バレーの大人数練習メニュー|コート1面・部員30人の回し方

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コート1面で部員30人を回す大人数バレー練習メニューのイメージ
  • コート1面に部員30人で、1人がボールに触る回数が少なすぎる
  • 順番待ちの列で、おしゃべりと集中切れが起きている
  • 初心者と経験者のレベル差が大きく、メニューが決められない

こんな悩みを解決します。

大人数練習の答えは、3班ローテーションで場所を分け、待ち時間を役割に変えることにしぼられます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールを運営してきた経験から、大人数の練習で差がつくのはメニューの中身より「回し方」だと断言できます。

同じコート1面でも、班分けと役割づけを整えるだけで、1人あたりのボールタッチ数は数倍に変わります。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 部員30人をコート1面で回す3班ローテーションの作り方がわかる
  • 班ごとの具体的なメニュー例と時間配分がわかる
  • レベル差と待ち時間という大人数の2大問題の解決策がわかる

それでは、詳しく見ていきましょう。

目次

結論:大人数は「3班ローテーション」で回す

先に結論からお伝えします。部員が11人を超えたら、全員で同じメニューをやる発想を捨て、班に分けて場所ごとに違う練習を同時に回します。

人数別・練習の回し方の目安
  1. 6人未満:3対3や4人回しで試合要素を作る
  2. 6〜10人:半面ゲーム+半面スキルの2班ローテ
  3. 11人以上:スキル・ゲーム・体力の3班ローテ

30人なら1班10人の3班です。コート・壁際・コート外に分かれ、時間で強制的にローテーションします。

部員が20人前後なら、半面ゲーム+半面スキルの2班ローテから始めても構いません。大事なのは「全員が同時に動いている状態」を作ることです。

れおコーチ

30人を一斉に見るのは、どうしても無理がありました…。

あげば

全員を同時に見ようとしなくていいんだ。班に分けて、先生はメインの班に付く。これが基本だよ。

待ち時間を作らないことが、練習の質と安全の両方に効く。

列に並ぶ時間をなくすと、ボールタッチ数が増えるだけでなく、ふざけやおしゃべりから生まれる事故も減ります。

ここからは、なぜ待ち時間がそれほど問題なのか、そして具体的な回し方を見ていきます。

なぜ待ち時間が練習の質と安全を下げるのか

30人が1列に並んでスパイク練習をすると、1人が打てるのは数分に1本です。60分の練習で、1人のヒット数は10本に届かないこともあります。

技術は反復の回数でしか身につきません。列の長さは、そのまま上達の遅さになります。

バボット

マチジカン ハ レンシュウ デハナイ

さらに見逃せないのが、待ち時間と事故の関係です。手持ちぶさたの選手はボールで遊び始め、転がったボールを踏む・またぐといった場面が生まれます。

大人数の怪我は、練習中よりも「待っている時間」に起きやすい。

ボールを「またがない・踏まない」を最初に徹底しつつ、そもそも手持ちぶさたな時間を作らない設計にすることが、一番の安全対策になります。

れおコーチ

たしかに、ヒヤッとする場面はいつも列の後ろで起きていました…。

あげば

だから回し方の工夫は、上達のためでもあり、子どもを守るためでもあるんだ。

部員30人・コート1面の3班ローテーション実例

ここからが本題の回し方です。90分練習なら、共通アップのあとに20分×3ローテを組みます。

時間全体の流れ
0:00〜0:15全員でアップ・対人パス(2人組は場所を取らない)
0:15〜0:35ローテ1(A班:コート/B班:壁際/C班:コート外)
0:35〜0:55ローテ2(班を入れ替え)
0:55〜1:15ローテ3(班を入れ替え)
1:15〜1:30全員でゲーム形式 or 振り返り

3つの場所で何をやるか、班ごとのメニュー例を紹介します。

コート班:ネットを使う練習に集中する

コートでしかできない練習だけをここでやります。サーブ、サーブカット、スパイク、ゲーム形式です。

10人なら、サーバー3人対レシーバー4人+セッター・スパイカーという実戦の形が組めます。サーブからのラリーで、1本のボールに全員が関わる形が理想です。

先生は原則このコート班に付き、観察ポイントを1〜2個にしぼって声をかけます。

サーブカットの練習では、セッターに返った本数だけでなく「どの質で返ったか」まで数えると、コート班20分の密度が一気に上がります。

れおコーチ

コートの20分だけで、実戦練習は足りるものですか?

あげば

短くても毎日ネットを使えるほうが、週1回の長い実戦より積み上がるよ。

慣れてきたら、ローテ1は基礎系、ローテ3は実戦系というように、同じコート班でも時間帯で中身を変えると単調になりません。

壁際班:壁パスと対人で個人技術を磨く

体育館の壁際は、大人数チームの隠れた練習場です。壁パスのオーバーとアンダー、ペアでの対人パス、サーブのトス練習ができます。

連続回数を記録表に書かせると、待ち時間ゼロで全員が自分の数字と勝負する時間になります。

壁パスは1年生の数値目標づくりにも最適で、「オーバー20回・アンダー20回」のように段階の目標を貼り出すと、班の時間が締まります。

壁が使えない体育館なら、2人組の対人パスと直上パスに置き換えます。ここでも「毎回同じ形で触れているか」を合言葉にすると、ただの球回しになりません。

コート外班:体力と体幹をゲーム性で鍛える

ステージ前や廊下側のスペースで、ダッシュ系・ジャンプ系・体幹サーキットを回します。

プランクや反復ステップは場所を取りません。ペアでタイムを計り合う形にすると、だれずに続きます。

なお、重いダンベルやバーベルは中学年代では不要です。自分の体重を使うメニューで十分に土台は作れます。

れおコーチ

3つの場所が同時に動けば、30人全員に出番がありますね!

あげば

そう。「コートは狭い」じゃなくて「体育館ぜんぶが練習場」と考えるんだ。

班分けとローテーションを機能させる3つのコツ

3班ローテは、分け方と運営に少しコツがあります。ここを外すと「移動が増えただけ」になってしまいます。

コツ1:班は「レベル混合」を基本にする

上手い子だけの班と初心者だけの班に分けると、初心者の班は練習の質が下がり、雰囲気も沈みがちです。

各班に経験者を数人ずつ配置するレベル混合が基本です。経験者がお手本と球出しの役割を担え、班全体の回転が良くなります。

メニューは同じでも、目標値を変えれば個々に合った負荷になります。壁パスなら初心者は10回、経験者は50回というように、同じ練習の中でレベル差を吸収できます。

大会前だけは、レギュラー班をコートに固定するなど目的に応じて組み替えます。

コツ2:班リーダーに「コーチ役」を任せる

各班にリーダーを置き、メニューの進行と記録を任せます。先生が付けない班も、リーダーがいれば練習が流れます。

教えることは最高の復習。経験者に教え役を任せると、本人が一番伸びる。

2年生に1年生への説明役を任せると、自分の技術の理解も深まり、チームの縦のつながりも育ちます。

コツ3:ローテは時間で強制的に回す

「キリのいいところで交代」にすると、時間が押していきます。タイマーや笛で、時間が来たら途中でも交代が鉄則です。

区切りが明確だと、選手も「この20分で何回できるか」と時間を意識し始めます。だらっと長い練習より、締め切りのある短い練習のほうが集中は続きます。

バボット

コウタイハ ジカンデ キメル

移動は走って30秒以内、とルール化すると、ローテの切り替え自体がチームの機敏さを作る練習になります。

待ち時間を「役割」に変える

どんなに工夫しても、ゲーム形式などでコートに入れない時間は生まれます。その時間を役割に変えるのが大人数チームの腕の見せどころです。

コート外の役割の例
  • 球拾い・球出し(次に入る班が担当すると流れが良い)
  • 数え係(サーブ成功数・サーブカットのA/B/C判定を記録)
  • 審判・ラインズマン役(ルール理解が深まる)
  • 声かけ係(「ナイスサーブ!」を出す文化づくり)

とくにおすすめなのが数え係です。サーブ10本中何本入ったか、サーブカットがセッターに返ったかを記録させると、見る目が育ちます。

数字が残れば、チームの現在地の測定にもなります。感覚ではなく数字で課題を語れるようになると、練習メニューの選び方も変わってきます。

バボット

キロクガカリハ チームノ ブンセキカン

声かけ係も侮れません。良いプレーに即座に声が飛ぶ体育館は、それだけで練習の熱量が変わります。声は気合いではなく、仲間を動かす情報共有の技術だからです。

れおコーチ

見学させるのではなく、仕事を渡すんですね。

あげば

うん。役割があると、コートの外でも「練習に参加している」気持ちになれるんだ。

審判役の経験は、公式戦で自分たちがスコアやラインズマンを担当するときの準備にもなります。大会運営はどの部にも回ってくる仕事なので、練習の中で慣れさせておくと一石二鳥です。

大人数練習のよくある失敗と直し方

最後に、大人数チームが陥りやすい失敗を3つ紹介します。

失敗1:全員で同じ1列ドリルをやり続ける

「全員に同じ練習をさせないと不公平」という思いから、30人で1列のレシーブ練習をしてしまうケースです。

公平にすべきは並ぶ順番ではなく、1人あたりの反復回数です。班に分けることこそが、全員に公平な練習だと考え方を切り替えましょう。

失敗2:初心者を球拾い専任にしてしまう

初心者に球拾いばかりさせると、上達しないまま気持ちが離れ、退部につながります。

役割は必ず全員でローテーションさせ、初心者ほど壁際班での基礎反復の時間を確保します。最初はできないのが当然なので、できたところを見つけて褒めるのが基本です。

失敗3:人数を理由に「安全管理」が薄くなる

人数が多いほど、床のボール・水分補給・体調変化の見落としが起きやすくなります。

班リーダーに「班のメンバーの体調に気を配る」仕事も持たせ、目の数を増やしましょう。国のガイドラインでも、適切な休養と安全確保は部活動運営の基本とされています。

出典:運動部活動の在り方に関する総合ガイドライン(スポーツ庁)

れおコーチ

1列ドリル、まさにうちの部のことでした…。

あげば

気づいた今日が変わるチャンスだよ。まずは3班に分けてみよう!

練習時間そのものが短いチームは、時間の使い方の工夫もあわせてどうぞ。短時間練習の組み方で詳しく解説しています。

大人数チームの指導者の方から、よくいただく質問にお答えします。

大人数練習についてよくある質問

班に分けると、先生の目が届かない班が心配です。

すべての班を同じ密度で見る必要はありません。先生はコート班に付き、他の班は班リーダーと記録表で回す設計にします。ローテごとに先生の位置は変えなくても、選手が入れ替わるので全員を見られます。

ボールやカゴが足りません。

壁際班とコート外班はボールが少なくても回るメニュー(壁パス交代制・体幹系)を中心にします。予算要求の際は「1人あたりのボールタッチ数」という数字で必要性を説明すると通りやすくなります。

経験者に教え役を任せると、その子の練習時間が減りませんか?

教えるには技術を言葉にする必要があり、本人の理解が一段深まります。私の指導現場でも、教え役を経験した選手ほど自分のプレーの修正が速くなると感じています。任せきりにせず、教え役もローテーションさせるのがコツです。

部員が多すぎて、試合に出られない子のやる気が続きません。

全員に「出番」を設計するのが指導者の仕事です。班リーダー・記録係・審判役など役割を回し、練習試合では「試すセット」を作って出場機会を配分します。数字の記録表があれば、控えの子も自分の成長を実感できます。

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まとめ:回し方を変えれば30人は財産になる

部員30人は、回し方さえ整えば「多すぎる悩み」から「層の厚さという財産」に変わります。

問題解決策ポイント
ボールタッチが少ない3班ローテーションコート・壁際・コート外を同時に使う
待ち時間の集中切れ役割づけ数え係・審判役・声かけ係を回す
レベル差レベル混合班経験者に教え役を任せる
安全管理目の数を増やす班リーダーにも気配りの仕事を

大人数練習の合言葉は「体育館ぜんぶが練習場・全員に出番」。

私は元日本代表として、部員数を強さに変えるチームをたくさん見てきました。共通点は、コートの中も外も全員が動いていることです。

まずは次の練習で、3班ローテーションを試してみてください。

れおコーチ

さっそく班分け表を作って、次の練習から回してみます!

あげば

その調子!30人の熱気は、必ずチームの力になるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

バレーの指導・チーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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