- 横から見ると、腰が大きく反ってお尻が後ろに突き出ているように見える
- スパイクやサーブのあと、腰の同じところが張ったり重くなったりする
- 反り腰を直したほうがいいと聞くけれど、何から始めればいいのか分からない
こんな悩みを解決します。
反り腰とは、骨盤が前に傾き、腰の反りが強くなっている姿勢のことで、バレーでは体を反らせて打つ動きやジャンプの着地が重なるため、腰の一点に負担がたまりやすくなります。立ち方の見直し、股関節の前を伸ばす習慣、お腹とお尻を使う習慣の3つを続けると、腰を反りすぎない姿勢に近づけていけます。
ただし、しびれや鋭い痛みがある場合は、姿勢の問題だけとは限りません。自己判断で続けず、整形外科で相談してください。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきました。スパイクを教えるとき、初心者には腰を反らせずに、背骨を軸にしたひねりで打つように伝えています。
腰の反りすぎは、けがだけでなくミートの安定にも関わります。この記事では、反り腰のセルフチェックと、今日からできる3つの習慣を紹介します。
- 反り腰がバレーのどんな動きで腰の負担につながるのかが分かる
- 家でできる反り腰のセルフチェックのやり方が分かる
- 腰を反りすぎない姿勢に近づける3つの習慣と、受診の目安が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:反り腰は「立ち方・股関節の前・お腹とお尻」の3つで見直す
結論からお伝えします。反り腰は、立ち方のくせ、股関節の前の硬さ、お腹とお尻の使い方の3つが重なって起きていることが多い姿勢です。
どれか1つだけを直しても、ほかの2つが残っていれば、また腰が反った姿勢に戻ってしまいます。
サルくん反り腰って、背中の筋肉が悪いんだと思っていました!



腰だけの問題ではないんです。骨盤の前と後ろ、両方から見ていきましょう。
- 立つときに、お腹を軽く締めて骨盤を立てる
- 練習後に、股関節の前と太ももの前を伸ばす
- お腹とお尻を使う体幹トレーニングを続ける
この3つは、どれも道具なしで家でもできます。反対に、腰をぐいっと丸めて無理に反りを消そうとすると、別のところに負担が移ってしまいます。
バレーで反り腰が腰の負担になりやすい3つの場面
反り腰そのものは、すぐに痛みが出るものではありません。ただ、バレーには腰を反らせる動きが多いため、反り腰のまま続けると負担が重なりやすくなります。
場面1:スパイクやサーブで体を反らせるとき
1つ目は、打つときの反りです。スパイクやサーブでは、空中で体を後ろへ反らせて打つ選手がいます。
もともと腰が反っている選手は、そこからさらに反ることになり、腰の一点に力が集まりやすくなります。
腰を大きく反らせて打つと、腰や肩を痛めやすいだけでなく、目線が動いてミートも安定しにくくなります。
初心者のうちは、腰の反りを使わず、背骨を軸にしたひねりで打つ形を先に覚えましょう。慣れてきたら、反りは少しずつ加えれば十分です。
場面2:ジャンプの着地をくり返すとき
2つ目は、着地です。着地の衝撃は、本来は膝と股関節を曲げて受け止めます。
反り腰のまま、お腹の力が抜けた状態で着地すると、衝撃の一部を腰の反りで受けることになります。1回ごとは小さくても、1日に何十回とくり返せば負担は重なっていきます。



チャクチハ ヒザト コカンセツ
場面3:構えやブロックで長く立っているとき
3つ目は、立っている時間です。ブロックの構えや、サーブを待つあいだ、お尻を後ろへ突き出すように立っていると、腰が反ったまま固まります。
構えの基本は、股関節を曲げて前傾し、背骨をまっすぐに保つことです。腰を反らせて前傾を作るのではなく、股関節から体を倒す意識を持ちましょう。



構えのとき、ずっと腰を反らせていたかもしれません…



前に倒れるとき、腰ではなく股関節を折るんです。鏡の横で確かめてみましょう。
反り腰のセルフチェックのやり方
直し方の前に、今の自分の姿勢を確かめておきましょう。どれも1分ほどでできます。
チェックはあくまで目安です。すき間が大きくても痛みがなければ、あわてる必要はありません。反対に、すき間が小さくても腰に痛みが続く場合は、姿勢以外の原因も考えられます。



横から撮ってみたら、うちの子もお尻がかなり後ろに出ていました…



撮った写真は、1か月後にもう一度撮って比べるのに使えますよ。変化が目に見えると続けやすいです。
反り腰を見直す3つの習慣
ここからが、今日からできる3つの習慣です。どれか1つではなく、3つを少しずつ続けることが大切です。
習慣1:立つときに骨盤を立てる
1つ目は、立ち方です。お尻を後ろへ突き出して立つくせがあると、腰は反ったままになります。
おへその下に軽く力を入れて、骨盤をまっすぐ立てるように立ちましょう。お尻を少し締めるだけでも、腰の反りが和らぐのを感じられるはずです。
ぐっと力むのではなく、お腹を軽く締める程度で十分です。ふだんの立ち方から変えていきましょう。
授業中にいすに座るときも同じです。背もたれに寄りかかって腰を反らすより、座面に骨盤を立てて座るほうが腰は楽になります。
習慣2:股関節の前と太ももの前を伸ばす
2つ目は、ストレッチです。股関節の前や太ももの前が硬いと、骨盤が前に引っぱられて、腰が反りやすくなります。
片膝立ちになり、後ろ脚の股関節の前を伸ばすストレッチがおすすめです。お尻を締めたまま、体をゆっくり前へ移動させると、後ろ脚のつけ根が伸びてきます。
| ストレッチ | やり方 | 目安 |
|---|---|---|
| 股関節の前 | 片膝立ちでお尻を締め、体を前へ | 左右30秒ずつ |
| 太ももの前 | 横向きに寝て、上の足首を持ちかかとをお尻へ | 左右30秒ずつ |
| もも裏 | 仰向けで片脚をタオルで引き上げる | 左右30秒ずつ |
伸ばすときに腰を反らせてしまうと逆効果になります。お尻を締めて、腰が反らない範囲で伸ばしましょう。練習後や入浴後など、体が温まっているときに行うのが効果的です。



片膝立ちでお尻を締めたら、脚のつけ根がすごく伸びました!



そこが硬いと、骨盤が前に引っぱられるんです。毎日少しずつ続けましょう。
習慣3:お腹とお尻を使う体幹トレーニング
3つ目は、体幹です。お腹とお尻の力がうまく使えていないと、骨盤を立てた姿勢を保てず、腰の反りで体を支えることになります。
腰を反らさないまま手足を動かすデッドバグや、お腹を薄くするドローインは、反り腰の選手が取り組みやすい種目です。
- ドローイン:お腹を薄くして呼吸を続ける
- デッドバグ:仰向けで腰を床につけたまま手足を動かす
- ヒップリフト:お尻を締めて腰を反らさずに持ち上げる
どの種目も、腰が反っていないかを確かめながら行うのがポイントです。回数を増やすより、正しい形を保てる回数で終えましょう。
反り腰でよくある3つの失敗
見直しを始めた選手がつまずきやすいのは、次の3つです。1つずつ見ていきましょう。
失敗1:腰を丸めて反りを消そうとする
いちばん多いのが、反りを気にしすぎて、背中や腰を丸めてしまうパターンです。今度は丸まった腰に負担がかかり、構えも崩れてしまいます。
目指すのは、反りすぎも丸まりすぎもない、背骨がまっすぐな姿勢です。お腹を軽く締めて、骨盤を立てるところで止めましょう。
失敗2:腹筋運動だけで直そうとする
次に多いのが、上体起こしの腹筋運動だけをたくさんやるパターンです。お腹の力はつきますが、股関節の前の硬さはそのまま残ります。
反り腰の見直しは、伸ばす習慣と、使う習慣をセットにすることが大切です。どちらか一方だけでは、なかなか姿勢は変わりません。



毎日腹筋を100回やっていたのに、ストレッチはしていませんでした…



回数を半分にして、その分ストレッチの時間にしてみましょう。
失敗3:痛みをがまんして練習を続ける
最後は、痛みがあるのに練習を続けるパターンです。反り腰を見直す習慣は、痛みを治すためのものではありません。
痛みが続いているときは、まず休むことと、医療機関で相談することを優先してください。



イタミハ ガマンシナイ
練習を休む目安と、病院に相談するサイン
反り腰は姿勢のくせですが、腰の痛みの原因は姿勢だけとは限りません。成長期は骨や関節がまだでき上がっていないため、自己判断で続けないことが大切です。
- 足にしびれや力の入りにくさがある
- 体を後ろに反らせたときに、鋭い痛みが走る
- 安静にしていても痛みが続く
- 同じ場所の痛みを何度もくり返している
受診するときは、いつから、どの動きで、腰のどのあたりが痛むのかを伝えられるようにしておきましょう。練習量が増えた時期もあわせて伝えると、話が早くなります。
しびれや、反らせたときの鋭い痛みがあるときは、姿勢の見直しより受診を優先してください。



本人は大丈夫と言うので、どこまで様子を見ていいのか迷います…



言葉より動きを見てあげてください。着地でよろける、構えが作れないといった変化は、早めに相談するサインです。
1か月ほど習慣を続けたら、壁のチェックと横からの写真をもう一度撮って比べてみましょう。腰のすき間が小さくなっていたり、お尻の突き出しが減っていたりすれば、見直しが進んでいる証拠です。
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よくある質問
まとめ:腰だけを見ず、骨盤の前後から見直す
反り腰は、腰の筋肉だけの問題ではありません。立ち方のくせ、股関節の前の硬さ、お腹とお尻の使い方、この3つを一緒に見直すことが大切です。
骨盤を立てて立つ。股関節の前を伸ばす。お腹とお尻で支える。
| 気になること | 見直すこと | 気をつけること |
|---|---|---|
| お尻が突き出る | 骨盤を立てて立つ | 腰を丸めすぎない |
| 脚のつけ根が硬い | 股関節の前を伸ばす | 伸ばすときも腰を反らさない |
| 体を支えられない | お腹とお尻の体幹種目 | 回数より形を優先 |
| 打つときに反りすぎる | ひねりで打つ形を覚える | 反りは少しずつ加える |
| 痛み・しびれがある | 練習を休む | 整形外科で相談する |
打ったあとに腰が張る悩みも、構えで腰が反ってしまう悩みも、骨盤の前と後ろの両方を整えていくことで変えていけます。
必要なのは、壁と床とタオル1本だけ。まずは壁に立って腰のすき間を確かめるところから、ぜひ今日から始めてみてください。



まずは壁のチェックと、片膝立ちのストレッチからやってみます!



1か月後にまた写真を撮って、一緒に比べてみましょうね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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