バレーのセッターの役割|司令塔がやっている5つの仕事

当ページのリンクには広告が含まれています。
バレーのセッターの役割を解説するアイキャッチ・司令塔がやる5つの仕事
  • セッターになったけれど、トスを上げること以外に何をすればいいかわからない
  • 司令塔と言われても、試合中に何を考えればいいのか思いつかない
  • ミスが自分のせいに見えて、セッターをやるのがつらくなってきた

こんな悩みを解決します。

セッターの役割は、アタッカーが決めやすい状況を作ることの1点に集まります。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきて、伸びるセッターには共通点がありました。上げたトスの高さよりも、打つ人の表情を先に見ている選手です。

トスは目的ではなく道具にすぎません。だからこそ、仕事の中身を分けて理解しておくと、コートでやることが一気にはっきりします。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • セッターがコートでやっている仕事を、5つに分けて理解できる
  • 司令塔と呼ばれる理由と、試合中に何を見ればいいかがわかる
  • セッターがつまずきやすい場面と、その直し方がわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:セッターの役割はアタッカーを助けること

セッターは点を取るポジションではありません。点を取ってもらうポジションです。

この順番を間違えると、きれいなトスを上げることが目的になってしまいます。上げた本人が満足しても、打った人が決められなければ意味がありません。

セッターがコートでやっている5つの仕事
  • ボールの落下点へ、誰よりも速く入る
  • 打つ人が力を出しやすいトスを上げる
  • 相手ブロックを見て、上げる先を選ぶ
  • サインと声で、攻撃のタイミングを合わせる
  • 崩れたボールを、攻撃できる形に戻す

5つとも、共通しているのは自分のためのプレーがひとつもないことです。セッターの上達は、味方の得点として返ってきます。

サルくん

全部、誰かのための仕事なんだね。

あげば

そうなんだ。だからセッターが伸びると、チーム全体の点数が動くよ。

バボット

セッター=決メサセル役

セッターが司令塔と呼ばれる2つの理由

セッターは司令塔とよく言われます。この言葉が指しているのは、声を張ることでも、指示を出すことでもありません。

打つ人を選べる唯一のポジションだから

1本のラリーの中で、誰が打つかを決められるのはセッターだけです。レシーブが返ってきた瞬間、次に何が起きるかはセッターの手の中にあります。

調子のいい選手に多く回すこともできますし、疲れている選手を休ませることもできます。この選択が積み重なった結果が、最後のスコアになります。

打つ人を選ぶという行為は、そのまま試合の流れを選ぶ行為でもあります。だから司令塔と呼ばれます。

サルくん

選ぶって、そんなに大きいことなんだ…

相手ブロックを動かせるから

もうひとつの理由は、相手のブロックが自分を見ているからです。相手のブロッカーは、セッターの体の向きや手の形を見て跳ぶ場所を決めています。

つまりセッターは、ボールを上げる前から相手を動かせます。まっすぐ立って上げるだけで、相手は最後まで的を絞れません。

守る側からすると、上げる先が読めないセッターほど厄介な存在はありません。相手を迷わせている時間が、そのままアタッカーの余裕になります

私の指導現場でも、まず体の向きを変えないことから教えています。

ブロックの読み方については、こちらの記事で整理しています。

あげば

相手のブロッカーは、ボールよりもセッターを見ているんですよ。

セッターの5つの仕事|コートでやっていること

ここからが本題です。5つの仕事を順番に見ていきます。

仕事1:落下点へ誰よりも速く入る

トスの精度は、上げる技術よりも入る速さで決まります。落下点にきちんと入れていれば、あとは同じ形で上げるだけだからです。

走るときに気をつけたいのは、手の位置です。手をおでこの上にセットしたまま走る選手がいますが、これは遠回りになります。

腕をしっかり振って走った方が速いので、まずは急いで落下点へ向かうことを優先します。手をセットするのは、落下点で止まったタイミングで構いません。

ボールに触る前にセットが終わっていれば、それで間に合っています。走っている間の形にこだわる必要はありません。

構え自体も、特別なものを作らなくて大丈夫です。いつものパワーポジションのまま待てば、次の動きにつながります。

サルくん

ずっと手を上げたまま走ってた!

あげば

それだと足が遅くなるよ。走る時は腕を振って、止まってから手を作ろう。

仕事2:打つ人が力を出しやすいトスを上げる

上げるトスは、きれいさよりも打ちやすさで選びます。同じ高さでも、選手によって打ちやすい位置は少しずつちがうからです。

背が高い選手はやや高め、助走が速い選手はやや前など、合わせる先は打つ人の側にあります。自分の理想の高さに打つ人を合わせるのではありません。

合わせ方の手順は、こちらにまとめています。

トスそのものの形を固めたい場合は、基本の記事から確認してみてください。

仕事3:相手ブロックを見て上げる先を選ぶ

配球で一番大事にしたいのは、アタッカーの調子を落とさないことです。決まらない選手に回し続けると、その選手も、チーム全体も沈んでいきます。

そのために、誰が何本打って何本決めているかを、大まかに頭に入れておきます。細かい計算はいりません。

よく決まっている、あまり決まっていない、この程度の把握で十分です。

序盤・中盤・終盤で展開を描き、25点を取り切るまでの道筋を作るのがセッターの仕事になります。目の前の1本だけを見ていると、終盤で打つ人がいなくなります。

なお右方向へ上げるトスは、体の後ろへ送るバックトスになります。セッターはレフト側を向いて上げるので、右は必ず背中側だからです。

バボット

数字ハ大マカニ把握スル

仕事4:サインと声で攻撃を合わせる

どんなにいいトスでも、打つ人が知らなければ攻撃になりません。だからサーブが打たれる前に、誰がどこへ入るかを共有しておきます。

手の合図で伝えるのが基本ですが、伝わっているかどうかの確認まで含めて仕事です。うなずいたかどうかを見てから、次の準備に入ります。

サインの出し方は、こちらの記事で解説しています。

ラリー中は声が中心になります。指示というより、味方が動きやすくなる情報を先に渡すイメージで構いません。

仕事5:崩れたボールを攻撃の形に戻す

試合で上がってくるボールは、きれいなものばかりではありません。むしろ乱れた球をどう処理するかで、セッターの価値が決まります。

ネットから離れた球や低い球は、無理にジャンプせず高く上げ直します。時間を作れば、味方は助走をやり直せます。

崩れた球の上げ方は、別の記事で手順を整理しています。

自分が1本目を触ってしまった時は、上げる人を声で決めます。誰かが入ってくれる前提で待っていると、そこでラリーが終わります。

サルくん

自分が拾っちゃった時が一番あわてる…

あげば

触った瞬間に、次は誰、と声を出しておくと味方が動けるよ。

セッターに必要な3つの力

必要な力と聞くと身長や才能を思い浮かべがちですが、そこではありません。どれも練習で積み上げられるものです。

力1:同じ形で上げられるオーバーハンドパス

一番の土台は、毎回同じ形で上げられることです。上げるたびに手の形が変わると、打つ人はタイミングを合わせられません。

理想の1本を上げる練習より、同じ1本を続ける練習の方が試合で効きます。狙う場所を決めて、そこへ何本続けられるかを数えてみてください。

力2:落下点まで走り切る足

2つ目は足です。オーバーハンドの技術が同じでも、入るのが遅ければトスは乱れます。

セッターは1試合で誰よりも走るポジションです。走る力そのものを鍛えることも、トスの安定に直結します。

体づくりの内容は、こちらにまとめてあります。

力3:ボールと相手を同時に見る目

3つ目は目の使い方です。ボールだけを見ていると配球が選べず、相手だけを見ているとトスが乱れます。

落下点に入るまではボールを見て、入り終わってから相手コートへ視線を送ります。この切り替えができると、上げながら選べるようになります。

バボット

3ツトモ練習デ伸ビル

性格や向き不向きが気になる人は、こちらの記事も参考になります。

セッターがつまずく3つの失敗と直し方

セッターの悩みは、才能ではなく順番のズレから起きていることがほとんどです。よくある3つを挙げます。

失敗1:同じ人にしか上げられなくなる

競った場面で、決めてくれる選手にばかり上げてしまう形です。気持ちはわかりますが、相手のブロックはすぐに気づきます。

直し方は、練習のうちから全員に回す回数を決めておくことです。試合で急に配れる人はいません。

スクールの選手たちには、練習で一度も上げていない相手には試合でも上げられない、と伝えています。

苦しい場面でも上げ先が2つ以上あると、相手は最後まで跳ぶ場所を決められません。

失敗2:トスが打つ人の体から離れる

打点の外へ流れてしまい、アタッカーが体を伸ばして打つ形です。原因はトスではなく、落下点への入り方にあることが多くあります。

体が流れたまま上げれば、ボールも同じ方向へ流れます。まず止まる、それから上げる、この順番を守るだけで変わります。

止まれない時は、走り出しが遅れています。ボールの軌道が見えた瞬間に1歩目を出せているか確認してみてください。

失敗3:ミスを全部自分のせいにする

セッターは最後に触る回数が多いので、責任を1人で背負いがちです。ですが、決まらなかった原因はトスだけとは限りません。

レシーブが返っていない、助走が間に合っていない、相手のブロックが良かった。原因はいくつも重なります。

抱え込まず、次の1本で何を変えるかだけを考えれば十分です。落ち込む時間より、切り替える速さの方がチームを助けます。

サルくん

決まらないと、全部自分のせいに思えてくる…

あげば

決まらなかった理由は、いつも複数あるよ。ひとりで背負わなくて大丈夫。

セッターの役割を身につける練習の順番

いきなり配球から始めても身につきません。私は次の順番で土台から積み上げてもらっています。

STEP
決めた場所へ、同じ形で上げ続ける
STEP
落下点まで走ってから上げる形に変える
STEP
打つ人を入れて、高さと位置を合わせる
STEP
相手ブロックを見ながら上げる先を選ぶ

最初の2つは1人でも進められます。壁に向かって上げる、自分で高く上げてから走って入る、この2つで形と足が同時に鍛えられます。

3つ目からは相手が必要になります。打つ人に、どこが打ちやすかったかを毎回聞いてください。答えが返ってくるほど、合わせる精度は上がります。

4つ目まで来たら、練習でも相手ブロックを立たせます。跳ばなくても構いません。

人が立っているだけで、見るという習慣がつきます。

順番を飛ばすと、配球を考えながらトスが乱れる状態になります。土台ができてから上に積む、この形を守ってみてください。

あげば

上手いセッターほど、1つ目の練習を今でも続けているよ。

よくある質問

セッターは背が低くてもできますか?

できます。
セッターに必要なのは高さよりも落下点へ入る速さと配球の判断なので、身長を理由にあきらめる必要はありません。

トスを上げること以外に、練習中に何をすればいいですか?

味方が打ちやすい位置を聞いて回ることをおすすめします。
選手ごとの好みを覚えておくと、試合で迷う場面が減ります。

司令塔として声を出すのが苦手です。

大きな声を出す必要はありません。
次に何をするかを短く伝えるだけで役割は果たせるので、言葉の量より早さを意識してみてください。

セッターとオポジットは何がちがいますか?

セッターはトスを上げて攻撃を組み立てる役、オポジットはライト側から打ち切る役です。
ローテーション上は必ず対角に入るので、6人制ではこの2人が向かい合う位置関係になります。

まとめ:セッターの役割は決めさせること

セッターの役割は、アタッカーが決めやすい状況を作ることに尽きます。トスの美しさではなく、味方が打ち切れたかどうかが評価の基準です。

速く入る。打ちやすく上げる。相手を見て選ぶ。合図で合わせる。崩れた球を戻す。

仕事見るものうまくいっているサイン
落下点へ入るボールの軌道止まってから上げられている
打ちやすく上げる打つ人の助走同じ形で何本も打てている
上げる先を選ぶ相手ブロック決まる人が2人以上いる
合図で合わせる味方の返事サインの見落としがない
崩れた球を戻すネットとの距離高く上げ直せている

私は元日本代表として、そして指導者として、伸びるセッターほど自分のトスの話をしないと感じています。話題がいつも味方のことなんですよね。

サルくん

まずは、走ってから上げるをやってみる!

あげば

それが全部の土台だよ。そこが変わると、配球まで見えてくる。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

バレーボールのポジションについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

バレーの練習に使えそうな道具を探すなら

🏐 バレーがもっと楽しくなるおすすめ

バレーを頑張るみなさんに嬉しい特典がそろっています。

  • Prime Video:アニメ「ハイキュー!!」など人気作品が見放題
  • 送料無料:シューズやサポーターなど、対象商品が送料無料で届く
  • Prime Music:試合前のウォーミングアップ曲もこれ1つ

▼ プライムは30日間の無料体験あり(期間内に解約すれば0円)

▶ 関連記事: バレーボールシューズおすすめ12選|元日本代表がポジション別厳選

この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

目次