- 花粉の時期になると、目をこすってばかりで練習に身が入らない
- 鼻がつまって口で息をしているせいか、後半になるとバテている
- 薬を飲ませると眠そうにしていて、飲ませていいのか迷っている
こんな悩みを解決します。
先に結論をお伝えします。花粉の時期にプレーが落ちる子は、体の問題ではなく目と鼻の状態が整わないまま体育館に入っていることがほとんどです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで中学生以上の選手を指導してきて、春先だけ動きが鈍る選手を毎年のように見てきました。
体育館で見ていて分かるのは、症状そのものより「持ち込む花粉の量」で1日の調子が変わるということです。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 花粉の時期にプレーが落ちる理由が、目・鼻・薬の3つに整理できる
- 練習前・練習中・練習後にやることが順番で分かる
- 練習を休ませる目安と、病院に相談するタイミングが分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:体育館に入る前の10分で、その日の調子が決まる
まず結論からお伝えします。花粉の時期にプレーが落ちる子に共通しているのは、花粉を体と荷物につけたまま、そのまま体育館に入っていることです。
上着や髪、バッグの表面についた花粉は、体育館の中でも動くたびに舞い上がります。外にいた時間が短くても、館内で症状が続くのはこのためです。
うさママ体育館の中なのに、どうして目をこすっているのか分かりませんでした。



外でついた花粉を、そのまま持ち込んでいることが多いんです。
だから対策の順番は、症状が出てから何かをするのではなく、入る前に落とすことが先になります。
やることは難しくありません。玄関や体育館の入り口で上着をはらう、髪を結び直す、手と顔を洗う。この10分ほどの流れを毎回やるかどうかで、練習中の集中の続き方が変わってきます。



落トシテカラ 入ル ダケデ 変ワル
もうひとつお伝えしておきたいのは、花粉症は根性でどうにかなるものではないという点です。
目がかゆい、鼻がつまるという状態は、本人のやる気とは関係なく起きています。集中していないと決めつけられると、子どもは言い出せなくなってしまいます。
私が指導者として保護者の方から相談を受けるときも、「春だけ急にだらけて見える」という言い方をされることがあります。実際には症状が理由だった、というのは珍しくありません。
まずは体の状態として受け止めてあげてください。そのうえで、環境を整える手を打っていきましょう。
花粉の時期にバレーがつらくなる3つの理由
ここからは、なぜ花粉の時期にプレーが落ちるのかを整理します。理由が分かると、どこに手を打てばいいのかが見えてきます。
理由①:目のかゆみでボールの落下点がぼやける
いちばん影響が大きいのは目です。バレーボールは、飛んでくるボールの高さと落ちてくる場所を目で読んで動く競技だからです。
目がかゆくなると、まばたきが増えて視界が途切れます。涙が出ればさらに見えづらくなります。
落下点の読みが半歩ずれるだけで、レシーブもスパイクも別のプレーになってしまいます。
こすったあとに一瞬だけ見えづらくなる、あの数秒がラリー中に来ると、それだけで1本落とすことになります。



目をこすったあと、ボールがどこにあるか分からなくなるんです。



そうなんです。かゆみそのものより、見えない時間ができるのが痛いんですよね。
体育館で選手を見ていても、春先だけ落下点に入るのが遅れる子がいます。技術が落ちたわけではなく、見えている時間が減っているだけ、というのがよくある答えです。
理由②:鼻づまりで呼吸が浅くなる
次が鼻です。鼻がつまると口で息をすることになり、呼吸が浅くなります。
浅い呼吸のままラリーが続くと、息が上がるのが早くなります。後半に足が止まる、声が出なくなる、というのはここから来ていることがあります。
口で息を続けると、のども乾きやすくなります。
のどの乾きは、水分をとる量が足りていない時と同じ状態を作ります。花粉の時期は、いつもより早めに飲む場面を作ってあげてください。



春なのに、夏みたいに水筒が空になって帰ってきます。



口で息をしている分、乾きやすいんです。水分は多めで大丈夫ですよ。
練習中の飲むタイミングと量は、こちらの記事にまとめています。
理由③:薬の眠気で反応が遅れる
3つ目が薬です。花粉症の薬の中には、眠気が出やすいものがあります。
眠気があると、動き出しの一歩目が遅れます。判断そのものは合っているのに体がついてこない、という状態になりやすいところです。
ここで大事なのは、眠いから薬をやめる、という自己判断をしないことです。
薬の種類や飲む時間は、体質や症状によって変わります。眠気が気になる場合は、飲む時間帯を変えられるかも含めて、医師や薬剤師に相談してください。



薬ノ判断ハ 自分デ 決メナイ
保護者の方から「練習の日は飲ませないほうがいいですか」と聞かれることもありますが、これも私が答えられる話ではありません。飲まずに症状がひどくなれば、それはそれでプレーに響きます。
判断は専門家にゆだねて、家庭では飲んだ日の様子を記録しておく。この分担がいちばん現実的です。
花粉の時期の1日でやる5つの手順
理由が整理できたら、ここからは実際の流れです。上から順に進めると、練習中の集中が続きやすくなります。
いちばん効くのは2番目です。ここさえやれば、あとの手順が半分の力で効いてきます。



入る前にはらうだけなら、すぐできます!



それでじゅうぶんです。習慣にしてしまうのが早いですよ。
朝練がある日は、家を出る時間帯にも気をつけてあげてください。朝の準備の組み立て方は、こちらの記事が参考になります。
家でできる2つの手当て
体育館でできることには限りがあります。ここからは家の側で減らせる分をお伝えします。
練習着と上着は、その日のうちに洗う
花粉の時期にいちばん見落とされやすいのが、洗濯までの時間です。
脱いだ練習着を部屋に置いたままにすると、そこから花粉が舞います。部屋で寝ている間に症状が出れば、翌日の練習にそのまま響いてしまいます。
その日のうちに洗って、翌日に持ち越さないだけでも違ってきます。
外干しにすると干している間についてしまうので、この時期は部屋干しか乾燥機に切り替えてください。部活の洗濯量が多い家庭ほど、干す場所の確保が先の課題になります。



部活の洗濯物だけでも多いのに、干す場所がありません。



回し方を先に決めておくと楽になりますよ。
洗濯の回し方と部屋干しのコツは、こちらにまとめています。
帰宅後の順番を決めておく
もうひとつは、帰ってきてからの順番です。
玄関で上着を脱ぐ、洗面所で手と顔を洗う、その足でお風呂に入る。この順番を決めておくと、家の中に花粉を広げずにすみます。
先に部屋に入ってしまうと、あとから洗っても遅くなります。
順番を決めておく利点は、子どもが自分でできるようになることです。毎回声をかけていると、言われた側も面倒になってしまいます。



決メタ順番ハ 声カケヨリ 続ク
夜のうちに整えておけば、翌朝の状態が変わります。花粉の時期は、寝る前の10分が次の日の練習につながっていきます。
体育館の中でも症状が出るときに疑うこと
「外にいないのに症状が出る」という相談もよく受けます。この場合は、花粉以外の原因が混ざっていることがあります。
体育館は、床のほこりが舞いやすい場所です。ボールが転がり、選手が動き回るので、空気中に細かいほこりが上がり続けます。
花粉の時期に症状が重くなる子は、ほこりでも反応していることがあります。
見分け方はひとつあります。屋外にいない日や、雨の日にも同じ症状が出るかどうかです。天気に関係なく続くようであれば、花粉だけが原因ではない可能性があります。



雨の日でも目をこすっていることがあります。



それだと、花粉以外も混ざっているかもしれませんね。一度みてもらいましょう。
この見分けは家庭でつけきれるものではないので、気になったら医療機関で相談してください。原因が分かれば、対策の打ち方も変わってきます。
指導者の側にお願いできることもあります。練習前のモップがけを1往復増やしてもらう、換気の時間を決めてもらう。この2つはチーム全体にとってもプラスになるので、伝えやすいところです。
言いにくければ、症状のある子がいることだけでも共有しておいてください。知っているかどうかで、指導者の見え方も変わります。
練習を休ませる目安と、病院に相談するタイミング
最後に、判断が必要な場面についてお伝えします。
花粉症そのものは、練習を全部やめなければならない症状ではありません。ただし、次のような状態が出ているときは無理をさせないでください。
- 目が開けづらく、ボールが見えていない
- 息苦しさがあり、ラリー中に呼吸が整わない
- 熱っぽさやだるさがあり、風邪との区別がつかない
- 薬の眠気が強く、動き出しが明らかに遅れている
見えていない状態でボールの下に入るのは、それ自体が危ない場面を作ります。顔や指にボールを当てるリスクが上がるからです。
見えていない日は、無理に打たせず、体を動かす練習に切り替えるのが安全です。
病院に相談するタイミングは、症状が生活に影響し始めた時です。夜に眠れない、授業に集中できない、食欲が落ちている。こうしたサインが出ていれば、早めに受診してください。



このくらいなら大丈夫だと思って、言えませんでした。



言ってくれたほうが、こちらも練習を変えられます。がまんしなくて大丈夫ですよ。
休ませるかどうかの線引きに迷ったときは、体調不良全般の判断基準もあわせて確認してみてください。
なお、私は医療の専門家ではありません。薬の選び方や量については、必ず医師や薬剤師の説明にしたがってください。ここでお伝えできるのは、あくまで練習の組み立て方の部分です。
よくある質問
まとめ:入る前に落とすことから始める
花粉の時期にプレーが落ちるのは、やる気の問題ではありません。
上着を決める→入る前にはらう→顔と手を洗う→休けい中に鼻をかむ→帰宅後すぐ脱いで洗う。
この5つを毎日の流れに入れるだけで、練習中の見え方と呼吸が変わってきます。
| つまずく場面 | 起きること | 先にやること |
|---|---|---|
| そのまま体育館に入る | 館内でも症状が続く | 入り口の外ではらう |
| 鼻づまりのまま動く | 後半に息が上がる | 水分を早めにとる |
| 眠気で薬をやめる | 症状が強く出て逆効果 | 医師・薬剤師に相談する |
私が体育館で見てきた限り、春先だけ動きが鈍る選手は、技術が落ちたわけではありません。見えている時間と、息のしやすさが減っているだけです。
そこを整えてあげれば、いつもどおりのプレーに戻っていきます。



明日から、入る前にはらうところだけ始めてみます。



それがいちばん効きます。1週間続けたら、本人が違いに気づきますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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