- テスト期間で部活が休みになると、体力が落ちそうで不安になる
- 勉強もしたいけれど、何もしないと再開したときが怖い
- 部活が再開した初日に体が重くて、思うように動けなかった
こんな悩みを解決します。
テスト期間の1〜2週間で体を落とさないコツは、練習量を取り戻そうとせず、短くても強度のある動きを残すことです。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきて感じるのは、テスト明けに差がつくのは勉強量ではなく、休みの入り方だということです。
毎日1時間動いていた選手が急にゼロにすると、体はその状態に合わせて省エネモードへ切り替わります。
逆に、1日15分でもいいので心拍が上がる時間を残しておけば、再開初日から普通に動けます。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- テスト期間の1〜2週間で、何が落ちて何が落ちないのかがわかる
- 勉強時間を削らずに体を保つ、1日15分の具体的な過ごし方がわかる
- 部活が再開した最初の3日を、怪我なく元のレベルへ戻せる
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:テスト期間は「量」ではなく「強度」を残す
先に結論からお伝えします。テスト期間の過ごし方は、次の3つに整理できます。
- 練習量は減らしてよい。ただし心拍が上がる時間をゼロにしない
- 睡眠と食事は、部活があるときと同じリズムを崩さない
- 再開初日から全力を出さず、3日かけて戻す
いちばん大事なのは、動く時間が減っても、動きの強さを保てば体力は落ちにくいという点です。
これはトレーニングの世界では広く知られている考え方です。
頻度や時間を減らしても、1回の強度を保っていれば体力の低下はゆるやかになると言われています。
つまりテスト期間にやるべきことは、1時間の練習を無理やり確保することではありません。15分でいいので、本気で体を動かす時間を作ることです。
サルくんえ、15分でいいんですか?



うん。だらだら30分やるより、本気の15分の方が体は保てるよ。
そしてもう1つ大事なのが、生活のリズムです。部活がない分だけ夜ふかしと朝寝坊が増えると、体力よりも先に生活の方が崩れます。
そもそも休むこと自体は悪いことではありません。
スポーツ庁の運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインでも、部活動には週2日以上の休養日を設けることが示されています。
私が選手に伝えているのは、休むこと自体を怖がる必要はない、ということです。問題になるのは、休み方が急すぎるときだけなんですよね。
ここからは、テスト明けに動けなくなる理由・落とさない5つの過ごし方・やってはいけないこと・再開の手順の順に見ていきます。
テスト明けに動けなくなる3つの理由
なぜ2週間ほど休んだだけで、あんなに体が重く感じるのでしょうか。理由は3つに分けられます。
理由①:心拍を上げる時間がゼロになる
いちばん早く落ちるのが、息が上がる状態に耐える力です。
バレーは短いダッシュとジャンプをくり返す競技なので、心拍を上げて下げる動きを毎日くり返しています。
その刺激が完全になくなると、体は今ほどの能力はいらないと判断して省エネの状態に切り替わります。ここが再開初日に息が上がる正体です。
やっかいなのは、筋力よりも先にこの部分から落ちていくところです。見た目の体つきは変わっていないのに、3本続けてラリーをしただけで動けなくなるのはそのためです。
理由②:ボールに触る感覚がずれる
体力よりも先に戻りにくいのが、指先とボールの距離感です。
オーバーハンドパスの面の作り方やレシーブの入る位置は、毎日ボールに触れているから微調整が効いています。
2週間も間があくと、落下点の予測がわずかにずれます。本人は同じつもりでも、実際は半歩ぶんズレていることが少なくありません。
このズレは、練習を1日みっちりやれば戻るものではありません。短くてもボールに触れた日が何日あったかで、戻る早さが変わってきます。



体力ヨリモ 感覚ノ方ガ 先ニズレル
理由③:睡眠と食事のリズムが崩れる
見落とされがちなのが生活のリズムです。
夜中まで勉強して朝ぎりぎりに起き、朝ごはんを抜く日が続くと、体を作る材料も回復する時間も足りなくなります。
テスト明けに一気に疲れが出るのは、練習を休んだからではなく、この生活の乱れが積み重なっているからです。
普段の睡眠については、バレー選手の睡眠時間の目安|夜型を直して疲れを残さない方法でくわしくまとめています。
体を落とさない5つの過ごし方
ここからが本題です。勉強時間を削らずにできる5つを紹介します。
①1日15分だけ心拍を上げる
まずはこれだけで十分です。その場でのジャンプ・もも上げ・シャトルランのような短い往復を、休みを入れながら15分やります。
大事なのは息が上がるところまで行くことです。会話ができないくらいの強さを短く入れる方が、ゆっくり長く動くより体力は保てます。
勉強の合間の気分転換にもなるので、暗記が進まないときの区切りとして使うのがおすすめです。
やる時間帯は、夕方から夜の早い時間がおすすめです。寝る直前に息が上がる運動をすると、体温が上がって寝つきが悪くなることがあります。



本気ノ15分 ヲ 夕方ニ 入レル
②ジャンプの回数を落とさない
バレー選手にとってジャンプは体力の土台です。
その場でのジャンプを20回、3セットだけでも残しておくと、跳ぶための力とふくらはぎのバネが保たれます。
床が響く家では、しゃがんで立ち上がる動きに置き換えても構いません。跳ばなくても、太ももとお尻の筋肉を使う感覚を思い出しておくことが目的です。
跳ぶときは、着地で膝を軽く曲げて音を立てないように下りることを意識してみてください。



音ヲ立テナイ着地 ハ 膝ヲ守ル練習
家でうるさくしないための工夫が、そのまま怪我を防ぐ練習にもなります。
自重でできるメニューは中学生の筋トレはいつから|成長期に効く自重トレと避けることにまとめています。
③1日5分でもボールに触る
感覚のズレを防ぐには、ボールに触る時間を短くても残すことです。
その場での直上パスを50回、オーバーとアンダーで交互にやるだけでも、指先の記憶はかなり残ります。
外に出られる日なら、壁パスを5分だけでも入れておくと復帰が楽になります。やり方はバレーのパス1人練習メニュー|壁パス・自宅でできるコツを参考にしてみてください。



直上パスなら部屋でもできますね!



そう、天井が高い場所を選んでね。回数より毎日続ける方が効くよ。
文化祭の準備で練習に出られない日が続くときも、ボールに触る時間を残す過ごし方を別の記事でまとめています。
④ストレッチで体の硬さを止める
座っている時間が一気に増えるのがテスト期間です。
長時間の勉強で股関節と背中が固まると、再開したときにしゃがめない・腕が上がらないという状態になります。
風呂上がりに5分、股関節・もも裏・肩甲骨まわりを伸ばしておくだけで、可動域はかなり守れます。
座る時間が増えた日ほど、伸ばす時間を長めにとると覚えておくと迷いません。
1時間に1回、席を立って背伸びをするだけでも違います。勉強の集中が切れたタイミングを、そのまま体をほぐす合図にしてしまうのが続けるコツです。
⑤睡眠と食事を部活があるときと同じにする
最後は生活です。ここを守れるかどうかで、テスト明けの体の軽さがはっきり変わります。
寝る時間と起きる時間はテスト期間も動かさないのが理想です。食事も、練習量が減ったからと量を減らしすぎないようにしてください。
成長期は体を作る材料が常にいる時期なので、バレーボールの食事メニューの基本|勝てる体を作る栄養バランスの考え方をそのまま続けるので十分です。



動いてないのに、同じだけ食べていいんですか?



うん。体を作る材料は毎日いるからね。減らすなら間食を少しだけにしよう。
テスト期間にやってはいけない3つ
よかれと思ってやったことが、逆に体を落とすことがあります。次の3つは避けてください。
- 完全に体を動かさない日を1週間以上続ける
- 睡眠を削って勉強時間を作る
- テスト最終日に、いきなり全力で練習する
いちばん多いのが、最初の1週間をまるごと動かずに過ごしてしまうパターンです。
やる気の問題ではなく、勉強に集中していると体を動かす発想そのものが消えてしまうんですよね。だからこそ、時間を決めて予定に入れておくことが大事になります。



つい夜中まで起きて詰め込んじゃいます…。
2つ目の睡眠を削る勉強は、体にも成績にも損が大きい選択です。眠らないと覚えたことが定着しにくくなるうえに、疲れも抜けません。
勉強と体力のどちらも守る時間の作り方は、バレー部と勉強の両立|疲れて眠い日でもできる5つの工夫でくわしく紹介しています。



睡眠を削るのは、いちばん割に合わない選択なんだ。
3つ目が、テストが終わった解放感でいきなり全力を出してしまうことです。休んでいた体に急な負荷をかけると、足首や膝を痛めやすくなります。
怪我が増えるのは休んでいる間ではなく、休み明けの数日です。ここを知っているだけで、再開の一歩目が変わります。



最終日ほど気をつけて。ケガはこういう日に出るんだ。
部活が再開した最初の3日の戻し方
再開してすぐ元の練習量に戻せる、と考えないことが大切です。3日かけて段階を上げていきます。
私がテスト明けの練習で最初に見るのは、選手が着地でしっかり膝を使えているかどうかです。
1日目でいちばん優先したいのは、動的ストレッチを普段より長めにとることです。手順はバレーの動的ストレッチ|練習前のウォームアップにまとめています。
2日目のスパイクは、最初から助走をフルで使わないでください。1歩助走や2歩助走から始めて、着地の衝撃に体を慣らしていきます。
3日目でようやく元の強度です。ここまで待てる選手ほど、テスト明けの1週間を怪我なく走り切れます。
テスト明けすぐに大会が控えている時期もあります。その場合でも、初日の練習量だけは落とし、ウォームアップの時間を長くとる形で調整してください。



焦って初日に飛ばすと、結局あとで動けなくなるんですね。
もし途中で足首や膝、腰に痛みが出た場合は、我慢して続けずに練習を止めてください。痛みが引かないときは医療機関で見てもらうのが確実です。
動けない期間だからこそ伸ばせること
テスト期間は、体を使えない代わりに頭を使える時間でもあります。ここを活かせる選手は、休みを損だけで終わらせません。
試合の映像を見て、次の課題を1つ決める
自分の試合の映像を見返す時間は、練習期間中はなかなか取れません。
見るときのコツは、うまくいかなかった場面ではなく、同じミスがくり返されている場面を探すことです。1試合で1つ見つかれば十分な収穫になります。
同じミスが出るときは、そのプレーの直前の準備が原因になっていることがよくあります。



ボールが来た瞬間じゃなく、その1つ前の動きを見てみよう。
ボールを持たずにプレーを頭の中で再現する練習も相性がいいので、バレーのイメージトレーニングのやり方|成功を描く練習を合わせて読んでみてください。
バレーノートを書きためる
もう1つが、ふり返りを言葉にしておくことです。
練習が続いている時期は、書く前に次の練習が来てしまいます。テスト期間なら、これまでの試合や練習をまとめて整理できます。
書き方はバレーノートの書き方|伸びる選手の振り返り3項目で紹介しているので、そのまま使ってみてください。



休みの間に、やることが決まってるって心強いです!
よくある質問
まとめ
テスト期間で部活が休みでも、やることを絞れば体は落ちません。
量を取り戻そうとせず、短くても強度のある動きと生活リズムを残すことが答えです。
| 場面 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| テスト期間中 | 心拍を上げる運動 | 1日15分 |
| テスト期間中 | ジャンプ・自重トレ | 20回×3セット |
| テスト期間中 | ボールに触る | 1日5分 |
| テスト期間中 | 睡眠・食事 | 普段と同じ |
| 再開1〜3日目 | 段階的に強度を上げる | 3日で元に戻す |
私は元日本代表として長く競技を続けてきましたが、休みが必要な時期は誰にでも来ます。大事なのは、休み方を自分で選べるかどうかです。



今回のテスト期間は、15分だけ動くようにします!



それだけで再開初日がまったく違うよ。勉強も体も、両方いい形で終われるね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
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