- 試合がない時期に、何を練習すればいいのか分からない
- 走り込みばかりで、シーズンが始まると去年と同じ自分に戻っている
- 冬のうちにジャンプ力やパワーを上げたいけれど、やり方が分からない
こんな悩みを解決します。
オフシーズンにやることは、フォームの作り直し・体の土台づくり・痛みを完全に治すことの3つです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきた中で、春に大きく変わっている選手は、冬の間にやることを絞っていました。
試合がない時期は、フォームを一度崩してでも作り直せる唯一の期間です。シーズン中は勝つために今の形で戦うしかないので、直す作業はここでしか進みません。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 試合がない時期に、何から手をつければいいかがはっきりする
- 走り込みだけで終わらせない、週の組み立て方が分かる
- 成長期の体を痛めずに、パワーとジャンプ力を伸ばす順番が分かる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:オフシーズンは「直す・作る・治す」の3つに絞る
先に結論をお伝えします。試合がない時期にやることは、次の3つで足ります。
- 直す:シーズン中に崩れたフォームを作り直す
- 作る:心肺機能と下半身を中心に、体の土台を作る
- 治す:痛みや違和感を残さず、完全に治し切る
新しい技を増やす時期ではありません。すでにあるものを、来シーズン戦える状態まで整え直す作業になります。
サルくん試合がないと、何をすればいいか分からなくなります…。



やることを3つに絞ると迷いませんよ。
オフシーズンは、増やす時期ではなく作り直す時期です。
この3つに共通しているのは、どれもシーズン中には手をつけられないことです。試合が続いている間は、フォームを崩す時間も、体をしっかり追い込む時間も取れません。
だからこそ、ここでの過ごし方が翌年の伸びを決めます。ここからは、伸びる理由・3つの中身・やりがちな失敗・週の組み立て方の順に見ていきましょう。
試合がない時期に差がつく2つの理由
まずは、なぜこの時期が伸びるのかを整理します。理由が分かると、練習の選び方も変わってきます。
フォームを一度崩して作り直せる
1つ目は、失敗できることです。フォームを直している最中は、いったん前より下手になる時間が必ずあります。
試合が続いている時期にそれをやると、勝ちたい気持ちが勝って元の形に戻ってしまいます。負けても失うものが少ない時期だからこそ、思い切って直せるんですよね。



直ス途中 ハ 一時的ニ 下手ニナル
私がスクールで見ていても、フォームが本当に変わった選手は、試合の少ない時期にしっかり時間をかけていました。
反対に、試合のたびに元の形へ戻していた選手は、1年たっても同じ課題を持ったままでした。直す作業には、うまくいかない時間に耐えられる環境が必要なんです。
体づくりは効果が出るまで時間がかかる
2つ目は、時間差です。筋力やジャンプ力は、始めてすぐに数字が上がるものではありません。
数か月かけて積み上げたものが、シーズンに入ってから形になって出てきます。逆に言えば、シーズンが始まってから慌てて始めても間に合わない、ということです。
体づくりは、結果が出るまでの時間を逆算して始めます。
たとえば下半身の筋力なら、変化を感じられるまでに数か月はかかります。次の大会から逆算して、いつまでに何を仕上げるかを決めておくと、途中で止まりにくくなります。



すぐに結果が出ないと、続ける自信がないです…。



出る時期が分かっていれば、迷わず続けられますよ。
積み上げてきた体づくりの伸びを数字で確かめたいときは、体育館でできる測り方を別の記事でまとめています。
直す:フォームを作り直す手順


ここからが具体策です。まずは、シーズン中に崩れたフォームを作り直します。
今の自分の形を動画で見る
直す前に、今どうなっているかを知る必要があります。自分の感覚と実際の動きは、思っている以上にズレているからです。
スマホで自分のフォームを撮影し、理想とする選手の動きと見比べてみてください。横からと後ろからの2方向で撮ると、体の向きや高さの違いが分かりやすくなります。
この作業をしないまま練習量だけ増やすと、崩れた形のまま固まってしまいます。努力の方向を間違えると、時間をかけても大きな成果は出ません。



自分の動画を見ると、思っていた形と全然違いました!
直すのは1つだけにする
見つけた課題が3つあっても、同時に直そうとしないでください。人の体は、意識できる場所が1度に1つだからです。
肘の高さを直すと決めたら、その期間は肘だけを見ます。1つが体に入ってから、次の1つへ進むほうが結局は早く仕上がります。



欲張ると、どれも中途半端で終わりますよ。
正しい形が身につくと、そこからはミスが起きにくくなります。これが、フォームを最優先で直す理由です。
作る:体の土台を作る


フォームと並行して進めるのが、体の土台づくりです。ここは順番を守ると安全に伸ばせます。
心肺機能を先に上げる
最初に取りかかりたいのは、心肺機能です。心肺機能が低いままだと、試合の後半にプレーの精度がガクッと落ちてしまいます。
やり方は、心拍数が上がった状態を保って動き続ける練習です。おおむね心拍数140前後を目安に、一定時間動き続ける形を週に何度か入れてみてください。
終盤に動ける体は、心肺機能から作られます。
長い距離をゆっくり走り込むより、ダッシュとつなぎを繰り返すインターバル形式のほうがバレーの動きに近くなります。
バレーは、短い全力の動きと短い休みをくり返す競技です。練習で使う体力も、その形に合わせておくほうが試合で生きてきます。



走リ込ミヨリ 心拍ヲ 上ゲ続ケル
自分の体重で使える力を増やす
次に筋力です。中学生の年代では、重いダンベルやバーベルを使う必要はありません。
自分の体重を使ったスクワット・ランジ・腕立て伏せなどで十分に伸ばせます。器具である程度の重さを扱うのは、怪我の予防と骨の成長への配慮から、高校生の年代からで足ります。
- 心拍数を上げて動き続けるインターバル形式の走り
- 自分の体重を使ったスクワット・ランジ・腕立て伏せ
- 足首・肩甲骨など、動く範囲を広げるストレッチ
きつすぎるメニューを組んで、バレーそのものが嫌になってしまうのがいちばんもったいないパターンです。続けられる量から始めましょう。
回数や重さを増やすのは、今のメニューが正しい形で最後までできるようになってからにします。形が崩れたまま数だけ増やすと、鍛えたい場所に効かないまま疲れだけが残るからです。



数ヲ増ヤスノハ 形ガ 固マッテカラ
治す:痛みを残さず治し切る
シーズン中はだましだまし続けてきた痛みも、この時期に片づけます。ここを飛ばすと、翌シーズンの途中で必ず出てきます。
痛みが続いている場所があるなら、まず練習量を落として、医療機関で診てもらってください。自己判断で我慢して続けると、治るまでの期間が長くなります。
痛みを持ち越さないことも、オフシーズンの大事な仕事です。
痛みが引いたあとも、いきなり全力には戻しません。軽い動きから段階を踏んで戻すと、同じ場所を痛める確率がぐっと下がります。
戻す順番は、痛みなく歩ける・軽く走れる・軽い球を打てる・全力で打てる、という具合に段階を分けます。1つの段階で痛みが出たら、その手前まで戻してやり直してください。
痛みを我慢して続けた期間が長いほど、復帰までの時間も長くなります。早く戻りたいなら、早く休むほうが結果的に近道になるんですよね。



動けるようになると、つい全力でやりたくなります。



そこで焦らないのが、長く続ける選手ですよ。
あわせて、足首や肩甲骨など動く範囲が狭くなっている場所も広げておきましょう。可動域が戻ると、フォームの直しも進みやすくなります。
オフシーズンにやりがちな2つの失敗
続いて、この時期に多い失敗を見ておきます。どちらも本人はがんばっているつもりなのが共通点です。
走り込みだけで冬が終わる
1つ目は、走る量だけを増やしてしまうパターンです。走り込みは体力づくりの一部にはなりますが、それだけではフォームもジャンプ力も変わりません。
しかも量が多すぎると、疲れが残って技術練習の質まで落ちてしまいます。走ることが目的になっていないか、時々ふり返ってみてください。



走ル量 ダケデハ 春ニ 変ワラナイ
何もしないまま期間が終わる
2つ目は、逆に何も決めずに過ごしてしまうパターンです。試合がないと練習の目的があいまいになり、気づいたら数か月がすぎています。
防ぐ方法は簡単で、期間の初めに「この冬で直す1つ」を決めて紙に書いておくことです。決めた1つがあるだけで、毎回の練習でやることが定まります。



決メタ1ツヲ 見エル所ニ 置ク
書いたものは、練習ノートの最初のページなど、毎日目に入る場所に置いておきましょう。目標は忘れるものだという前提で、思い出す仕組みまで作っておくのがコツです。



冬のあいだに直す1つを、今日決めます!
1週間の組み立て方の例
最後に、3つをどう1週間に入れるかの例を紹介します。部活の日数に合わせて調整してください。
| 曜日の例 | 中心にすること |
|---|---|
| 週の前半 | フォームの直し(動画で確認しながら短時間で反復) |
| 週の中ごろ | 心拍数を上げるインターバル形式の走り+自重トレ |
| 週の後半 | 実戦形式の練習で、直した形が出るかを試す |
| 休養日 | 体を休める+ストレッチで動く範囲を広げる |
大事なのは、直す日と試す日を分けることです。同じ日に両方やろうとすると、勝ちたい気持ちが出て元の形に戻りやすくなります。



直す日と試す日を分けると、変化が定着しますよ。
体づくりは、疲れが技術練習に残らない範囲で入れましょう。体が重い日が続くようなら、量を減らして睡眠と食事を優先します。
チームの練習日が多い場合は、体づくりを練習の最後に短くまとめて入れる形でも構いません。1回の量より、週の中で何回できたかのほうが積み上がります。



短くても、回数を重ねるほうが大事なんですね!
よくある質問
まとめ
試合がない時期は、休む期間でも走るだけの期間でもありません。シーズン中には手をつけられないことを片づける期間です。
直す・作る・治すの3つに絞れば、春に別の選手になれます。
| やること | 具体的な中身 |
|---|---|
| 直す | 動画で今の形を確認し、直す場所を1つだけ決めて反復する |
| 作る | 心肺機能を先に上げ、自分の体重を使った筋トレを重ねる |
| 治す | 痛みは我慢せず診てもらい、復帰は軽い動きから段階を踏む |
| 週の組み立て | 直す日と試す日を分ける・休養日にストレッチを入れる |
| 避けたい失敗 | 走り込みだけで終わる・目的を決めないまま期間を過ごす |
私は元日本代表として、また指導者として多くの選手を見てきましたが、春に伸びている選手ほど冬にやることを絞っていました。



この冬は、直す1つを決めて取り組みます!



その1つが、来シーズンのあなたを変えますよ。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
体づくりについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪
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