- 相手を見ろと言われるけれど、どこを見ればいいのかわからない
- 試合が終わってから、あの選手が弱点だったと気づく
- 気づいても、次の1本の狙いにつなげられない
こんな悩みを解決します。
相手チームで見る場所は、サーブカットが苦手な選手・スパイカーの打つコース・サーブの種類・セッターの配球・ブロックの跳ぶ早さの5つだけで足ります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
現役時代に勝てた試合をふり返ると、必ず自分をマークする相手のどこかに穴を見つけていました。
相手を見る力は、生まれつきのセンスではありません。見る場所さえ決めておけば、中学生でも1セット目のうちに気づけるようになります。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 試合前と1セット目に見る5つの場所がわかる
- 見つけたことをサーブとスパイクの狙いに変えられる
- 相手を見ることで自分のプレーを崩さずにすむ
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:相手チーム分析で見る場所は5つに絞る

先に結論からお伝えします。相手チーム分析でやることは、強いか弱いかを決めることではなく、点になりやすい場所を1か所ずつ数えることです。
- サーブカットが苦手な選手が、どのローテーションのどこにいるか
- 主なスパイカーが、何本のコースを打ち分けられるか
- サーバーの種類(強打か無回転か)と、入る確率
- セッターの配球が、どのアタッカーにかたよっているか
- ブロックが跳ぶのは早いか遅いか、高さで勝負できるか
サルくん相手を見ろって言われても、全部見ようとして何も残らないんです…。



全部は見なくていいよ。見る場所を5つに決めておくだけで十分なんだ。
見る順番も決まっています。前半の3つは試合前のアップ中に見えるもので、後半の2つは1セット目に入ってから見えてくるものです。
つまり、試合が始まる前から作業は始まっています。相手コートに背中を向けてボールを追いかけているだけでは、この3つは手に入りません。



見ル場所ハ5ツ・見ル順番ハアップト1セット目
ここからは、なぜ見る必要があるのか、5つの場所の見方、そして狙いへの変え方の順に進みます。
相手を見ると、自分の攻め方が決まる
相手を見る目的は、こわがるためではありません。自分の武器をどこで使うかを決めるためです。
スパイクを打つ時、相手にはブロッカーとレシーバーの2種類がいます。
私が選手に伝えているのは、ブロッカーと勝負するのか、その後ろのレシーバーと勝負するのかを先に決めるという考え方です。
ブロックの手の出し方が甘い相手なら、ブロックを使って外に出す選択が生きます。逆に後ろの守備が薄いチームなら、ブロックを避けてコートの奥へ落とす方が点になります。



相手によって、打ち方を変えていいんですね!



そうなんです。得意なコースだけで打ち続けると、途中から必ず読まれてしまいます。
大事なのは、セットの序盤で試して、後半に向けて決定率を上げていく順番です。1本目から完璧な作戦を持つ必要はありません。
自分の得意なコースを打つのではなく、相手にとっていちばん嫌なことを選ぶ。これができる選手は、身長が高くなくても点を取り続けられます。
コースの打ち分け自体に自信がない場合は、体の向きから見直すと変わります。
5つの場所を見る順番|アップで3つ・1セット目で2つ
試合前のアップは、相手の素の状態が見える時間です。ここではまず3つを見ておきます。
場所①:サーブカットが苦手な選手を見つける
まず探すのは、サーブを受けた時にボールが乱れやすい選手です。腕の面が動いてしまう選手や、後ろに下がりながら受ける選手は、試合でも同じ形になります。
見つけたら、その選手が前衛にいる時と後衛にいる時で分けて覚えておきます。前衛にいる時に狙えば、攻撃にも入れなくなるからです。



アップの時から、もう試合は始まっているんですね!
場所②:スパイカーが打てるコースを数える
次は、相手の主なスパイカーが何本のコースを持っているかを数えます。同じ場所にしか打っていない選手は、試合でもその1本が中心になります。
打った本数ではなく、コースの本数を数えるのがコツです。1本しかない相手なら、レシーブはその1本を厚く守るだけで済みます。
場所③:サーバーの種類と入る確率を見る
3つ目は相手のサーブです。強く打ってくるのか、無回転で揺らしてくるのかで、こちらの立ち位置が変わります。
アップで10本のうち何本入っていたかも見ておきます。入る確率が低いサーバーなら、こちらは無理に前へ出ず、待ってからでも間に合います。



数えるのは10本くらいで十分。数字にすると記憶に残りやすいよ。
残りの2つは、実際にラリーが始まってから見えてきます。1セット目は、点を取り合いながら情報を集める時間だと考えてください。
場所④:セッターの配球のかたよりを見る
セッターは、調子のいいアタッカーへ多く上げます。逆に言えば、上げ先の回数を数えるだけで、相手が誰で点を取りたいのかがわかります。



数えるって、試合中にそんな余裕あるかな…?



全部は無理だよ。決まった1本がどこから出たか、それだけ覚えておけばいいんだ。
サーブカットが乱れた時にどこへ上げるかも、大きな手がかりになります。崩れた時ほど、そのセッターがいちばん信頼している選手が出てきます。
配球の考え方そのものを知っておくと、相手の狙いも読みやすくなります。
場所⑤:ブロックの跳ぶ早さと高さを見る
もう1つはブロックです。トスが上がる前に跳んでくるのか、上がってから動き出すのかで、こちらの打ち方が変わります。
早く跳んでくる相手には、フェイントや軟攻が効きます。動き出しが遅い相手なら、速い攻撃で置いていけます。
手を前に出してくるかどうかも見ておきます。手が前に出ないブロックなら、ブロックアウトを狙う価値が高くなります。
相手の攻撃を読む側の考え方は、こちらの記事にまとめています。
見つけたことをサーブとスパイクの狙いに変える


情報は集めただけでは点になりません。次の1本の狙いに変えて初めて意味が出ます。
サーブは3つの材料から狙いを決める
サーブの狙いどころは、次の3つの材料で決めます。上から順に効きやすい順番です。
エースを狙う時は、受けたあとに決定率が落ちる選手かどうかを見てから決めます。受けても平気な選手に打ち続けると、逆に助走のリズムを作らせてしまいます。



狙イドコロハ3ツ・上カラ順ニ試ス
サーブの狙い方をもっと知りたい場合は、こちらもあわせて読んでみてください。
スパイクは相手が嫌がる方を選ぶ
スパイクでは、ブロッカーとレシーバーのどちらに弱点があったかで打つ場所を決めます。ブロックの手が甘ければブロックを使い、後ろが薄ければ空いた場所へ落とします。



序盤で試して、後半に決めきる形ですね!



そのとおりです。1セット目に試した情報が、2セット目の決定率を作ります。
相手を見る時にやりがちな3つの失敗
見ることには落とし穴もあります。私の指導現場でよく見かける失敗を3つあげておきます。
失敗①:見ることに気を取られて1歩目が遅れる
いちばん多いのが、相手を見ようとして自分の構えが遅れるパターンです。ボールが動き出してから見るのでは、間に合いません。
見るのは、自分のプレーが終わって次の準備に入るまでの時間だけで十分です。ラリー中は目の前の1本に集中してください。
失敗②:1本の印象だけで決めつける
2つ目は、1本のミスを見ただけで苦手だと決めつける失敗です。たまたま崩れた1本と、続けて崩れる弱点はまったく別物になります。
最低でも3本は同じ形が出るかを見てから判断します。決めつけたまま狙い続けると、相手が立て直したことにも気づけません。



1本で決めつけて、途中から効かなくなったことあります…。



相手も直してくるからね。効かなくなったら、また見直せばいいんだ。
失敗③:気づいたことを自分の中だけに置く
3つ目は、せっかく気づいたのに誰にも伝えない失敗です。声かけは気合いではなく、短い言葉で味方に動いてもらう情報共有の技術になります。
「ライトが甘い」「セッターが右に多い」くらいの短さで十分です。コート内の6人が同じ情報を持っていれば、守る場所も攻める場所もそろいます。
練習で「見る力」を育てる方法
見る力は、試合の日だけ急に身につくものではありません。練習試合の使い方を少し変えるだけで育っていきます。
いきなり5つ全部を見ようとすると、どれも中途半端になります。1試合1テーマから始めて、慣れてきたら数を増やしてください。



交代で見る担当を決めると、チーム全体の情報が一気に増えるよ。
書き残す時は、スコアシートの余白を使うと後から見返しやすくなります。
自分のプレーを動画で撮っておくのも有効です。相手を見ていた時間に、自分の構えが遅れていないかまで確認できます。
よくある質問
まとめ:見る場所を決めておけば試合中に気づける
最後に要点をふり返ります。相手チーム分析で必要なのは、見る場所を5つに絞り、次の1本の狙いに変えることです。
| 見るタイミング | 見る場所 | 次の1本での使い方 |
|---|---|---|
| 試合前のアップ | サーブカットが苦手な選手・スパイカーのコース・サーバーの種類 | サーブの狙いと守る場所を決める |
| 1セット目 | セッターの配球・ブロックの跳ぶ早さ | 攻撃のコースと使う速さを決める |
| ラリーの合間 | 効かなくなっていないかの確認 | 狙いを変えるかどうかを判断する |
私は元日本代表として多くの試合を経験してきましたが、勝ち切るチームほど、選手同士が短い言葉で相手の情報を交換していました。相手を見る力は、練習試合の使い方次第で必ず伸びていきます。



次の練習試合では、セッターの配球だけを数えてみます!



それでいいんです。1つ見えるようになると、次の1つも見えるようになりますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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