- 練習のあと、首の後ろや肩の付け根が重だるく張っている
- 上を見上げる動きでズキッとするので、サーブレシーブが怖い
- 湿布でごまかしているが、練習を休む目安が分からない
こんな悩みを解決します。
バレーで首が痛くなるのは、上を見続ける時間の長さと、頭の重さを首だけで支えていることが重なったサインです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきて、首の張りを訴える選手が増えるのは、サーブとブロックの本数を一気に増やした時期です。
上を向いたまま長く固まる練習が続いた週に出やすい、というのが体育館で見てきた実感です。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- バレーで首に負担が重なる場面と、その仕組みが分かる
- すぐ受診したほうがいい症状と、練習を休む目安が分かる
- くり返さないための姿勢の直し方と、支える体の作り方が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:上を見る時間を減らし、首以外で頭を支える
結論からお伝えします。首が痛むときにやることは2つです。①上を見上げたまま固まる時間を減らす。②肩甲骨と背中を動かして、首以外で頭を支えられるようにする。
頭は思っているより重いものです。その重さを、首の後ろの細い筋肉だけで支え続けると、練習の終わりごろには張りが残ります。
背中と肩甲骨がよく動く選手は、上を向いたときに体全体で反ることができます。首だけが反る形にならないので、同じ本数を打っても残り方が違います。
サルくんサーブを打った日の夜が、いちばん痛いです。



打つ瞬間より、上を見て待っている時間のほうが効いていますよ。
- 腕や手にしびれ、力の入りにくさがないか
- 首を動かさなくてもズキズキ痛むか、動かしたときだけ痛むか
- ここ2〜3週間で、サーブ・ブロック・上を見る練習の本数が増えていないか
このうち1つ目がいちばん大事です。しびれや力の入りにくさがある場合は、練習を続ける前に整形外科で診てもらってください。
首は神経が通っている場所です。「動かすと痛いだけ」なのか「それ以外の症状があるのか」で、対応がまったく変わります。自己判断で押し切らないでください。
バレーで首に負担が重なる3つの場面
ここからは、なぜバレーで首が張るのかを整理します。場面が分かると、減らす場所も決まります。
場面①:上を見上げたまま止まる時間が長い
バレーはボールが頭の上にある時間が長い競技です。
サーブトスを追うとき、ブロックで相手の手を見るとき、高いボールの落下点を待つとき。どれも顔を上に向けたまま、数秒間そのまま止まります。
動かす回数より、上を向いたまま固まっている時間のほうが首にはこたえる。
短いラリーの中で何度もこれをくり返すので、1回1回は軽くても、練習が終わるころには積み上がっています。



トマルジカンガ タマル
とくにサーブ練習は、同じ姿勢を何十本もくり返すことになります。本数を一気に増やした週に張りが出るのは、このためです。
ブロックも同じです。相手の攻撃を目で追いながらネット際で構える時間は、思っている以上に長く続きます。
1本ごとの負担が小さいぶん、本人には自覚が出にくいのが厄介なところです。気づいたときには練習が終わっている、という順番になりがちです。
場面②:首だけで反ってしまう
もうひとつは、反り方の癖です。
上を見るときに背中と肩甲骨が動かないと、あごを前に出して首だけを反らせる形になります。この形は、首の後ろの狭い範囲に負担が集中します。



言われてみると、あごから上に向けている気がします。



胸を開いて体ごと反れると、首の1点にかからなくなりますよ。
背中側が硬い選手ほど、この形になりやすくなります。肩甲骨まわりの動きは、スパイクの可動域にも直結する部分です。
見分け方は簡単です。壁に背中とお尻をつけて立ち、そのまま上を見上げてもらってください。
背中が壁から離れてしまう選手は、体で反れずに首だけで反っている可能性が高くなります。
場面③:コート外の姿勢が積み重なる
3つ目は、練習以外の時間です。
授業中の姿勢、勉強、スマートフォンを見る時間。どれも顔が下を向いて、首の後ろが引き伸ばされ続ける姿勢になります。
練習で反らせて、生活で丸める。この往復が張りを残す。
部活の時間より、それ以外の時間のほうが長いのが中学生・高校生です。練習だけを見直しても張りが取れないときは、こちらを疑ってください。
スマートフォンの使い方を家庭で決めている場合は、姿勢の話もあわせて共有しておくと通りやすくなります。
首が痛いと気づいた日にやる3つのこと
痛みに気づいたその日にできることを、順番に並べます。難しいことはありません。
①その日の練習量を落とす
まず、上を向く時間が長い練習を減らします。
サーブ練習の本数、ブロックのジャンプの本数、高いボールを追う練習。全部やめる必要はなく、本数を落とすだけで十分なことがほとんどです。



全部休まないとダメですか?



痛む動きだけ減らせばいいですよ。全休よりそのほうが戻りが早いです。
痛む動きを避けながら続けると、体力も感覚も落ちません。休むかどうかを0か100で考えないでください。
指導者に伝えるときも、「首が痛いので休みます」より「上を見る練習だけ本数を減らしたい」と言うほうが通りやすくなります。
何ができて何ができないかを、自分の言葉で説明できるようにしておいてください。
②温めるか冷やすかを分ける
次に、その日の状態で温めるか冷やすかを決めます。
ぶつけた・急にひねったといった心当たりがあって、熱っぽさや腫れを感じるときは冷やすほうが向いています。
心当たりがなく、じわじわ張ってきた重だるさなら、温めて血流を上げるほうが楽になることが多いものです。
ぶつけた直後は冷やす。じわじわ張ったなら温める。
判断に迷うときは、冷やして様子を見てから考えても構いません。冷やす時間の目安は、こちらの記事でまとめています。
③首ではなく背中側を動かす
3つ目は、動かす場所です。痛む首をぐるぐる回すのは避けてください。
代わりに、肩をすくめて落とす、胸を開く、肩甲骨を寄せて下げる。この3つを、痛みが出ない範囲でゆっくり動かします。



痛いところを直接ほぐそうとせず、その周りを動かすのがコツです。



肩を回すだけなら、部室でもできそうです。
体全体が硬い選手は、まず全身の柔軟性から手をつけるほうが早いこともあります。
練習を休む目安と、痛みがあってもできる練習
ここがいちばん知りたいところだと思います。目安を決めておくと、迷わずにすみます。
すぐ受診したほうがいい症状
次のような症状があるときは、練習を続けずに整形外科を受診してください。
- 腕や手にしびれがある、力が入りにくい
- 動かしていなくても、じっとしていても痛む
- 頭痛やめまいをともなう
- 転倒やぶつかったあとから痛みが出た
これらは首だけの張りとは別の可能性があります。判断は医師に任せるのがいちばん確実です。
上を見なくてもできる練習
しびれなどがなく、動かしたときだけ痛むという場合は、上を見ない練習で感覚を保てます。
低い姿勢のフットワーク、対人のアンダーパス、下半身の筋トレ、スイングの素振り。首を反らせずにできる練習は思ったより多く残っています。



休んでいる間に下手になるのが怖くて…。



首を使わない練習で埋められます。そこは心配しなくて大丈夫ですよ。
ケガで練習を離れる期間の過ごし方は、こちらの記事に整理しています。
戻すときは本数で決める
痛みが引いてきたら、いきなり元の本数には戻さないでください。
サーブなら半分の本数から、ブロックなら跳ばずに手を出すところから始めます。翌朝に張りが残っていなければ、次の練習で少し増やす。この繰り返しで戻すのが安全です。
戻す目安は「翌朝の首の重さ」。残っていたら1段階下げる。
大会が近いと、この段階を飛ばして一気に戻したくなります。ただ、戻し方を急いだ選手ほど、同じ場所をもう一度痛めて離脱が長くなります。
1週間で戻せなくても、シーズン全体で見れば遅れにはなりません。
くり返さないための姿勢と体づくり
痛みが引いたあと、同じことをくり返さないための3つを挙げます。
スマートフォンは顔の高さまで上げる
いちばん効果が分かりやすいのが、画面の高さです。
うつむいて見る姿勢を、画面を顔の高さまで上げる形に変えるだけで、首の後ろが引き伸ばされる時間が減ります。



それだけでいいんですか!?



毎日の時間が長いぶん、いちばん効きますよ。
腕が疲れるという場合は、机に肘をつく、クッションに肘を乗せるなど、支える場所を作ってください。
完璧にやろうとしなくて構いません。1日のうち何時間かでも下を向く時間が減れば、翌朝の首の重さは変わってきます。
首ではなく体ごと向く
もうひとつは、コート上での癖です。
ボールを目で追うときに、首だけをひねって追う選手がいます。足を動かして体ごと向けば、首の負担は下がります。
これはレシーブの正確さにもつながる部分です。体の正面でボールを見られる選手ほど、落下点の読みも安定します。
直し方は単純で、目で追う前に足を1歩動かすことを意識するだけです。最初は間に合わないと感じますが、続けているうちに首でごまかす回数が減っていきます。
指導者の側から見ても、この癖は横から見ればすぐ分かります。気づいた時点で声をかけてあげてください。
背中側を鍛えて頭を支える
3つ目は、支える力です。
肩甲骨まわりと背中の筋肉が働くと、頭の重さが首だけにかからなくなります。派手なトレーニングは必要ありません。
- うつぶせで両腕を軽く持ち上げ、肩甲骨を寄せる
- チューブを前から後ろへ引き、胸を開く
- 四つばいで背中を丸める・反らせるをゆっくりくり返す
姿勢を支える体づくりは、腰の痛みの予防とも重なります。
よくある質問
まとめ:上を向く時間を減らし、背中側で支える
バレーで首が痛むときにやることは、複雑ではありません。
しびれの有無を確認→上を見る本数を落とす→背中側を動かす→翌朝の重さで戻す。
この順番で進めれば、必要以上に長く休まずにコートへ戻れます。
| つまずく場面 | 起きること | 先にやること |
|---|---|---|
| 痛い首を直接回す | 張りが強くなる | 肩甲骨と胸まわりを動かす |
| 全休か続行かで迷う | 判断が遅れて長引く | 上を見る練習だけ本数を落とす |
| しびれを我慢する | 別の原因を見逃す | 練習より先に整形外科へ |
私が体育館で見てきた限り、首の張りが長引く選手ほど、練習以外の姿勢が変わっていません。
コートの上の1時間より、うつむいている数時間のほうが積み上がります。



まずはスマホの高さから変えてみます!



それでじゅうぶんです。翌朝の首の重さで、練習量を決めていきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
体のケアについては他にも記事を書いています。
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