9人制バレーのポジション|9つの役割と人の置き方の基準

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9人制バレーのポジション9つの役割と人の置き方
  • オーダー用紙のFLやHCという記号の意味が分からない
  • 9人それぞれが何をするのか整理できていない
  • 誰をどこに置けばいいのか決められない

こんな悩みを解決します。

9人制のポジションで大事なのは、記号を覚えることではありません。試合中ずっと動かない競技なので、最初に誰をどこへ置くかが、そのままチームの強さになるという点です。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

6人制を10年以上教えてきましたが、9人制の話を聞くたびに感じるのは、考え方の土台がまったく違うということでした。

6人制は全員が9つの仕事を順番に回しますが、9人制は9人が別々の仕事をずっと担当します。ここを取り違えると、人選も練習も的外れになってしまいます。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 9つのポジションがそれぞれ何をするのかが分かる
  • 誰をどこに置くかの判断基準が分かる
  • お見合いを減らす守備範囲の決め方が分かる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:動かない競技だから人の置き方で決まる

先に結論からお伝えします。9人制のポジションを考えるときの出発点は、ローテーションがなく、守る場所が試合中ずっと変わらないことです。

6人制なら、苦手な位置に回ってきても数点後には別の場所へ移ります。9人制にはその救済がありません。

裏を返せば、得意な仕事だけを担当し続けられるということでもあります。背が高くない選手も、レシーブが得意なら後衛で戦い続けられるわけです。

サルくん

ずっと同じ場所って、飽きたりしないんですか?

あげば

その代わり、自分の役割をとことん磨けるんですよ。

だからこそ、人選が結果に直結します。6人制のように全員へ同じ形を求めるのではなく、9つの違う仕事に9人を当てはめていく作業だと考えてください。

この記事では、9マスの読み方・前衛3人・中衛3人・後衛3人の役割・人選の基準・守備範囲の決め方の順に整理していきます。

9人制のポジションは3列×3か所の9マス

まず、記号の読み方をおさらいしておきましょう。

1文字目がネットからの距離、2文字目が左右の位置を表します。この2つを組み合わせるだけの仕組みです。

記号左右呼び方
FL・FC・FRF(フォワード)=前衛L=左 / C=中央 / R=右前衛レフト・前衛センター・前衛ライト
HL・HC・HRH(ハーフ)=中衛L=左 / C=中央 / R=右中衛レフト・中衛センター・中衛ライト
BL・BC・BRB(バック)=後衛L=左 / C=中央 / R=右後衛レフト・後衛センター・後衛ライト

左右は自分たちのコートから見た向きで数えます。相手コートを基準にすると全員が逆になってしまうので、そこだけ注意してください。

バボット

1文字目ガ列・2文字目ガ左右

呼び名はチームによって多少変わりますが、記号そのものはどの大会でも共通です。オーダー用紙を読むときは、この9マスの地図を頭に置いておくと迷いません。

なお大会ごとの細かい規定は要項が最終的な基準になります。所属している連盟の資料を先に確認しておくと安心です。

前衛3人の役割|ブロックと決定打を担う

ネットに近い3人は、点を取る仕事と、相手の攻撃を止める仕事を持ちます。

6人制と違って、この3人は最初から最後までネット際に立ち続けます。そのぶん、跳ぶ回数は6人制の前衛より格段に多くなります。

FL(前衛レフト)|攻撃の軸になる場所

左サイドは、いちばん多くのトスが集まる場所です。

高い球を打ち切れる選手や、コースを打ち分けられる選手を置くと、攻撃が安定します。相手のブロックも一番寄ってくるので、決め切る力より、ねばり強く打ち続けられるかが問われる位置になるでしょう。

守りでは、レフト側から来る相手の攻撃に対してブロックの起点になります。

サルくん

トスが集まるなら、打ちがいがありますね!

あげば

そのぶん、最後まで打ち続ける体力も要りますよ。

FC(前衛センター)|ブロックの中心

中央は、左右どちらの攻撃にも寄れる場所です。

9人制ではブロックが1枚になる場面も多いので、いかに速く横へ動けるかが効いてきます。跳ぶ高さそのものより、判断と足の速さを見て人を選びたいところです。

サルくん

1枚のブロックって、意味があるんですか?

あげば

相手のコースを1つ消せます。後ろの守りがぐっと楽になりますよ。

攻撃では、速い球で相手のブロックを引きつける役も担います。

FR(前衛ライト)|逆サイドから崩す

右サイドは、相手の守りが手薄になりやすい場所です。

左利きの選手がいれば、この位置で力を発揮しやすくなります。右利きでも、角度をつけて打てる選手なら十分に武器になるでしょう。

守りでは、相手のFLが打ってくる強打の正面に立つことが多くなります。ブロックと後ろの守備をどう分担するかを、先にチームで決めておいてください。

前衛3人でどのコースを締めるか、ブロックと後ろの守りの分担の決め方は別の記事でまとめています。

中衛3人の役割|つなぎと2段トスの要

9人制でいちばん特徴的なのが、この中衛という列です。

6人制には存在しない列なので、経験者ほど戸惑います。前と後ろの両方に関わる、チームのつなぎ役だと考えてください。

HC(中衛センター)|トスを上げる中心

多くのチームで、セッター役を置くのがこの位置です。

真ん中にいるので、左右どちらのスパイカーにも同じ距離で上げられます。動かない競技なので、6人制のようにセッターが走り込む必要もありません。

上げる技術に加えて、9人の位置を見渡して声をかけられる選手が向いています。

うさママ

走らなくていいなら、私にもできそうです。

あげば

そうなんですよ。大人から始めやすいのは、そこも理由です。

HL・HR(中衛レフト・中衛ライト)|拾って上げる二役

中衛の左右は、拾う仕事と上げる仕事を兼ねます。

前衛の後ろに落ちる短い球、サイドをすり抜ける速い球。この2種類を拾いながら、セッターが触れなかった球は自分で2段トスまで持っていきます。

サルくん

いちばん忙しそうな場所ですね。

あげば

そうなんです。ここが安定すると、チームは一気に強くなります。

守備と2段トスの両方ができる選手を置きたい位置になります。人数が足りないときは、まずここに経験者を入れてみてください。

乱れた球を上げる技術そのものは、6人制の記事でくわしく解説しています。

後衛3人の役割|最後の1本を上げる守備

いちばん後ろの3人は、コートを深く守ります。

9人制は9人で守るぶん、1人の受けもつ範囲が6人制よりずっと狭くなります。そのかわり、味方との距離が近いので、ゆずり合いが起きやすい列でもあります。

BC(後衛センター)|守備の最後の砦

真ん中の後ろは、抜けてきた球を全部拾う場所です。

強打を弾かない技術と、フェイントに前へ出られる反応の両方が要ります。守備がいちばん上手な選手を置くチームが多いのは、このためでしょう。

BL・BR(後衛レフト・後衛ライト)|サーブとサイドの守り

後衛の左右は、コートの角を守ります。

深いコースの強打と、ライン際に落ちる球の両方が飛んでくる位置です。落下点の判断が速い選手が向いています。

うさママ

背が低くても後衛なら大丈夫でしょうか?

あげば

大丈夫です。9人制は守りで貢献できる場所が多いんですよ。

サーブについても、後衛は打つ機会が回ってきます。オーダーの組み方によっては、大事な場面のサーブがこの3人に集まることもあります。

誰をどこに置くか、人選の5つの基準

ここからは、実際に人を当てはめるときの考え方です。

背の順に前から並べるのは、いちばんやってしまいがちな決め方になります。身長より先に見たいのは、その選手が何を得意にしているかです。

人選で見る5つの基準
  • 跳ぶ回数に耐えられる体力があるか
  • 低い球に反応して動けるか
  • 乱れた球を上げられるか
  • 声を出して周りを動かせるか
  • 同じ場所を守り続けることが苦にならないか

身長より役割の相性を優先する

9人制で背の高さがいちばん効くのは、前衛のブロックです。

ただ、それ以外の6か所では、身長よりも反応の速さや球さばきのほうが結果に出ます。背が高くても低い球が苦手なら、無理に前へ置く必要はありません。

逆に、背が低くても打点の高い選手や、ブロックの手の出し方がうまい選手は前衛で通用します。数字ではなく、実際のプレーを見て決めてください。

交代が限られる前提で組む

もう1つ考えておきたいのが、途中で入れ替えにくいという点です。

交代の回数は大会の要項によって変わりますが、6人制のように何度も出し入れできるとはかぎりません。最初の9人を、試合を通して戦えるかどうかで選ぶことになります。

バボット

最初ノ9人ガ最後ノ9人

体力に不安のある選手を、跳ぶ回数の多い前衛に置くと後半で崩れます。1試合を通した消耗まで含めて考えてみてください。

お見合いをなくす守備範囲の決め方

人が多いことは強みですが、そのまま放っておくと弱点にもなります。

9人が近い距離に並ぶので、中間に落ちる球をゆずり合ってしまう場面が必ず出てきます。ここはチームで決めごとを作るしかありません。

STEP
コートを9マスに区切り、自分の担当範囲を全員で確認する
STEP
列と列の間に落ちる球は、後ろの選手が取ると決めておく
STEP
左右の間に落ちる球は、動きやすいほうが声を先に出すと決める
STEP
決めた範囲で、実際に球を落として反復する
STEP
試合形式でうまくいかなかった場所だけ、決めごとを直す

前後の間は後ろの選手が取る

前と後ろの間に落ちる球は、後ろの選手のほうが見えています。

前を向いて動くほうが、追いかけながら振り返るより安定するからです。この1つを決めておくだけで、前後のお見合いはかなり減ります。

迷ったら声を先に出したほうが取る

左右の間は、どちらが近いか判断しにくい場面が多くなります。

そこで、距離ではなく声で決める形にしておきます。先に声を出した人が取ると決めておけば、2人が同時に止まる事故は起こりません。

サルくん

2人とも声を出したらどうするんですか?

あげば

その時は近いほうが取る、と決めておけば大丈夫です。

同じ人と長く組むほど、この呼吸は合ってきます。ポジションを固定できることは、この点でも9人制の強みだといえるでしょう。

ママさんバレーも9人制で行われるので、こちらの記事も参考になるはずです。

使うボールが自分の学年に合っていないと、どれだけ練習しても感覚がそろいません。号数と選び方はこちらにまとめてあります。

よくある質問

ポジションは試合の途中で入れ替えられますか?

9人制はローテーションがないため、試合中に自分から場所を移ることはできません。
選手交代で入れ替える形になりますが、回数は大会の要項によって変わるので事前に確認してください。

セッターは必ずHC(中衛センター)に置くものですか?

決まりではありません。
左右どちらにも同じ距離で上げられるという理由で中央に置くチームが多いだけなので、選手の特徴に合わせて別の位置にしてもかまいません。

6人制の経験者は、どのポジションから始めるとよいでしょうか?

レシーブが得意なら後衛、トスが上げられるなら中衛が入りやすい場所です。
まず1か所に固定して慣れてから、チームの事情に合わせて動かしていくとうまくいきます。

人数がぎりぎりで、9人そろわない日はどうすればいいですか?

練習では中衛と後衛を減らし、前衛の3人はそのまま残す形で組むと役割の感覚が崩れません。
試合に必要な人数は大会の要項で決まっているため、そちらは必ず確認してください。

まとめ

9人制のポジションは、記号を覚えることよりも、9つの違う仕事に9人を当てはめる作業だと考えると分かりやすくなります。

前衛は跳ぶ仕事、中衛はつなぐ仕事、後衛は拾う仕事。この3つの列に、得意なことで人を割り振っていきます。

記号主な役割置きたい選手
前衛FL・FC・FRブロックとスパイク跳ぶ回数に耐えられる選手
中衛HL・HC・HRつなぎと2段トス拾って上げられる選手
後衛BL・BC・BRレシーブとサーブ落下点の判断が速い選手
人選の基準身長より役割との相性交代しにくい前提で選ぶ
守備の決めごと前後は後ろ・左右は声落ちる中間を先に決める

私は元日本代表として6人制を指導してきましたが、動かないという前提が変わるだけで、必要な力の順番はここまで変わります。

サルくん

まずは自分の担当範囲を紙に書いてみます!

あげば

いいですね。9マスの地図があるだけで、迷いが減りますよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

9人制バレーについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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