握力のコツ5つ|バレーに効く指と手の強さの伸ばし方

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握力のコツを解説するアイキャッチ。握力計を腕を下げて握るサルくんとあげば
  • 握力の記録が、毎年ほとんど変わらない
  • 力いっぱい握っているのに、数字が思ったより低い
  • 握る力が、バレーのどこに関係するのか分からない

こんな悩みを解決します。

握力の記録は、手の力の強さだけでなく、握りの幅と力の入れ方で大きく変わります。同じ力でも、測り方を理解している選手ほど数字が伸びます。

私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。

バレーには、ボールを握る動きはほとんどありません。それでも、オーバーハンドで指がはじかれないことや、ブロックで手がボールに負けないことには、指と前腕の強さが効いてきます。

記録の伸ばし方と、握る力がバレーにどうつながるのかをセットでお伝えします。ぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事を読むことで得られる3つのこと
  • 握力がバレーのどの場面につながるのかが分かる
  • 記録を伸ばす5つのコツと、毎日できる練習が分かる
  • 点数の目安と、握力だけでは分からない部分が分かる

それでは、くわしく見ていきましょう。

目次

結論:握力は「握りの幅」と「一気に握る力の出し方」で決まる

握力測定で腕を曲げて胸の前で握る悪い形と、腕を下げて体から離して握る正しい握力の測り方の比較図

結論からお伝えします。握力は、自分の手に合った幅で握り、腕を下げたまま一気に力を出せたかで記録が決まります。

まずルールを確認しておきましょう。

使うのは、針で数字を示すスメドレー式の握力計です。針が外側を向くように持ち、人差し指の第2関節がほぼ直角になるように、握りの幅を調節します。

直立の姿勢で両足を左右に自然に開き、腕を自然に下げます。握力計が体や服にふれないようにして、力いっぱい握りしめてください。

サルくん

腕を曲げて、胸の前でぎゅっと握るものだと思っていました。

あげば

腕は下げたまま測るのがルールなんですよ。振り回すのもだめです。

測る順番は、右・左・右・左の交互で、それぞれ2回ずつです。同じ手を2回続けて測らないのは、疲れで記録が落ちないようにするためです。

1回ごとの記録はkg単位で、kg未満は切り捨てます。右手・左手それぞれ2回のうちよいほうを選んで平均し、平均にkg未満が出たら四捨五入したものが、あなたの握力になります。

先に直す2つと、押さえておくルール
  • 人差し指の第2関節が直角になる幅に合わせる
  • 息を吐きながら、短い時間で一気に握り切る
  • 腕は下げたまま、体や服にふれさせない
  • 右左交互に2回ずつ・左右のよいほうを平均(四捨五入)

この4つを押さえれば、記録が伸びる土台ができます。他の項目とあわせて測ると、自分の弱いところも見えてきます。

握力がバレーにつながる3つの理由

ボールを握らないバレーで、なぜ握る力が役に立つのでしょうか。理由は3つあります。

理由1:オーバーハンドで指がはじかれにくくなる

1つ目は、指の強さです。握力計を握るときに働くのは、指を曲げる筋肉です。この筋肉は、手のひらから肘の近くまで、前腕の内側にのびています。

オーバーハンドパスやトスでは、飛んできたボールの勢いを指で受け止めてから押し出します。指の支えが弱いと、ボールの勢いに負けて指が後ろへ反り、思った方向へ飛びません。

指で受け止める力の土台があると、オーバーハンドが安定しやすくなります。

ただし、トスは手首を固めて打つものではありません。握る力は、ボールに負けないための「支え」として役立ちます。

理由2:ブロックで手がボールに負けにくくなる

2つ目は、ブロックです。強いスパイクが手に当たったとき、指や手首が後ろに持っていかれると、ボールは自分のコートの後ろへ抜けてしまいます。

ブロックの手は、手首を返さずにまっすぐ前へ出すのが基本です。その形をスパイクの勢いの中でも保つには、指と前腕の踏ん張りが必要になります。

バボット

指ト 前腕ガ 弱イト ボールニ 押シ負ケル

握力が強ければ必ず止められる、というわけではありません。それでも、手の形をくずさないための支えにはなります。

理由3:体の成長を数字で追える

3つ目は、変化の見える化です。握力は、特別な場所がなくても短い時間で測れて、前回との比較がしやすい種目です。

中学生から高校生にかけては、体が大きくなるにつれて握力も伸びやすい時期です。成長期は1年ごとの変化も大きいので、前の年の自分と比べると、体づくりの手ごたえを確かめられます。

一方で、疲れがたまっている日や、手をケガしている日は記録が落ちます。数字が下がったときは、責めるより体調のサインとして受け止めてください。

握力の記録を伸ばす5つのコツ

握力のコツとして小指まで指全体を巻きつけ、息を吐きながら握力計を握るフォームの図解

ここからが本題です。順番に意味があるので、上から1つずつ直してください。

STEP
握りの幅を合わせる:人差し指の第2関節が直角
STEP
指全体で握る:小指と薬指まで巻きつける
STEP
腕を下げたまま握る:体や服にふれさせない
STEP
息を吐きながら一気に握る:何秒も粘らない
STEP
測る前に手を温める:グーパーで指を動かしておく

コツ1:握りの幅を、人差し指の第2関節で合わせる

まずは、握りの幅です。ここが合っていないと、どれだけ力を入れても本来の数字が出ません。

握力計には、握る部分の幅を変えるダイヤルやねじがついています。握ったときに、人差し指の第2関節がほぼ直角に曲がる位置が、ルールで決められた幅です。

サルくん

前の人が使ったままの幅で、そのまま測っていました…。

あげば

手の大きさは一人ずつ違うので、測る前に毎回合わせましょう。

幅を自分の手に合わせるだけで、同じ力でも記録が変わります。幅が広すぎても狭すぎても、指が力を出しにくい形になってしまうからです。

コツ2:小指と薬指まで、指全体で握る

次に、握り方です。人差し指と中指だけで握ろうとすると、力が一部の指に偏ります。

小指と薬指までしっかり巻きつけて、手のひら全体で握力計を包むように握ってください。親指は、握る部分の反対側に軽く添えるくらいで構いません。

小指側の指は、ふだん使う意識が少ないぶん、力を入れ忘れやすいところです。4本の指を同時に閉じるつもりで握ると、指の力がまとまって伝わります。

コツ3:腕は下げたまま、体や服にふれさせない

3つ目は、腕の位置です。力を入れようとして、腕を曲げたり、握力計を体に押しつけたりしがちです。

ルールでは、腕を自然に下げて、握力計を体や服にふれさせないで測ります。握力計を振り回して勢いをつけるのも、正しい測り方ではありません。

バボット

腕ハ 下ゲタママ 体ニ ツケナイ

腕を体から少しだけ離し、肩の力を抜いて立ちましょう。肩がすくむと、力が首や肩に逃げてしまいます。

コツ4:息を吐きながら、短い時間で一気に握る

4つ目は、力の出し方です。じわじわ握ると、いちばん強い力が出る前に疲れてしまいます。

大きく息を吸ってから、吐きながら一気に握り切ってください。何秒も粘るより、最初から指全体で力を出す意識が大切です。息を止めて顔を真っ赤にするより、吐きながらのほうが力を出しやすくなります。

声を出すかどうかより、息を止めて力みすぎないことを優先しましょう。学校の測定で声を出してよいかは、周りの迷惑にならないよう先生の指示に合わせてください。

サルくん

ゆっくり握るより、一気に握るほうがいいんですね。

あげば

そうです。握り切ったら、すぐに力を抜いて大丈夫ですよ。

コツ5:測る前に、手と指を温めておく

最後は、準備です。冷えた手でいきなり測ると、指がかたく、本来の力が出ません。

測る前に、手を大きく開いて閉じるグーパーを20回ほどくり返し、指と手首を回しておきましょう。冬の体育館では、手をこすり合わせて温めるだけでも違います。

ただし、測る直前に強く握る練習を何度もくり返すのは逆効果です。本番の前に指が疲れてしまうので、準備は軽く動かす程度にとどめてください。

握力の練習メニュー(1日5分)

記録を伸ばすには、測る日だけ頑張っても間に合いません。握る力は、毎日の少しの積み重ねで変わっていきます。

STEP
グーパー:手を大きく開いて閉じる×30回
STEP
タオル絞り:ぬれタオルを両手で強く絞る×5回
STEP
新聞紙丸め:1枚を片手で小さく丸める×左右1枚
STEP
指立て伏せ:壁やひざつきで10回×2セット

グーパーは、指を大きく開くところまでやるのがポイントです。閉じるだけでなく開く筋肉も動かすと、指のバランスが整います。

お風呂の中でやると、手が温まって動かしやすくなります。

新聞紙丸めは、広げた新聞紙の端を片手で持ち、指だけでたぐり寄せて小さく丸めていく練習です。指先から手のひらまで、握る筋肉をまんべんなく使えます。

サルくん

握力計みたいな器具がないと、練習できないと思っていました。

あげば

家にあるタオルや新聞紙でも、握る力は十分に鍛えられますよ。

市販のハンドグリップを使う場合は、軽いものから始めてください。重すぎるものを毎日くり返すと、指や手首を傷めることがあります。

全身の筋力が高まれば、握力も伸びやすくなります。懸垂のように、握る力と引く力を同時に使う練習も組み合わせてみてください。

点数の目安と、学校での測り方

コツが分かったら、自分の位置を確かめましょう。新体力テストの得点表は12〜19歳で共通なので、中学生も高校生も同じ基準で採点されます。

正式な方法と得点表はスポーツ庁の新体力テスト実施要項で公開されています。

10段階の得点(抜粋)男子女子
10(満点)56kg以上36kg以上
847〜50kg30〜32kg
5(まん中)33〜37kg23〜24kg
323〜27kg17〜19kg

表は代表的な点数だけを抜き出したものです。正確な採点は、学校で使う得点表か実施要項で確かめてください。

まずは、まん中の得点5を超えることを目標にしましょう。男女で基準が大きく違うのも、この種目の特徴です。

サルくん

満点の56kgは、とても届く気がしません…。

あげば

まずはまん中を超えて、そこから1kgずつ積み上げましょう。

左右の差も一緒に見ておく

握力は右手と左手を別々に測るので、利き手とそうでない手の差も分かります。多少の差はあって当然ですが、大きく離れている場合は、反対の手の練習を少し多めにしておきましょう。

バレーは両手でボールを扱う場面が多い競技です。オーバーハンドもブロックも、左右の手が同じように支えられると形が安定します。

測定の前日と当日にやること

前日は、指立て伏せやハンドグリップで指を追い込まないようにしましょう。指や前腕に疲れが残ると、当日の記録が落ちてしまいます。

当日は、測る直前にグーパーや手首回しで軽く温めます。握りの幅を合わせたか、腕が体や服にふれていないかを、握る前にもう一度確かめてください。

記録にならない動きを覚えておく

記録として認められない動きも、知っておきましょう。いちばん多いのは、握力計を振り回したり、体に押しつけたりする形です。

腕を曲げて胸の前で握るのも、ルールどおりの測り方ではありません。握るときに前かがみになったり、しゃがみ込んだりしないように気をつけてください。

握力測定でやりがちな3つの失敗

記録が止まっている選手には、共通するくせがあります。次の3つに心当たりがないか確かめてください。

失敗1:握りの幅を合わせずに測る

いちばん損をしているのが、この形です。前の人の幅のまま測ると、自分の手に合わない形で握ることになります。

手が小さい選手が広すぎる幅で握ると、指先しかかからず、力が伝わりません。測る前に人差し指の第2関節を見て、直角になっているか確かめましょう。

サルくん

幅のせいで、記録が低かったのかもしれません…。

あげば

幅を合わせ直すだけで、数字は変わることがありますよ。

失敗2:力みすぎて、肩や顔に力が逃げる

次に多いのが、全身に力を入れすぎる形です。肩がすくみ、歯を食いしばって顔まで力むと、かえって手に力が集まりません。

力を入れるのは、手と前腕だけで十分です。肩の力を抜いて立ち、息を吐きながら握ることを意識してください。

失敗3:手や指が痛いのに、がまんして測る

3つ目は、無理をする形です。突き指をしている指や、痛みのある手首で力いっぱい握ると、ケガが長引くことがあります。

指や手首に痛みがある日は、測らずに先生に伝えてください。痛みやはれが続くときは、整形外科で診てもらいましょう。

握力だけでは分からない部分

ここまで良さをお伝えしてきましたが、握力の記録だけで、バレーに必要な手の力がすべて分かるわけではありません。見落としやすい部分を2つ挙げておきます。

ボールを押す力と、手首の使い方は別

1つ目は、力の向きです。握力計で測るのは、指を曲げて「握る」力です。

一方でバレーでは、ボールを指で「支えて押し出す」動きや、スパイクで手首を使って打つ動きが中心です。握る力が強くても、手首や指の使い方が身についていなければ、プレーには生きません。

打つ力は、下半身から生まれる

2つ目は、全身の連動です。スパイクやトスの力は、腕だけで生まれるものではありません。

足で床を押した力を、膝・股関節・体幹・肩・腕と順番に伝えて、最後に手へ届けています。

握力だけを上げても、途中で力が逃げていれば強いボールは打てません。握る力は、全身の力をボールへ伝える最後の支えだと考えてください。

サルくん

握る練習と、全身の練習を両方やってみます!

あげば

手の強さと全身の連動がそろうと、ボールに負けない手になりますよ。

よくある質問

握力は何kgを目指せばいいですか?

新体力テストの得点表では、男子33〜37kg・女子23〜24kgが10段階のまん中です。
まずここを超えることを目標にし、毎日の練習で1kgずつ積み上げていきましょう。

握力が強いと、スパイクも強くなりますか?

握力だけでスパイクが強くなるわけではありません。
打つ力は下半身から生まれるので、握力は全身で生んだ力をボールに伝える支えのひとつと考えてください。

測る直前に、どんなことをすればいいですか?

グーパーや手首回しで、手と指を軽く温めておきましょう。
強く握る練習を何度もくり返すと指が疲れるので、準備は軽めにしてください。

中学生がハンドグリップを使っても大丈夫ですか?

軽いものを選び、痛みが出ない範囲で使うなら問題ありません。
重すぎるものを毎日くり返すと指や手首を傷めることがあるので、タオル絞りなど指への負担が軽い練習から始めましょう。

まとめ:力より先に、握りの幅と力の出し方を整える

握力は、手の力だけの勝負ではありません。自分に合った幅で、ルールどおりの姿勢から、どれだけ一気に力を出せるかを測っています。

幅を合わせる。指全体で握る。息を吐きながら一気に。

つまずくところ直し方気をつけること
記録が伸びない人差し指の第2関節が直角の幅に合わせる前の人の幅のまま測らない
力が伝わらない小指と薬指まで巻きつけて握る人差し指と中指だけで握らない
記録にならない腕を下げて体から少し離す振り回さない・体に押しつけない
力が出し切れない息を吐きながら一気に握り切るじわじわ握らない
指や手首が痛む測らずに先生に伝える痛みが続けば整形外科へ

必要なのはタオルと新聞紙、あとは毎日の5分だけです。握力は点数のためだけでなく、オーバーハンドやブロックでボールに負けない手を作る目安にもなります。

そのうえで、手首の使い方や、下半身から力を伝える全身の練習も並行して進めてください。

サルくん

今日のお風呂で、グーパーから始めてみます!

あげば

左右の差も見ながら、少しずつ積み上げていきましょう。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

パフォーマンスアップについては他にも記事を書いています。
気になるテーマがあればぜひ読んで参考にしてもらえたら嬉しいです♪

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この記事を書いた人

バレーボール・ビーチバレーボール元日本代表。
バレーボールスクールを10年間運営。

【保有資格】
日本スポーツ協会公認バレーボールコーチ4

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