- 練習のたびに足にマメができて、子どもが痛がっている
- つぶしていいのか、そのままにしておくのか分からない
- シューズを買い替えたのに、また同じ場所が擦れてしまう
こんな悩みを解決します。
足のマメでいちばん大事なのは、その場でつぶさないことと、原因を足ではなく道具側から探すことの2つです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきた中で、マメは体育館でいちばん我慢されやすいトラブルでした。歩けてしまうので、痛いまま何日も続けてしまう選手がとても多いんですよね。
なお、赤みが広がっているとき・熱を持っているとき・膿が出ているときは、この記事の内容よりも受診を優先してください。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- バレーでマメができる場所と、その原因が分かる
- できてしまったときの手当ての順番と、つぶすかどうかの判断が分かる
- 同じ場所をくり返さないための、道具と履き方の見直し方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:マメは「ずれ」と「蒸れ」の2つで起きる
先に結論をお伝えします。押さえるのは次の3つだけです。
- シューズの中で足が動いている状態を先に止める
- できたマメは自分でつぶさず、上から保護して守る
- 歩き方が変わるほど痛いなら、その日は練習を止める
マメは、皮膚が同じ場所で何度もこすられ、そこに熱と湿り気が加わったときにできます。原因はほとんどの場合、皮膚の弱さではありません。足が靴の中で前後左右にずれていることです。
バレーボールは、走って止まる、横に動いて踏ん張る、跳んで着地する、という動きのくり返しです。
この止まる動きのたびに、足は靴の中で少し前へ滑ります。滑る量が大きいほど、同じ場所がこすられます。
そこに汗が加わると、皮膚がふやけて摩擦に弱くなります。夏の体育館や、換気の悪い時期に急にマメが増えるのはこのためです。
サルくん足が弱いのかと思ってた…。



足のせいにする前に、靴の中を見てみよう。ずれが止まれば擦れる回数も減るんだよ。
マメは皮膚の問題ではなく、ずれの問題です。
ここからは、できる場所と原因、直後の手当て、避けたいこと、防ぐ手順の順に見ていきます。
バレーで足にマメができる4つの原因
まず、どこにできているかを確認してください。場所が分かると、原因もほぼ絞り込めます。
| できる場所 | 主に疑う原因 |
|---|---|
| かかと | 靴紐がゆるい・サイズが大きい |
| 親指の付け根・小指の付け根 | 靴の幅が合っていない |
| 指の腹・指の間 | ソックスのシワ・つま先の余りすぎ |
| 土踏まずの内側 | インソールのへたり・偏った着地 |
原因1:シューズのサイズと幅が合っていない
いちばん多いのがこれです。大きすぎると中で足が滑り、小さすぎると特定の一点が押されます。
私が見てきた中でも、マメをくり返す選手の靴はサイズか幅のどちらかが合っていないことがほとんどでした。
とくに成長期の選手は、大きめを買って長く履かせたくなります。気持ちは分かるのですが、1cm以上余った靴は止まるたびに足が前へ流れます。かかとが浮けば、そのぶんかかとの皮膚がこすられます。
幅も同じくらい大事です。日本の中高生には足幅が広い選手が多く、細身のモデルだと親指と小指の付け根が当たり続けます。
原因2:靴紐の締め方でかかとが浮いている
サイズが合っていても、履き方でマメはできます。多いのが、つま先側だけを締めて足首側がゆるいままの状態です。
この履き方だと、かかとが持ち上がって上下に擦れます。走って止まるたびに、かかとの同じ場所が靴の内側とこすれ続けます。
紐を結び直すのが面倒で、ゆるめたまま足を入れている選手も少なくありません。ここは技術ではなく習慣の問題なので、直せば当日から変わります。
原因3:ソックスが薄い・濡れている・シワがある
ソックスは、皮膚と靴のあいだで摩擦を受け止めてくれる部品です。薄いものや、汗を吸ったまま乾かないものだと、その役目を果たせません。
綿のソックスは汗を吸ってくれますが、吸ったあと乾きにくい性質があります。濡れて重くなったソックスは足の上でずれやすく、それ自体が擦れの原因になります。
履くときにできた小さなシワも見逃せません。シワの山が一点に当たり続けると、そこだけが赤くなります。



靴下って、そこまで気にしていませんでした。



シューズより先に見直せる場所ですよ。値段のわりに効きます。
原因4:練習量が急に増えた・新しい靴を下ろした
もうひとつが、量の変化です。休み明けや合宿、新チームが始まった時期にマメが増えるのは、皮膚が慣れる前に回数が跳ね上がるからです。
新しいシューズを下ろした直後も同じです。中の素材がまだ足の形になじんでいないので、当たる場所が変わります。
反対に、履き古してソールが減った靴も要注意です。減り方が偏ると足の傾きが変わり、今まで当たらなかった場所が擦れ始めます。



合宿のあと、いつも足がボロボロになるのはそれか…。



増やすときは、少しずつ。これはマメだけの話じゃないよ。
マメができたときの対処|つぶすか迷ったら
ここからが本題です。できてしまったマメは、次の順番で手当てをしてください。
いちばん迷うのが、水ぶくれをつぶすかどうかだと思います。基本の考え方はシンプルで、皮は自分ではがさないです。
上の皮は、下にできている新しい皮膚を守るふたの役目をしています。はがしてしまうと、そこから汚れや菌が入りやすくなります。体育館の床とソックスは、決してきれいな環境ではありません。
大きくて歩けないほど張っている場合は、自分で針を刺さずに医療機関へ相談してください。
処置が必要かどうかは、見てもらってから決めるほうが安心です。
自然に破れてしまったときは、洗って清潔にし、はがれかけた皮を無理に取らずに保護します。赤みが広がる、熱を持つ、膿が出るといった変化があれば、そのまま様子を見ずに受診してください。



針で刺して水を抜いてる子、いるけど…。



それは勧められないんだ。抜くかどうかは、見てもらってから決めよう。
皮ははがさない。抜くかどうかは自分で決めない。
痛みでかばって歩いているなら、その日は無理をしないでください。かばった歩き方は、足首や膝など別の場所に負担を移します。
マメが治りかけの数日で、もっと長引くけがに変わってしまうことがあります。



大会が近いと、休ませにくいんですよね。



早めに言ってもらえたほうが、こちらも練習の組み方を変えられます。
マメでやってはいけない3つのこと
手当ての中身より先に、避けたいことを知っておくほうが役に立ちます。現場でよく見かける3つを挙げます。
自分で針を刺して水を抜く
安全ピンや裁縫の針を火であぶって刺す方法が、いまだに語られることがあります。おすすめできません。
道具も手も、思っているほど清潔ではありません。刺した穴から菌が入れば、痛みが長引くだけでなく、腫れや熱を伴う状態に進むことがあります。
そのまま同じ靴で続ける
痛くても歩けるので、多くの選手はそのまま練習に戻ります。けれど原因を1つも直さずに戻れば、同じ場所がもう一度こすられます。
マメが治らない選手のほとんどは、治りが遅いのではなく、毎回作り直しているだけです。紐を締め直す、ソックスを替える、当たる場所を覆う。1つでも変えてから戻ってください。
治らないのではなく、毎日作り直しているだけです。
テーピングを皮膚に直接強く貼る
保護のつもりで、マメの上からテーピングを強く貼るのも避けたい対処です。はがすときに、守るべき皮まで一緒に持っていってしまいます。
テープを使うなら、下地としてアンダーラップを巻くか、傷にくっつきにくいパッドを先に当ててください。肌が弱い選手は、かぶれで別のトラブルになることもあります。



ハガストキ、皮モ一緒ニ剥ガレル
マメを防ぐ5つの対策
ここからは予防です。順番に効きやすいものから並べました。上から1つずつ試してください。
対策1:履き方を直す(その日からできる)
最初にやるべきは、買い替えではなく履き方です。つま先をトントンして合わせるのではなく、かかとを後ろに合わせてから、足首側の2つの穴をしっかり締めます。
かかとが浮かなくなるだけで、擦れる回数は大きく減ります。費用もかからず、当日から変えられる対策です。
対策2:ソックスを見直す
次がソックスです。薄い綿のものから、ある程度の厚みがある化繊のものに替えるだけで、当たり方が変わります。
かかとや足底に立体的な編みが入ったモデルは、ずれにくく作られています。1足あたりの値段は上がりますが、シューズを買い替えるより手前でできる対策です。
対策3:汗をそのままにしない
夏場や、体育館が閉め切りになる時期は、濡れたソックスが最大の敵になります。練習用に2足持たせて、途中で替えるだけでも違います。
家に帰ったあと、シューズを乾かす習慣も一緒に作っておいてください。中が湿ったまま翌日履くと、朝から皮膚がふやけた状態で始まります。
対策4:当たる場所を先に覆っておく
すでに毎回同じ場所ができる選手は、できてから貼るのではなく、練習前に覆っておきます。
マメ用の保護パッドや、厚みのあるテープを当てておくと、こすれる相手が皮膚からテープに変わります。ここも技術ではなく準備の話です。
対策5:足の傾きとソールを確認する
土踏まずの内側や足の外側にできる場合は、着地の傾きが関係していることがあります。インソールを合ったものに替えると、当たる場所が散ることがあります。
あわせて、シューズのソールの減り方も見てください。片減りしている靴は、履き方や紐を直しても同じ場所に力が集まります。



靴下と紐なら、今日からできる!



そこからでいいんだ。お金をかける前に、当たり方を変えよう。
病院に相談したほうがよいサイン
マメは軽く見られがちですが、皮膚が破れている以上は入り口ができている状態です。次のどれかに当てはまるなら、皮膚科や整形外科への相談を考えてください。
| サイン | 見るところ |
|---|---|
| 赤みが広がってきた | マメの周りが日ごとに広がっていないか |
| 熱を持っている | 触ると反対側の足より熱くないか |
| 膿が出ている | 黄色っぽい液や、においがないか |
| 痛みが強くなっている | 日を追って軽くなる気配があるか |
| 大きく張って歩けない | 歩き方が明らかに変わっていないか |
とくに気をつけたいのが、日を追って悪くなっている場合です。
ふつうは数日で落ち着いていくので、逆に進んでいるときは自分たちで様子を見る段階ではありません。
持病があって皮膚のトラブルが治りにくい体質の場合や、以前に同じ場所で腫れた経験がある場合も、早めに相談しておくと安心です。
なお、学校の部活動中のけがは、学校の管理下でのけがとして日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象になることがあります。受診したときは、学校に報告しておいてください。



たかがマメで病院、と思ってしまって。



何でもないと分かることに意味があるんですよ。そのほうが安心して練習に戻れます。
判断に迷ったら、見てもらうほうが結果的に早く戻れます。足は毎日使う場所なので、こじらせると練習量そのものを削ることになります。
よくある質問
まとめ:マメは道具と履き方で減らせる
足のマメは、皮膚が弱いからできるものではありません。靴の中で足がずれ、そこに汗が加わった結果です。だからこそ、体を変えるより先に道具と履き方で減らせます。
つぶさない。同じ靴のまま戻らない。当たり方を1つ変える。
| 場面 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| できた直後 | 靴を脱いで清潔にし、覆って保護する | 針で刺す・皮をはがす |
| その日 | 紐・ソックス・当たる場所のどれかを直す | 何も変えずに練習へ戻る |
| 数日後 | 赤みや熱が広がるなら受診する | 悪くなっているのに様子を見る |
| 予防 | 履き方→ソックス→保護の順に手を打つ | いきなり新しい靴を試合で下ろす |
私は元日本代表として、そして指導者として、足のトラブルは我慢の量ではなく準備の質で決まると考えています。
マメは、痛みのわりに軽く扱われます。けれど足をかばった数日は、フットワークも踏み切りも変わってしまいます。小さいうちに原因を1つ消しておくことが、結局はいちばん練習量を守る方法です。



今日は紐から結び直してみる。



それでいいんだ。小さく直すのが、いちばん続くよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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