- 練習後にシャワーだけで済ませていて、翌日に疲れが残る
- お湯の温度や入る時間の目安がわからない
- 疲れているときは、温めるのと冷やすのどちらが正しいのか迷う
こんな悩みを解決します。
結論からお伝えすると、38〜40度のぬるめの湯に10〜15分、練習が終わって少し落ち着いてから入るのが基本の形になります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、疲れを翌日に持ち越しにくい選手ほど、帰宅後の過ごし方に決まった型を持っていました。
お風呂は毎日必ず訪れる時間です。ここを整えるだけで、特別な道具を買わなくても回復の土台ができます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 練習後に湯船へ入る温度・時間・タイミングの目安がわかる
- 温めるべき日と、冷やすべき日の見分け方がわかる
- シャワーしかない日や遠征先での代わりの手が持てる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:ぬるめの湯に10〜15分、寝る1〜2時間前
先に結論をまとめます。難しい設定はありません。
- 温度:38〜40度のぬるめ(熱すぎる湯は体に負担がかかる)
- 時間:10〜15分ほど、額が少し汗ばむくらいまで
- タイミング:練習後すぐではなく、少し落ち着いてから
- 就寝との間隔:寝る1〜2時間前を目安にする
この4つを守るだけで、シャワーだけの日と比べて体の戻り方が変わってきます。
サルくん疲れてるときほど、シャワーで済ませちゃう…。



気持ちはわかります。ただ、湯船は体を温める時間そのものなんです。
湯船につかると体全体が温まり、血のめぐりがよくなると考えられています。使った筋肉に酸素と栄養が届きやすくなり、たまった疲れが流れやすい状態になります。
狙いは「熱い湯で我慢すること」ではありません。体をゆっくり温めることです。
私はスクールでも、練習後の過ごし方を選手に必ず聞くようにしています。湯船に入る習慣がある選手は、翌日の動き出しが違います。
この記事では、体の中で何が起きているのか・具体的な手順・冷やす日との使い分け・環境が整わない日の工夫、の順に見ていきます。
湯船につかると体に起きること
なぜ湯船なのかを知っておくと、面倒な日でも続けやすくなります。
温めて、血のめぐりを戻す
練習で使った筋肉には、疲れの元になる物質や小さな負担が残っています。
体が温まると血管が広がり、血のめぐりが活発になります。その流れに乗って必要な材料が届き、いらないものが運び出されていくと考えられています。
さらに、湯の中では体が軽くなります。立ちっぱなし・跳びっぱなしだった脚にかかっていた負担が抜け、筋肉がゆるみやすい状態になります。
シャワーだけで済ませると、この2つがどちらも起きません。汗と汚れは落ちますが、体の芯まで温まる時間がないためです。
とくにバレーは、ジャンプの着地と低い姿勢のくり返しで脚に負担が集まります。脚全体を湯につけられるかどうかは、翌日の動き出しに直結します。



温めるだけで、そんなに違うものなんですね。



特別なことはしていません。血のめぐりを戻しているだけです。
湯船の役割は「温める」と「体を軽くする」の2つです。
湯上がりの体温低下が、眠りを深くする
もう1つ大きいのが、睡眠への影響です。
人は体の内側の温度が下がるときに眠気を感じやすくなります。入浴で一度体温を上げておくと、その後の下がり方が大きくなり、眠りに入りやすくなると考えられています。
厚生労働省がまとめている睡眠に関する情報でも、就寝前の生活習慣を整えることが睡眠の質と結びつくものとして扱われています。
だからこそ、寝る直前ではなく1〜2時間前に入るのが目安になります。上がった体温が下がっていく時間を、意図的につくるイメージです。



眠れないのは、お風呂の時間も関係してるってこと?



関係はあります。夜遅い日ほど、順番を意識してみてください。



アガッテ サガル トキ ネムクナル
回復の大半は眠っている間に進みます。入浴はそのための準備でもあります。
練習後のお風呂に入る手順
ここからは実際の順番です。やることは多くありません。
まず大事なのが、練習直後にいきなり熱い湯へ飛び込まないことです。
運動の直後は体温が上がり、心拍も高いままになっています。その状態で熱い湯に入ると、体にかかる負担がさらに増えます。汗が引いて落ち着くまで少し待ってください。
水分も忘れないでください。入浴中にも汗をかくため、練習で減った分を戻さないまま入ると、脱水の状態が続いてしまいます。



帰ってすぐ入りたくなるけど、少し待つんだ。



着替えて水分をとる。それだけで十分な間になりますよ。
お風呂の前後に1杯ずつ。この習慣だけで、のぼせも脱水も防ぎやすくなります。
湯の中では、脚を軽くさすったり、足首をゆっくり回したりするだけで十分です。強くもむ必要はありません。
湯上がりは体が冷えやすい時間でもあります。髪をしっかり乾かし、体が冷え切る前に布団へ入る流れを作ってください。
練習後にやるケアの全体像は、クールダウンの記事にまとめています。入浴はその続きに置くと形になります。
温める日と、冷やす日の見分け方
ここを間違えると逆効果になります。判断の軸を持っておいてください。
- 温める:全身の疲れ・体のだるさ・軽い筋肉痛・冷えている感じ
- 冷やす:ぶつけた直後・熱をもっている・腫れている・押すと強く痛む1か所
痛めた直後の部分を湯で温めると、熱や腫れが強くなることがあります。その日は湯船を短めにするか、その部分だけ冷やしてから入ってください。



足首をひねった日も、お風呂は入っていいのでしょうか。



全身は温めても、ひねった場所は温めないでください。判断に迷うなら受診が先です。
判断の目安は「1か所か、全体か」です。全身がだるいだけなら温める日、1か所だけが熱をもって痛むなら冷やす日になります。
腫れが引かない、体重をかけられない、しびれがあるといった場合は、入浴の工夫でどうにかする段階ではありません。整形外科で相談してください。
熱をもっている場所は温めない。これだけは例外なく守ってください。
筋肉痛が残っているときの扱いについては、別の記事で詳しくまとめています。
交代浴・シャワーの日・遠征先での工夫
毎日ゆっくり湯船に入れるとは限りません。環境に合わせた手を持っておいてください。
交代浴を試すときの注意
温かい湯と冷たい水に交互に入る方法を交代浴と呼びます。血管が広がったり縮んだりをくり返すため、めぐりを促す方法として使われることがあります。
ただし、中高生が自己流で行うのはおすすめしません。冷たい水は体への刺激が強く、体調によっては負担になります。
- 体調がよい日にだけ行う
- 温かい湯を長め、冷たい水は短めにする
- 冷水は無理のない温度から始める
- 気分が悪くなったらすぐにやめる
- 体調に不安があるときは行わない
まずは普通の入浴を習慣にするほうが先です。交代浴は、それが定着してからの選択肢として考えてください。
私が指導の現場で見てきた限り、回復がうまい選手は珍しい方法をたくさん知っているわけではありません。当たり前のことを、疲れている日でも同じ順番でやっているだけです。
新しい方法を足す前に、いまの入浴が毎日続いているかを先に確認してみてください。
シャワーしかない日の代わりの手
時間がない日や、湯船が使えない日もあります。その場合でも工夫はできます。
- 温かいシャワーを、脚とお尻に少し長めに当てる
- 洗面器に湯をためて足だけつける(足湯)
- 上がったあとに体を冷やさない服装にする
- 布団に入る時間を早める
足だけでも温めると、体全体が温まりやすくなります。時間は10分ほどで十分です。
脚には太い血管が通っているため、ふくらはぎから下を温めるだけでも、温まった血液が全身をめぐります。湯船に入れない日の代わりとしては、十分に成立する手です。
湯の温度は少し熱めでもかまいません。足首がしっかり隠れる深さまで湯を入れてください。



足湯なら、遠征のホテルでもできそう!



そうです。できる形を1つ持っておくと、崩れませんよ。
遠征先や合宿では生活リズムが乱れがちです。入浴の時間だけでも固定しておくと、体が整いやすくなります。
道具に頼る選択肢もあります。入浴剤や、上がったあとに使うケア用品などは、続けやすさを助けてくれます。
夏の練習後に気をつけたいこと
暑い時期は、入浴の考え方が少し変わります。
夏は練習中に大量の汗をかいています。その状態でいきなり湯船に入ると、さらに水分が失われます。
まずは水分と塩分を戻し、体が落ち着いてから入るようにしてください。湯の温度も、冬より少しぬるめのほうが入りやすくなります。
- 練習後は水分・塩分を先に戻す
- 湯温はぬるめ(38度前後)にする
- 長湯をしない(10分程度で十分)
- 上がったあとにもう一度水分をとる
暑いからとシャワーだけで済ませる日が続くと、体が芯から冷えたままになることもあります。冷房の効いた部屋で過ごす時間が長い人ほど、短くても湯船に入る価値があります。



夏こそシャワーだけになりがちでした。



短くていいんです。10分でも体の戻り方が変わりますよ。
夏は「ぬるめ・短め・水分を先に」。この3つで十分です。
暑い時期の練習そのものへの対策は、熱中症の記事にまとめています。あわせて確認してください。
よくある質問
まとめ
お風呂は、誰でも今日から実行できる回復の手段です。特別な道具も費用もいりません。
38〜40度で10〜15分、寝る1〜2時間前。この型を毎日くり返すだけです。
| 場面 | やること |
|---|---|
| 練習直後 | 軽く動かして伸ばし、汗が引くのを待つ |
| 浴室に入る前 | 水分を1杯とる |
| 湯船 | 38〜40度で10〜15分、脚を軽くさする |
| 湯上がり | もう一度水分をとり、髪を乾かす |
| 就寝 | 入浴から1〜2時間後を目安に布団へ |
| 熱や腫れがある日 | その部分は温めず冷やす |
| 湯船がない日 | 足湯10分、または脚に長めのシャワー |
| 夏の日 | ぬるめ・短め・水分を先に戻す |
私は元日本代表として、また指導者として多くの選手を見てきましたが、続いている習慣ほど地味なものでした。



今日から、帰ったら湯船にちゃんとつかる!



それが1か月続けば、体は確実に変わりますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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