- 甘そうなので薄めて持たせているけれど、これで合っているのか不安
- 水・お茶・スポーツドリンク・経口補水液のどれを持たせるか毎朝迷う
- 毎日ペットボトルを買うのは高いので、家で用意できる方法を知りたい
こんな悩みを解決します。
先に結論をお伝えします。汗をたくさんかく日のスポーツドリンクは薄めない、経口補水液は体調を崩した日だけ、この2つを決めておけば毎朝迷わなくなります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、夏場に動きが落ちる選手ほど、水筒の中身が薄いスポーツドリンクだったことが何度もありました。
体育館は屋外より涼しく見えて、実際は風が通らず、汗の量は屋外と変わりません。中身の決め方は、季節と練習時間で変えるのが正解です。
ぜひ参考にしてみてください。
- 薄めていい日と薄めてはいけない日の見分け方がわかる
- 成分表示のどこを見れば選べるのかがわかる
- 毎日の飲み物代を下げながら質を落とさない方法が見つかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:練習用は薄めない、経口補水液は体調を崩した日だけ
まず答えからお伝えします。
- ①汗をたくさんかく日は、スポーツドリンクを薄めずに持たせる
- ②涼しい日や1時間程度の練習なら、水や麦茶で足りる
- ③経口補水液は、練習用ではなく体調を崩した日のための飲み物
薄めるかどうかで迷っている方がとても多いのですが、判断の軸は「甘さ」ではありません。軸になるのは、その日にどれだけ汗をかくかです。
甘さが気になるのは、糖分だけを見ているからです。スポーツドリンクにはもうひとつ、汗で出ていく塩分という大事な役割があります。
薄めると、糖分と一緒に塩分も薄まります。つまり、いちばん必要な成分まで減らしてしまうことになります。
うさママ薄めるのは体にやさしいことだと思っていました!?



涼しい日ならそれで大丈夫です。ただ、汗が出る日は逆になるんですよ。
夏の体育館で3時間動く日と、涼しい日の1時間の練習では、体から出ていく量がまるで違います。同じ中身で毎日通そうとするから、どこかでズレが出るわけです。
季節と練習時間で中身を切り替える。ここさえ決まれば、朝の迷いはほとんどなくなります。
薄めると熱中症対策としては弱くなる
なぜ薄めない方がいい日があるのか、体の側から見ておきましょう。ここがわかると、飲み物選びの判断が自分でできるようになります。
汗で出ていくのは水分だけではない
汗をなめると、しょっぱく感じます。あれは、水と一緒に塩分(ナトリウム)が体の外へ出ている証拠です。
出ていったのが水と塩分なのに、水だけを戻すとどうなるか。体の中の塩分の濃さが下がっていきます。
すると体は、これ以上薄まらないようにと、飲んだ水を尿として外へ出そうとします。飲んでいるのに足りない、という状態はここから生まれます。



たくさん飲んだのに、途中からバテるのはそれなんだ。



水分は入っているのに、体に留まっていないんです。
さらに、長い時間の運動で水だけを大量に飲み続けると、血液中の塩分が下がりすぎることがあります。頭痛や吐き気につながることもあるので、汗の量が多い日ほど注意しておきたいところです。
なお、症状が出たときは自己判断で様子を見ず、医師にご相談ください。
水やお茶だけでは追いつかない日がある
麦茶やお茶には、塩分がほとんど含まれていません。日常生活の水分補給としては十分ですが、汗をかき続ける場面では役割が変わります。
日本スポーツ協会の熱中症を防ごうというページでは、汗をかく場面での水分補給として、0.1〜0.2%程度の食塩水が適当だと示されています。水1Lに対して食塩1〜2gの濃さです。
市販のスポーツドリンクは、この濃さに近づけて作られています。だからこそ、薄めるとその設計から外れてしまうわけですね。



もともと計算されて作られているんですね。



そうなんです。だから夏はそのままが正解ですよ。
練習中の水分補給の量やタイミングは、こちらの記事で詳しく説明しています。
場面別に水筒の中身を決める
毎朝考えるのは大変なので、あらかじめ場面ごとに決めてしまうのがおすすめです。私がスクールの保護者の方にお伝えしているのは、次の3つの分け方になります。
涼しい日や短い練習は水・麦茶で足りる
体育館が涼しく、練習が1時間半程度で終わる日。この条件なら、水や麦茶で問題ありません。
汗の量が少ない日にスポーツドリンクを飲み続けると、糖分だけが積み上がっていきます。歯のことを考えても、毎日にはしない方が安心です。
夏の体育館や長い練習はスポーツドリンク
気温が上がる時期や、半日以上の練習・試合の日。ここが、薄めないスポーツドリンクの出番になります。
体育館は屋根があるぶん涼しく見えますが、風が通らず湿度がこもります。屋外より汗が引きにくい日もあるので、季節で判断してください。



冬でも動き続けると、けっこう汗をかくんだよね。



そうです。季節より、汗の量で決めましょう。
夏の体育館での過ごし方は、こちらにまとめています。
経口補水液は体調を崩した日のための飲み物
ここを勘違いしている方が、とても多いです。
経口補水液は、熱が出たときや、下痢・嘔吐で水分が失われたときに飲むものとして作られています。塩分が高めに設計されているぶん、普段の練習用には向きません。
毎日の練習に経口補水液を持たせるのは、目的から外れた使い方になります。
家に1本置いておいて、体調を崩した日や、真夏に体がだるそうな日にだけ出す。この距離感がちょうどよいでしょう。



効きそうだから、暑い日は毎日持たせていました…。



気持ちはわかります。ただ、非常用と考えた方が安全ですよ。
| 場面 | 水筒に入れるもの |
|---|---|
| 涼しい日・1時間半程度の練習 | 水・麦茶 |
| 夏の体育館・半日以上の練習や試合 | スポーツドリンク(薄めない) |
| 発熱・体調不良で水分が抜けた日 | 経口補水液(その日だけ) |
成分表示で見るのは2つの数字だけ
売り場にはたくさんの商品が並んでいます。全部を比べる必要はなく、裏の表示で見るところは2つだけです。
ナトリウムは100mlあたり40〜80mgが目安
先ほどの0.1〜0.2%の食塩というのは、表示の上ではナトリウムの量として書かれています。100mlあたり40〜80mg前後が、その範囲に近い数字です。
食塩相当量で書かれている商品もあるので、その場合は100mlあたり0.1〜0.2gを目安にするとよいでしょう。
数字が低すぎるものは、味は飲みやすくても、汗をかく日の補給には物足りない場合があります。
糖質は4〜8%が使いやすい
もうひとつが糖質です。100mlあたり4〜8g、つまり4〜8%くらいが、運動中に使いやすい濃さとして広く目安にされています。
これより濃いと、胃から先へ進むのに時間がかかることがあります。ジュースや炭酸飲料を練習中に飲むと重く感じるのは、このためです。



数字が2つだけなら、自分でも見られそう!



十分です。この2つで、ほぼ選べますよ。
- ナトリウム:100mlあたり40〜80mg(食塩相当量なら0.1〜0.2g)
- 糖質:100mlあたり4〜8g
なお、持病があるお子さんや、水分・塩分の量に制限がある場合は、目安をそのまま当てはめず、かかりつけの医師にご相談ください。
部活家庭には粉末タイプが回しやすい
ここからは、家計と手間の話です。毎日ペットボトルを買うと、費用も持ち運びの重さも積み上がっていきます。
粉末タイプなら、1Lあたりの単価がぐっと下がります。しかも、家で作れるので買い出しの回数も減らせます。
表示どおりの量で作る
粉末で気をつけたいのは、目分量で作らないことです。薄く作ってしまえば、ペットボトルを薄めているのと同じ状態になります。
袋に書かれた分量を、水の量とセットで守る。ここだけ守れば、市販のものと同じ設計で飲ませられます。



なんとなくで入れていたかもしれません。



最初の数回だけ計れば、あとは目が覚えますよ。
作った日のうちに飲みきる
もうひとつが衛生面です。糖分を含む飲み物は、時間が経つと傷みやすくなります。
作り置きはせず、その日の朝に作って、その日のうちに飲みきる。夏場は特に、この習慣を崩さないようにしてください。
飲み残しをそのまま翌日に持ち越すのも避けたいところです。帰宅したら中身を捨てて、水筒を洗う。ここまでを1セットにしておくと安心できます。
保護者がやりがちな3つの失敗
最後に、現場でよく見かける失敗を3つ挙げておきます。どれも、知っていれば避けられるものばかりです。
①スポーツドリンク非対応の水筒に入れる
見落としやすいのが、水筒側の問題です。ステンレスの水筒には、スポーツドリンクを入れられるものと、そうでないものがあります。
対応していない水筒に入れると、内側の金属が傷み、さびの原因になることがあります。金属の成分が飲み物に溶け出す心配もあるため、必ず表示を確認してください。
スポーツドリンク対応と書かれた水筒かどうか、買う前に必ず確認する。
冷たさを保てるボトルなら、たとえばこのようなスポーツボトルがあります。
水筒の選び方は、こちらの記事にまとめました。
②薄めて安心してしまう
2つ目が、この記事の中心にあたる失敗です。甘さを減らしたい気持ちから薄めると、塩分まで減ってしまいます。
糖分が気になる日は、薄めるのではなく、水や麦茶に切り替える。この方が、目的がはっきりしていて分かりやすいでしょう。



薄めるか、変えるか。二択で考えればいいんですね。



そのとおりです。中途半端が、いちばんもったいないですから。
③飲んだあとの歯のケアを忘れる
3つ目が、歯のことです。スポーツドリンクは糖分と酸を含むため、だらだら飲み続けると歯にとっては厳しい環境になります。
練習が終わったら水で口をゆすぐ、家に帰ったら早めに歯をみがく。この2つを習慣にしておくだけで、リスクはかなり下げられます。



帰ったらうがい、覚えとく!



それだけで十分です。難しいことはしなくていいんですよ。
練習の前・中・後で飲み方を変える
中身が決まったら、次は飲み方です。同じ量でも、タイミングを分けるだけで体の残り方が変わります。
いちばん多いミスが、休憩のたびに一気に飲むパターンです。一度にたくさん入れても、体が吸収できる量には限りがあります。
こまめに、少しずつ。これだけで、後半の動きが変わってきます。
練習中に足がつりやすい選手は、飲み方と塩分の両方を見直してみてください。
試合の日は、飲み物だけでなくエネルギーの補給も必要になります。合間に食べるものは、こちらを参考にしてみてください。
よくある質問
まとめ:薄めるか迷ったら、汗の量で決める
バレー部の飲み物選びは、商品の良し悪しよりも、その日の汗の量で決まります。
汗をかく日は薄めないスポーツドリンク、涼しい日は水や麦茶、体調を崩した日だけ経口補水液。この3つに分けておけば、毎朝の判断はほとんど自動になります。
薄めるか、別の飲み物に変えるか。この二択で考えると迷いません。
私は元日本代表として活動したあと、10年以上スクールで中高生を指導してきました。夏に動きが落ちる選手を見るたびに感じるのは、努力の量ではなく、補給の中身でつまずいているケースが多いということです。
まずは今日、お子さんの水筒の中身と、裏の表示の2つの数字を確かめてみてください。そこが整うだけで、後半の粘りが変わってきます。



汗の量で決める。これなら朝でも判断できます♪



それで十分です。難しく考えず、続けていきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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