- 新チームでスローガンを決めたいが、どう進めればいいか分からない
- かっこいい言葉を掲げたのに、誰も口にしなくなってしまった
- スローガンとチーム目標の違いがはっきりしない
こんな悩みを解決します。
バレー部のスローガンは、毎日の練習で選手が判断に使える短い言葉にするとチームに残ります。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中高生を指導してきましたが、うまくいくチームのスローガンには共通点がありました。
言葉が短く、迷った場面で選手が思い出せる形になっていたことです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- スローガンと目標・チームルールの違いが分かる
- チーム全員で決める5つの手順をそのまま使える
- 続く言葉と消えていく言葉の分かれ目が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:スローガンは「迷った場面で思い出せる短い言葉」にする

先に結論からお伝えします。スローガンは、10字前後で、行動が目に浮かぶ言葉にするのがおすすめです。
理由は単純で、長い言葉は試合中に思い出せないからです。
競った場面で選手の頭に残るのは、短い一言だけです。そこで思い出せない言葉は、掲げていないのと同じ状態になってしまいます。
- 10字前後で、一息で言い切れる
- 「拾う」「声を出す」のように、やることが浮かぶ
- 全員が自分のことだと感じられる
反対に、消えていくスローガンには決まった特徴があります。長い、借り物、使う場面が決まっていない、の3つです。
どれも言葉のセンスの問題ではありません。決め方と、決めたあとの扱い方で分かれます。
つまり、言葉選びのうまいチームが有利なわけではないということです。手順どおりに進めれば、どのチームでも残る言葉になります。
れおコーチ毎年決めてはいるのですが、夏には誰も言わなくなります…。



言葉が悪いのではなく、使う場面が決まっていないだけですよ。
ここからは、スローガンと目標の違いを整理したうえで、決める5つの手順・言葉のタイプ・つまずきやすい失敗の順に見ていきます。
スローガンと目標・チームルールは役割が違う
同じ「チームで決める言葉」でも、スローガン・目標・チームルールは役目が別です。ここを混ぜると、どれも中途半端になります。
スローガンは毎日の判断をそろえる合言葉
スローガンは、選手が迷ったときに立ち返る合言葉です。達成したかどうかを測るものではありません。
たとえば「まず拾う」という言葉なら、ボールが上がるかどうか微妙な場面で、体が先に動きます。追うか見送るかを迷う時間が短くなるわけです。
判断がそろうと、プレーのばらつきが減ります。声をかけ合う基準が全員同じになるからです。
逆に「全国制覇」のような言葉は、目標としては成り立ちますが、目の前の1本をどうするかは教えてくれません。そこがスローガンとの違いです。



判断ガソロウト プレーノばらつきガ減ル
目標は達成できたかが分かる形にする
目標は、達成できたかどうかを後から判定できる形にします。「県大会でベスト8に入る」「サーブの成功率を8割にする」のような形です。
数字と期限が入っていれば、練習の中身を決めるときの材料になります。
目標の立て方そのものは、別の記事でくわしくまとめています。
チームルールは、守る約束です。時間・道具・あいさつなど、毎日の行動を決めたものを指します。
3つを並べると、次のように整理できます。
| 種類 | 役割 | 形の例 |
|---|---|---|
| スローガン | 迷った場面の判断をそろえる | まず拾う |
| 目標 | 達成できたかを判定する | 県大会ベスト8 |
| チームルール | 毎日守る約束を決める | 体育館に入ったら声を出す |



3つを分けて考えたことがありませんでした。



分けておくと、話し合いが短く済みますよ。
チームでスローガンを決める5つの手順


ここが記事の中心です。30分のミーティング1回で決め切る進め方を紹介します。
手順①:決める時期と時間を先に決める
いちばんいい時期は、代替わりの直後です。新チームが動き出した2週間以内に決めてしまいます。
この時期は選手のやる気がいちばん高く、決めた言葉がすっと入っていきます。
かける時間は30分で十分です。何日もかけると、言葉を決めること自体が目的になってしまいます。
代替わりで決めることの全体像は、次の記事にまとめています。
手順②:全員から言葉を集める
紙を1枚ずつ配り、思いつく言葉を3つずつ書いてもらいます。話し合いから始めると、声の大きい選手の言葉に寄ってしまうからです。
書くときのお題は「どんなチームだと言われたいか」の1つにしぼります。お題が多いと、出てくる言葉の粒がそろいません。
名前は書かなくてかまいません。1年生が遠慮なく書けるようにするためです。
書く時間は5分で区切ります。長く考えるほど、かっこよく見せようとする言葉に寄っていくからです。
浮かばない選手には、「去年の自分たちに足りなかったもの」を思い出してもらうと手が動きます。



先輩の前で手を挙げるのは、ちょっと緊張します…。



だから先に書いてもらうんです。全員の言葉が机に並びますよ。
手順③:似た言葉をまとめて3つに絞る
集めた紙を広げて、似た言葉を近くに置いていきます。「あきらめない」「粘る」「最後まで」は同じ山にまとめます。
山が大きいものから3つ選びます。数が多い山ほど、チームで共有されている感覚に近いからです。
ここまでは選手に任せてかまいません。指導者がやるのは、時間を区切ることと、山の数をしぼる声かけだけです。
ここで指導者が自分の言葉を混ぜないことが、あとで効いてきます。大人が出した言葉は、その場では通りますが、選手の口からは出てこないからです。
意見が割れても、無理にまとめなくてかまいません。3つ残った状態で次の手順へ進みます。
手順④:1つに決めて短い言い切りに整える
3つのうちどれにするかは、多数決で決めて問題ありません。ただし、決まった言葉はそのまま使わず、短く整えます。
「どんなときもあきらめずに全員でつなぐ」では長すぎます。「最後までつなぐ」まで削ると、試合中でも思い出せる長さになります。
削るときの目安は10字前後です。長くても15字までにおさめてください。



目安ハ10字前後 上限ハ15字
手順⑤:目に入る場所と口に出す場面を決める
最後に、その言葉を使う場面を決めます。ここを決めないまま解散すると、次の週には誰も言わなくなります。
目に入る場所は、体育館の壁・ベンチのボード・バレーノートの表紙などです。口に出す場面は、円陣とタイムアウトの最初の一言にすると決めてしまいます。
紙に書いて貼るだけなら5分で終わります。手間の問題ではなく、決めるか決めないかの問題です。
決めた内容は、その日のうちに全員へ共有します。ミーティングの進め方は、次の記事も参考にしてください。



円陣の一言に入れるなら、毎日必ず口にしますね!
スローガンの言葉のタイプと選び方
どんな言葉を選ぶかで、チームへの残り方が変わります。大きく3つのタイプがあります。
| タイプ | 特徴 | 向いているチーム |
|---|---|---|
| 四字熟語型 | 引き締まって見える | 意味を全員で確認できるチーム |
| ひとこと日本語型 | やることが浮かびやすい | 初めてスローガンを決めるチーム |
| 英語型 | 横断幕やTシャツに入れたときの見た目が整う | 意味を短く言い換えられるチーム |
四字熟語型は意味の共有までをセットにする
「一意専心」「全力疾走」のような四字熟語は、見た目が引き締まります。横断幕にしたときの収まりもいいでしょう。
ただし、意味を説明できない選手がいると、ただの飾りになります。決めた日に、その言葉が自分たちの何を指すのかを一言で確認しておいてください。
確認のしかたは簡単で、「この言葉どおりに動けている場面はどこか」を全員に1つずつ挙げてもらうだけです。挙がらない言葉は、まだ自分たちのものになっていません。
ひとこと日本語型は行動がそのまま浮かぶ
「まず拾う」「声を先に出す」のような日本語は、やることがそのまま浮かびます。初めて決めるチームには、このタイプがいちばん向いています。
動詞で終わる形にすると、行動に直結します。「粘り強さ」より「粘る」のほうが、体が動きやすいわけです。
英語型を選ぶ場合は、意味を日本語で短く言えるかどうかを確かめてください。訳が人によって違うと、判断のものさしになりません。



「まず拾う」なら、迷ったときに体が動きそうです!



それが、スローガンのいちばんの役目ですよ。
決めた言葉は、Tシャツや横断幕に入れると日常で目に入ります。作り方は次の記事でまとめています。
続かないスローガンに多い3つの失敗
毎年決めているのに残らないチームには、共通したつまずき方があります。
失敗①:長すぎて誰も覚えていない
いちばん多いのが、話し合いで出た言葉をそのまま採用してしまう形です。文章のまま掲げると、20字を超えます。
長い言葉は、試合中には出てきません。削る作業を面倒がらずに、その場で短くしてください。
失敗②:強いチームの言葉をそのまま借りている
他校の横断幕で見た言葉を、そのまま持ってくるパターンです。言葉としては整っていますが、自分たちの練習とつながっていません。
自分たちの弱さから出てきた言葉のほうが、結果的に長く使われます。
前の年に何で負けたのかを思い出すところから始めると、借り物になりにくいでしょう。



去年の負け方なら、みんな覚えています。
強いチームが使っている言葉そのものが悪いわけではありません。同じ言葉でも、自分たちの負け方から出てきたのなら、それは借り物ではなくなります。
失敗③:掲げただけで使う場面がない
壁に貼って終わりにしてしまう形です。手順⑤で触れたとおり、口に出す場面を決めていないと消えていきます。
円陣・タイムアウト・練習の最後のあいさつなど、1日1回は必ず声に出る場所に置いてください。



うちは3つとも当てはまっていました…。



気づいた時点で決め直せば大丈夫です。途中で変えてもかまいませんよ。
決めた言葉が守られる形にするには、チームルールの決め方もあわせて確認しておくと進めやすくなります。
よくある質問
まとめ:短くして、使う場面まで決める
バレー部のスローガンは、10字前後で行動が浮かぶ言葉にすると、チームに残ります。
決め方は、時期を決める・言葉を集める・3つに絞る・短く整える・使う場面を決める、の5つの手順です。
| 種類 | 役割 |
|---|---|
| スローガン | 迷った場面の判断をそろえる |
| 目標 | 達成できたかを判定する |
| チームルール | 毎日守る約束を決める |
私は元日本代表として多くのチームを見てきましたが、言葉が短いチームほど、選手の口から自然に出ていました。
まずは紙を配って、選手の言葉を集めるところから始めてみてください。



次のミーティングで、30分もらって決めてみます!



いいですね。選手の言葉で決まれば、夏まで残りますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
バレーボールの指導については他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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