- 太ももやお尻が痛いけれど、どの練習が原因かわからない
- 場所ごとに何をすれば軽くなるのかを知りたい
- 痛いまま練習していいのか、休むべきなのか迷う
こんな悩みを解決します。
バレーの筋肉痛は、痛む場所をたどれば、原因になった動きとやることが見えてきます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、どこが痛いかを言える選手ほど、翌日のメニューの組み立てが上手でした。
場所がわかれば、伸ばす場所も、その日に減らす練習も自分で選べます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 部位ごとに、バレーのどの動きが原因かがわかる
- 痛む場所に合わせて、その日にやることが選べる
- 筋肉痛とけがを見分け、病院に行く目安がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:痛む場所から、原因の動きとケアが決まる

先に全体像をお伝えします。バレーで出る筋肉痛は、場所ごとに原因になる動きがだいたい決まっています。
| 痛む場所 | 原因になりやすい動き |
|---|---|
| 太ももの前 | ジャンプの着地・中腰のキープ |
| 太ももの裏 | ダッシュ・前後の切り返し |
| お尻 | 踏み切り・低い姿勢からの立ち上がり |
| ふくらはぎ | 連続ジャンプ・つま先立ちの待ち姿勢 |
| お腹まわり | 空中での体のひねり・サーブ |
| 肩・背中 | スパイクとサーブの振り抜き |
| 手のひら・前腕 | アンダーで受ける・オーバーで押す |
この表の見方はシンプルです。痛む場所の行を見れば、前の日にやりすぎた動きがわかります。
サルくん昨日は何が効いてたんだろう…って、いつも思ってた。



痛む場所が答えを教えてくれますよ。
原因の動きがわかれば、その日に減らすメニューも選べます。太ももが痛いのにジャンプを増やす、という遠回りがなくなるんです。
全身をまんべんなくケアするより、痛む1か所に時間を使うほうが早く戻ります。
私の指導現場でも、練習後に「今日はどこが効いた?」と声をかけて、場所を言葉にしてもらうようにしています。自分の体の状態を自分で説明できる選手は、無理をする前に止まれるからです。
筋肉痛そのものの仕組みや、当日から翌日にかけての基本の流れは、別の記事にまとめています。
ここからは、場所ごとに原因とやることを見ていきます。
太もも・お尻・ふくらはぎの筋肉痛|跳ぶ動きと中腰で出る


バレーでいちばん多いのが、下半身の筋肉痛です。ジャンプと低い姿勢がくり返されるので、ここに負担が集まります。
太ももの前が痛い
着地でひざが曲がっていくとき、太ももの前は伸ばされながら力を出しています。この使い方が、いちばん筋肉痛になりやすいと言われています。
レシーブの中腰も同じです。低い姿勢を保っている間、太ももの前はずっと働き続けています。
スパイク練習が多かった日や、レシーブで長く低く構えた日に出やすいのが特徴です。



階段を下りるときが、いちばんつらい…。



下りで痛むのは、太ももの前が張っているサインですよ。
やることは、練習の最後に太ももの前を伸ばしておくことです。立ったままかかとをお尻に近づけ、ひざを後ろに引いて20秒ほど止めます。
反動はつけないでください。痛みが強くなる手前で止めるのが目安です。
太ももの裏が痛い
太ももの裏は、走り出しと前後の切り返しで使われます。サーブレシーブで前後に動いた日や、ダッシュが多かった日に出やすい場所です。
床すれすれのボールへ踏み込む動きでも、強く引き伸ばされます。
太ももの裏は、急に走った日に出やすい場所です。前日と比べて動いた量を思い出してみてください。
伸ばすときは、いすに片足のかかとを乗せ、背中を丸めずにおなかから前へ倒します。ひざは軽く曲げたままで大丈夫です。
ここは肉離れが起きやすい場所でもあります。伸ばした瞬間に鋭く痛む場合は、伸ばすのをやめてください。
お尻が痛い
お尻の筋肉は、踏み切りで水平の勢いを上方向へ変えるときに働きます。低い姿勢から立ち上がる動きや、横への移動でも使われる場所です。
ブロックで連続して跳んだ日や、フットワークを多めにやった日に出やすくなります。



お尻が痛いなんて、原因が思いつかなくて。



踏み切りで使う大きい筋肉なんです。跳んだ日のサインですね。
あおむけに寝て、片方の足首を反対のひざに乗せ、下の太ももを両手で抱えると伸びます。いすに座って足を組み、そのまま前へ倒れる形でもかまいません。
お尻が張ったままだと、股関節が動きにくくなって踏み切りが浅くなります。放っておくと、ほかの場所に負担が移っていきます。
ふくらはぎが痛い
ふくらはぎは、床を蹴る最後の一押しと、つま先立ちで待つ時間に使われます。ブロックの連続ジャンプや、小刻みなステップが多い日に張りやすい場所です。
試合のように待ち時間が長い日でも、構えたまま立っているだけで疲れがたまります。
壁に手をついて片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま体重を前へかけると伸びます。ひざを伸ばした形と、少し曲げた形の両方をやると、全体に届きます。



夜に足がつるのも、ここが関係してるのかな?



水分や汗の量も関わりますが、疲れがたまっているサインではありますね。
お腹まわりと肩・背中の筋肉痛|打つ動きで出る
跳んで打つ動きは、下半身だけで完結しません。体の真ん中と上半身にも、はっきり筋肉痛が出ます。
お腹まわり・体幹が痛い
スパイクでは、空中で背骨を軸に体をひねり、そこからひねり戻して打ちます。このとき、おなかの横から前にかけての筋肉が強く働いています。
サーブを何十本も打った日にも、同じ場所が痛くなります。下半身で生んだ力を上半身へ渡す中継地点が、おなかまわりだからです。



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体幹が安定していないと、力が途中で逃げてしまうんです。
うつぶせで両手を胸の横につき、上体を軽く起こすと前側が伸びます。息を止めず、ゆっくり吐きながら伸ばしてください。
ただし、おなかではなく腰そのものが痛む場合は別で考えます。腰は筋肉痛と区別しにくい場所なので、痛みが続くなら早めに相談してください。
肩・背中が痛い
肩の後ろから背中にかけての痛みは、スパイクとサーブの振り抜きで出ます。腕を耳の後ろまで引いてから振る動きを、何十本もくり返した結果です。
打った本数が多い日の翌日に、肩甲骨のまわりが重くなるのが典型的です。



腕を上げるとだるいけど、これも筋肉痛?



全体が重いなら筋肉痛寄りです。1か所だけ鋭く痛むなら別物ですよ。
肩まわりは、伸ばすより先に動かすほうが向いています。肩をすくめて下ろす、ひじを大きく回す、という動きを10回ずつやってみてください。
肩は使いすぎの痛みと紛らわしい場所です。打つたびに同じ1点が痛むなら、本数を減らして様子を見てください。
手のひら・前腕の痛み|受ける場所と押す場所で変わる
上半身の中でも、手まわりは少し性質が違います。筋肉痛というより、当てた場所の痛みになることが多いからです。
前腕が痛い
アンダーで受けるとき、ボールを当てる位置は前腕の中央です。手首から3cmほどの硬い部分で受けると、内出血が起きやすくなります。
強いサーブやスパイクを受けた日は、前腕全体が張ったように重くなります。これは筋肉の疲れによるものです。
いっぽうで、当てた場所だけが赤くなったり、青あざになったりしている場合は、筋肉痛とは分けて考えてください。



腕にあざができていて、見ていて心配になります。



当てる位置が高いのかもしれません。受け方を見直す合図ですね。
その日は、張っている前腕を反対の手でやさしくさすっておきます。熱をもっていたり、はっきり腫れていたりする場合は冷やすほうが向いています。
手のひら・指が痛い
オーバーでボールを押すときは、親指・人差し指・中指と、その3本の指の付け根で押し出します。この付け根まわりが、トス練習の翌日に痛くなります。
スパイクのミートでは、手のひらの真ん中でボールをとらえます。強く打ち込んだ日は、手のひら全体がじんじんすることがあります。



トスをいっぱい上げた日は、指の付け根がだるい。



押す場所を使えている証拠でもありますよ。
手を大きく開いて閉じる動きを、ゆっくり10回くり返してください。前腕の内側までつながっているので、手首から先を軽く回すのも役に立ちます。
指の1本だけが曲げ伸ばしで痛む場合は、突き指の可能性があります。全体のだるさとは切り分けてください。
筋肉痛とけがの見分け方|休む目安と病院に行く目安
場所別のケアと同じくらい大切なのが、これは筋肉痛なのかという切り分けです。判断の軸を2つだけもっておいてください。
動かしたときだけ痛むか
筋肉痛は、その筋肉を動かしたときや伸ばしたときに痛みます。じっとしていれば落ち着くのが特徴です。
反対に、動かしていなくてもずきずきする、寝ている間も痛む、という状態は別のものとして扱ってください。



動かすと痛いけど、歩けるなら大丈夫ってこと?



動きが崩れていなければ、量を落として続けて大丈夫です。
押して痛む場所が一点か
もう1つの軸は、痛む範囲の広さです。筋肉痛なら、手のひらでさわったときに広い範囲がじんわり痛みます。
指1本で押せるくらいの1点だけが強く痛む場合は、筋肉痛ではないことが多いと考えられています。肉離れや、骨・関節のトラブルが隠れていることもあります。
- 練習中にその瞬間、音や衝撃を感じた
- 指1本で押せる1点だけが強く痛む
- 腫れている、熱をもっている、青あざが広がっている
- しびれがある、または感覚が鈍い
- 体重をかけられない、力がまったく入らない
- 1週間以上たっても痛みが引かない
これらに当てはまるときは、自己判断で練習を続けず、整形外科で相談してください。成長期は骨や関節に負担が集まりやすい時期でもあります。
痛みが続く・腫れる・しびれる。このどれかがあれば、日数に関係なく医療機関で相談してください。
筋肉痛だと判断できた場合は、次の順番で練習量を決めます。
かばった動きのまま続けると、痛い場所は治らないまま、痛む場所だけが増えていきます。



本人は続けたがるので、止めどきが難しいです。



フォームが崩れたら止める、と決めておくと迷いませんよ。
よくある質問
まとめ
痛む場所は、前の日に何を使ったかの記録です。場所がわかれば、やることは自然に決まります。
全身をなんとなくケアするより、痛む場所を1つ選んで伸ばすほうが早く戻ります。
| 痛む場所 | その日にやること |
|---|---|
| 太ももの前 | 立ってかかとをお尻に近づけて伸ばす |
| 太ももの裏 | いすにかかとを乗せ、おなかから前へ倒す |
| お尻 | あおむけで足を組み、太ももを抱える |
| ふくらはぎ | 壁を押して、かかとを床につけたまま伸ばす |
| お腹まわり | うつぶせで上体を軽く起こす |
| 肩・背中 | 肩を上下に動かし、ひじを大きく回す |
| 手のひら・前腕 | 手を開いて閉じる・前腕をやさしくさする |
| 1点だけ強く痛む | 伸ばさず、整形外科で相談する |
私は元日本代表として、また指導者として多くの選手を見てきましたが、痛む場所を言葉にできる選手ほど、けがの手前で止まれていました。



今日は太ももの前だから、そこだけ伸ばして帰る!



それでいいんです。1か所に絞るほうが続きますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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