バレーの試合前アップのやり方|会場でやる順番と20分の使い方

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バレーの試合前アップのやり方と20分の流れ
  • 試合前のアップで、何をどの順にやればいいのかわからない
  • アップで疲れてしまい、第1セットの途中で足が動かない
  • 待ち時間が長くて、いざ入るときに体が冷えている

こんな悩みを解決します。

試合前のアップは、温める→動かす→ボールに触る→サーブで締めるの順で組めば、それだけで形になります。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきましたが、第1セットの入りが悪いチームは、たいていアップの順番が毎回バラバラでした。

試合前のアップは、体を鍛える時間ではありません。持っている力を、開始1本目から出せる状態にそろえる時間です。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 会場入りから第1セットまでの流れがわかる
  • 短いコート練習で何を確認すればいいかがわかる
  • 疲れる・冷えるといった失敗の直し方がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:アップは「温める→動かす→触る→サーブ」の4段階

先に結論をお伝えします。試合前のアップは、次の4段階を順番どおりに通すだけです。

バレーの試合前アップで股関節を伸ばす動的ストレッチ
試合前アップの4段階
  • 温める:軽く走る・その場でステップを踏んで体温を上げる
  • 動かす:動きながら伸ばして、関節を大きく使えるようにする
  • 触る:パス・レシーブ・スパイクの順にボールへ慣れる
  • サーブ:最後にサーブを打って、入る感覚で終える

順番には理由があります。冷えたままボールを追えばケガをしやすく、体を温める前にジャンプすれば足に負担が集中するからです。

サルくん

会場に着いたら、いつも真っ先にスパイクを打ちに行ってた…。

あげば

気持ちはわかります。でも打つのは3番目です。順番を変えるだけで、体は驚くほど楽になりますよ。

アップの目的は、汗をかくことではありません。開始1本目から動ける状態を作ることです。

私のスクールでも、試合前は同じ順番を毎回くり返させています。決まった型があると、慣れない会場でも迷いません。

この記事では、練習前との違い・20分の流れ・コート練習の使い方・失敗の直し方の順に見ていきます。

練習前のアップと試合前のアップは目的が違う

同じアップという言葉でも、練習前と試合前では中身が変わります。ここを混ぜると、疲れるだけのアップになります。

項目練習前のアップ試合前のアップ
目的ケガ予防+体力づくりケガ予防+動きの仕上げ
時間20〜30分たっぷり使える時間が決まっている
場所いつもの体育館慣れない会場・通路や外も使う
強度だんだん上げていく上げすぎない(疲れを残さない)
終わり方そのまま練習へ入る待ち時間をはさむことがある

練習前は、体力を使うこと自体が目的の一部です。走り込みや連続ジャンプを入れても、そのあとに練習が続くので問題になりません。

一方で試合前は、使った体力がそのまま試合に持ち越されます。ここで追い込むと、第2セットの後半に足が止まる原因になります。

うさママ

子どもの試合を見に行くと、アップで汗だくになっている子もいますね。

あげば

汗の量とできあがりは別ものです。呼吸が少し上がって、体が軽く感じたらもう十分です。

もう1つの違いは場所です。会場ではコートが空いていないことが多く、通路や体育館の外、観客席の裏でアップを始めることになります。

だからボールを使わずにできる部分は、コートを待たずに先に終わらせておくのが基本になります。温める・動かすの2段階は、どこでもできます。

体を温める種目そのものは、練習前のアップと同じもので構いません。動かし方の中身はこちらの記事にまとめています。

会場入りから第1セットまでの20分の流れ

ここが記事の中心です。使える時間を20分と仮定して、前半と後半に分けて組み立てます。

前半10分:体を温めて動かす

最初の10分は、ボールを持ちません。心拍数を上げてから、動きながら関節を大きく使っていきます。

STEP
軽いジョグかその場ステップを3分(息が少し上がるまで)
STEP
もも上げ・お尻キック・サイドステップを各10歩ずつ
STEP
股関節をゆっくり大きく回す(前後・左右に各5回)
STEP
歩きながらのランジを10歩、肩回しを前後10回ずつ
STEP
短いダッシュを2〜3本(全力の8割まで)

最初のジョグは、速く走る必要はありません。体温を上げるのが目的なので、話しながら走れる速さで十分です。

バボット

アセ ガ ニジム マデ デ ジュウブン

長く止めて伸ばすストレッチは、この段階では入れません。筋肉をゆるめる働きがあるため、直前より練習後や入浴後のほうが向いています。

伸ばしたい場所があるときは、動きの中で伸ばしてください。歩きながらのランジや、大きく回す肩回しがその役割を果たします。

冬場や朝いちばんの試合は、この前半を少し長めにとります。体温が上がりきらないまま跳ぶと、足やふくらはぎを痛めやすくなります。

私はスクールの選手にも、寒い日は上着を着たまま温め始めるように伝えています。脱ぐのは、汗がにじんでからで間に合います。

後半10分:ボールに触って合わせる

体が温まったら、ボールに触ります。ここでも順番があり、負荷の軽いものから上げていきます。

STEP
対人パスでオーバー・アンダーを各20回ほど
STEP
直上パスで、自分の面と力加減を確かめる
STEP
軽い打球のレシーブを、正面と左右に数本
STEP
スパイクは助走とタイミングだけ、軽い球から数本
STEP
最後にサーブを5〜10本、いつものルーティンで打つ

いきなり全力でスパイクを打つのは避けてください。肩も足も、まだ強い負荷を受ける準備ができていません。

スパイクは、最初の数本を7割くらいの力で打ち、そこから上げていきます。助走のリズムだけ確認できれば、本数は多くなくて構いません。

サルくん

アップで思いきり打って、肩が張ったことある…。

あげば

段階を飛ばしたサインです。軽い球から順に上げていけば防げますよ。

助走のリズムが崩れている日は、歩数から確認し直すと元に戻りやすくなります。

コート練習は「順番を決めておく」だけで変わる

大会では、コートを使える時間が短く区切られています。時間は大会によって違うので、当日の進行表で必ず確認しておいてください。

やる順番をあらかじめ決めておく

短いコート練習で迷わないために、入る前に順番を決めておきます。決めていないチームは、話し合っているうちに時間が終わります。

短いコート練習でやること
  • サーブレシーブの隊形に1回立って、位置を確認する
  • スパイクを1人2〜3本、決めた本数だけ打つ
  • サーブを1人2〜3本、コースを決めて打つ
  • 残り時間はレシーブとつなぎに使う

ここで新しいことを試さないのが大事です。今日決めたばかりのサインや隊形を試すと、不安を持ったまま試合に入ることになります。

サーブレシーブの隊形は、相手の並びを見てから最終確認をします。基本の形はこちらの記事で確認できます。

最後の1本を成功で終える

コート練習の終わり方には、意外なほど差が出ます。サーブがネットにかかったまま終わると、その感覚を持って第1セットに入ることになるからです。

入る本数まで打って、気持ちよく終わってください。最後の1本を入れて終えるだけで、開始直後の1本目が変わります。

最後の1本を成功で終える。これはメンタルの話ではなく、体に感覚を残すための手順です。

時間が足りないときは、サーブを2本に減らして構いません。減らす順番も、事前に決めておくと迷いません。

うさママ

練習の終わりまで気にするなんて、考えたこともありませんでした。

あげば

最後の1本は記憶に残りやすいんです。だから成功で終えるようにしています。

試合前アップでよくある失敗と直し方

ここからは、実際の会場でよく見かける3つの失敗です。どれも直し方はシンプルです。

バレーの試合前アップで疲れた失敗例と動ける状態の比較

全力を出して疲れてしまう

いちばん多いのが、アップで力を使い切ってしまう形です。連続ジャンプや全力ダッシュを何本も入れると、足はそこで消耗します。

直し方は、本数と強さを先に決めておくことです。ダッシュは2〜3本、ジャンプは10回程度と決めれば、勢いで増えません。

跳ぶ動きは、早い段階で軽く入れておきます。試合の1本目でいきなり最大まで跳ぶより、アップで一度跳んでおくほうが安全です。

サルくん

何本やればいいのか、いつも決めてなかった…。

あげば

数を決めておくのがコツです。決めていないと、その日の勢いで増えてしまいます。

ボールを打つだけで終わる

2つ目は、会場に着くなり打ち始めて、温める段階を飛ばす形です。肩とふくらはぎを痛めやすい入り方になります。

直し方は、順番を人任せにしないことです。コートが空いていなくても、通路や外で温める作業は始められます。

サルくん

コートを待ってる時間に、先に走っておけばいいんだ!

あげば

そのとおりです。待ち時間は、アップの前半をこなす時間だと考えてください。

待ち時間に体が冷える

3つ目は、アップを終えてから試合開始まで時間が空き、そのまま冷えてしまう形です。前の試合が長引くと必ず起こります。

直し方は、上着を着て体温を守り、開始10分前からもう一度動くことです。詳しい手順は次の章で説明します。

失敗の3つは、疲れる・飛ばす・冷えるです。どれも順番と本数を決めておけば防げます。

夏場は逆に、汗で水分が抜けすぎることに気をつけてください。アップの前後で少しずつ飲むほうが、体は楽に動きます。

待ち時間が長い日の再アップ

第2試合以降は、アップと試合開始の間が空きます。ここをどう過ごすかで、第1セットの動きが決まります。

STEP
アップが終わったら上着を着て、体温を逃がさない
STEP
座って待つときは、足を伸ばしすぎず立ちやすい姿勢で
STEP
開始15分前に立ち上がり、その場でステップと肩回し
STEP
開始10分前から軽いジョグと短いダッシュを2本
STEP
直前にパスとサーブを数本、触ってから入る

再アップは、最初のアップをもう一度くり返す必要はありません。温める作業と、ボールに触る作業だけで足ります。

うさママ

待っている間に、もう一度動かしておく必要があるんですね。

あげば

座って待った脚は動きが鈍ります。開始10分前に立ち上がるだけで変わりますよ。

前の試合が長引いた日は、開始時刻が読めません。会場のアナウンスと進行を見ながら、逆算して立ち上がるようにしてください。

バボット

マエノ シアイ ガ ノビタラ モウ イチド アタタメル

長く座って待った脚は、思ったより動きません。声をかけ合って全員で立ち上がると、チーム全体の入りがそろいます。

補食や水分をとる場面でもあります。待ち時間が長い日の食べ方は、試合当日の食事の記事にまとめています。

よくある質問

試合前のアップは何分あればいいですか?

20分あれば十分に整います。時間が足りない日は、温める3分と対人パス・サーブだけに絞ってください。
削る順番を決めておくと、あわてずに済みます。

試合前に長く伸ばすストレッチをしてはいけないのですか?

短く軽く伸ばすのは問題ありません。長く止めて伸ばす形は筋肉をゆるめるため、直前ではなく練習後や入浴後に回すほうが向いています。

アップでどれくらい跳んでおくべきですか?

10回程度、軽く跳んでおけば十分です。1本目でいきなり最大まで跳ぶより、体を慣らしておくほうが安全です。
本数を決めずに跳び続けると、足が消耗します。

補欠でベンチから入る場合はどうすればいいですか?

ベンチにいる間も、上着を着て体温を守っておいてください。
交代が近づいたら、その場でステップと肩回しをして、いつでも動ける状態にしておきます。

夏の暑い体育館でもアップは同じでいいですか?

温める時間は短くして構いません。そのぶん水分をこまめにとり、動かす段階とボールに触る段階は省かないようにしてください。

まとめ

試合前のアップは、体を鍛える時間ではありません。持っている力を、1本目から出せる状態にそろえる時間です。

温める→動かす→触る→サーブ。この順番を毎回同じにするだけで、試合の入りは変わります。

場面やること
会場入り〜前半10分軽いジョグとステップで温め、動かしながら伸ばす
後半10分パス→レシーブ→スパイク→サーブの順に触る
コート練習順番を先に決め、最後の1本を成功で終える
強度の目安ダッシュ2〜3本・ジャンプ10回程度で止める
待ち時間上着を着て保温し、開始10分前から再アップ
夏場温めは短く、水分をこまめにとる
冬場温める時間を長めにとってから跳ぶ

私は元日本代表として、また指導者として多くの試合を見てきましたが、入りが安定しているチームは、アップの順番が毎回同じでした。

サルくん

次の試合は、着いたらまず走る。打つのは3番目!

あげば

その順番でいきましょう。決まった型があるだけで、初めての会場でも落ち着けますよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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