バレー選手のビタミン・ミネラル|不足しやすい栄養素と食べ物

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バレー選手のビタミン・ミネラル 不足しやすい栄養と食べ物
  • ビタミンやミネラルが大事と聞くけれど、何をすればいいのか分からない
  • 野菜はあまり食べていないが、サプリメントで足りるのか気になる
  • 鉄やカルシウムが足りているのか、自分の食事で確かめたい

こんな悩みを解決します。

ビタミン・ミネラルは、体を動かすエネルギーづくりと、骨や血をつくる働きを支える栄養です。

まずは「肉・魚」「野菜」「牛乳・乳製品」「果物」を毎日の食事にそろえることが基本になります。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

この記事では、厚生労働省の基準とスポーツ栄養の声明、食品成分表の数字をもとに、バレー選手が気をつけたいビタミン・ミネラルを紹介します。

読み終わるころには、自分の食事に何が足りないのかを見つけやすくなるはずです。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • ビタミン・ミネラルが選手の体でしている仕事がわかる
  • 選手が不足しやすい栄養素と、1日の目安の量がわかる
  • その栄養素を多く含む身近な食べ物と、とり方のコツがわかる
目次

結論:ビタミン・ミネラルは「おかずの種類」でとる

結論からお伝えします。ビタミン・ミネラルは、1つの食べ物やサプリではなく、いろいろな種類のおかずをそろえることでとるのが基本です。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)などが出したスポーツ栄養の共同声明(2009年)があります。

この声明では、選手が不足しやすいものとして、カルシウム・ビタミンD・ビタミンB群・鉄・亜鉛・マグネシウムなどが挙げられています。

サルくん

そんなにたくさんあるんですか!?

あげば

1つずつ覚えなくても、食べ物の種類をそろえれば大丈夫だよ。

この記事のポイント
  • ビタミンB群は、ご飯などをエネルギーに変えるときに使われる
  • 鉄・カルシウム・亜鉛・マグネシウムは、選手の食事で不足しやすい
  • 12〜14歳はカルシウムの推奨量がすべての年代でいちばん多い
  • 鉄は肉・魚やビタミンCと一緒にとると吸収されやすい
  • 食事が足りていれば、サプリメントで成績が上がるわけではない

同じ声明では、食事を減らしている選手や、特定の食品をまったく食べない選手ほど不足しやすいとされています。まずは「食べる量」と「おかずの種類」を確保することが近道です。

バボット

タベル シュルイ ヲ ソロエル

ビタミン・ミネラルが選手の体でしている仕事

ビタミンとミネラルは、炭水化物・たんぱく質・脂質と比べると、必要な量はわずかです。それでも、足りなくなると練習で動ける体を保ちにくくなります。

仕事①:エネルギーをつくるのを助ける

1つ目は、エネルギーづくりを助ける働きです。ACSMなどの声明によると、ビタミンB1・B2・B6などのビタミンB群は、運動中のエネルギーづくりに関わっています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、ビタミンB1は使うエネルギーが増えるほど体の中で必要な量が増える、と書かれています。

毎日長く練習してたくさん食べる選手ほど、ビタミンB群もきちんととりたい理由がここにあります。

サルくん

ご飯を食べるだけじゃ、エネルギーにならないんですね!

仕事②:骨や血をつくる材料になる

2つ目は、体の材料としての働きです。同じ声明では、カルシウムは骨の成長や修復、筋肉が縮む動きの調整などに大切だとしています。

鉄は、血の中で酸素を運ぶヘモグロビンや、筋肉の中のミオグロビンの材料です。さらに、エネルギーづくりに関わる酵素にも使われます。

ジャンプと着地をくり返し、コートを走り回るバレーでは、骨の強さも酸素を運ぶ力も欠かせません。

あげば

ビタミンは「働きを助ける」、ミネラルは「材料になる」と覚えるといいよ。

不足に気をつけたい3つのミネラル

ここからは、選手が特に気をつけたいミネラルを見ていきます。数字は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の推奨量、食べ物の値は文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)」のものです。

鉄:肉・魚・貝からとりやすい

鉄の推奨量は、12〜14歳男子が1日9.0mg、15〜17歳男子も9.0mgです。女子の鉄の基準は、体の状態によって分けて決められています。

ACSMなどの声明では、鉄が不足した状態は選手に多く見られる栄養の問題の1つとされています。汗からも鉄は失われ、成長期で体が大きくなる時期も影響するんですよね。

食べ物(100gあたり)鉄
あさり缶詰(水煮)約30mg
豚レバー(生)約13mg
鶏レバー(生)約9mg
糸引き納豆約3.3mg
小松菜(生)約2.8mg
牛ヒレ肉(赤肉・生)約2.4mg

あさりの缶詰は、みそ汁やパスタに少し加えるだけでも鉄を足せる食べ物です。

レバーは鉄が多い一方で、ビタミンAもとても多く含まれています。毎日たくさん食べるものではないので、ときどき取り入れる程度にしましょう。

なお、疲れやすい・息が上がりやすいといった体調の変化が続くときは、食事で何とかしようとせず、医師に相談してください。

バボット

テツ ハ アセ カラモ ヘル

カルシウム:12〜14歳がいちばん多い

カルシウムの推奨量は、次のとおりです。12〜14歳男子の1日1,000mgは、すべての年代の中でいちばん多い量になっています。

年齢・性別カルシウムの推奨量
12〜14歳 男子1,000mg
12〜14歳 女子800mg
15〜17歳 男子800mg
15〜17歳 女子650mg

骨がぐんぐん育つ時期だからこそ、毎日の食事でしっかりとっておきたい栄養です。

食べ物(100gあたり)カルシウム
プロセスチーズ約630mg
さば缶詰(水煮)約260mg
小松菜(生)約170mg
ヨーグルト(無糖)約120mg
牛乳約110mg
木綿豆腐約93mg

牛乳ならコップ1杯(約200g)で約220mgになります。プロセスチーズは1切れ20gで約130mgです。

ACSMなどの声明では、カルシウムとビタミンDが足りないと、骨密度の低下や疲労骨折のリスクが高まるとされています。骨のための食事は、別の記事でくわしく紹介する予定です。

亜鉛・マグネシウム:肉・大豆製品に多い

亜鉛は、体の中でたんぱく質と結びついて、さまざまな働きを調整しているミネラルです。厚生労働省の資料では、不足すると味覚の異常や成長の遅れなどが起こるとされています。

マグネシウムも、ACSMなどの声明で選手の食事に不足しやすいミネラルの1つに挙げられています。

年齢・性別亜鉛マグネシウム
12〜14歳 男子8.5mg290mg
12〜14歳 女子8.5mg290mg
15〜17歳 男子10mg360mg
15〜17歳 女子8mg310mg

亜鉛は牛肉の赤身(約3.4mg)、あさり缶詰(約3.4mg)、プロセスチーズ(約3.2mg)に多く含まれます(いずれも100gあたり)。

マグネシウムは納豆(約100mg)、ほうれんそう(約69mg)、木綿豆腐(約57mg)などに多い栄養です。

肉と大豆製品を日替わりで主菜にすると、どちらのミネラルもとりやすくなります。

サルくん

朝ごはんに納豆を足してみます!

意識してとりたい3つのビタミン

次は、選手が意識しておきたいビタミンです。ミネラルと同じく、推奨量と目安量は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の値を使っています。

ビタミンB1:豚肉に多い

ビタミンB1の推奨量は、15〜17歳男子が1日1.2mg、女子が1.0mgです。12〜14歳は男子1.1mg、女子1.0mgとなっています。

食べ物(100gあたり・生)ビタミンB1
豚ヒレ肉約1.32mg
豚ロース肉(脂身つき)約0.69mg
鶏卵約0.06mg
ご飯(精白米)約0.02mg

豚ヒレ肉なら、100gで15〜17歳男子の推奨量をこえるほどです。一方、ご飯そのものにはビタミンB1はほとんど含まれていません。

ご飯をたくさん食べる選手ほど、豚肉などのおかずを組み合わせることが大切になります。

あげば

ご飯の量を増やした日は、おかずも一緒に見直してみよう。

ビタミンC:野菜と果物でとる

ビタミンCの推奨量は、12〜14歳が1日90mg、15〜17歳が100mgで、男女とも同じです。

ACSMなどの声明では、激しい運動を長く続けると、ビタミンCの必要量が増えるとされています。

食べ物(100gあたり)ビタミンC
ブロッコリー(生)約140mg
ブロッコリー(ゆで)約55mg
ピーマン(生)約76mg
キウイフルーツ(緑)約71mg
いちご約62mg
バナナ約16mg

同じブロッコリーでも、ゆでると100gあたりの値が下がることが成分表から分かります。野菜は生で食べられるものと、加熱するものを組み合わせるのがおすすめです。

果物を1日1回、朝ごはんや補食に足すだけでも、ビタミンCはとりやすくなります。

ビタミンD:魚と卵に多い

ビタミンDは、カルシウムと一緒に骨に関わるビタミンです。12〜17歳の目安量は、男女とも1日9.0μgとされています。

ビタミンDは日光を浴びると皮膚でもつくられます。そのため厚生労働省は、日常生活の中でできる範囲で適度に日光を浴びることも大切だとしています。

食べ物(100gあたり)ビタミンD
しろさけ(生)約32μg
さば缶詰(水煮)約11μg
鶏卵約3.8μg

さけ1切れ(80g)なら約26μgで、1日の目安量を大きくこえます。体育館での練習が多い選手は、魚や卵を意識して食べるようにしましょう。

バボット

タイイクカン バカリ ダト ヒニ アタラナイ

毎日の食事でビタミン・ミネラルをとるコツ

ここまでの栄養素を、毎日の食事で無理なくとるためのコツを紹介します。

1食に「主菜」と「副菜」をそろえる

1つ目は、1回の食事に主菜(肉・魚・卵・大豆製品のおかず)と副菜(野菜・きのこ・海藻のおかず)をそろえることです。

主菜からは鉄・亜鉛・ビタミンB1が、副菜からはビタミンC・マグネシウムがとりやすくなります。

コンビニで買うときも、おにぎりだけで終わらせず、サラダや野菜の入ったスープを1品足してみてください。

牛乳・乳製品と果物を1日1回ずつ足す

2つ目は、3食のどこかで牛乳・乳製品と果物を足すことです。

牛乳1杯(約220mg)とヨーグルト1個(100gで約120mg)を合わせると、カルシウムは約340mgになります。15〜17歳女子の推奨量650mgの半分以上です。

サルくん

朝に牛乳、帰りにヨーグルトなら続けられそうです!

鉄は肉・魚やビタミンCと一緒にとる

3つ目は、鉄の吸収を考えた組み合わせです。食べ物の鉄は、肉や魚に多い「ヘム鉄」と、野菜や大豆製品に多い「非ヘム鉄」に分けられます。

厚生労働省の資料によると、たんぱく質やビタミンCは鉄の吸収を助けます。反対に、お茶などに含まれるタンニンなどは吸収をさまたげるとされています。

小松菜や納豆の鉄も、肉・魚のおかずやブロッコリー、果物と同じ食事でとると、むだになりにくい組み合わせです。

あげば

鉄はおかずの組み合わせで、とりやすさが変わるんだ。

サプリメントより先に食事を見直す

最後に、ビタミン・ミネラルのサプリメントについてです。

食事が足りていればサプリは必要ない

ACSMなどの声明では、いろいろな食べ物から十分なエネルギーをとれていれば、ビタミン・ミネラルのサプリメントは一般に必要ないとされています。

同じ声明では、必要な量を食事でとれている人がサプリメントを使っても、競技の成績は上がらないとも書かれています。

まずは「3食しっかり食べているか」「おかずの種類が偏っていないか」を確かめることが先です。

サルくん

サプリを飲めば、うまくなると思ってました…。

あげば

まずは毎日の食事を整えるほうが、ずっと近道だよ。

とりすぎにも気をつける

ビタミン・ミネラルは、多ければ多いほどよいわけではありません。

厚生労働省の基準では、推奨量を大きくこえる鉄の摂取は、治療が目的の場合を除いて控えるべきだとしています。

カルシウムやビタミンDにも、とりすぎると体に悪い影響が出る量(耐容上限量)が決められています。ふつうの食事でこえることはまれですが、サプリメントを使うときは注意が必要です。

サプリメントには、禁止物質がまざっていてドーピング違反になる危険(うっかりドーピング)もあります。使う前には、医師や管理栄養士、指導者に相談してください。

バボット

サプリ ヨリ サキ ニ ゴハン

ビタミン・ミネラルについてよくある質問

野菜が苦手です。果物で代わりになりますか?

ビタミンCは、キウイフルーツやいちごなどの果物からもとれます。ただ、野菜には小松菜のカルシウムや鉄、ほうれんそうのマグネシウムなど、果物では補いにくい栄養もあります。食べられる野菜を1つずつ増やしながら、果物も一緒にとるのがおすすめです。

マルチビタミンのサプリを飲んでおけば安心ですか?

スポーツ栄養の声明では、十分な食事がとれていればビタミン・ミネラルのサプリメントは一般に必要ないとされています。また、サプリメントには禁止物質がまざる危険(うっかりドーピング)もあります。使う前に医師や管理栄養士、指導者に相談してください。

レバーは毎日食べたほうがいいですか?

レバーは鉄が多い食べ物ですが、ビタミンAもとても多く含まれています。毎日たくさん食べるのではなく、ときどき取り入れる程度にしましょう。ふだんは赤身の肉、魚、あさり缶、納豆などから鉄をとるのがおすすめです。

疲れやすいのは、ビタミンやミネラルが足りないからですか?

疲れやすさには、睡眠や練習量、体調などいろいろな原因が考えられるため、食事だけが原因とは言い切れません。疲れやすい状態が続くときは、自分で判断せずに医師に相談してください。

体の回復や食事・睡眠のバランスについては、こちらの記事でくわしく解説しています。

まとめ:ビタミン・ミネラルはおかずの種類をそろえてとろう

この記事では、バレー選手が気をつけたいビタミン・ミネラルを、国の基準とスポーツ栄養の声明をもとに解説しました。

主菜と副菜をそろえ、牛乳・乳製品と果物を1日1回ずつ足す。サプリメントより先に、まず食事を見直す。

栄養素とりやすい食べ物
鉄・亜鉛赤身の肉・あさり缶・納豆
カルシウム・ビタミンD牛乳・ヨーグルト・さけ・さば缶
ビタミンB1・C豚肉・ブロッコリー・果物

まずは今日の晩ごはんで、主菜と副菜がそろっているかを確かめてみてください。

サルくん

おにぎりだけの日は、サラダとヨーグルトも足します!

あげば

おかずの種類が増えると、体の調子も整いやすくなるよ。

参考にした資料

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

食事・栄養については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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