夏休みにバテないバレー部の体づくり|回復を増やす5つ

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バレー部の夏休みの過ごし方|練習が増える時期に体を崩さない5つの習慣
  • 夏休みは練習時間が一気に増えて、体がもつのか不安になる
  • 毎日くたくたで、後半になるほど動きが悪くなっていく
  • 休みが終わるころには疲れが抜けず、バレーが楽しくなくなってきた

こんな悩みを解決します。

夏休みを崩れずに乗り切るコツは、練習が増えた分だけ、回復も同じだけ増やすことです。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで指導してきて感じるのは、夏休みで差がつくのは練習した時間の長さではないということです。

同じ練習量をこなしても、8月の終わりに伸びている選手と、疲れだけが残る選手にはっきり分かれます。

分かれ目になるのは、練習が終わったあとの過ごし方と、休む日の使い方です。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 夏休みに体が崩れる原因が、練習量以外のどこにあるのかがわかる
  • 練習が増える時期に必ず入れておきたい5つの習慣がわかる
  • 休み明けの新学期と秋の大会へ、疲れを残さずつなげられる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:練習を増やすより、回復を増やすほうが先

先に結論からお伝えします。夏休みの過ごし方は、次の3つに整理できます。

夏休みに守る3つの原則
  • 練習が2倍になった日は、寝る時間と食べる量も増やす
  • 暑さ対策は気持ちでがんばらず、飲む量と休む回数を決めておく
  • 8月の後半に燃え尽きないよう、休む日を先にカレンダーへ書き込む

いちばん大事なのは、夏休みに伸びるかどうかは、練習した時間ではなく回復できた量で決まるという点です。

体が強くなるのは練習している最中ではありません。練習で受けた刺激を、休んでいる間に作り直すことで強くなります。

つまり練習だけを2倍にして、寝る時間も食べる量もそのままにすると、材料が足りないまま作業だけが増えている状態になります。

夏休みの後半に動けなくなる選手は、この形になっていることがほとんどです。

サルくん

たくさん練習したほうが強くなると思っていました…。

あげば

練習は「きっかけ」で、強くなるのは休んでいる間なんだ。だから休む側も一緒に増やすんだよ。

もう1つ気をつけたいのが、練習がきつすぎてバレーそのものが嫌になってしまうことです。

私が指導するときにいちばん避けたいのはここで、走り込みをやりすぎて夏の終わりに気持ちが切れてしまう選手を何人も見てきました。

体の疲れは数日で戻せますが、気持ちが離れると戻すのに何か月もかかります。

あげば

夏の目標は「やりきること」じゃなくて、9月に元気でいることなんだ。

そもそも休むことは、さぼることではありません。

スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインでも、長期休業中は週2日以上の休養日を設けることと、ある程度長期の休養期間を設けることが示されています。

ここからは、夏休みに崩れる3つの原因・崩れないための5つの過ごし方・やってはいけないこと・休み明けへのつなぎ方の順に見ていきます。

夏休みに体が崩れる3つの原因

なぜ夏休みは、練習しているのに動きが悪くなっていくのでしょうか。原因は大きく3つに分けられます。

原因①:練習量だけが一気に増える

学校がある時期の練習は、放課後の2時間ほどが中心です。

これが夏休みに入ると、午前と午後の2部練習や、丸1日使った練習試合に変わります。1日の運動量が2倍から3倍になる計算です。

問題は、増えるのが練習だけという点にあります。寝る時間も食べる量も普段のままだと、体を作り直す作業が追いつきません。

疲れが取れないまま次の練習が来る日が続くと、疲労は少しずつ積み上がっていきます。筋肉痛が何日も引かないときは、この状態を疑ってみてください。

引かない筋肉痛の見分け方はバレーの筋肉痛が続く原因|ケアの手順と練習を休む目安にまとめています。

原因②:暑さで体力が余計に削られる

夏の体育館は、外より暑く感じることがあります。窓を閉め切った場所ではなおさらです。

暑い場所で動くと、体は筋肉を動かすためだけでなく、体温を下げるためにも力を使います。同じ練習でも消耗が大きくなるのはそのためです。

さらに汗で水分と塩分が抜けると、足がつったり集中が切れたりします。夏休み後半のミスの増え方には、この消耗が関わっていることが少なくありません。

バボット

夏ノ体力 ハ 動クタメト 冷ヤスタメニ 使ワレル

暑さへの備え方はバレー部の熱中症対策|体育館の暑さから中高生を守る手順でくわしく解説しています。

原因③:生活のリズムが後ろにずれる

見落とされがちなのが生活面です。

学校がないぶん夜ふかしをしても翌朝に困りません。ところが練習は朝から始まるので、睡眠時間だけが短くなっていきます。

寝る時間が1時間ずれると、体を作り直す時間も1時間減ります。これが2週間続けば、練習の効果は目に見えて落ちるのではないでしょうか。

宿題を後半にためこむと、8月の終わりに寝不足が続きます。

バボット

夜更カシ1時間 ハ 回復1時間ノ 損

夏休みの体調は、練習の中身と同じくらい生活の組み立てで決まります。

1日の予定の組み方はバレー部の夏休みの過ごし方|1日の流れと体を守る5つの手順が参考になります。

崩れずに乗り切る5つの過ごし方

夏休みの練習後にストレッチと水分補給をするバレー部の選手

ここからが本題です。練習量が増える時期でも崩れないための5つを紹介します。

①睡眠を、学校がある日より長くとる

まずはここからです。練習が増えた時期は、普段より30分から1時間長く寝ることを目標にしてみてください。

寝ている間に、体を作り直すはたらきがいちばん進みます。練習が2部になった日は、その材料も倍いると考えてちょうどよいくらいです。

昼と夜の2回練習がある日は、昼休みに15分から20分の仮眠を入れるのも有効です。長く寝すぎると夜の睡眠に響くので、短く区切るのがコツになります。

目安の時間はバレー選手の睡眠時間の目安|夜型を直して疲れを残さない方法を参考にしてください。

バボット

練習ガ倍ナラ 休ミモ倍ニ スル

②飲む量と休む回数を、先に決めておく

暑い時期の水分は、のどが渇いてから飲むと間に合わないことがあります。

練習の前にコップ1杯、練習中は15分から20分おきに数口、終わってからも1杯というように、飲むタイミングを決めておくと抜けがありません。

汗を多くかく日は、水だけでなく塩分も一緒にとります。スポーツドリンクや塩分を含むタブレットを持っていくと管理しやすくなります。

飲む量の目安はバレー選手の水分補給|練習中に飲む量とタイミングの目安にまとめました。

サルくん

練習に集中していると、つい飲むのを忘れちゃいます。

あげば

だから「時間で飲む」と決めるんだ。のどの渇きは、あてにしないほうがいいよ。

③練習後10分のクールダウンを省かない

練習が長い日ほど、終わったあとに何もせず帰りたくなります。ここを省くかどうかで、翌日の体がはっきり変わります。

軽く歩いて心拍を落とし、太ももの前後・ふくらはぎ・股関節をゆっくり伸ばします。10分あれば十分です。

跳んだ回数が多かった日は、ふくらはぎと足首を長めに伸ばしてください。夏休みはジャンプの総数が普段の何倍にもなるため、下半身に疲れが集まります。

手順はバレーの練習後クールダウン|疲れを翌日に残さない5分の手順で紹介しています。

あげば

10分のクールダウンは、次の日の練習の質を上げる投資だと思ってほしいな。

④食事の量と回数を増やす

練習量が増えたのに食事が普段のままだと、体は作り直す材料が足りません。

朝・昼・夜の3食に加えて、練習の前後に補食を1回ずつ入れる形が組みやすいと思います。おにぎりやバナナ、牛乳などで構いません。

暑さで食欲が落ちる日もあります。そういう日は無理に量を詰め込まず、飲み物やのど越しのよいものから入れていくほうが続きます。

食欲がない日の工夫は夏バテを防ぐ食事|食欲がなくても喉を通るメニューにまとめました。栄養の全体像はバレーボールの食事メニューの基本|勝てる体を作る栄養バランスが参考になります。

サルくん

練習前におにぎり1個なら食べられそうです!

⑤休む日を、カレンダーに先に書き込む

最後は休養日です。予定が埋まってから休みを探すのではなく、先に休む日を決めてしまいます。

丸1日オフの日を週に1日か2日、夏休みの最初のうちに決めておくと、疲れが積み上がる前に区切りが入ります。

その日は体を完全に止めるのではなく、散歩やストレッチくらいで血を巡らせておくと回復が進みやすくなります。

過ごし方はバレーのオフの日の過ごし方|休養日にやる5つとやらない3つを読んでみてください。

バボット

休ム日ヲ 先ニ 決メテオク

夏休みにやってはいけない3つ

夏休みに走り込みをやりすぎる選手を止めるバレーボール指導者

よかれと思ってやったことが、かえって夏休みを台無しにすることがあります。次の3つは避けてください。

夏休みの3つのNG
  • 疲れているのに、走り込みの量だけを増やす
  • 痛みが出ているのに、休んだら遅れると思って続ける
  • 8月の前半に飛ばしすぎて、後半を消化するだけで終わる

いちばん多いのが、時間があるからと走り込みを足してしまうパターンです。

心肺機能を上げる練習自体は必要で、心拍数が上がった状態で動き続ける時間は夏休みに取り組む価値があります。ただし疲れが抜けていない日に量だけ足すと、体を削るほうへ傾きます。

サルくん

走った日ほど、がんばった気がしちゃうんですよね。

あげば

その感覚が危ないんだ。きつい練習で、バレーそのものが嫌になるのがいちばんもったいないよ。

2つ目は、痛みを我慢して続けることです。夏休みは練習日が続くため、1日休むことに強い抵抗を感じやすくなります。

膝や腰、足首に痛みが出たときは、その日の練習量を落としてください。痛みが数日引かないときは医療機関で見てもらうのが確実です。

成長期は、跳ぶ回数が増えると膝や腰に負担が集まりやすい時期です。着地で膝を軽く曲げて音を立てずに下りるだけでも、負担の集まり方が変わります。

3つ目が、前半に飛ばしすぎることです。8月の最初の1週間で満足してしまうと、後半は同じメニューをこなすだけの時間になります。

夏休みは1か月前後あるので、前半・中盤・後半で目的を変えると気持ちが持ちます。

休み明けと秋の大会へのつなぎ方

夏休みは、それ自体がゴールではありません。多くのチームでは、休み明けに新人戦や秋の大会が控えています。

STEP
8月前半:体力づくりとフォームの作り直しに時間を使う
STEP
8月中盤:練習試合を入れて、覚えた形を試す
STEP
8月後半:練習量を少しずつ落として、疲れを抜きながら実戦の感覚を上げる

大事なのは、最後の1週間で練習量を落とすことです。疲れきったまま大会に入ると、いちばん動けない状態で本番を迎えることになります。

試合前は、練習量を落としても強度は残すと覚えておくと調整しやすくなります。短い時間で、試合と同じ速さの動きを入れる形です。

新学期が始まると生活のリズムも戻ります。夜ふかしが続いていた場合は、休みの最後の数日をかけて寝る時間を前へ戻しておくと、初日から動けます。

秋の大会の位置づけはバレーの新人戦とは|時期・出場学年・新チームの準備で解説しています。

サルくん

最後まで全力で練習するのが正解だと思っていました。

あげば

疲れを抜く期間まで含めて練習だよ。休み明けの初日に動けるかどうかで、秋の立ち上がりが変わるんだ。

夏休みだからこそ伸ばせること

まとまった時間が取れるのは、1年の中でこの時期だけです。学校がある期間には手をつけにくいことに使えます。

フォームを一度作り直す

試合が続く時期は、フォームを直している途中で試合が来てしまいます。夏休みなら、崩して作り直す時間が取れます。

おすすめはスマホで自分の動きを撮ることです。自分のイメージと実際の動きは、思っている以上にずれています。

理想とする選手の映像と並べて見比べると、直す場所がはっきりします。1つずつ、順番に取り組んでみてください。

撮り方と見るポイントはバレーのフォームを動画で直す方法|撮る角度と見るポイントにまとめています。

あげば

「教わった1つのやり方」を疑ってみるのも、時間がある時期だからできることだよ。

体の土台を作る

もう1つが、体づくりです。技術の練習と違って、成果が出るまで時間がかかるぶん、まとまった期間と相性がよいテーマになります。

中学生の年代では、重い器具を使う必要はありません。自分の体重を使った動きと、心拍を上げるダッシュのくり返しで十分に土台は作れます。

器具である程度の重さを扱うのは、体の成長を考えると高校年代からで間に合います。

メニューの選び方は中学生の筋トレはいつから|成長期に効く自重トレと避けることを参考にしてください。

サルくん

この夏は、跳ぶための土台を作ってみます!

よくある質問

夏休みは毎日練習があります。どこで休めばいいですか?

練習が毎日ある場合でも、丸1日オフの日を作れないか指導者に相談してみてください。
難しいときは、練習後のクールダウンと睡眠時間を優先し、家では体を動かさない日を作るだけでも回復は進みます。

練習の後に食欲がありません。無理にでも食べたほうがいいですか?

無理に固形物を詰め込む必要はありません。
牛乳やヨーグルト、果物など、のど越しのよいものから入れて、食欲が戻ってから主食を足していく順番がおすすめです。

8月の後半になると動きが悪くなります。原因は何ですか?

疲れが積み上がっているか、睡眠と食事が練習量に追いついていない可能性があります。
数日は練習量を落として様子を見て、それでも戻らないときは体調面を医療機関で確認してみてください。

部活が休みの日に、自主練をしてもいいですか?

休養日は体を作り直す日なので、追い込む練習は入れないほうが効果的です。
どうしてもやりたいときは、直上パスやストレッチなど、息が上がらない範囲にとどめてみてください。

まとめ

夏休みは練習量が一気に増えますが、増やすべきなのは練習だけではありません。

練習が増えた分だけ、睡眠・食事・休養日も一緒に増やすことが、崩れずに伸びるための答えです。

場面やること目安
練習が増えた日睡眠を長くとる普段より30分〜1時間
練習中水分と塩分をとる15〜20分おきに数口
練習後クールダウン10分
毎日食事+補食3食+練習前後に1回ずつ
週ごと完全オフの日週1〜2日
8月後半練習量を落として調整大会前の1週間

私は元日本代表として長く競技を続けてきましたが、夏に伸びた選手ほど、練習と同じくらい休み方を丁寧に決めていました。

サルくん

まず休む日をカレンダーに書いてきます!

あげば

それが最初の一歩だね。夏の終わりに、疲れじゃなくて自信が残るようにしていこう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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