- 1本のサーブミスから、その後ずっと調子が戻らない…
- レシーブを弾いた次のプレーでも、また同じミスをしてしまう…
- 「やってしまった」という気持ちが頭から離れず、次のボールに集中できない…
こんな悩みを解決します。
試合中にミスを引きずってしまう原因は、ミスの直後に反省を始めてしまう・次の1本ではなく終わったプレーを見ているの2つにしぼられます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、ミスを引きずらない選手ほど、切り替えのための決まった動きと言葉をもっています。
逆に立て直せない選手は、ミスの直後に頭の中で原因さがしを始めてしまっています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 試合中の1本のミスから、3秒で気持ちを切り替える具体的な手順がわかります
- 反省を試合後に回して、プレー中は次の1本だけに集中できるようになります
- 自分だけの切り替えの合図(動作と言葉)の作り方がわかります
それでは、試合中のミスからの切り替えについて詳しく見ていきましょう。
結論:ミスは「その場で切り替え、反省は試合後」が正解
試合中にミスを引きずらないコツは、とてもシンプルです。
ミスはその場で切り替えて、原因の反省は試合が終わってからにする、これだけです。
サルくんでも、ミスした原因を考えないと、また同じミスをしそうで怖いよ…。



その気持ちはよくわかるよ。でも試合中に反省すると、かえってミスが増えてしまうんだ。
試合中に「なんでミスしたんだろう」と考え始めると、頭がそのプレーに向いてしまいます。
そうしている間に、次のボールはもう飛んできています。
つまり反省している時間は、次のプレーへの準備ができていない時間なんですね。
- ミスの直後は原因を考えない(反省は試合後に回す)
- 決まった動作と短い言葉で気持ちを切りかえる
- 見るのは終わったプレーではなく、次の1本だけ



ハンセイハシアイゴ キリカエハソノバ コレガテッソク
この3つができるようになると、1本のミスがその試合全体に広がらなくなります。
ここから先で、それぞれを具体的にどうやるのかを順番に見ていきます。
なぜミスを引きずってしまうのか
そもそも、どうしてミスは引きずられてしまうのでしょうか。
ここを理解しておくと、切り替えの練習がぐっとやりやすくなります。
人は失敗のほうを強く覚えてしまうから
うまくいったプレーより、ミスしたプレーのほうが記憶に残りやすいものです。
これは特別なことではなく、多くの人に共通する自然な心の働きです。



たしかに、決めたスパイクよりミスしたサーブのほうが覚えてるかも…。



そうなんだよね。だからこそ、意識して切り替える工夫がいるんだ。
放っておくと、頭の中はミスの記憶でいっぱいになります。
その状態では、次のプレーに使うはずの集中力がミスのほうに取られてしまいます。
だからこそ、自分から切り替えるための行動が必要になるんですね。
「取り返さなきゃ」と力んでしまうから
ミスをすると、多くの選手が次のプレーで取り返そうと力みます。
ところが力みは、いつものフォームをくずす原因になります。



あー、ミスした次のサーブで強く打とうとして、またミスしたことある…。



それが連鎖の始まりなんだ。1本のミスが2本目を呼んでしまう。
取り返そうとして力む、力むからまたミスする、この流れがミスの連鎖です。
ミスを取り返すのではなく、いつも通りのプレーに戻すことが目標だと考えてみてください。
取り返そうとしないだけで、力みはかなり減っていきます。
周りの目が気になってしまうから
ミスをすると、チームメイトや監督の反応が気になることもあります。
「またミスして、なんて思われているだろう」と考えてしまうからです。



みんなに迷惑かけちゃったかなって、つい考えちゃうんだ…。



その優しさは大事だよ。でも今いちばんチームの役に立つのは、すぐ切り替えて次の1本を全力でやることなんだ。
周りの目を気にしている間も、頭は次のプレーから離れています。
いちばんのチーム貢献は、落ち込むことではなく、すぐ前を向くことだと考えてみてください。
切り替えの第1歩:決まった動作で気持ちをリセットする
では、具体的な切り替えの方法を見ていきましょう。
いちばん効果的なのが、ミスの直後にいつも同じ動作をすることです。
体を動かすと気持ちも切りかわる
気持ちを切り替えようと思っても、頭の中だけでは難しいものです。
そこで、体の決まった動きを合図に使います。



手を1回パンと叩く、ユニフォームを引っぱる、足ぶみを1回する。なんでもいいから決めておこう。



なるほど!動きを決めておけば、考えなくても切り替えられるんだね。
トッププレーヤーがサーブ前にいつも同じ動きをするのを見たことがあるかもしれません。
あれも、気持ちを整えるための決まった動作の1つです。
決まった動きには、いつもの自分に戻りやすくする働きがあります。
- 両手を1回パンと叩く
- ユニフォームのすそを軽く引っぱる
- その場で軽く足ぶみを1回する
大切なのは「いつも同じ」にすること
合図の動作は、毎回まったく同じものを使うのがコツです。
その日の気分で変えると、合図としての効果が弱くなってしまいます。



よし、ぼくは手を1回叩くって決めた!



いいね!練習から同じ動きをくり返すと、試合でも自然に出るようになるよ。
練習のときから同じ動作をしておくと、体がその動きを覚えます。
そうすれば、試合の緊張した場面でも自然と切り替えの合図が出せます。
切り替えの第2歩:短い言葉で頭を切りかえる
動作と一緒に使いたいのが、短い言葉です。
頭の中でつぶやくだけの、自分だけの合図の言葉を決めておきます。
長い言葉ではなく「ひと言」にする
切り替えの言葉は、できるだけ短くするのがポイントです。
「次、次」「切り替え」「いこう」くらいの、ひと言がちょうどいい長さ。



長い言葉だと、考えているうちに次のボールが来てしまうんだ。



たしかに!短い言葉なら一瞬で言えるね。
長い言葉は、それ自体が反省の入り口になってしまいます。
ひと言で言い切れる言葉だからこそ、すばやく前を向けます。
切り替えの言葉は「次いこう」など、ひと言で言えるものにすると覚えておいてください。
前向きな言葉を選ぶ
選ぶ言葉は、前を向ける言葉にしましょう。
「ミスするな」より「次決めよう」のほうが、体は動きやすくなります。



「ミスするな」って言っちゃダメなの?



「ミスするな」だと、頭にミスの場面が浮かんじゃうんだ。だから前向きな言葉がいいよ。
「○○するな」と考えると、その○○がかえって頭に浮かびやすくなります。
だから、やりたいことを言葉にするほうが切り替えやすいんですね。



ミスルナヨリ ツギキメヨウ ゼンムキガセイカイ
動作と言葉をセットにすると、切り替えのスイッチがさらに入りやすくなります。
切り替えの第3歩:見るのは「次の1本」だけ
切り替えの仕上げは、視線と意識の向け方です。
ミスのあとに、どこを見て何を考えるかで、立て直せるかどうかが決まります。
終わったプレーは見ない・追わない
ミスをした直後、つい床に転がったボールを目で追ってしまいがちです。
でも、終わったプレーをいつまでも見ていると、気持ちもそこに残ります。



ミスしたら、すぐに次のポジションに目と体を向けよう。視線が前を向くと、気持ちも前を向くよ。



見る場所を変えるだけで、そんなに違うんだ!?
視線を次のプレーの方向へ向けると、自然と意識も切りかわります。
体の向きと目線を先に前に向けてしまうのが、かんたんで効きやすい方法です。
「次の1本」だけに範囲をしぼる
切り替えのときは、考える範囲をうんと小さくします。
試合全体や勝ち負けではなく、目の前の次の1本だけを考えます。



次の1本だけって考えると、なんだか気持ちが軽くなるね!



そうなんだよ。やることが1つにしぼれると、力みも減るんだ。
「あと何点で負ける」と考えると、不安が大きくなって力みやすくなります。
考えることを次の1本だけにしぼると、やるべきことがはっきりします。
- 動作:決めておいた合図の動きをする(手を叩くなど)
- 言葉:ひと言の前向きな言葉を頭でつぶやく(次いこうなど)
- 視線:終わったプレーを見ず、次の1本に目と体を向ける
この動作・言葉・視線の3つを、いつも同じ順番でやるのがコツです。
よくある失敗と練習への取り入れ方
最後に、切り替えでつまずきやすいポイントと、練習で身につける方法を紹介します。
やってしまいがちな2つの失敗
1つ目は、試合中に原因を考え込んでしまうことです。
原因さがしは大切ですが、それは試合が終わってからの仕事です。



つい試合中に「なんでだろう」って考えちゃうんだよね…。



その気持ちはわかるけど、試合中の反省はミスを増やすだけなんだ。後回しにしよう。
2つ目は、ミスを取り返そうと力んで、無理なプレーをすることです。
取り返すのではなく、いつものプレーに戻すことを目標にしてください。
試合中は反省しない・取り返そうとしない、この2つを我慢するだけで連鎖は止まるようになります。
練習から切り替えをくり返しておく
切り替えは、試合本番でいきなりできるものではありません。
ふだんの練習で、ミスをするたびに合図の動作と言葉をくり返しておきます。



練習で何回もやっておけば、試合の大事な場面でも自然に体が動くよ。



わかった!練習からミスのたびに切り替えてみる!
練習で何度もくり返した動きは、緊張する場面でも出てきやすくなります。
切り替えも1つの技術だと考えて、毎日少しずつ練習に取り入れてみてください。
たとえば、サーブ練習でミスをするたびに合図の動作と言葉を入れてみます。
レシーブ練習やスパイク練習でも、弾いたり打ち損ねたりした直後に同じことをします。



ミスのたびに切り替える、これを練習の習慣にしてしまおう。1日30回もやれば体が覚えるよ。



なるほど!練習のミスは、切り替えの練習チャンスでもあるんだね!
ミスを「切り替えを練習できる場面」だと考えると、ミス自体への苦手意識もやわらいでいきます。
反省については、試合のあとにノートへ書き出すのがおすすめです。
頭の中だけで反省するより、書き出すほうが気持ちの整理がつきやすくなります。
書き出すと、同じミスの原因が見えてきて、次の練習でなにを直せばいいかもはっきりします。
試合中は切り替えに集中し、反省はノートに任せる、この役割分担を覚えておいてください。
よくある質問
まとめ:切り替えは練習できる技術
この記事では、試合中の1本のミスから切り替えるコツをお伝えしました。
大切なのは、ミスはその場で切り替え、反省は試合後に回すという1点です。
動作・言葉・視線の3つをいつも同じ順番でくり返せば、切り替えはどんどん速くなります。



次の試合からは、ミスしたら手を叩いて「次いこう」だね!



その調子!切り替えは練習できる技術だから、安心して取り組んでいこう。
私は元日本代表として、また指導者として、切り替えのうまい選手をたくさん見てきました。その選手たちに共通するのは、特別な才能ではなく、決まった切り替えの習慣をもっていることでした。
裏を返せば、習慣は誰でもあとから身につけられます。今日の練習から動作と言葉を決めて、ミスのたびに同じ手順をくり返してみてください。回数を重ねるほど、切り替えにかかる時間は短くなっていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メンタルについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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