぎによる障害であることが多いものです。動いたときに痛む、一点を指せる、片側だけ痛む。この3つがそろったら受診を考えてください。
判断の軸は、痛む場所を指で示せるかどうかと、痛みが増えているかどうか。
| 状態 | 家庭でやること | 練習の目安 |
|---|---|---|
| ぼんやり痛む・左右とも | 痛んだ日を記録する | 本数を見ながら続ける |
| 一点が痛む・片側だけ | 冷やす・記録する | 跳ぶ本数を減らす |
| 週ごとに強くなる | 整形外科を受診する | 跳ぶ・走るを外す |
| 腫れ・熱・日常でも痛む | すぐ受診する | 練習を止める |
私が見てきたなかでも、早く戻れた選手ほど、痛みが軽いうちに本数を落としていました。逆に大会まで我慢した選手は、そのあとの数か月をコートの外で過ごしています。
いま落とした2週間が、来年も跳び続けられるかどうかを分けます。



明日、いちど診てもらってきます。



それが、いちばん確実な一歩ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
送迎に洗濯にお弁当。バレー家庭の毎日は、それだけで十分がんばっています。夕食まで完璧にしなくて大丈夫です。
- 湯せん5分:国産食材・手作りの冷凍おかずが1品ずつ用意できる
- 冷凍庫の保険:大会や遠征で帰りが読めない日も、温めるだけ
- 子どもだけの留守番でも:レンジ操作だけで夕食が完結
▼ まずはお試しセットから
▶ 関連記事: 忙しいバレー家庭の食材宅配おすすめ|練習日の夕食対策









