- 新人戦がどんな大会なのか、よく分かっていない
- うちの子が出られるのか、何年生の大会なのか知りたい
- 新チームになったばかりで、何を準備すればいいか分からない
こんな悩みを解決します。
新人戦は、3年生が引退したあとの新チームで戦う、最初の公式戦です。多くの地域で1・2年生が対象になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールを運営し、中学生の年間の大会スケジュールを組み立ててきました。
その経験から言うと、新人戦は勝ち負けよりも「今のチームに何が足りないか」がはっきり出る大会です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 新人戦の時期と、出られる学年がわかる
- 新チームが大会までに優先してやることがわかる
- 結果が出なかったときの受け止め方がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:新人戦は新チームで戦う最初の公式戦
先に結論からお伝えします。新人戦とは、3年生が引退して代が替わったあと、新しいメンバーで臨む最初の公式戦のことです。
正式には「新人大会」という名称を使う都道府県が多く、中学校・高校のどちらにもあります。
- 3年生が引退したあと、新チームで戦う最初の公式戦
- 出場できるのは、おおむね1・2年生(高校は1・2年生、中学は1・2年生)
- 開催時期・大会名・出場資格は、都道府県や地区によって差がある
サルくん練習試合とは、なにが違うんですか?



公式戦なので、記録が残って次の大会にもつながります。
ここが練習試合との一番の違いです。新人戦の結果は記録として残り、次の大会のシードや組み合わせに影響する地域があります。
そのため、新チームにとっては「実力を試す場」であると同時に、「翌年に向けた立ち位置が決まる場」にもなります。
一方で、新チームが動き出してからまだ日が浅い時期の大会でもあります。仕上がっていない状態で臨むのが前提の大会だ、と考えておいてください。
この記事では、時期・出場学年・大会の意味・準備・結果の受け止め方・保護者の関わり方の順に見ていきます。
新人戦が行われる時期は都道府県で違う
新人戦の時期は、全国で統一されていません。ここを勘違いすると、準備のスケジュールがまるごとずれてしまいます。
まず押さえておきたいのは、新人戦の日程は都道府県や地区によって差が大きいという点です。同じ県内でも、地区大会と県大会で2〜3か月あくことがあります。
正確な日程は、必ず所属している中学校体育連盟・高等学校体育連盟や、都道府県のバレーボール協会が出す大会要項で確認してください。
都道府県協会の連絡先は、日本バレーボール協会(JVA)の公式サイトからたどれます。
中学の新人戦は秋から冬にかけて行われることが多い
中学校の場合、3年生が引退するのは夏の総体(全国中学校体育大会につながる大会)が終わったタイミングです。
そこから新チームが動き出し、秋以降に新人大会を迎える地域が多くなります。
私がスクールを運営していた千葉県松戸市では、年間の大会が次のような並びになっていました。
- 5〜6月:選手権大会
- 7月:総体(3年生はここで引退)
- 10〜11月:新人戦
- 2月:1年生大会
この例では、総体から新人戦まで3か月ほどあります。ただし地区によっては、9月に地区予選が入ったり、県大会が翌年にまわったりすることもあるんです。
「うちの地域は10月」と決めつけず、毎年の要項を見る習慣をつけてください。
高校の新人戦は冬に行われることが多い
高校の場合は、夏のインターハイ(全国高等学校総合体育大会)で3年生が引退します。
そのあと新チームで臨む大会として、秋から冬にかけて春高バレーの都道府県予選があり、新人大会はそれと前後する形で組まれます。
つまり高校では、新人戦の前に大きな公式戦が入る地域も珍しくありません。この場合、新人戦は「新チーム最初の公式戦」ではなく「2つ目の公式戦」になります。



中学と高校で、そんなに違うものなんですね…。



大会の並び方が違うので、準備の考え方も変わってきます。
高校生の場合は、春高予選と新人大会のどちらを主目標にするかを、指導者が早い段階で決めているはずです。
保護者の方は、まず顧問の先生に「今年の目標にしている大会はどれか」を確認しておくと、家庭でのサポートも組み立てやすくなります。
新人戦に出られるのは何年生か
次に多い疑問が、出場できる学年です。ここは大会要項で明確に決められています。
原則として、新人戦に出場できるのは、3年生を除いた1・2年生です。中学・高校ともにこの考え方は共通しています。
3年生が出られないのは、この大会が「次の代の力を見る」ことを目的にしているからです。
学年の区切りは「3年生が引退したあと」で考える
新人戦の学年の区切りは、4月ではなく「3年生の引退」を基準に考えると分かりやすくなります。
夏の大会で3年生が抜けた瞬間から、新チームがスタートします。その新チームで戦うのが新人戦です。
そのため、同じ2年生でも「引退前は3年生の下でサポート役だった選手」が、新人戦では主力として出ることになります。



急に自分たちの代になるんだ!



そう。だからこそ経験になる大会なんだよ。
この切り替わりの早さが、新人戦の難しさでもあり、面白さでもあるんですよね。
1年生が出られるかはチーム事情で決まる
「1年生も出られるのか」は、よく聞かれる質問です。
要項の上では1年生も出場できます。ただし実際にコートに立てるかどうかは、チームの人数や実力によって変わります。
部員が多い学校では、2年生が中心になり、1年生はベンチから経験を積む形が一般的です。
逆に部員が少ない学校では、1年生が最初から主力として出ることも珍しくありません。
- 部員数(6人ぎりぎりなら1年生も必ず出る)
- 入部からの経過月数(4月入部なら半年ほど)
- 基礎技術の到達度(サーブが安定して入るか)
- 大会の位置づけ(経験を積ませる方針かどうか)
出番がなかったとしても、公式戦の空気を近くで感じられること自体に価値があります。ここは家庭でも伝えてあげてほしいところです。
新人戦が新チームにとって大事な3つの理由
新人戦は「まだ仕上がっていない時期の大会」です。それでも大事にしてほしい理由が3つあります。
練習試合では出ない課題が見つかる
1つ目は、課題の見つかり方が違うことです。
練習試合では、負けていても淡々と進みます。ところが公式戦になると、緊張で普段どおりに動けない選手が必ず出てくるんです。
公式戦の緊張の中で崩れる場所こそ、そのチームの一番弱い部分です。
サーブが急に入らなくなる、声が出なくなる、簡単なレシーブが乱れる。こうした崩れ方は、練習試合ではなかなか表に出ません。



練習ではできていたのに、なんでだろう…。



それが公式戦です。崩れた場所が、次の課題になります。
新人戦は、その弱点を早い段階で見つけられる場になります。
次の大会のシードや組み合わせにつながる
2つ目は、記録が残ることです。
地域によっては、新人戦の結果が次の大会のシード権や組み合わせに反映されます。
強いチームと初戦で当たるか、勝ち上がってから当たるかで、大会の見え方は大きく変わります。
もちろん、シードのためだけに戦うわけではありません。ただ、公式戦の記録が積み上がっていくという感覚は、選手にとって大きな動機づけになります。
下級生が公式戦を経験できる
3つ目は、経験の場としての価値です。
3年生がいる間は、下級生がコートに立てる機会は限られます。新人戦は、その制限がなくなって最初の大会になります。
会場の広さ、審判の笛、記録席の存在。こうした要素は、体育館での練習では再現できません。



公式戦ノ空気ハ練習デ作レナイ
一度でも公式戦を経験しておくと、翌年の大きな大会で動きが変わってきます。
新人戦までにやることを優先順位で決める
準備の時間は、思っているより短いものです。総体から新人戦まで、実質2〜3か月しかありません。
限られた時間で成果を出すには、やることを絞る必要があります。
まずサーブとサーブレシーブを固める
最初に手をつけてほしいのが、サーブとサーブレシーブです。
理由ははっきりしています。バレーボールは、サーブとサーブレシーブが崩れると、そもそも試合が成立しないからです。
スパイクがどれだけ打てても、サーブが入らなければ得点は相手に流れます。サーブレシーブが返らなければ、攻撃の形すら作れません。
私は大会前の時期には、練習時間の配分をサーブ・サーブレシーブ側に寄せるようにしていました。
- 大会前:サーブ・サーブレシーブに7、その他に3
- 通常期:サーブ・サーブレシーブに5、その他に5
- 冬の強化期:サーブ・サーブレシーブに4、その他に6
サーブレシーブの目標水準は、5本受けたうちAパス2本・Bパス2本・Cパス1本が理想です。2本に1本が失点につながる状態では、公式戦は戦えません。
ポジションと役割を早めに決める
もう1つが、ポジションと役割の確定です。
新チームは、誰がどこを守るかが決まっていない状態から始まります。ここが曖昧なままだと、試合中のボールの落ち方がいつも同じ場所になります。
完璧に決める必要はありません。ただ、大会の1か月前には、スタメン6人と交代の1〜2人まで固めておきたいところです。
決めたあとは、その並びで練習試合を重ねてください。並びが変わるたびに、連携は最初からやり直しになります。



途中で変えたくなったら、どうするんですか?



変えるなら早く。大会直前の変更はおすすめしません。
サーブとポジション以外にも手をつけたくなりますが、この2つが固まらないうちに戦術を足しても機能しません。
くわしい新チームの立ち上げ方は、こちらの記事にまとめています。
結果が出なかったときに大事にしたいこと
新人戦は、思ったような結果にならないことのほうが多い大会です。ここでの受け止め方が、その後の1年を左右します。
勝ち負けより「出た課題」を持ち帰る
新チームは、まだ形になっていません。負けること自体は、想定の範囲内です。
大事なのは、負けた理由を具体的な言葉にして持ち帰ることです。
- サーブは何本ミスしたか
- サーブレシーブは何本が返らなかったか
- 同じ場所に何本落ちたか
- 声が止まったのはどの場面か
「気持ちが足りなかった」で終わらせると、次の練習が変わりません。数えられる形にすると、翌日から何をすればいいかが決まります。
負けた試合ほど、課題ははっきり出ているものです。
勝てないからと練習量だけを増やさない
もう1つ伝えておきたいのが、練習量の扱いです。
結果が出ないと、走り込みや練習時間を増やしたくなります。ただ、量を増やすだけでは技術は変わりません。
練習がきつくてバレーボールが嫌いになってしまうことが、一番よくない結果です。
新チームは、まだできないところばかりで当然です。まずはできている部分を認めて、そこから足りない技術を1つずつ足していってください。
私が指導してきた中でも、伸びたチームは「量を増やしたチーム」ではなく「やることを絞ったチーム」でした。



負けたあとほど、練習を足したくなるんですよね。



気持ちは分かります。でも足すより、絞るほうが効きますよ。
新人戦から次の大会までには、まだ時間があります。焦って詰め込む必要はありません。
保護者が新人戦で気をつけたいこと
新人戦は、子どもにとって初めて「自分たちの代」で戦う大会です。保護者の関わり方も、少し変わってきます。
まず、大会の位置づけを理解しておいてください。新人戦は完成形を見せる大会ではありません。
うまくいかない場面を見ることになりますが、それは新チームなら当たり前のことです。
- 結果より、初めての公式戦に立ったこと自体を認める
- 技術的なアドバイスは家庭でしない(指導者の役割)
- ミスの原因を子どもに問いただす形の質問は避ける
- 会場では体力を使うので、観戦の準備を整えておく



負けた日は、なんて声をかければいいんでしょう?



まずは「おつかれさま」だけで十分ですよ。
試合後の声かけは、想像以上に子どもの受け止め方を左右します。負けた直後は、感想を求めるより先に、労いの言葉を置いてあげてください。
会場での持ち物や観戦のマナーは、別の記事にまとめています。
よくある質問
まとめ
新人戦は、新チームで戦う最初の公式戦です。仕上がっていない状態で臨むのが前提の大会だと考えてください。
勝ち負けではなく、公式戦でしか出ない課題を持ち帰ることが目的の大会です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| どんな大会か | 3年生の引退後、新チームで戦う最初の公式戦 |
| 出場できる学年 | 1・2年生(3年生は出場しない) |
| 中学の時期 | 秋から冬にかけてが多い(地区により差が大きい) |
| 高校の時期 | 冬が多い(春高予選と前後する地域もある) |
| 準備の優先順位 | ①サーブとサーブレシーブ ②ポジションと役割 |
| 負けたとき | 課題を数えられる形にして持ち帰る |
| やってはいけない | 練習量だけを増やす・直前にスタメンを変える |
| 保護者の関わり | 結果より公式戦に立ったことを認める |
私は元日本代表として、また指導者として新チームを何度も見送ってきましたが、新人戦で悔しい思いをした代ほど、翌年に伸びていました。



まずはサーブから固めます!



それでいいんです。焦らず1つずつ積み上げましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
チーム運営については他にも記事を書いています。
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