バレーボール指導の基本|元日本代表が伝える教え方と練習設計

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バレーボール指導の基本3つを伝える元日本代表コーチと指導者
  • 自分の教え方がこれで合っているのか、自信が持てない
  • 同じミスを何度注意しても、なかなか直らない
  • 指導を体系的に学んだことがなく、我流のままで不安

こんな悩みを解決します。

バレーボール指導の基本は、正しい方向性を示す・できるところを褒める・悩みを細かく切り分けるの3つに集約されます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきた経験から、選手が伸びるかどうかは、才能よりも「指導者がどこへ向かわせるか」で決まると感じています。

教え方の技術は、部活の顧問でも保護者コーチでも、今日から身につけられるものばかりです。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  1. バレーボール指導で軸にすべき3つの基本がわかる
  2. 選手に伝わる言葉の選び方・ミスの直し方がわかる
  3. 怪我をさせず伸ばす練習設計の考え方がわかる

それでは、詳しく見ていきましょう。

目次

結論:バレーボール指導の3つの基本

先に結論からお伝えします。指導で迷ったら、次の3つに立ち返ってください。

指導の3つの基本
  1. 正しいフォームを早い段階で身につけさせる
  2. できるところを見つけて褒めることから始める
  3. ミスは症状ではなく「前の段階」から原因を探す

努力の方向性を間違えると、どれだけ練習しても大きな成果は出ない。

正しいフォームからはミスが起きにくく、変な癖がつく前に土台を作れます。だからこそ、方向性を示すのは指導者のいちばん大事な仕事です。

れおコーチ

教えることが多すぎて、何から手をつければいいのか…

あげば

全部を一度に教えなくていいんだよ。順番と方向を示すのがコーチの役割なんだ。

選手は最初、できないところばかりなのが当然です。そこでできない点を並べるのではなく、できるところを褒める指導から入るのがいちばん良い、と私は考えています。

そしてミスを直す時は、目の前の症状だけを見ず、原因を細かく切り分ける。この3つがそろうと、同じ練習時間でも選手の伸び方が目に見えて変わります。

この記事では、この3つの基本を軸に、伝え方・直し方・練習設計の順で具体的に見ていきます。

伝え方の基本:短く・具体的に・前向きに

同じ内容でも、伝え方ひとつで選手の吸収はまるで変わります。ポイントは3つです。

できたところを先に言葉にする

注意から入ると、選手の耳は閉じてしまいます。まず「今の助走のリズムは良かった」と、できた事実を短く伝えましょう。

できたところを言葉にするのは、甘やかしではありません。正しい動きがどれかを選手に教える、立派な技術指導です。

褒める場所が見つからない時は、結果ではなく変化と準備を見てください。

褒めどころを見つける3つの視点
  1. 変化:昨日より良くなった動きはどこか
  2. 準備:構え・声・1歩目など、結果の前の行動
  3. 姿勢:ミスの後に下を向かず切り替えられたか

結果は相手にも左右されますが、変化と準備は本人の努力がそのまま表れます。ここを褒められる指導者は、選手から信頼されます。

れおコーチ

つい、直したいところから口に出てしまうんですよね…

あげば

先に1つ認めてから直す。順番を変えるだけで、届き方が変わるよ。

指示は1回に1つへ絞る

声かけは気合いを入れるためのものではなく、情報を共有する技術です。

一度に3つも4つも指摘されると、選手はどれも直せません。今いちばん効く1つだけを選んで伝え、直ったら次へ進みます。

指摘は「今いちばん効く1つ」だけ。直ったら次の1つへ。

あわせて、あいまいな声を具体的な情報の声に置き換えると、選手はすぐ動けるようになります。

伝わりにくい声伝わる声
しっかり構えて肘を体の前に出して低く構えよう
もっと集中サーバーが打つ瞬間に足を止めて準備しよう
何やってるんだ今のは1歩目が遅れたね。ボールが出た瞬間に出よう
れおコーチ

具体的に言われると、選手も何をすればいいか迷わないですね!

あげば

そう。声かけの中身は、応援じゃなくて情報なんだよ。

直す時は「極端に」変えさせる

学生年代の選手は、少しずつ加減させるより、極端に変えさせる方が早く直ります。

たとえばサーブがネットにかかる選手には「アウトを目指して打ってごらん」と伝えます。本人が「今これを変えている」とはっきり自覚できるからです。

バボット

キョクタン ニ カエル ト ジカク デキル

真ん中を狙わせるより振り幅を大きく取らせた方が、体は正しい位置を早く見つけてくれます。

ミスの直し方:悩みを切り分けて「前の段階」を見る

技術指導でいちばん差がつくのが、ミスの原因をどこに見るかです。

動作はひとつながりで捉える

バレーボールの動作は、前の段階の結果が次の段階のスタート地点になります。

ミスの原因は、症状が出た段階ではなく「その前の段階」にあることが多い。

たとえばスパイクがネットにかかる場合、当て方だけを直そうとしがちですが、実際には肘が下がっている・ジャンプが前に流れているなど、前の段階に原因が隠れています。

「どの症状か」を細かく切り分けてから、その1つ前の動作をさかのぼって観察する。この癖がつくと、指導の的中率が一気に上がります。

れおコーチ

ミートばかり注意していました。原因は手前にあったんですね!?

あげば

そう。症状と原因は別の場所にある、と疑うのがコツだよ。

サーブでも同じです。ネットを越えない選手に「もっと強く当てよう」と言っても、なかなか変わりません。

原因は当てる瞬間ではなく、その前の腕の振りにあることが多いからです。スクールでも、肘の動かし方をレクチャーしただけで腕を素早く振れるようになり、サーブが一気に飛ぶようになった選手がいました。

「入らない」というひとつの症状も、トス・腕の振り・当てる瞬間のどこで起きているかを切り分ければ、かける言葉はまったく変わってきます。

スマホ撮影でフォームを見比べる

言葉で伝わらない時は、スマホでフォームを撮影し、本人のイメージや理想とする選手のフォームと見比べさせましょう。

選手は自分の動きを、実際よりうまくできているつもりで捉えていることが多いものです。映像はその思い込みを、誰も責めずに正してくれる中立な鏡になります。

進め方は、次の3段階が基本です。

STEP
練習中に横または斜め後ろからフォームを撮影する
STEP
理想のフォームと並べて、本人と一緒に見る
STEP
違いを本人の言葉で言わせてから、直す1点を決める

見比べたら「どこが違って見える?」と本人に言わせるのがポイントです。自分で気づいた修正は定着が早くなります。

週に1回、同じアングルで撮りためていくと、成長の記録にもなり、選手のモチベーションづくりにも役立ちます。

練習設計の基本:段階を踏んで、触る回数を増やす

伝え方とセットで大切なのが、練習そのものの設計です。

軽い負荷から段階的に上げる

いきなり強いスパイクを受けさせる・いきなり強い球を打たせるのは、怪我と恐怖心のもとです。

軽いボール・近い距離から始めて、できたら一段ずつ負荷を上げる。この段階設計そのものが、怪我予防にもなります。

たとえばレシーブなら、手で軽く投げた球、近くからの緩い打球、少しずつ距離と強さを上げた打球、という順番です。段階を踏むほど、恐怖心なく正しい面を作れるようになります。

成長期の選手は膝や腰を痛めやすいので、ジャンプ系の練習は本数を管理し、痛みの訴えがあれば休ませる判断を優先してください。

1人あたりのボール触球数を増やす

列に並んで順番を待つ時間は、上達につながりません。

コートを分割する・球出し役を交代制にする・ボールの数を増やすなどの工夫で、同じ時間でも1人あたりの触球数を最大化しましょう。

あげば

練習の質は、待ち時間の短さで決まると言ってもいいくらいなんだ。

時間配分に迷ったら、サーブとサーブレシーブを最優先にしてください。中学・高校の試合は、この2つの質で勝敗の大半が決まるからです。

迷ったらサーブとサーブレシーブへ時間を割く。ここが試合の失点に直結する。

きつさでバレー嫌いにさせない

練習がきつくてバレーボールを嫌いになってしまうのが、いちばん良くない結末です。

走り込みのしすぎには特に注意してください。体力づくりは目的を絞り、短時間で切り上げるのが基本です。

具体的なメニューの組み立て方は、練習メニューの記事で年代別・目的別に詳しく解説しています。

やってしまいがちなNG指導と直し方

長年の指導現場で見てきた、もったいないNGパターンを3つ紹介します。

怒鳴って動かそうとする

怒鳴られた選手は萎縮して、プレーが小さくなります。恐怖で動かした行動は、指導者がいない場面では再現されません。

感情の声を「次はこうしよう」という情報の声に置き換えるだけで、チームの空気は大きく変わります。

怒鳴りたくなった時ほど、深呼吸をして「次のプレーで何をさせたいか」を先に頭の中で決めてから口を開く習慣をつけましょう。

バボット

カンジョウ ヨリ ジョウホウ ヲ ツタエル

答えを先に言いすぎる

すべての場面で答えを与えると、選手は指示待ちになります。

フォームの正解は教えつつ、試合の判断は「今のはどう見えた?」と問いかけて、考える余白を残しましょう。

自分で考えて選んだプレーは、成功しても失敗しても選手の財産になります。教える場面と問いかける場面の使い分けが、自立したチームを育てます。

才能や身長であきらめさせる

「小さいから無理」という言葉は、選手の可能性と努力の芽を同時に摘みます。

継続的なトレーニングで技術も体も伸ばせます。指導者が先にあきらめないことが、選手の伸びしろを守ります。

体格に恵まれない選手には、サーブの精度・レシーブの安定・声かけなど、努力がそのまま強みになる役割を示してあげましょう。武器の見つけ方を教えるのも指導のうちです。

れおコーチ

思い当たることが、いくつもあります…

あげば

気づけた時点で、もう指導は変わり始めているよ。

バレーボール指導のよくある質問

バレーボール未経験でも顧問やコーチは務まりますか?

務まります。技術のお手本は動画や経験者に任せ、練習の目的を示す・声かけを整える・安全を管理するという指導者の本質的な役割に集中すれば、チームは十分に伸びます。

我が子と同じチームを指導する時の注意点はありますか?

我が子にだけ厳しく、または甘くなりやすい点です。全員に同じ基準で声をかけることを意識し、家ではバレーの話を引きずらない切り替えを作ってあげてください。

指導の勉強は何から始めればいいですか?

まず自チームの練習を録画して見返すことをおすすめします。あわせて、公認指導者資格の講習は安全管理や年代別の体の知識を体系的に学べる良い入り口になります。

選手に嫌われたくなくて、強く言えません。

強く言う必要はありませんが、要求水準は下げないでください。「ここまでできる力があるから求める」と基準と理由をセットで伝えれば、信頼はむしろ深まります。

指導者資格の制度については、公的な情報も参考になります。

出典:公認スポーツ指導者(日本スポーツ協会)

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まとめ:方向を示し、褒めて、切り分ける

バレーボール指導の基本は、難しい理論ではありません。正しい方向性を示し、できたところを褒め、ミスは前の段階から切り分けて直す。この繰り返しです。

場面基本の動き方
教える時正しいフォームを早い段階で示す
褒める時できた事実を先に、具体的に言葉へ
直す時症状の1つ前の段階から原因を探す
設計する時軽い負荷から段階的に・触球数を最大化

指導者の仕事は、選手の努力を正しい方向へ向けてあげること。

私は元日本代表として、方向性の定まった指導を受けたチームが、限られた環境でも着実に強くなる姿を何度も見てきました。

れおコーチ

まずは「先に1つ褒める」から、明日の練習で実践してみます!

あげば

その積み重ねが、選手にとっていちばんの環境になるよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コーチングやチーム運営については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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