- キャプテンになったけれど、何をすればいいのかわからない
- 声をかけても、チームがなかなか動いてくれない
- 自分がキャプテンで本当にいいのか自信がもてない
こんな悩みを解決します。
結論からお伝えすると、キャプテンの役割は3つだけで、それ以外の仕事は全員で分け合うものです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、つぶれてしまうキャプテンほど、やらなくていい仕事まで1人で背負っていました。
役割がはっきりすると、やることが減ります。やることが減ると、不思議なくらい声が届くようになるんですよね。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- キャプテンが本当にやるべき3つの役割がわかる
- 信頼されるために今日からできる5つの行動がわかる
- 言うことを聞いてもらえない時の対処法がわかる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:キャプテンの役割は3つだけ|残りは全員で分け合う
先に結論をお伝えします。キャプテンが本当に引き受けるのは、代表・橋渡し・目標の確認の3つだけです。
代表というのは、試合で主審や相手チームとやり取りする窓口になることです。橋渡しは、顧問の先生や監督の考えを部員へ、部員の声を先生へ運ぶ役目を指します。
目標の確認は、チームが何を目指していたのかを、みんなが忘れそうになった時に思い出させる仕事です。
- チームの代表として、試合で外とやり取りする
- 顧問の先生や監督と、部員のあいだをつなぐ
- チームの目標を、迷った時に思い出させる
逆に言えば、それ以外はキャプテンだけの仕事ではありません。ボール出し、道具の管理、連絡係、練習メニューの提案は、全員で分けたほうがうまく回ります。
サルくんキャプテンって、全部やる人じゃないんですか?



全部やる人にしてしまうと、チームが育たないんです。
私の指導現場でも、仕事を抱えこんだキャプテンほど、周りが指示待ちになっていきました。
反対に、最初から「これはお願い」と配れる選手のチームは、キャプテンが休んだ日でも練習が止まりません。
3つに絞ると聞くと、頼りない気がするかもしれません。ですが、この3つはキャプテンにしか代わりがきかない仕事です。
この記事では、抱えこみが起きる仕組み、バレー特有のキャプテンの仕事、信頼される5つの行動、よくある4つの悩みの順にお伝えします。
なぜキャプテンはつぶれるのか|1人で抱えこむと起きる2つのこと
キャプテンになった直後は、やる気が高いぶん、何でも自分でやろうとしてしまいます。
その結果として起きることは、だいたい次の2つに絞られます。
①練習が止まり、チームが受け身になる
1つ目は、チームが指示待ちになることです。キャプテンが全部やってくれるなら、部員は考える必要がなくなります。
考えなくなったチームは、キャプテンが休んだ日や、試合中の急な展開に対応できません。誰も次の一手を決められないからです。
さらに困るのは、キャプテンが困っていることに周りが気づけなくなる点でしょう。頼まれていないので、手を出す理由がないんです。



抱エコミハ チームノ考エル力ヲ奪ウ



仕事を配るのは、さぼりではなくて指導なんですよ。
チームを強くしたいなら、あえて手放す判断が必要になります。
②自分のプレーが落ちて、声が届かなくなる
2つ目は、自分自身のプレーが落ちることです。準備も片づけも連絡もこなしていると、練習に集中する時間が削られていきます。
プレーが落ちると、今度は声のほうも通らなくなります。人は、動きで納得できない相手の言葉をなかなか受け取れません。
これは実力主義という話ではなく、単純に説得力の問題です。同じ「1本集中」でも、自分がミスを減らしている選手が言うのと、そうでない選手が言うのとでは、届き方が変わります。



最近、自分のレシーブがひどいです…



それは能力ではなく、時間が足りていないだけかもしれませんね。
だからこそ、キャプテンは自分の練習時間を守る必要があります。これは自分勝手ではなく、チームのための判断です。
バレーのキャプテンにしかできない仕事|審判に聞けるのは主将だけ
ここはバレーボールならではの話です。他の競技と違い、バレーにはキャプテンにしか認められていない権利があります。
この2つは、他の部員が代わりに引き受けることができません。だからこそ、先に中身を知っておくと当日あわてずにすみます。
①試合中に主審へ説明を求める
判定に疑問が出た時、主審に説明を求められるのはコート上のゲームキャプテンだけです。他の選手が同じことをすると、指導や警告の対象になります。
ここでいうゲームキャプテンとは、その時コートに立っているチームの代表者を指します。主将が交代でコートを出た場合は、別の選手がその役目を引き継ぎます。
大事なのは、抗議ではなく説明を求める姿勢です。判定そのものはくつがえりませんが、ルールの適用や解釈は確認できます。
くわしいルールの条文は、日本バレーボール協会の競技規則ページで確認できます。



キャプテン以外が聞きに行ったらダメなんですね!?



意外と知られていませんが、そこは決まりがあるんです。
②試合前後のあいさつとトスに出る
もう1つは、試合前後の場面です。コートやサーブ権を決めるトスに立ち会い、両チームのあいさつで先頭に立ちます。
ここで少し背筋を伸ばせるかどうかで、チームの見え方が変わります。相手も審判も、最初に見るのはキャプテンだからです。
うまく話す必要はありません。相手の目を見て、はっきりした声であいさつをする。それだけで十分に伝わります。
試合の入口でチームの印象を作るのが、キャプテンにしかできない仕事です。
緊張してしまう人は、あいさつの言葉と立ち位置を先に決めておくと落ち着きます。本番での固さをほぐす方法は、別の記事にまとめています。
信頼される5つの行動|今日から変えられること
ここからが本題です。信頼は性格ではなく、行動の積み重ねで作られます。
私が見てきた中で、チームが動きだしたキャプテンに共通していたのは、次の5つでした。
行動①:準備と片づけに一番早く入る
まずは、体を先に動かすことです。ネットを張る、ボールを出す、モップをかける。この場面で一番に動いた人の言葉は、あとで通りやすくなります。
理屈で説得するより早く、しかも誰にでもできます。うまさは関係ありません。
ただし、全部を1人でやってしまうと①の抱えこみに戻ります。先に始めて、途中で人を呼ぶ。この形が理想です。



一番先に動いて、途中で仲間を呼ぶ。これがちょうどいい塩梅ですよ。
行動②:全員と1日1回は言葉をかわす
2つ目は、話す相手をかたよらせないことです。仲のよい人とだけ話していると、それ以外の部員は自然と距離をとります。
内容は何でもかまいません。「今日のサーブよかったね」でも、「昨日の宿題どうだった?」でも十分です。
大切なのは、こちらから声をかけた回数でしょう。人は、名前を呼んでくれる相手の話を聞こうとします。



全員と話すって、けっこう大変そうです。



ひと言でいいんです。長く話す必要はありませんよ。
1年生や、試合に出ていない部員ほど意識して声をかけてみてください。そこが一番、チームの空気を左右します。
行動③:仕事を3人に分けてお願いする
3つ目は、最初に配ってしまうことです。あとから頼むより、就任した時点で決めておくほうが受け取ってもらいやすくなります。
たとえば、道具担当・連絡担当・アップの声出し担当のように分けます。名前がつくと、人は自分の持ち場として動いてくれます。
- 道具とボールの管理
- 顧問の先生や他学年への連絡
- アップの進行と声出し
お願いする時は、「手伝って」ではなく「この係をお願い」と伝えます。責任の範囲がはっきりすると、動きやすくなるからです。
断られたらどうしようと不安になるかもしれません。ですが、頼られて嫌な気持ちになる部員はそう多くないものです。
行動④:注意ではなく「基準」を伝える
4つ目は、言い方を変えることです。「ちゃんとやって」では、何をどうすればいいのかが伝わりません。
代わりに、チームの基準を言葉にします。「サーブ練は1人30本まで数える」「移動は走る」のように、行動で決めるのがコツです。
基準は自分にも同じように当てはめます。自分だけ例外にすると、その瞬間に基準はただの命令になってしまいます。



注意ハ人ヲ責メル 基準ハ行動ヲ決メル



人ではなく、やることのほうを指すと角が立ちませんよ。
言いにくいことを伝える時ほど、この形が役に立ちます。相手の性格ではなく、決めごとの話にできるからです。
行動⑤:自分のプレーに戻る時間を確保する
5つ目は、自分の練習を守ることです。全体練習のうち、最低でも半分は自分の課題に向き合ってください。
キャプテンだからといって、うまくなくてもいいわけではありません。伸びている姿そのものが、チームへのメッセージになります。
その日の課題と気づきを書き残しておくと、限られた時間でも積み上がります。ふり返りのやり方は別の記事にまとめました。
チームのために動く時間と、自分がうまくなる時間。この2つを分けて確保するのがキャプテンの技術です。
キャプテンのよくある悩み4つ|言うことを聞いてもらえない時
最後に、相談として多い4つの悩みへの向き合い方をお伝えします。
どれも、あなたの性格が原因ではありません。立場そのものに付いてくる悩みです。
悩み①:注意しても直してもらえない
いちばん多い相談です。この場合、伝え方より先に回数を疑ってみてください。
人は、1回言われただけでは行動を変えません。3回目くらいから、ようやく決めごととして扱いはじめます。
それでも変わらないなら、内容が抽象的すぎる可能性があります。行動④の基準の形に置きかえてみてください。



何回も言うのって、嫌われそうで怖いです…



人を責めずに基準を言い直すだけなら、嫌われませんよ。
悩み②:自分より上手な部員がいる
2つ目は、実力差の悩みです。うまい選手がいると、指示を出しづらく感じます。
ですが、キャプテンは一番うまい人がやる役ではありません。3つの役割を引き受ける人がやる役です。
うまい選手には、技術の面で頼ってしまうのが正解でしょう。「そこの合わせ方を教えてほしい」と言えるキャプテンは、かえって信頼されます。
自信がゆらいだ時の立て直し方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
悩み③:顧問の先生と部員のあいだで板ばさみになる
3つ目は、橋渡し役ならではの悩みです。両方の言い分を聞くぶん、どちらにも味方しづらくなります。
ここで大事なのは、自分が決める人ではないと理解しておくことです。キャプテンは運ぶ人であって、裁く人ではありません。
部員の声を先生へ届ける時は、感情ではなく事実で伝えます。「みんな不満です」ではなく、「移動の時間が足りていません」と言い換えるだけで、話が前に進みます。



運ぶ人に徹していい場面は、思っているよりずっと多いんです。
1人で抱えきれない時は、副キャプテンや同級生に一緒に来てもらってください。2人で話すと、感情的になりにくくなります。
悩み④:自信がなく、向いていない気がする
4つ目は、就任直後にほとんどの人が通る悩みです。むしろ、この不安がある人のほうが周りをよく見ています。
選ばれた理由を、一度だけ顧問の先生に聞いてみてください。自分では気づいていない部分を評価されていることがよくあります。
ミスを引きずったまま立ち続けると、判断まで鈍っていきます。切り替えの方法は別の記事でくわしくお伝えしています。



完ぺきじゃなくてもいいんだと思えてきました。



完ぺきなキャプテンより、相談できるキャプテンのほうが強いですよ。
よくある質問
まとめ
キャプテンの仕事は、代表・橋渡し・目標の確認の3つに絞って考えます。
全部を引き受ける人ではなく、必要な仕事を配れる人がキャプテンです。
そのうえで、準備に一番早く入る、全員と話す、係を配る、基準で伝える、自分の練習を守るの5つを続けてみてください。
私は元日本代表として、また指導者として多くのチームを見てきましたが、伸びるチームのキャプテンほど、上手に人を頼っていました。
| 悩み | 向き合い方 |
|---|---|
| 言うことを聞いてもらえない | 人ではなく行動の基準で伝える |
| 自分より上手な部員がいる | 技術の面では遠慮なく頼る |
| 先生と部員の板ばさみ | 決める人ではなく運ぶ人に徹する |
| 自信がもてない | 選ばれた理由を先生に聞く |



まずは係を3つ、明日お願いしてみます。



それだけで、チームの動き方が変わりますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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