- ゲーム形式にすると盛り上がるが、練習した技術が出ないまま終わってしまう
- 何点先取にするか、どんなルールにするかを毎回その場で決めている
- 勝った負けたで終わってしまい、次の練習につながらない
こんな悩みを解決します。
ゲーム形式練習で結果を出す条件は、その日のテーマに合う条件を1つだけ足すことです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、伸びないチームほど、ふつうの6対6をただ長くやっていました。
条件のないゲームは、いちばん得意な選手がいちばん多くボールを触る時間になります。
だから、伸ばしたい選手ほど触らないまま終わってしまうんですよね。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 狙い別に選べるゲーム形式練習6つの型が手に入る
- 条件の付け方の原則がわかり、その場で決めなくてよくなる
- 少人数・短時間でもゲーム形式を回せるようになる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:ゲーム形式練習は条件を1つだけ足して狙いを絞る

先に結論からお伝えします。ゲーム形式練習でいちばん差がつくのは、その日のテーマに合う条件を1つだけ足しているかです。
条件を足さないゲームは、ただの試合になります。試合はいちばん得意な形が出る場なので、練習してきた新しい形は出てきません。
反対に、条件を1つ足すだけで、選手が選ぶプレーは大きく変わります。ルールが変われば、勝つための最短ルートも変わるからです。
- テーマ=その日の練習でいちばん伸ばしたい1つのプレー
- 条件=そのプレーが増えるように足すルール1つ
- 終わり方=何点先取か、何本やったら終わるのか
れおコーチ盛り上がるけど、練習した内容が出ないまま終わるんです…。



条件がないからだよ。勝ち方が変わるルールを1つ足してみよう。
この3つが決まっていると、終わったあとの話が変わります。どちらが勝ったかではなく、条件を何本満たせたかで会話ができるようになるからです。
ここからは、ゲーム形式練習の位置づけを整理してから、狙い別の6つの型・条件の付け方・失敗例・少人数での回し方の順に見ていきます。
ゲーム形式練習とは|紅白戦・練習試合との違い
ゲーム形式練習は、コートに人を入れて実際にラリーを行いながら、その日のテーマだけが出やすくなる条件を付けた練習です。
得点を数える点は試合と同じですが、勝敗を決めることが目的ではありません。テーマにしたプレーを、実際のラリーの中で何回できたかを確かめる時間だと考えてください。
同じ6対6の形でも、目的が違えば準備するものも見る場所も変わります。ここを混ぜてしまうと、どれも中途半端になります。



紅白戦とゲーム形式を、同じものだと思っていました。



課題を見つける時間と、直す時間。ここを分けてみよう。
紅白戦との違い:課題を見つけるか、課題を試すか
紅白戦は、チームを分けて実際に戦い、今のチームの課題を見つける時間です。条件は足さず、素の状態を見ます。
ゲーム形式練習は逆で、見つかった課題を直すために条件を足します。順番としては、紅白戦で課題が見え、その課題をゲーム形式で直していく流れになります。
練習試合との違い:相手が味方か、他校か
練習試合は他校が相手なので、条件を足すことはできません。相手のあることなので、こちらの都合でルールを変えられないからです。
ゲーム形式練習は自分たちだけで行うため、条件を自由に決められます。この自由さこそが、ゲーム形式練習の最大の価値だと考えています。



ルールヲ変エラレルノハ身内ダケ
狙い別のゲーム形式練習6選


ここが記事の中心です。テーマに合わせて、次の6つから1つを選んで使ってみてください。
①サーブとサーブレシーブだけで点を取るゲーム
サーブが入ったら、レシーブ側は1本目を返すところまで。ここで止めて、Aパスが返れば守備側の得点、崩れればサーブ側の得点とします。
サーブとサーブレシーブは、試合で最初に起きるプレーです。ここが安定しないチームは、どれだけ攻撃を練習しても点が積み上がりません。
短い時間で本数を重ねられるのも利点で、10分あれば1人あたり10本以上のサーブを打てます。



1本目を返すだけで点になるなら、集中できます!
②3本で返すことを条件にするゲーム
必ず3回触ってから返す、という条件を付けます。2本で返した場合は、返っていても相手の得点にしてください。
苦しい場面でも3本使う習慣がつくと、攻撃の形が崩れにくくなります。ダイレクトで返して失点する回数も減っていきます。
慣れてきたら、スパイクで打ち切るところまでを条件に加えます。ただし、条件は同時に増やさず、3本が定着してから切り替えるようにしてください。



苦しい時ほど、3本使うと立て直せるよ。
③フェイントと軟打だけで攻めるゲーム
攻撃側は強打を禁止し、フェイントとハーフショットだけで点を狙います。守備側は、前に落ちる球への動き出しを鍛えられます。
試合でいちばん多く落ちるのは、強打ではなく緩い球です。それなのに、多くのチームは強打を受ける練習にばかり時間を使っています。
守備側が慣れてきたら、攻撃側にも制限を付け足します。同じコースへ2回続けて落としたら失点、とすると駆け引きが生まれます。
④20点から始めるゲーム
いきなり20対20から始め、そこから決着まで行います。1セットを最初から行うより、終盤の場面だけを何度も繰り返せます。
競った場面でのサーブやトスの選択は、練習しなければ身につきません。私のスクールでも、勝負どころの1本は必ずこの形で繰り返し確認しています。
落ち着いて選べるようになるまで、同じ場面を10本でも20本でも繰り返してください。



うちは20点以降で崩れることが多いんです。



なら、その場面だけを何度もやればいいんです。1セット通す必要はないよ。
⑤苦手なローテーションを固定するゲーム
得点しても回らず、同じ並びのまま続けます。苦手な並びだけを、集中して繰り返せる形です。
どのチームにも、点が取れない並びと守れない並びがあります。ふつうのゲームでは、その並びは6回に1回しか回ってきません。
固定すれば、その並びだけを何十本も試せます。立ち位置を少し変えるだけで解決することも多いので、その場で試して確かめてみてください。



苦手な並びって、6回に1回しか来ないんですね!?



そう。だから固定して、まとめて直してしまうんです。
⑥半面4対4のゲーム
コートを縦半分に区切り、その中だけで4対4を行います。守る範囲が狭くなるぶん、1人あたりの触る回数が一気に増えます。
人数が少ない日でも成立し、2面同時に回せば待ち時間がほぼなくなります。ラリーが続きやすいので、つなぐ形を作りたい時期にも向いています。



半面ナラ触ル回数ガ倍ニナル
条件の付け方3つの原則
6つの型をそのまま使ってもいいですし、自分のチームに合わせて作ってもかまいません。作る時は、次の3つを守ってください。
原則①:足す条件は1つだけにする
条件を2つ以上足すと、選手はどちらを優先すべきかわからなくなります。迷った選手は、結局いちばん慣れたプレーを選びます。
これでは条件を足した意味がありません。物足りなく感じるくらいでちょうどよい、と考えてください。
原則②:点の付け方でやってほしい行動を増やす
禁止するよりも、点を厚くするほうが行動は変わります。3本使って返したラリーで得点したら2点、といった形です。
人は禁止されると、その禁止に引っかからないことだけを考えます。反対に、得をする道を作れば、選手は自分からその道を選ぶようになります。
① 減らしたい行動は禁止する。
② 増やしたい行動は得点を厚くする。
原則③:終わり方を先に決めておく
始める前に、何点先取か、何本やるのかを宣言します。終わりが見えていると、選手は最後まで集中を切らしません。
だらだらと続けると、後半は姿勢が高くなり、条件も守られなくなります。短く区切って、間に短い確認を入れるほうが残るものは多くなります。



決めておくだけで、締まり方が全然ちがいますね!



そう。終わりが見えると、人は最後まで力を出せるんです。
ゲーム形式練習でよくある失敗4つ
形は同じでも、次の4つが起きていると効果が半分になります。当てはまっていないか見直してみてください。
失敗①:条件を思いつきで増やしてしまう
途中で盛り上がってくると、その場で条件を足したくなります。ですが、増やすほど狙いはぼやけていきます。
足したくなったら、そのゲームを終わらせてから新しい条件で始め直してください。同じゲームの途中でルールを変えないことが大切です。
失敗②:勝敗だけを数えて終わる
どちらが勝ったかだけを数えても、次の練習にはつながりません。数えるのは、条件を満たせたラリーが何本あったかです。
たとえば3本で返す条件なら、3本使えたラリーの数を数えます。勝敗より、その数字のほうが選手の成長を正しく表します。
失敗③:待つ人数が多すぎる
12人がコートに入り、残りの部員がコート脇に並んでいる形です。待ち時間が長い選手ほど、体は冷え、集中も切れていきます。
私が指導する時は、待つ側にも必ず役割を渡すようにしています。条件を満たせた本数を数える、ボールを渡す、動画を撮るなど、やることがあれば意識は切れません。



待チ時間ガ長イホド集中ハ切レル
失敗④:条件が守れているか誰も見ていない
条件を宣言しても、途中から守られていないことがよくあります。選手は勝ちたいので、無意識に楽な方へ流れます。
指導者が全部を見るのは難しいので、待っている選手に見てもらいましょう。守れていないラリーを声に出してもらうだけで、条件は生きたまま残ります。



気づいたら、ふつうの試合に戻っているんですよね…。



見る人を決めておけば戻らないよ。数える係を必ず置こう。
人数と時間が足りない日の回し方
部員がそろわない日でも、時間が短い日でも、条件を足す考え方は変わりません。形だけを合わせていきます。
部員が9人以下のとき
半面4対4か、3対3のゲームにします。人数が減るほど1人の守備範囲は広くなるので、コートも一緒に狭くするのがポイントです。
サーブから始めるとラリーが少なくなるため、指導者の球出しから始めてください。ラリーの回数を増やすほうが、この人数では価値があります。
練習時間が20分しか取れないとき
型は1つだけに絞り、5点先取を4セット行います。切り替えの時間がないので、コートに入るメンバーも先に決めておいてください。
短い時間でも、条件が1つ通っていれば練習として成立します。時間の長さより、狙いが1つに絞れているかどうかで残るものが決まります。



20分でも、やることが1つなら分かりやすいです!



そこがねらいだよ。短くても、狙いが通れば力になるんだ。
よくある質問
まとめ:条件が1つ通ったゲームは練習になる
最後に要点をふり返ります。ゲーム形式練習で見るのは勝敗ではなく、足した条件を満たせたラリーが何本あったかです。
| 場面 | 最優先すること | 具体的な行動 |
|---|---|---|
| 始める前 | テーマを1つに絞る | 伸ばしたいプレーを決め、それが増える条件を1つだけ足す |
| ゲーム中 | 条件を守り切る | 数える係を置き、守れていないラリーをその場で声に出す |
| 終わったあと | 勝敗以外を数える | 条件を満たせた本数を確認し、次にやることを1つ決める |
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、伸びているチームほど、練習中のゲームに必ず条件が付いていました。
同じ1時間でも、条件が1つ通っているだけで、選手が触る回数も考える回数も変わっていきます。



次の練習から、条件を1つだけ足して始めます!



それでいいんです。まずは1つ、そこから育てていこう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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ボールは部員1人に1球が目標です。6個入りのケースで売られているので、チームに20人いるならボール24球・カゴ2つ。この状態をクリアできると、練習が非常に充実するのではないでしょうか。私のスクールでは、コート1面につき36球を使っています。
- ボール…全員が同時に持てると、組めるメニューの幅が広がる
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