バレー部と修学旅行|数日休んだ体を戻す5つの手順

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  • 修学旅行から帰ってきたら、体が重くて動けない
  • 数日練習を休むと下手になりそうで不安
  • 旅行中に足が痛くならないか心配

こんな悩みを解決します。

修学旅行のあとに体が動かなくなるのは、練習を休んだからではありません。旅行中に歩き回った疲れが抜けないまま、いつもの練習量に戻しているだけです。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

10年以上スクールで中学生・高校生を指導してきましたが、行事のあとに体調を崩す選手には共通点がありました。

休んだことを取り返そうとして、帰ってきた初日にいつも以上に動いてしまうんです。

数日のブランクで技術は落ちません。落ちるのは、体を戻す順番を間違えたときだけです。

ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 修学旅行のあとに体が重くなる理由がわかる
  • 帰ってきてから体を戻す5つの手順がわかる
  • 旅行中に足を守るためにできることがわかる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:修学旅行は「休み」ではなく「別の疲れ」が入る期間

先に結論をお伝えします。修学旅行の前後でやることは、休んだ日数を取り返そうとせず、帰ってきてから3日かけて練習量を戻すことです。

多くの選手は、修学旅行を「練習が休みになる期間」だと考えています。ところが体からすると、休みではありません。

朝早く起きて、重い荷物を持って、慣れない靴で1日中歩き回る。夜は友達と話し込んで睡眠が短くなる。これは休養ではなく、別の種類の疲れが積み上がっている状態なんですよね。

サルくん

休みだったのに、なんで疲れてるんでしょう…。

あげば

休んでいたのは体育館だけで、体はずっと動いていましたからね。

修学旅行で歩き疲れてふくらはぎを押さえる中学生バレー選手のイラスト

そのうえ、バレーで使う動きだけがぽっかり抜けています。ジャンプも横の動きも数日していないので、体の反応だけが鈍っているわけです。

つまり戻すときに必要なのは、たまった疲れを抜く作業と、抜けた動きを思い出す作業の両方になります。この2つを同じ日にまとめてやろうとすると、どこかを痛めやすくなります。

順番は「抜く」が先です。疲れが残ったままジャンプの本数を戻すと、着地のたびに疲れた筋肉へ衝撃が入り続けることになります。

そして、この考え方は修学旅行にかぎった話ではありません。テスト期間や体育祭など、部活が止まる行事のたびに同じ手順が使えます。

修学旅行のあとに体が重くなる3つの理由

なぜ数日休んだだけで、あれほど体が動かなくなるのでしょうか。理由は3つあります。

自分の体に何が起きているかがわかると、優先して直すところも決めやすくなります。

【理由①】歩く距離がふだんの何倍にもなる

1つ目は、歩数が一気に増えることです。

観光地を回る日は、朝から夕方まで歩き続けます。バレーの練習は短い距離を細かく動く競技なので、長時間歩き続ける動きはふだんほとんどしません。

しかも履いているのは、クッションの少ないスニーカーやローファーであることが多くなります。足の裏やふくらはぎに、いつもと違う向きの負担が集中するんです。

バボット

歩数ノ増加ハ下半身ノ疲労ヲ静カニ積ミ上ゲル

帰ってきた日に足の裏が張っていたら、それは練習不足ではなく疲労です。ここでいきなり跳ぶと、かかとやすねを痛める入り口になります。

【理由②】睡眠が短くなり回復が追いつかない

2つ目は、眠る時間が削られることです。

修学旅行の夜は、どうしても消灯後まで話が続きます。1日だけなら問題ありませんが、それが2泊3日続くと、体を直す時間がまとめて足りなくなります。

疲れは寝ている間に処理されるので、睡眠が短い日が続くと、翌朝に前日の疲れを持ち越したまま出発することになるんです。

サルくん

3日とも夜更かししてました…。

あげば

楽しむのは大事ですよ。帰ってからの3日で取り返しましょう。

睡眠と回復の関係は、こちらの記事でくわしく書いています。

【理由③】ジャンプと切り返しの動きだけが抜ける

3つ目は、バレー特有の動きが数日間ゼロになることです。

歩く動きは続いているので、持久力そのものは大きく落ちません。ところが、跳ぶ・止まる・向きを変えるという動きだけは、旅行中まったく出てきません。

この動きは、筋力よりも「タイミングを合わせる感覚」で成り立っています。使わない日が続くと、感覚のほうが先にずれるんです。

だから帰ってきた初日に感じる違和感は、体力が落ちたのではなく、タイミングが合っていないだけということが多くなります。

帰ってきてから体を戻す5つの手順

ここからが本題です。修学旅行から帰ってきたあと、どういう順番で体を戻せばいいのかを5つの手順にまとめます。

体を戻す5つの手順
  • 帰宅した日はストレッチと入浴だけにする
  • 1日目は動きの確認だけで本数を追わない
  • 2日目にジャンプを伴うメニューを戻す
  • 3日目でいつもの練習量に戻す
  • 3日間とも寝る時間を先に決めておく

順番に見ていきます。

【手順①】帰宅した日は「抜く」ことだけをする

帰った日にボールを触りたくなる気持ちはよくわかります。ただ、この日にやるべきなのは動くことではありません。

ふくらはぎと足の裏を伸ばして、湯船につかって、いつもより早く寝る。やることはこれだけで十分です。

荷物を出すのは翌日でもかまいません。この日に睡眠を確保できるかどうかで、翌日の重さが変わります。

あげば

帰った日の夜こそ、いちばん効く1本の練習だと思ってください。

【手順②】1日目は動きを思い出す日にする

練習に復帰した最初の日は、フォームの確認に使ってください。

対人パスやサーブなど、地面から足が離れない動きから入ります。目的は本数をこなすことではなく、ボールとの距離感を戻すことです。

ここで「思ったより動けない」と感じても、心配はいりません。数日空けたあとに一度崩れるのは、ほとんどの選手に起こります。

このとき役に立つのが、自分のフォームをスマホで撮っておくことです。旅行前の動画が手元にあれば、感覚のズレなのか本当にフォームが変わったのかを目で確かめられます。

思い出そうとして力を入れるほど、動きは硬くなります。1日目は「軽く当てて返す」くらいの気持ちで十分です。

サルくん

全然ボールが合わなくて焦りました。

あげば

1日目はそれで正解ですよ。合わない感覚を確かめる日ですから。

【手順③】2日目にジャンプを戻す

2日目から、スパイクやブロックなど跳ぶメニューを入れていきます。

ここでも本数は、ふだんの半分から6割程度にとどめてください。着地の衝撃は、疲れが残っている足にいちばん強く響きます。

跳ぶ前に、その場での軽いジャンプを何回かはさんでおくと、着地の準備ができます。

修学旅行明け2日目に軽いジャンプからバレーの練習を戻す様子のイラスト

【手順④】3日目でいつもの練習量に戻す

3日目には、通常のメニューに戻して問題ありません。

ここまでで足の張りが抜けていれば、旅行前より軽く動ける日もあります。歩き続けたことで、下半身の持久力が上がっていることがあるからです。

逆に、3日たっても同じ場所が痛むなら、疲労以外の原因も考えられます。我慢せず先生と保護者に伝えてください。

戻し方の目安は、ケガから復帰するときの考え方とよく似ています。痛みがある状態で本数だけ戻すのがいちばん危ないという点も同じです。

【手順⑤】3日間は寝る時間を先に決める

最後は睡眠です。戻し期間の3日間は、宿題や準備より先に就寝時刻を決めてください。

修学旅行のあとは、写真の整理やお土産の話で夜が長くなりがちです。そこに練習の疲れが重なると、戻すはずの3日間が新しい寝不足の3日間になってしまいます。

バボット

戻シ期間ノ夜更カシハ振リ出シニ戻ル

修学旅行中にできる3つのこと

旅行そのものは思いきり楽しんでください。そのうえで、足を守るためにできることが3つあります。

旅行中にできること
  • 履き慣れた靴で行き、絆創膏を持っていく
  • 移動中の座席でふくらはぎを軽く動かす
  • 水分をこまめに取り、朝食を抜かない

いちばん多いトラブルは、新しい靴による靴擦れです。当日おろした靴は、半日歩いただけで皮がむけることがあります。

移動のバスや電車で座っている時間は、足首を上下に動かすだけでも血の巡りが変わります。ふくらはぎのむくみを軽くしておくと、翌朝の重さが違ってきます。

サルくん

バスの中でできることがあるんですね!

あげば

ずっと座りっぱなしが、いちばん足にきますからね。

もうひとつ気をつけたいのが朝食です。

旅行中は起きる時間が早く、食欲が出ないまま出発する日があります。ここで朝食を抜くと、午前中の歩きでエネルギーが足りなくなり、午後の疲れ方が大きく変わってしまいます。

食べられる量でかまわないので、ごはんやパンなどの主食だけは口に入れてから出発してください。日中の水分も、のどが渇く前にこまめに取るのが基本です。

持ち物の考え方は、練習の準備と同じです。こちらも参考にしてみてください。

修学旅行の前後でやりがちな3つの失敗

最後に、この時期にやってしまいがちな失敗を3つ挙げておきます。

修学旅行の前後でやりがちな失敗
  • 出発前に「今のうちに」と練習を詰め込む
  • 帰った初日に休んだ分を取り返そうとする
  • 部活を休む連絡を後回しにする

ひとつ目は、出発前の追い込みです。

「しばらく休むから今のうちにやっておこう」と考えて練習量を増やすと、疲れを抱えたまま旅行に入ることになります。そこへ長時間の移動と歩きが重なるため、旅行の初日から足が張ってしまいます。

出発前の数日は、いつも通りのメニューで十分です。むしろ荷物の準備が続く分、睡眠のほうを守ってあげてください。

サルくん

休む前に貯金しておきたくなります…。

あげば

体に貯金はできませんよ。前借りになるだけです。

ふたつ目は、帰ってきた初日の取り返しです。

数日のブランクなら3日で戻りますが、疲れが残った足で無理をして痛めると、復帰に数週間かかることがあります。取り返すつもりの1日が、いちばん遠回りになるわけです。

みっつ目は、部活を休む連絡を後回しにすることです。

学校行事なので当然伝わっていると思いがちですが、外部のクラブチームやスクールに通っている場合は、学校とは別に連絡が必要です。

旅行の日程が決まった時点で伝えておくと、その週の練習の組み方も相談しやすくなります。

よくある質問

修学旅行で3日休むと、下手になりますか?

3日程度のブランクで技術が落ちることはほとんどありません。
戻った初日に感覚がずれるのは自然なことなので、動きの確認から順に戻していけば数日でもとに戻ります。

旅行先で自主練をしたほうがいいですか?

無理に練習道具を持っていく必要はありません。
それよりも睡眠を確保することと、歩き疲れをその日のうちにストレッチで抜いておくことのほうが、帰ってからの動きに効いてきます。

帰ってきた次の日が大会です。どうすればいいですか?

前日にあたる帰宅日は、体を伸ばして早く寝ることを最優先にしてください。
当日はアップの時間を長めにとり、いつもより入念に足首と股関節を動かしてから試合に入ると動きやすくなります。

旅行のあと、ふくらはぎの張りが1週間抜けません。

張りが長く続く場合は、疲労以外の原因があることも考えられます。
練習を軽くしても改善しないときは、我慢せず保護者に伝えて医療機関で見てもらってください。

まとめ

修学旅行のあとに体が重くなるのは、練習を休んだからではなく、歩く疲れと寝不足が積み上がっているからです。休んだ日数を取り返そうとせず、3日かけて戻していきましょう。

帰宅日は抜くだけ・1日目は動きの確認・2日目にジャンプ・3日目で通常・3日間は睡眠優先。この順番を守れば、ブランクは怖くありません。

項目内容
体が重くなる理由歩数の増加・睡眠不足・跳ぶ動きの中断
帰宅した日ストレッチと入浴、早めの就寝だけ
復帰1日目足が離れない動きでフォーム確認
復帰2日目ジャンプを半分〜6割の本数で再開
復帰3日目いつもの練習量へ戻す
旅行中の対策履き慣れた靴・座席で足首を動かす・朝食を抜かない
痛みが続くとき3日たっても同じ場所が痛むなら大人に伝える

私は元日本代表として、また指導者として多くの中高生を見てきましたが、行事のあとに崩れる選手と伸びる選手を分けていたのは、体力ではなく戻し方の順番でした。

サルくん

帰った日は寝ることから始めます!

あげば

それがいちばん近道ですよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

コンディショニングについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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