- 1試合目は動けたのに、2試合目の後半で足が止まる
- 試合と試合の間に何をすればいいのか分からない
- 待ち時間が長すぎて、体が冷えたまま2試合目に入ってしまう
こんな悩みを解決します。
連戦でバテるかどうかは、体力そのものより試合と試合の間の30分をどう使うかで大きく変わります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上、中学生から一般までさまざまな世代を指導してきましたが、1日2試合の日にがくっと落ちる選手には共通点があります。
それは、試合が終わったあと何もせずに座り込み、次の試合の直前になってあわてて動き出すことです。
やることを先に決めておけば、待ち時間は回復の時間に変わります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 2試合目に足が止まる原因が切り分けられる
- 試合と試合の間にやることが手順で分かる
- 2試合目のアップの長さと中身の目安が分かる
体調管理の全体像を知りたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:連戦は体力より「間の30分の段取り」で決まる
結論からお伝えします。1日2試合を乗り切る鍵は、次の2つです。
① 試合が終わって10分以内に、水分と補食を入れる。
② 2試合目のアップは短くして、体温を落とさない。
体力を増やす話は、今日の試合には間に合いません。今日できるのは、減り方をゆるやかにすることだけです。
減り方を決めているのは、水分・エネルギー・体温の3つ。どれも、間の時間に手を打てるものばかりなんですよね。
サルくん2試合目って、いつも足が動かなくなります…。



動かないのは根性ではなく、補給と体温の問題ですよ。
もう1つ知っておいてほしいのが、待ち時間は思っているより長いということです。
大会によっては1時間以上あくこともあります。何も決めずにいると、その時間はただ体が冷える時間になってしまいます。



マチジカン ハ カイフク ノ ジカン
だから、やることを先に決めておく。それだけで2試合目の入りは変わります。
2試合目に足が止まる3つの原因
同じ「バテた」でも、原因が違えば打つ手も変わります。自分がどれに近いかを先に見つけてください。
原因は水分・エネルギー・体温に分かれる
まずは表で確認してみましょう。
| 原因 | 出やすいサイン | 間の時間にやること |
|---|---|---|
| 水分と電解質の不足 | 足がつる・頭が重い・汗が止まる | スポーツドリンクを少しずつ飲む |
| エネルギー切れ | 集中が切れる・ジャンプが低くなる | おにぎりやバナナなど消化のよいものを食べる |
| 体温の低下 | 動き出しが硬い・1本目で差し込まれる | 上着を着て、軽く体を動かす |
いちばん多いのは、3つ目の体温の低下です。1試合目のあと汗が冷えて、体が休むモードに入ってしまいます。



冷えていたのか…。



汗をかいた体は、思っているより早く冷えます。
足がつるのは、我慢する場面ではない
ふくらはぎや足の裏がつるのは、水分と電解質が足りていないサインでもあります。無理に動き続けると、そのまま肉離れにつながることもあります。
つった時点で申告して、水分をとりながら休むのが正解です。
つった足を我慢して使い続けるのは、次の1試合をまるごと失う近道です。
対処のしかたは、こちらの記事にまとめました。
心肺機能が落ちると、後半の精度が下がる
もう1つ、連戦で差が出るのが心肺機能です。心肺機能が低い選手は、後半のプレー精度がガクッと落ちます。
これは当日に上げられるものではありません。ふだんの練習に、心拍数が上がった状態(おおむね140前後)で一定時間動き続けるランニングを入れておくことで、連戦に強い体になります。



レンセン ノ タイリョク ハ フダン ツクル
当日にできることと、ふだんから積み上げることを分けて考えてください。
試合の間にやる5つの手順


ここからは、1試合目が終わってから2試合目に入るまでの流れです。順番に意味があるので、上から進めてみてください。
順番の理由は、体の反応の速さの違いです。水分がいちばん早く効き、食べたものは効くまでに時間がかかります。
だから飲むのが先。食べるのは、次の試合まで1時間以上あるときだけにしてください。



直前に食べたら、お腹が重くなりました…。



30分を切っていたら、ゼリー飲料くらいにしておきましょう。
飲み方は「一気に」より「少しずつ」
のどが渇いてから一気に飲むと、お腹に残って動きにくくなります。コップ1杯くらいを何回かに分けて入れるほうが、体に入っていきます。
水だけでは、汗で出ていった塩分が戻りません。長い1日になる日は、糖質と電解質が入ったスポーツドリンクを選んでください。
飲む量とタイミングの目安は、こちらで解説しています。
食べるものは「消化のよさ」で選ぶ
エネルギーは戻したい。でも、お腹に残るのは困る。この2つを両立させるのが、消化のよい炭水化物です。
おにぎり・バナナ・カステラ・ゼリー飲料あたりが選びやすいところ。揚げ物や脂の多いものは、時間がかかるので試合の日には向きません。
- 1時間以上あく:おにぎり1個・バナナ1本
- 30分〜1時間:カステラ・エネルギーゼリー
- 30分未満:ゼリー飲料かスポーツドリンクだけ
選び方のくわしい基準は、こちらの記事が参考になります。
2試合目のアップは短く、体温を残して入る


2試合目のアップを、1試合目と同じ長さでやる必要はありません。体はもう温まっているので、同じことをくり返すと消耗するだけです。
1試合目のアップとの違い
違いは、時間と目的です。1試合目は体を起こすためのアップ、2試合目は感覚を戻すためのアップと考えてください。
| 項目 | 1試合目 | 2試合目 |
|---|---|---|
| 時間の目安 | 20分前後 | 10分前後 |
| 中心にすること | 全身を動かして体温を上げる | ボールタッチとサーブで感覚を戻す |
| 走る量 | しっかり動かす | 軽く体温を戻す程度 |
体を起こす作業は、間の時間に上着を着て歩いておけば済んでいます。残しておきたいのは、脚の力です。



2回とも全力でアップしていました!



そこを削れば、後半の脚が残りますよ。
会場が寒い日は、脱ぐタイミングを遅らせる
冬の体育館は、待っている間にどんどん体温が下がります。上着を早く脱ぐほど、アップのやり直しが増えると考えてください。
上着を脱ぐのは、コートに入る直前で十分です。
夏は逆で、暑さで体力が削られます。日陰や風の通る場所に移動して、体温を上げすぎないようにしてください。



フユ ハ ヒヤサナイ ナツ ハ アツクシスギナイ
暑い時期の注意点は、こちらにまとめています。
連戦でやりがちな失敗と直し方
指導していて、もったいないと感じる過ごし方があります。どれも直せるものばかりです。
待ち時間にスパイクを打ちすぎる
空いているコートがあると、つい打ちたくなります。ですが、間の時間に全力のスパイクを何十本も打てば、その分だけ2試合目の脚が減ります。
体を動かすなら、パスやサーブくらいにとどめてください。ジャンプはできるだけ残しておきます。
1試合目の結果を引きずったまま入る
負けた悔しさや、自分のミスをずっと考えていると、体は休んでいても頭は休めません。
区切りをつけるには、1試合目をふり返る時間を先に決めてしまうのが効きます。終わって5分だけ話して、そこから先は次の試合の話にする。それだけで切り替えやすくなります。



ずっとミスのことを考えていました…。



考える時間を決めると、区切りがつけやすいですよ。
切り替え方は、こちらの記事で解説しています。
座りっぱなし・立ちっぱなしのどちらかになる
ずっと座り込んでいると、立ち上がったときに脚が動きません。逆に、ずっと立って応援していると、それだけで脚が疲れます。
どちらかに偏らず、座って休む時間と歩く時間を混ぜるのがちょうどよい形です。
- 最初の10分:飲む・着替える・軽く歩く
- 次の20分:座って足を伸ばし、補食をとる
- 残りの時間:立って歩く、2試合目のアップに入る
長い待ち時間で足がだるくなるときは、床に座って足を少し高くしておくと戻りやすくなります。
前日と当日の朝からできる連戦の準備
間の30分でできることには限りがあります。1日2試合と分かっているなら、前日と朝から準備しておくほうが確実です。
前日にやること
前日の練習を長くやりすぎないことが第一です。ここで疲れを残すと、間の時間に何をしても間に合いません。
食事は、消化のよい炭水化物を中心にして、量を少しだけ増やします。夜ふかしをしないことも、当日の後半に効いてきます。
当日に持っていくもの
持ち物が足りないと、間の時間の手が打てません。連戦の日だけは、いつもの荷物に少し足しておいてください。
- 着替えのシャツ:汗で冷えるのを防ぐために2枚以上
- 上着:体温を落とさないための羽織るもの
- 補食:おにぎり・バナナ・ゼリー飲料など
- スポーツドリンク:水とは別に、糖質と電解質が入ったもの
着替えのシャツは、思っているより効きます。汗を吸ったシャツを着たままだと、休んでいるつもりで体温だけ下がっていきます。



明日から、着替えを2枚持っていきます!



それだけでも、2試合目の入りは変わりますよ。
試合が終わったあとのケアも忘れない
2試合目が終わったら、そこで終わりではありません。翌日も試合がある大会なら、帰るまでがコンディショニングです。
軽く歩いてから、ストレッチで筋肉をゆるめておきます。帰宅後は、食事と睡眠で戻していきましょう。
なお、痛みが残る場合は自分で判断せず、医療機関で診てもらってください。連戦のあとは、疲れと怪我の区別がつきにくくなります。
よくある質問
まとめ:間の30分を決めておけば、2試合目は変わる
1日2試合でバテるかどうかは、体力よりも間の時間の使い方で決まります。飲む・着る・動かす・食べる・休む、この順番を決めておいてください。
① 終わって10分以内に、水分と補食を入れる。
② 2試合目のアップは短くして、体温を落とさない。
| 場面 | やること | 気をつけること |
|---|---|---|
| 試合終了直後 | スポーツドリンクを少しずつ飲む | 一気に飲まない |
| 終了から30分 | 乾いたシャツに着替えて上着を着る | 汗のシャツのままにしない |
| 間の中盤 | 消化のよい補食をとる | 30分を切ったら固形物は避ける |
| 2試合目の前 | 10分ほどのアップで感覚を戻す | 全力のスパイクを打ちすぎない |
| すべて終了後 | 歩いてからストレッチ | 痛みがあれば医療機関へ |
私自身も現役のころ、連戦の日は間の過ごし方だけをいつも決めていました。決めておくと、迷う時間がなくなります。
次の大会では、まず着替えのシャツを1枚多く入れるところから始めてみてください。



次は間の時間から勝負します!



その意識があれば、後半の1本が変わりますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで、参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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