- 練習から帰ってくる時間が遅くて、夕食の準備が毎日ぎりぎりになる
- 作り置きに挑戦したけれど、品数が増えただけで続かなかった
- 何をどれだけ仕込んでおけばいいのか、そもそも分からない
こんな悩みを解決します。
部活の子の作り置きは、献立を何日分も考えるのではなく、主食・主菜・野菜の3つを別々に仕込んで、当日に組み合わせるやり方が続きます。
私は元日本代表として活動し、SVリーグで監督を務めることができるバレーボールコーチ4の資格を保有しています。
10年以上スクールで指導してきましたが、保護者の方から最も多く相談されるのが、練習後の夕食が遅くなってしまうという悩みです。
作り置きは料理の腕の話ではありません。帰ってきた選手が、待たずに食べ始められる状態を用意しておく仕組みづくりなんです。
なお、成長期の栄養は食事からとることが基本になります。この記事は家庭で続けやすい段取りの整理であり、体重や体調の変化が気になる場合は医師や管理栄養士など専門家にご相談ください。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
- 作り置きを3つの引き出しに分けて仕込む考え方が分かる
- 週2回でまわす、買い物から保存までの手順が決まる
- 食べさせるまでの時間を短くして、練習後の回復につなげられる
保護者ができる食事サポートの全体像は、こちらの記事でまとめています。
それでは、くわしく見ていきましょう。
結論:献立ではなく、3つの引き出しを仕込んでおく
作り置きが続かない家庭には、共通したつまずき方があります。月曜はこれ、火曜はこれ、と献立を先に決めてしまうことです。
献立で仕込むと、練習が延びた日や、急に食べたくないと言われた日にすべてが崩れます。1日ずれるだけで、翌日以降も回らなくなるからです。
そこでおすすめしたいのが、次の3つに分けて仕込む考え方になります。
この3つがそろっていれば、当日に組み合わせるだけで1食になります。献立を決めていないので、その日の帰宅時間や食欲に合わせて量を変えられます。
うさママ献立を立てないほうが続くの?



はい。決めるのは料理ではなく、引き出しの中身です。
作り置きの目的は、品数をそろえることではなく、食べ始めるまでの時間を短くすることです。
バレーは、ジャンプと切り返しをくり返す競技です。練習で使ったエネルギーをどれだけ早く戻せるかが、翌日の動きに関わってきます。
ここからは、なぜ時間の短縮が回復につながるのか、そして3つの引き出しに何を入れて、どうまわしていくのかを順に見ていきます。
作り置きが部活家庭で効く理由は「時間」にある
作り置きというと、家事の時短のためだと思われがちです。もちろんそれも大きな効果になります。
ただ、選手にとっての価値はもう1つあります。練習が終わってから食べ始めるまでの時間が、短くなることです。
練習後は、早く食べ始めるほど回復が進みやすい
激しい運動のあとの体は、使ったエネルギーを補おうとしている状態です。この時間帯に炭水化物とタンパク質をとると、回復が進みやすいと広く言われています。
ところが部活の生活では、この時間帯がまるごと移動と入浴に消えていきます。帰宅してから調理を始めれば、食べ始めるのはさらに遅くなってしまいます。



ネッシタ ジカン ヨリ タベハジメル ジカン
作り置きがあれば、温めるだけで食卓が整います。10分でも15分でも早く食べ始められれば、その分だけ回復にあてる時間が増えるという考え方です。
練習後の食事とタイミングの関係は、こちらの記事で整理しています。
遅い時間の食事は、量より中身で調整できる
帰宅が21時を過ぎる日もあります。そういう日に、いつもと同じ量をそのまま出すと、寝るまでに消化が終わりません。
作り置きが3つの引き出しに分かれていると、この調整がしやすくなります。主食を半分にして、消化のよい主菜を選び、油の多いおかずは翌朝に回す、という具合です。



遅い日はおなかが重くて眠れないんだよね…。



それなら量を減らすより、脂の多いものを外すほうが先です。
献立で仕込んでいると、この入れかえができません。引き出し方式にしておく利点は、ここにも出てきます。
夜が遅くなる日の食事の考え方は、こちらにまとめました。
何を仕込むか|3つの引き出しの中身を決める
引き出しの数は3つだけです。それぞれに入れるものを決めておくと、買い物のときに迷わなくなります。
主食は多めに炊いて、小分けで冷凍する
いちばん優先してほしいのが主食です。バレー選手が動き続けるためのエネルギー源になるのは、ごはんやパンなどの炭水化物になります。
おかずを豪華にしても、主食が足りなければ午後や翌日の練習でバテます。まずはごはんを、いつもより多めに炊いてください。
- 炊きあがってすぐ、熱いうちに1食分ずつ包む
- 平らな形にして、粗熱がとれたら冷凍庫へ入れる
- 1食分の量は、選手の体格に合わせて決めておく
熱いうちに包むのは、湯気(水分)をごはんの中に残すためです。冷めてから包むと、温め直したときにぱさつきます。



冷ましてから包んでいたわ…。



主食だけは逆なんです。熱いうちに包んで、平らにして冷まします。
1食分の量は、家庭ごとに決めてかまいません。ただ、部活で動いている中高生には、大人と同じ量では足りないことが多いです。
私がスクールの選手たちに伝えているのは、練習の日はごはんをおかわりする前提で考えようということです。動いた分を戻す一番の近道が、主食だからです。
炭水化物が競技にどう効いてくるかは、こちらの記事で解説しています。
主菜は味を変えて2〜3種類そろえる
2つ目の引き出しが主菜です。肉・魚・卵・豆腐など、体をつくる材料になるものを入れます。
ここでのコツは、同じ食材でも味つけを変えておくことになります。同じ味が3日続くと、どんなに栄養があっても手が伸びなくなるからです。
| 味の系統 | 例 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| しょうゆ・照り焼き系 | 鶏の照り焼き、豚のしょうが焼き | ごはんが進む。練習量が多い日 |
| 塩・だし系 | 蒸し鶏、鮭の塩焼き、ゆで卵 | 帰宅が遅い日。脂を抑えたい日 |
| トマト・カレー系 | チキンのトマト煮、豆と肉のカレー | 食欲が落ちている日 |
3種類そろえる必要はありません。2種類でも、味の系統さえ違えば十分に回ります。



3日連続で同じ味は、さすがにきついよ…。



正直な感想ですね。品数より、味の違いを優先しましょう。
野菜は「あと1品」を埋める役に絞る
3つ目が野菜です。ここを頑張りすぎると、作り置き全体が重たくなって続かなくなります。
役割はあと1品を埋めることだけと決めてください。ゆでたブロッコリー、きんぴら、ひじきの煮物のように、そのまま出せるものが向いています。
私は指導者として、野菜を完璧にとることより、練習を休まない体を保つことのほうが大切だと考えています。
野菜は、彩りのためではなく、体調を整えるために入れます。
汁物を1品足すのも有効な方法です。具だくさんのみそ汁にしておけば、野菜とタンパク質を同時に補えます。
食事全体のバランスの考え方は、補食の記事とあわせて読むと組み立てやすくなります。
週2回でまわす仕込みの順番
作り置きは、週に1回まとめて作ろうとすると破綻しやすくなります。1回あたりの作業が重く、後半は保存期間が心配になるからです。
おすすめは、週2回に分ける形です。休日に1回、平日の途中に1回。1回あたりの作業を軽くすると、続けやすくなります。
買い物と仕込みは同じ日にまとめる
いちばん時間を奪うのは、実は調理ではなく買い物です。仕事帰りに毎日スーパーへ寄ると、それだけで1週間に何時間も使ってしまいます。
順番に意味があります。ごはんを炊いている間に主菜の下ごしらえができ、主菜を火にかけている間に野菜をゆでられるからです。
買い出しの負担そのものを減らしたいなら、ネットスーパーや食材宅配を使う手もあります。届く日を仕込む日に合わせれば、買い物の時間がまるごと空きます。
保存容器は、数をそろえて形を統一する
見落とされがちなのが容器です。ふぞろいの容器を使っていると、冷蔵庫の中で重ねられず、奥のものが行方不明になります。
同じ形・同じ大きさでそろえておくと、重ねられて中身も見えます。中身が見えるだけで、使い忘れによる廃棄が減っていきます。



奥から古いおかずが出てくるのよね…。



容器をそろえて、手前から使う流れを作れば防げます。
保存容器や小分けの道具は、消耗品として買い替える前提で考えると気が楽になります。
🔎 パフォーマンスアップや日頃のケアに役立つ用品は、Amazonでバレーボール用品を探すと見つけやすいです。
安全に保存するための決めごとを家庭で共有する
作り置きで最も気をつけたいのが、保存の管理です。ここだけは、手間を惜しまないでください。
とくに夏場は、台所の温度も冷蔵庫の開け閉めの回数も増えます。家庭でできるのは、リスクをできるだけ下げる手順を決めておくことになります。
冷ましてから、浅い容器で冷やす
温かいまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がります。ほかの食品にも影響が出るため、必ず冷ましてからにしてください。
早く冷ますには、浅く広い容器に移すのが有効です。厚みがあるほど、中心が冷えるまでに時間がかかります。
- 中心までしっかり加熱してから保存する
- 浅い容器に移し、粗熱をとってからふたをする
- 取り分けは清潔な箸やスプーンを使い、直箸にしない
- 食べる前には、もう一度しっかり温め直す
取り分けのときの直箸は、意外と見落とされます。1回で食べきらない容器に口をつけた箸を入れると、そこから傷みやすくなります。
家庭でできる食中毒予防の考え方は、厚生労働省の家庭でできる食中毒予防の6つのポイントでも公開されています。
日付を書いて、期限を家族で決めておく
いつ作ったか分からない容器が残ると、判断できなくなります。ふたにマスキングテープを貼って、日付を書くだけで解決します。
保存できる期間は、料理の内容や冷蔵庫の状態によって変わります。一般には冷蔵で2〜3日程度を目安にし、それより長くもたせたいものは冷凍に回す考え方が知られています。
においや味に少しでも違和感があるときは、食べずに処分してください。
もったいないという気持ちより、体調を優先する。この判断を家族で共有しておくことが、いちばんの安全対策になります。



自分で温めるとき、どれを食べていいか分かるようにしてほしい!



いい要望です。日付と、食べていい順番を書いておきましょう。
選手が自分で温めて食べる家庭では、この表示がそのまま安全策になります。親が家にいない時間帯でも、迷わず選べるからです。
作り置きが続かないときの立て直し方
最初の1〜2週は勢いで回ります。つまずきやすいのは3週目以降です。ここで多い3つのパターンを整理しておきます。
失敗1:品数を増やしすぎて、仕込みが重くなる
はりきって6品も7品も作ると、次の週にその作業量を思い出して手が止まります。作り置きが義務になった時点で、長続きしません。
3つの引き出しに、合計4〜5品。これで十分に回ります。
減らしても足りないと感じるなら、汁物を1品足してください。具だくさんのみそ汁は、手間のわりに満足度が高くなります。
失敗2:選手が食べたいものと、ずれている
栄養を考えて作ったのに手をつけてもらえない。これは、選手の好みと合っていないことが原因である場合が多いです。
作る前に、食べたいものを1つだけ聞いてください。3つの引き出しのうち1つがリクエスト枠になるだけで、食べる勢いが変わります。



栄養で選ぶと、食べてくれないことがあって…。



食べてもらえて、はじめて栄養になります。1品はリクエストにしましょう。
失敗3:全部を手作りでやろうとする
すべてを手作りにする必要はありません。冷凍食品、レトルト、市販の総菜も、上手に組み合わせてかまいません。
たとえば主食と主菜だけ作り置きし、野菜はカット済みのものや冷凍野菜を使う。この形なら、忙しい週でも止まらずに回せます。



ゼンブ テヅクリ ハ ツヅカナイ
朝の一皿まで手が回らない日もあります。朝食の考え方は、こちらの記事にまとめました。
よくある質問
まとめ:作り置きは、食べ始めるまでの時間を買う仕組み
作り置きは、料理を上手にするための工夫ではありません。練習から帰った選手が、待たずに食べ始められる状態をつくる仕組みです。
主食・主菜・野菜の3つを仕込み、当日に組み合わせる。決めるのはこれだけです。
| 決めること | 具体的な中身 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 仕込む単位 | 主食・主菜・野菜の3つの引き出し | 曜日ごとの献立で決めてしまう |
| 主食 | 多めに炊いて、熱いうちに小分け冷凍 | おかずを優先して主食を削る |
| 主菜 | 味の系統を変えて2〜3種類 | 同じ味が3日続く |
| 仕込む回数 | 週2回に分けて、買い物と同じ日に | 週1回にまとめて作業が重くなる |
| 保存 | 冷ましてからふた・日付を書く・再加熱 | 温かいまま冷蔵庫へ入れる |
私は元日本代表として、そして指導者として、練習後の食事は次の練習の準備そのものだと考えています。
まずは今週末、ごはんを多めに炊いて小分けにするところから始めてみてください。それだけでも、平日の夕食が変わってきます。



冷凍ごはんがあるだけで、帰ってすぐ食べられるね!



そこが出発点です。まずは主食から整えていきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
コンディショニングについては他にも記事を書いています。
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