- チームの子が飲んでいると聞いて、うちも必要なのか気になっている
- ドラッグストアの棚を見ても、種類が多すぎて何を選べばいいか分からない
- 成長期の体にサプリを入れて大丈夫なのか、正直こわい
こんな悩みを解決します。
結論からお伝えすると、部活を頑張る中高生にサプリメントは必須ではありません。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきましたが、体が大きく変わっていった選手は、サプリを増やした選手ではありませんでした。
毎日の食事と睡眠を、地味に積み上げていた選手です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 成長期にサプリメントを勧めない理由が分かる
- 買う前に確認しておく5つの順番が分かる
- それでも使うときの選び方と、危ない使い方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:土台は食事。サプリは足りない分だけを補う道具
まず、いちばん大事なところをお伝えします。
サプリメントは、食事で足りない分だけを補う道具であって、食事の代わりにはなりません。
ここを逆にしてしまうと、飲んでいる安心感で食事が雑になり、結果として体づくりが遅れてしまいます。
うさママ周りの子が飲んでいると、焦ってしまって。



焦る前に、ごはんの中身を見てみましょう。
実際、私が見てきた中高生で「栄養が足りない」と感じたケースの多くは、サプリがないことが原因ではありませんでした。朝ごはんを抜いている、練習後の食事までの時間が空きすぎている、そのどちらかです。
順番を間違えないでください。埋めるべきは、まず日々の食事の穴のほうです。
- 朝・昼・夕の3食を、主食と主菜をそろえて食べられているか
- 練習後、1時間以内に何か口に入れられているか
- 夜、6〜8時間まとまって眠れているか
この3つが崩れている状態でサプリを足しても、効果は感じにくくなります。逆に3つがそろっていれば、多くの子はサプリなしでも十分に伸びていきます。
食事の全体像は次の記事にまとめました。まずはこちらを土台にしてください。
成長期にサプリメントを勧めない3つの理由
「体に悪いから飲ませない」という単純な話ではありません。中高生という時期特有の、はっきりした理由が3つあります。
① 大人向けの量が、そのまま子どもには合わない
店頭に並んでいるサプリの多くは、大人の体を基準に作られています。1日に摂る量も、大人の体格と活動量を前提にした設計です。
同じ量を体の小さい中学生が飲めば、必要量を大きく超えてしまうことがあります。栄養素は多ければ多いほど良いものではありません。
とくに脂に溶けるタイプのビタミンは、体の外へ出にくい性質があると言われています。「余った分は出ていくから大丈夫」が、すべての栄養素に当てはまるわけではないのです。



多めに飲めば、その分よく効くのかと思ってました。



そこが、いちばん危ない思い込みですよ。
年代ごとに必要な量の目安は、厚生労働省の日本人の食事摂取基準で公開されています。
気になる栄養素があれば、一度目を通してみてください。
② 意図しないドーピングにつながることがある
中学・高校の年代でも、選抜や上のカテゴリーに進む選手は検査の対象になります。そして問題になるのが、本人にまったく悪気がないケースです。
サプリメントは食品なので、医薬品のように成分が細かく管理されているわけではありません。表示されていない成分が、製造の過程で混ざってしまうことがあると指摘されています。
知らずに飲んで違反になっても、責任は選手本人が負うことになります。
この考え方は、日本スポーツ振興センターのサプリメントを使用する前にというページにも整理されています。



そんなことまで考えていませんでした。



上を目指す子ほど、ここは知っておいてほしいところです。
③ 食べる力そのものが育たなくなる
3つ目は、長い目で見たときにいちばん響く理由です。
中高生の時期は、自分の体に必要な量を食べる感覚を身につけていく時期でもあります。「今日は動いたから、いつもより食べておこう」という判断ができるかどうかで、その後の伸びが変わります。
サプリで先に埋めてしまうと、この感覚を育てる機会が減ってしまいます。高校・大学と競技を続けるほど、自分で食事を管理する力が問われるようになるのに、です。



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もちろん、量が食べられない子もいます。その場合はサプリより先に、食べ方の工夫で増やす道を試してみてください。
使う前に確認する5つの順番
それでも検討したい、という場合の進め方です。買う前に、この順番で確認してみてください。
1つ目が、いちばん飛ばされやすい手順です。「なんとなく足りない気がする」で買ってしまうと、本当は足りていた栄養素を重ねて摂ることになりかねません。
書き出してみると、意外な穴が見えてきます。私が相談を受けた中でも多かったのは、練習後から夕食までの3〜4時間に何も口に入れていない、というパターンでした。



お腹は空くけど、家まで我慢してました。



そこはサプリじゃなく、おにぎり1個で埋まりますよ。
この時間帯の穴は、補食で埋めるのがいちばん確実です。費用も安く、消化の負担も軽くすみます。
そして5つ目を省かないでください。成長期の体に何かを足す判断は、家庭だけで完結させないほうが安全です。
とくにアレルギーがある子、薬を飲んでいる子は必ず先に相談してください。この記事でお伝えできるのは指導現場での考え方までで、医学的な判断は専門家の領域になります。
種類別に見る|必要になりやすい順
よく話題になる4種類を、中高生にとっての必要度が高い順に整理します。
| 種類 | 必要になりやすい場面 | まず試すこと |
|---|---|---|
| たんぱく質(プロテイン) | 練習量が多く、食事だけでは量が届かない | 牛乳・卵・肉・魚を1品足す |
| 鉄 | 疲れやすい・立ちくらみが続く | まず受診して原因を確かめる |
| カルシウム | 牛乳や乳製品をほとんど摂らない | 牛乳・小魚・豆腐を毎日の形にする |
| ビタミン・ミネラル | 野菜をほとんど食べない | 汁物と副菜で品数を増やす |
たんぱく質は「量が届かないとき」だけ
プロテインは、中高生でいちばん相談の多いサプリです。ただし前提として、たんぱく質は普通の食事からも十分に摂れます。
必要になるのは、練習量に対して食べる量が明らかに追いついていない場合です。判断の目安は次の記事で細かく整理しました。
鉄は自己判断で足さない
疲れやすさが続くと鉄不足を疑いたくなりますが、ここは自己判断で足してはいけない栄養素です。
鉄は摂りすぎても体に負担がかかる栄養素だと言われています。そして疲れやすさの原因は、鉄以外にもたくさんあります。
気になる症状があるなら、サプリを買う前に医療機関で調べてもらってください。
原因が分かってから対処するほうが、遠回りに見えて確実です。
カルシウムとビタミンは食事で届きやすい
骨が伸びていく時期なので、カルシウムを気にする保護者の方は多いです。ただしこの2つは、日々の食事でかなりの部分を埋められます。
牛乳をコップ1杯、豆腐や小魚を1品。この積み重ねのほうが、飲み忘れのあるサプリより安定します。



牛乳なら、毎日続けられそうです。



続けられる形にするのが、いちばん強いんですよ。
骨と野菜まわりの具体的な food は、次の2本にまとめてあります。
危ない使い方と、よくある勘違い
使うと決めた後にも、気をつけたい落とし穴があります。現場でよく見てきたものを挙げます。
一度に何種類も始める
いちばん多い失敗がこれです。2つ3つを同時に始めると、体に合わなかったときにどれが原因か分からなくなります。
始めるなら1つずつ、2週間ほど様子を見てから次を考えてください。
「飲んだから大丈夫」で食事が減る
サプリを始めた子に起きやすい変化です。飲んだ安心感で、食事の量や中身への意識が下がってしまいます。



プロテイン飲んだから、夕飯は軽くでいいかな。



それだと、始めた意味がなくなってしまいますよ。
サプリを始めるときは、食事を減らさないことを本人と約束してから始めてください。
疲労回復や集中力をうたう飲み物と混ぜる
エナジードリンクやカフェイン入りの飲料と一緒に使うのは避けてください。中高生にとってカフェインの摂りすぎは、睡眠を削る形で跳ね返ってきます。
眠れなくなれば、体づくりの土台そのものが崩れます。
保管を本人任せにする
意外に見落とされるのが保管です。錠剤やパウダーを部屋に置きっぱなしにすると、量の管理が本人任せになります。
「効いている気がするから多めに」が起きやすいのは、大人の目が届いていないときです。買った物は家庭で管理して、1日の量を決めておいてください。



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お金の使いどころを考える
もうひとつ、家庭にとって現実的な話をします。サプリは毎月かかる固定費になります。
月に3,000円をサプリに使うなら、同じ金額を食費や補食に回したほうが、多くの家庭では効果が高くなります。牛乳・卵・鶏むね肉・おにぎりは、それだけの金額があればかなりの量が買えるからです。
- 練習後すぐに食べられる補食(おにぎり・バナナ・牛乳)
- 朝ごはんに1品足せる食材(卵・納豆・ヨーグルト)
- 弁当の主菜を増やす食材
- そのうえで足りない分のサプリ
上から順に埋めていって、それでも届かない部分が残ったときに初めてサプリを検討する。この順番なら、お金も体も無駄になりません。
部活の食費そのものが重い場合は、抑え方をまとめた記事もあります。
そして忘れられがちですが、睡眠は無料です。体が作り直される時間そのものなので、練習量が増えた時期ほど守ってください。
よくある質問
まとめ:買う前に、1週間の食事を書き出す
部活の子にサプリメントは必須ではありません。土台は毎日の食事と睡眠で、サプリはそこで埋まらない分を補う道具です。
判断の入口は、店の棚ではなく、1週間の食事の記録。
| 状況 | まずやること | サプリの位置づけ |
|---|---|---|
| 3食そろって食べられている | いまの形を続ける | 必要なし |
| 練習後から夕食まで空く | 補食を1つ足す | 必要なし |
| 練習量に食べる量が届かない | 食事を1品増やす | 検討の余地あり |
| 疲れやすさが続く | 医療機関で原因を調べる | 自己判断で足さない |
私が見てきたなかで体が変わっていった選手は、特別な物を足した子ではありませんでした。朝ごはんを抜かず、練習後にすぐ何かを口に入れ、夜きちんと眠っていた子です。
地味ですが、いちばん確実な道でもあります。



まずは1週間、書き出してみます。



それが、いちばん確実な一歩ですよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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