- 試合前のアップで、何をどの順にやればいいのかわからない
- アップで疲れてしまい、第1セットの途中で足が動かない
- 待ち時間が長くて、いざ入るときに体が冷えている
こんな悩みを解決します。
試合前のアップは、温める→動かす→ボールに触る→サーブで締めるの順で組めば、それだけで形になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、第1セットの入りが悪いチームは、たいていアップの順番が毎回バラバラでした。
試合前のアップは、体を鍛える時間ではありません。持っている力を、開始1本目から出せる状態にそろえる時間です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 会場入りから第1セットまでの流れがわかる
- 短いコート練習で何を確認すればいいかがわかる
- 疲れる・冷えるといった失敗の直し方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:アップは「温める→動かす→触る→サーブ」の4段階
先に結論をお伝えします。試合前のアップは、次の4段階を順番どおりに通すだけです。

- 温める:軽く走る・その場でステップを踏んで体温を上げる
- 動かす:動きながら伸ばして、関節を大きく使えるようにする
- 触る:パス・レシーブ・スパイクの順にボールへ慣れる
- サーブ:最後にサーブを打って、入る感覚で終える
順番には理由があります。冷えたままボールを追えばケガをしやすく、体を温める前にジャンプすれば足に負担が集中するからです。
サルくん会場に着いたら、いつも真っ先にスパイクを打ちに行ってた…。



気持ちはわかります。でも打つのは3番目です。順番を変えるだけで、体は驚くほど楽になりますよ。
アップの目的は、汗をかくことではありません。開始1本目から動ける状態を作ることです。
私のスクールでも、試合前は同じ順番を毎回くり返させています。決まった型があると、慣れない会場でも迷いません。
この記事では、練習前との違い・20分の流れ・コート練習の使い方・失敗の直し方の順に見ていきます。
練習前のアップと試合前のアップは目的が違う
同じアップという言葉でも、練習前と試合前では中身が変わります。ここを混ぜると、疲れるだけのアップになります。
| 項目 | 練習前のアップ | 試合前のアップ |
|---|---|---|
| 目的 | ケガ予防+体力づくり | ケガ予防+動きの仕上げ |
| 時間 | 20〜30分たっぷり | 使える時間が決まっている |
| 場所 | いつもの体育館 | 慣れない会場・通路や外も使う |
| 強度 | だんだん上げていく | 上げすぎない(疲れを残さない) |
| 終わり方 | そのまま練習へ入る | 待ち時間をはさむことがある |
練習前は、体力を使うこと自体が目的の一部です。走り込みや連続ジャンプを入れても、そのあとに練習が続くので問題になりません。
一方で試合前は、使った体力がそのまま試合に持ち越されます。ここで追い込むと、第2セットの後半に足が止まる原因になります。



子どもの試合を見に行くと、アップで汗だくになっている子もいますね。



汗の量とできあがりは別ものです。呼吸が少し上がって、体が軽く感じたらもう十分です。
もう1つの違いは場所です。会場ではコートが空いていないことが多く、通路や体育館の外、観客席の裏でアップを始めることになります。
だからボールを使わずにできる部分は、コートを待たずに先に終わらせておくのが基本になります。温める・動かすの2段階は、どこでもできます。
体を温める種目そのものは、練習前のアップと同じもので構いません。動かし方の中身はこちらの記事にまとめています。
会場入りから第1セットまでの20分の流れ
ここが記事の中心です。使える時間を20分と仮定して、前半と後半に分けて組み立てます。
前半10分:体を温めて動かす
最初の10分は、ボールを持ちません。心拍数を上げてから、動きながら関節を大きく使っていきます。
最初のジョグは、速く走る必要はありません。体温を上げるのが目的なので、話しながら走れる速さで十分です。



アセ ガ ニジム マデ デ ジュウブン
長く止めて伸ばすストレッチは、この段階では入れません。筋肉をゆるめる働きがあるため、直前より練習後や入浴後のほうが向いています。
伸ばしたい場所があるときは、動きの中で伸ばしてください。歩きながらのランジや、大きく回す肩回しがその役割を果たします。
冬場や朝いちばんの試合は、この前半を少し長めにとります。体温が上がりきらないまま跳ぶと、足やふくらはぎを痛めやすくなります。
私はスクールの選手にも、寒い日は上着を着たまま温め始めるように伝えています。脱ぐのは、汗がにじんでからで間に合います。
後半10分:ボールに触って合わせる
体が温まったら、ボールに触ります。ここでも順番があり、負荷の軽いものから上げていきます。
いきなり全力でスパイクを打つのは避けてください。肩も足も、まだ強い負荷を受ける準備ができていません。
スパイクは、最初の数本を7割くらいの力で打ち、そこから上げていきます。助走のリズムだけ確認できれば、本数は多くなくて構いません。



アップで思いきり打って、肩が張ったことある…。



段階を飛ばしたサインです。軽い球から順に上げていけば防げますよ。
助走のリズムが崩れている日は、歩数から確認し直すと元に戻りやすくなります。
コート練習は「順番を決めておく」だけで変わる
大会では、コートを使える時間が短く区切られています。時間は大会によって違うので、当日の進行表で必ず確認しておいてください。
やる順番をあらかじめ決めておく
短いコート練習で迷わないために、入る前に順番を決めておきます。決めていないチームは、話し合っているうちに時間が終わります。
- サーブレシーブの隊形に1回立って、位置を確認する
- スパイクを1人2〜3本、決めた本数だけ打つ
- サーブを1人2〜3本、コースを決めて打つ
- 残り時間はレシーブとつなぎに使う
ここで新しいことを試さないのが大事です。今日決めたばかりのサインや隊形を試すと、不安を持ったまま試合に入ることになります。
サーブレシーブの隊形は、相手の並びを見てから最終確認をします。基本の形はこちらの記事で確認できます。
最後の1本を成功で終える
コート練習の終わり方には、意外なほど差が出ます。サーブがネットにかかったまま終わると、その感覚を持って第1セットに入ることになるからです。
入る本数まで打って、気持ちよく終わってください。最後の1本を入れて終えるだけで、開始直後の1本目が変わります。
最後の1本を成功で終える。これはメンタルの話ではなく、体に感覚を残すための手順です。
時間が足りないときは、サーブを2本に減らして構いません。減らす順番も、事前に決めておくと迷いません。



練習の終わりまで気にするなんて、考えたこともありませんでした。



最後の1本は記憶に残りやすいんです。だから成功で終えるようにしています。
試合前アップでよくある失敗と直し方
ここからは、実際の会場でよく見かける3つの失敗です。どれも直し方はシンプルです。


全力を出して疲れてしまう
いちばん多いのが、アップで力を使い切ってしまう形です。連続ジャンプや全力ダッシュを何本も入れると、足はそこで消耗します。
直し方は、本数と強さを先に決めておくことです。ダッシュは2〜3本、ジャンプは10回程度と決めれば、勢いで増えません。
跳ぶ動きは、早い段階で軽く入れておきます。試合の1本目でいきなり最大まで跳ぶより、アップで一度跳んでおくほうが安全です。



何本やればいいのか、いつも決めてなかった…。



数を決めておくのがコツです。決めていないと、その日の勢いで増えてしまいます。
ボールを打つだけで終わる
2つ目は、会場に着くなり打ち始めて、温める段階を飛ばす形です。肩とふくらはぎを痛めやすい入り方になります。
直し方は、順番を人任せにしないことです。コートが空いていなくても、通路や外で温める作業は始められます。



コートを待ってる時間に、先に走っておけばいいんだ!



そのとおりです。待ち時間は、アップの前半をこなす時間だと考えてください。
待ち時間に体が冷える
3つ目は、アップを終えてから試合開始まで時間が空き、そのまま冷えてしまう形です。前の試合が長引くと必ず起こります。
直し方は、上着を着て体温を守り、開始10分前からもう一度動くことです。詳しい手順は次の章で説明します。
失敗の3つは、疲れる・飛ばす・冷えるです。どれも順番と本数を決めておけば防げます。
夏場は逆に、汗で水分が抜けすぎることに気をつけてください。アップの前後で少しずつ飲むほうが、体は楽に動きます。
待ち時間が長い日の再アップ
第2試合以降は、アップと試合開始の間が空きます。ここをどう過ごすかで、第1セットの動きが決まります。
再アップは、最初のアップをもう一度くり返す必要はありません。温める作業と、ボールに触る作業だけで足ります。



待っている間に、もう一度動かしておく必要があるんですね。



座って待った脚は動きが鈍ります。開始10分前に立ち上がるだけで変わりますよ。
前の試合が長引いた日は、開始時刻が読めません。会場のアナウンスと進行を見ながら、逆算して立ち上がるようにしてください。



マエノ シアイ ガ ノビタラ モウ イチド アタタメル
長く座って待った脚は、思ったより動きません。声をかけ合って全員で立ち上がると、チーム全体の入りがそろいます。
補食や水分をとる場面でもあります。待ち時間が長い日の食べ方は、試合当日の食事の記事にまとめています。
よくある質問
まとめ
試合前のアップは、体を鍛える時間ではありません。持っている力を、1本目から出せる状態にそろえる時間です。
温める→動かす→触る→サーブ。この順番を毎回同じにするだけで、試合の入りは変わります。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 会場入り〜前半10分 | 軽いジョグとステップで温め、動かしながら伸ばす |
| 後半10分 | パス→レシーブ→スパイク→サーブの順に触る |
| コート練習 | 順番を先に決め、最後の1本を成功で終える |
| 強度の目安 | ダッシュ2〜3本・ジャンプ10回程度で止める |
| 待ち時間 | 上着を着て保温し、開始10分前から再アップ |
| 夏場 | 温めは短く、水分をこまめにとる |
| 冬場 | 温める時間を長めにとってから跳ぶ |
私は元日本代表として、また指導者として多くの試合を見てきましたが、入りが安定しているチームは、アップの順番が毎回同じでした。



次の試合は、着いたらまず走る。打つのは3番目!



その順番でいきましょう。決まった型があるだけで、初めての会場でも落ち着けますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
送料無料・写真の無制限保存・ネットスーパー・Prime Video
Amazonプライムには、バレーを頑張るみなさんに嬉しい特典がそろっています。
- Prime Video:アニメ「ハイキュー!!」など人気作品が見放題
- 送料無料:バレーボール用品など、対象商品が送料無料で届く
- Amazon Photos:自分の写真も、お子さんの試合や成長の写真も、容量無制限で保存できる
- ネットスーパー:重い飲み物や食料も、買い物に行かず最短約2時間で自宅に届く(対象エリア)
▼ プライムは30日間の無料体験あり(期間内に解約すれば0円)









